出直して来ていいですか?   作:ブルーな雛菊

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前日章、アウトブレイク編はこれが最終章。
次章はバイオハザード2編~(リアルの都合で一時更新ストップ・ゲーム未クリアなので( ´;゚;∀;゚;))
続くかどうかも(未定)





持つべきものはマスターキー!

静まり返った駐車場、動くものは私を除いて誰もいない。

「4発…」

託された銃の弾数を確認し、駐車場を後にした。まだ悲しむ暇はない、戦闘続いている。

 

~正面ゲート ~

正面ゲートでは未だに激しい銃撃が行われていた。

「現在ゲートは何とか抑えている。後5分位は持つと思うが急いでくれ。市民は押収物保管庫に避難してあるが、途中の西側通路に見たこともない怪物が居て近寄る事が出来ない。無理にとは言わないが…可能なら押収庫の市民も救出したい。頼めないか?」

 

ルナに気付いた選抜警官が現在の状況を説明してくれた。一応、一般人と言っている私に怪物を押し付けるのはどうかと思うが…駐車場に救出しに行った私が誰も連れずに戻って来たことに触れない心遣いは正直嬉しい。

 

ルナは選抜警官隊のバンから、とある装備を持ち出して西側廊下に向かった。

 

~西側廊下~

ガリガリと硬い物が廊下に擦れる音が響く。当然、グロテスクな怪物…リッカー達も新しく侵入してきた獲物の存在に気付いた。

リッカーは頭部…脳が異常に肥大しており、通常目があるはずの場所まで占領している。視力はなく、かわりに聴力が発達した事で視覚を補っている。

 

(とはいえ呼吸や衣擦れ音までは感知しないか……)

廊下の先に怪物が2体、此方の存在には気付いたが場所までは特定出来ていない様だ。

(わざわざ名乗ってやる義理もないな。)

ブローニングを引き抜き撃鉄を落とす。撃鉄はファイヤリングピンに当たりピンはカートリッジの信管を叩く。信管から散った火花は内部の装薬に引火し、爆発的なエネルギーを生み出し、弾頭部の鉛を押し出す。

大気を押し退けながら発射された弾頭は、まるで吸い込まれる様にリッカーの剥き出しの脳に着弾していく。

 

一見、頭部が剥き出しで弱点だらけの怪物に見えるが、アンブレラが生体兵器のベースに採用しようとしただけあり耐久性は高い。4発の9mmを頭部に貰ってなお、此方に接近するリッカーの勢いは衰えない。後ろ足を踏みしめ、まだ10m程離れているにも関わらず一気に飛びかかってきた。

 

後ろに引かれ、勢いよく振りかざされようとしている爪の威力は、天井にへばりつき歩行した際のコンクリートに残された穴や、金属製のドアに深く残された爪痕を見れば容易に想像できる。

 

ルナはエージェントのガチェットである携帯式高性能盾であるバリスティックシールドを展開する。携帯式であるにも関わらず7.62mmくらいまでなら耐え抜く事の出来る盾だが、リッカーの爪を防ぐ事は出来そうもない。

(そんなことくらい私だって理解してる!)

ルナ自身もリッカーが飛び出した瞬間、盾を構えながら踏み出し突撃する。結果、リッカーが爪を振りかざす前に盾が剥き出しの頭部と衝突した。

「どいつもこいつも、ふざけやがって!」

盾の角度を変えて、そのままリッカーを真上に打ち上げた。

切り揉みしながら落ちるリッカーを、ナイフで頭部に一閃する。

床に落ちて行動を停止したそれに、盾を振り下ろし頭部を粉砕する。

 

もう一体のリッカーが舌を伸ばす。

まるで弾丸の様に迫る舌を盾で防御し、そのまま廊下の壁と盾でサンドして引き戻せなくした上でナイフで舌を貫き壁と固定した。

 

ルナは戦闘が始まる前に投げ捨てた装備を掴み上げ引きずりながらゆっくりと身動きを取れないリッカーへ近寄る。爪が届く範囲に入った事を察知したリッカーが爪を振り抜くが、その爪は空を切ることとなる。ルナは上半身を大きく反らしスウェーを行い、ブリッジに近い状態から床に手を付きそのまま遠心力ののったサマーソルトの様な蹴りをリッカーの顎に見舞った。延ばされままの舌は自身の牙で噛みきられ、のたうち回る。

装備を構え直し自身の体ごとリッカーに突進し打ち付ける、一発目でリッカーを押収庫の扉の前へ追いやり二発目で扉とサンドするような形で打撃を加える…重量18kg、金属製、バッタリング・ラムと呼ばれる破城槌である。

(やはり私では威力が出ないか)

ルナの持ち出したバッタリング・ラムは鍛え上げられた隊員が2人係りで使用するものだ、重い金属の棒を少女の力では振り抜く程の力はない。とは言えども、リッカーもその後ろの扉もダメージが入っており後一息といったところだろう。

ルナは破城槌のスリングを掴み、ハンマースルーの様に自身を軸に破城槌を振り回し遠心力ののった一撃を見舞う。

 

リッカーが最期に感じたものは「ふぅん!」という掛け声と共に、重い何かが風を切る音と、HELLOと刻印された金属棒が自身の骨を砕く音だった。

 

 

[バン!]という音と共に勢いよく扉が開いた。

押収庫の中には女、子供、負傷者が詰まっている。扉付近の女性が「oh……Jesus」と呟きやがら少女に何かを向けている後ろ姿が見えた。

(や・ら・せ・る・か!!!)

ルナは女性にタックルし少女に向けられた銃口から射線を外す。

 

「諦めるのはまだ早いですよ、迎えに来ました。脱出しましょう。」

感謝の声と共に抱きつかれる。助からないと思っていた分、その安堵と喜びは計り知れない。

(貰い泣きしそう……)

助けれた命があれば、助けられなかった命もある、死を間近に感じるこの街で誰かの為になった事が…ルナは心から嬉しかった。

 

「…まだ気を抜かないで下さい。正面ゲートを確保してます、急ぎますよ!」

震える声を隠す様に声を張り上げて、生存者を引き連れルナは進む。

 

~正面ゲート~

「ありがとう!本当にありがとう!」

警官と生存者から感謝の言葉を貰う。

 

「撤収を開始するぞ、車両に乗り込め!」

次々と乗り込む生存者達

(本来なら選抜警官隊も、署内の警官も全滅する筈だった…)

最初に警官隊を援護したのが大きかったのだろう、署内でも本来支払われる筈だった犠牲よりも遥かに少ない。

 

 

[此方ガーランド、警察署を確保。しかしバリケードは突破され防衛に回せる人員も不足しているため、市民を街の外に脱出させようと思います。許可を願います。オーバー]

少し離れた所で本部に連絡する。

 

[此方SHD本部、市民の脱出を許可する。現在政府上層部の動向を監視しているが、街の汚染状況から戦術核による滅菌作戦が提案されている。また、貴女が入手したecho情報からアイアンズ署長がこのアウトブレイクの一件に深く関わっていると予想される。]

[よって、任務を作戦拠点確保からウイルス情報やバイオテロを起こした組織の情報収集に変更する。オーバー]

 

[了解した。市民の護衛と、滅菌作戦前の隊員の脱出は如何されますか?オーバー]

 

[市民の持っている電子機器は、既に我々が追跡している。エスケープポイントに到着したら迎えをよこす。隊員の脱出はヘリを向かわせる、時間まで情報収集に専念しろ。オーバー]

(つまり私が市民を護衛することは許可出来ないということね)

[了解。アウト]

 

 

視線を戻すとマービンとリタが言い争っているのが見えた。

「マービン!早く乗って!」

「俺は噛まれている、一緒に行っても足手まといになるだけだ」

 

(バイオハザード2でレオンやクレアに状況を説明する大事な役だったね……でも、彼しか出来ないって事ではない。)

「噛まれているのは貴方だけではないし、水道施設の水が汚染されている事が確認されている、全員が感染の恐れがある。それでも貴方は、感染したからここに残るという選択をとるの?」

 

「君は……?」

「一般市民です!」

マービンとリタは揃って怪訝な表情を浮かべている。マービンは目の前の少女を観察する。持っている銃器は目視出来るだけで3つ、明らかに重装備だ。この暴動だ、それは不思議ではないかもしれない…だが、誰も知らなかった情報を知っていたり、返り血が大量に付いたロングコート、顔全体を覆うガスマスクが市民じゃないことを物語っている。というか信じろという方が無理がある。

 

「という事らしいです!残っても結果は一緒なら付いてきて手伝って下さい!」

リタは信じてはいないが、ここぞとばかりにマービンの同行を促す。

 

「ラクーン大学に向かって下さい。あそこのグランドは広いので、ヘリの離着陸が出来ます。それに医学部が特効薬を開発しているかもしれません。」

生存のヒントを与える。彼等がデイライトを手にいれるかはわからないが護衛に警官隊が付いている。ゲームよりも難易度が下がっていると思いたい。

渋るマービンの背中を押して無理やり車に押し込みドアを閉める。

 

「ジェーンさん、準備が出来ました。貴女も早く車へ。」

「ごめんなさい。私は此所でやるべき事があるから一緒には行けない。」

 

警官隊から声がかかるが同行しないと伝えて署に向かって歩いていく。

背後で[ザッ!]と統率された足音が聞こえる……敬礼でもしてくれているのだろうか…ルナは振り返ることなく拳を掲げ、生存者との別れをつげる(安全を願う)

 

 

 

 

~9/28 0:00 警察署内~

(任務は情報収集…署長を探しつつ地下研究所の入り口を探す。途中、レオン君やクレアに合ったら援護しながら手伝って貰うか。)

 

これからの事を考えながら署内を探索する

 

~1:00~

(おかしい……私の知っている警察署のマップとは違う気がする。鍵の位置も記憶とは違う場所で発見した。)

 

~2:00~

[スキャンを開始………構造物の下に空間を検知]

ロビーの石像の下に部屋か、通路があるようだ。

(ここから下水道にでて研究所に向かえるのかしら。)

銅像には丸い窪みが3つあり、メダルを組み込めば通路が開くのだろう。最優先でメダルの確保しなければ…

 

~4:00~

[解析中……ロックを解除します。]

電子ロックをハックして武器庫の施錠を解除した。ここら辺はエージェントにとってはお手のものだ、解除に10秒も必要ない。問題なのは物理的な鍵だ。ピッキングツールなど持ち合わせていないので、面倒だが鍵を探すしかないだろう。

(ダイヤの鍵……どこ?)

広い署内の中、途方にくれる。

 

~8:00~

やっと一つ目のメダルを入手出来た。

メダルは石像の台座に固定されており、3つの絵柄の付いたダイヤルを合わせる事で手に入る仕組みだった。そして、私はすんなり絵柄を合わせたのではない。何百通りもの組み合わせを1から全部試し、やっとの思いで入手したのだ。

(あと……2つ)

任務を開始する前から数えて既に3日目に突入している。一睡もしていないので酷く眠い。頭痛がする……

(鍵もまだ見当たらない、爆破用の信管は見つけたけど何で電池入ってないの!?)

 

~13:00~

2つめのメダルを手にいれる為に、がむしゃらに絵柄を揃えていく……

(署内にヒントがないかと思って、探し回っているけど見つからない。きっと生き残りが命懸けで署内を探し周りレオン君に託して息を引き取るってイベントなんだろうけど…)

署内の生存者は昨日の段階で脱出させてしまい、ゲームでいうNPCが入手する予定だったヒントを得る機会を失ってしまったのだ。

(後悔はしていないけど…)

ため息をつき、再度絵柄合わせに取りかかる。

 

~15:00~

きっと私は疲れていたのだろう…鍵なんて探す必要なんて、最初っからなかったというのに…。取調室の鍵のかかった部屋なんて、マジックミラーを破壊して反対側に行けばいい。鎖の巻かれた扉もドアごとマスターキー(破城槌)で開ければいい。信管なんていらない、C4なんて使わなくても床と鉄格子の間に手榴弾を挟み込んで吹き飛ばせば、蝶番の部分が破壊されて開くのだろう。メダルの固定された台座も材質は石材だ、マスターキー(破城槌)開ける(破壊)ことが出来る。

 

「何で~こんな簡単な事に気づかなかったのだろう~」

愉快で笑いが込み上げてくる。

「署長さん~何処に居ますか~?ぶち殺して情報聞くので出て来て下さい~」

「あれ?殺したら情報が聞けないかな?まぁ、いいや。殺してから考えよう。」

 

(血と汗でベトベトだ~メダルをあと一個手にいれたら、適当な服に着替えて仮眠しよう。)

ルナは笑いなが署内のドアを開けて(破壊)回る。

その日、警察署では重い何かを引き摺る音、衝撃音、肉を叩く音と笑い声が響いていた。

 




ルナちゃん睡眠不足でぶちギレてます(笑
尚、充分な睡眠を取れれば通常モードに切り替わります。




~9/28 17:00 警察署前~ 番外編バイオハザード3
「ジル!ジル!助けてくれ!追われている」
元スターズ隊員のジルが、武器の確保の為に警察署の門をくぐった時、背後から同僚の声が聞こえた。ブラッドが酷く慌てた様子で此方にかけて来ている所だった。駆け寄るブラッドだが、突然空から降ってきた巨体が2人の間に降り立つ。
「糞!くるな!うわぁぁ」
無情にもブラッドは持ち上げられ頭部を触手で貫かれる。
振り返った怪物は「スターズ!」と言葉を漏らす。
(明らかに私を狙っている。それだけの知能がある。)
ジルは絶句する。その巨体は暴君タイラントを思い出させる面影がある、その全身凶器とも呼べる暴君がジルの息の根を止める為だけに投入されているのだ。
いくら命があっても足りない、ジルは迷わず警察署に逃げ込んだ。
(中までは追って来ないようね)
安堵し、署内を見渡す。静まり返った署内、足元にはいくつもの薬包が転がっていることから、何が起こったか用意に想像できた。
(警官は全滅か……)
婦警のリタなどジルにとっても仲のいい職員もいたが…死体がないということは今頃、感染者の仲間となり街をさ迷っているのだろう。
外の異変に気付くのが遅すぎた自身、己の無力さに歯を食い縛る。

(悔やんでも仕方ない、武器を確保しよう)
当初の予定通り武器庫に向かうことにするが、途中の景色にジルは唖然とする。開けっ放しにされている扉、見たことのない怪物の死骸、頭部が破壊されている死体の山[顔の皮膚にHELLOと判子の様に刻印がされている]に正面ゲートで見たような知能を持った生物兵器がいるのではないかと警戒を強めた。
作戦会議室の前を通る際、全身の毛穴が総立ちした。
(この中に何かいる……)
タイラントや先程の追跡者ですらこんなことはなかった。全身がこの部屋に入るなと警鐘を鳴らしているようだった…ジルは会議室に入らずに足音を立てずにその場を去る。

一階の武器庫はロックされておりカードキーは持ち合わせていない。スターズオフィスは何故か武器庫が開いていた為、武器を回収することが出来た。スターズオフィスから階段を降りて来た道を戻る時、正面ゲートで出会った巨体が一階の階段付近の窓を突き破って侵入してきた。ジルは慌てて作戦会議室……のドアではなく、西側オフィスからホールへと逃げる。
追跡者…ネメシスも後を追おうとするが、その時会議室のドアが開いた。
中から現れたのは、返り血で真っ赤に染まったロングコート着た小柄な人影
「あれれ~ネメシスさんじゃないですか~貴方を倒せばダイヤの鍵を落とすのかしら~?(もう要らなくなったけど)
それとも~逃げ隠れてる署長さんの居場所を知っているのかしら~?」
「ねぇねぇ、アンブレラさん~どうせ隠れてデータをとっているのでしょ?ねぇねぇ……この糞ったれな状況を作り出したド阿呆の居場所を教えてよ?」
真っ赤に染まった鉄の棒を引き摺りながら、まるで散歩に行くかのような気軽な足取りで追跡者との間合いを詰めてくる少女。
ネメシスは標的ではないが任務の邪魔となる障害と見なし排除の為に動き出す。
ブラッドにしたように掴み上げようとするネメシスの手を、地を這う様に姿勢を低くして避けた後、その場で2回転、槌のスリングを持ち遠心力の乗った破城槌をネメシスの口元に叩き込み顎と歯を破壊する。槌を放り投げて近距離で2発、両目に9mmを撃ち込み視力を奪う。
歯の抜けた口にM93Rを突っ込み、弾が切れるまで怒涛のバースト射撃を見舞った。
(頭を潰しても、熔鉱炉の中に突き落としても復帰するような怪物だから時間稼ぎにしかならないけどね…ジルちゃんも大変だね~)
会議室で見つけた信管の電池を持って3つ目の石像の場所へ向かうルナ……
ボコられ放置された追跡者?そう……ただの八つ当たりである。
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