牙狼〈GARO〉 大和の輝き   作:ザルバ

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序章

 牙狼、それは魔戒騎士の誰もが憧れる称号。幾人もの魔戒騎士が牙狼剣を抜こうととある島へ足を運び剣に触れるも誰一人手抜くことはかなわなかった。

 しかし、ただ1人の少年がその剣を抜いた。黄金の輝きを失った牙狼の鎧の牙狼剣を。そして少年はボルシティーで二人の魔戒騎士と魔戒法師に出会いホラーと魔導ホラーを斬り、成長し、一時は目を失っても諦めずに戦った。

 母が息子のために残した希望を、師が弟子に託した希望を彼は誇りを持って手にし、そしてあの・・・・・・

「尊士!俺は貴方を倒し、黄金の輝きを取り戻す!」

 その少年が纏った黄金の輝きを失った牙狼の手が魔導ホラーを貫通し、牙狼は黄金の輝きを取り戻した。そして蘇えったゼドムに三人の魔戒騎士は挑み、そしてゼドムを剣に封印した。それから二年経った今・・・・・・

 

「ハァ・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・・」

「へへへ、おめぇみていなキャツが調子に乗んじゃねえよ。」

 人通りの少ない裏路地にホームレスをイジメるチンピラ。そこへ一人の黒いコートを身に纏い、金属の獣の牙のペンダントを首から下げている少年が近づいてくる。

「おい、アンタ。」

「あ~ん?なんだてめぇ?」

「早く逃げろ。食われるぞ?」

「はぁ?何言ってんっ!」

 チンピラがホームレスを見た瞬間、ホームレスの口が化け物のように開いていた。チンピラはホームレスを見て恐怖し腰を抜かす。

「ば、化け物だ~~~~~~~~~!」

 チンピラはヘッピリ腰でその場から逃げてゆく。少年はホームレスを見て言った。

「最近ホームレスやチンピラの失踪が相次いでいるから来てみれば・・・・・・・あんたの仕業か。」

「ああ。ホームレスは人生に堕落している上に絶望に落とすと最高の味になり、チンピラも絶頂から絶望に変わればコクのある味になるからな。お前も同じ穴の狢か?」

「いや・・・・・」

 少年は紅い剣を取り出す。

「あんたらを刈るもんだよ。」

「っ!貴様、魔戒騎士か!」

「ああ。早速だが・・・・・・陰我を断ち切るぜ!」

 少年は剣を左手で抜刀しホラーに切りかかる。ホラーはバク転をして回避し壁を伝って上へと登ってゆく。

「逃がすか!」

 少年は壁を蹴りホラーを追いかける。ホラーと少年は屋上にたどり着いた。

「かぁ!」

 ホラーは少年に向けかかと落としをしてくるが少年は右腕でその攻撃を受け止め弾き返す。

「くぁああああ!」

 ホラーは腕を大きく振り少年に攻撃しようとするが少年は右手でその攻撃を流す。ホラーは後ろに跳び距離を置く。

「なかなかの腕前だな。ならばっ!」

 ホラーは本来の姿に変わった。そのホラーは両手がまがまがしい鋭い爪を持ち、背中には二本の鎌を持った腕が生えていた。

「おいおい、こいつはギディエル、卑怯者のホラーだ。」

「じゃあ何かやられる前に倒すか。」

「させると思うな!」

 ギディエルは鎌を投げつけてくる。少年は後ろに跳びながら剣で鎌を地面に叩きつける。

「かぁあああ!」

 ギディエルは走りながら次の鎌を構え、少年の背中を鎌で狙い、正面を鋭い爪で狙おうとする。少年は剣を天に付きたて、空間を裂き、円を描き、振り下ろす。描かれた円からまばゆき光るが盛れ、鎧が召喚されギディエルの攻撃を弾いた。

「なっ!」

 ギディエルは後ろに跳ぶほど恐怖をした。

「まさか・・・・・・・お前が!」

 ギディエルの前に現れた少年は、ホラーならば誰もが恐怖する存在。

かつて、始祖ホラー七体を封印し、戯阿音を倒し、約束の地から戻ってきた伝説の騎士の鎧。

 全ての希望になる存在。

 魔戒騎士の誰もが知る存在。

 その名は黄金騎士牙狼。

 牙狼はギディエルに向かい一歩、また一歩と歩み寄って行く。

「な、なめるぅなぁああああああ!」

 ギディエルは自棄になり牙狼に向かい特攻する。

「ふんっ!」

 牙狼はギディエルを蹴り上げると、牙狼剣を抜刀し上に跳ぶ。

 グォオオオ

 牙狼の鎧が雄叫びを上げると同時に牙狼はギディエルに近づき・・・・

 斬!

 多々一振りでギディエルを二つに斬った。

「ギャアアアアアアアアアア!」

 ギディエルは断末魔の叫びを上げながら消滅してゆく。少年は地面に着地し、鎧を解く。

「ふう・・・・・以外にやるな。」

「嘘をつけよ。早く番犬所に戻ろうぜ。」

「そうだな、ザルバ。」

 少年はその場から姿を消した。

 

 魔戒騎士が封印したホラーを短剣に変えるために訪れる場所、番犬所。少年は口を開いている狼のオブジェから封印されたホラーの短剣と掴んでいた。

「はい。」

「ご苦労様です。流石黄金騎士といったところですかね。」

「そんなたいそうな事していませんよ。」

「そうですか。それより貴方に大事なお話があります。」

「なんですか?」

「元老院からの指令書です。」

 少年は指令書を受け取り指令書を魔導火で焼き、指令を呼んだ。

「・・・・・・そっか。川神に戻るのか。」

「おや!川神出身だったのですか?驚きです。」

「いや、過ごしていたのは小学三年生までですよ。それ以後は羅号と一緒に過ごしてましたし。」

「そうですか。元老院からの指示で貴方の入学手続きは済ましております。」

「へ?」

 少年は間抜けな返事をする。

「一応貴方の年齢は高校二年生の年齢です。それに貴方は頭も大学生並に匹敵していることは把握済みですよ。」

「個人情報筒抜けだな。」

 ザルバの言葉も最もである。

「こことも最後ですか。」

「貴方が向こうでも活躍することを応援しています。」

「はい。あ!そういえば何時までに向こうに行けばいいんですか?」

「そうですね・・・・・始業式の日までですね。他の二人の魔戒騎士も同じ日に向かうでしょうし。」

「わかりました。」

 少年は川神向け足を踏み出した。

その少年の名は直江大和。

 

 北の管轄になった魔戒騎士は小川で一休みをしながら夕日を見ていた。

「お兄ちゃん、どうして夕日を見てるの?」

「んあ?」

 その魔戒騎士は金髪で紅いコートを身に纏っているが真面目に上までファスナーを閉めていた。そんな魔戒騎士に小学生が話し掛ける。

「明日ここを離れるんだよ。最後にここの光景を目に焼き付けておこうと思ってな。」

「えっ!ここからいなくなっちゃうの!」

「まあな。」

 小学生は少し寂しそうな顔をする。

「そんな顔すんなよ。ほら。」

 そう言って魔戒騎士はコートからおにぎりを出し、小学生に渡す。小学生はそのおにぎりを口へ運ぶ。

「塩が効いてておいしいね。」

「そっか。」

 魔戒騎士は小学生の頭を撫でる。

「そろそろ帰らなくてもいいのか?」

「あっ!いけない!じゃあね、お兄ちゃん。またいつか会おうね。」

 小学生は元気良く別れの挨拶をして家へと戻って行った。

「さてと。」

 魔戒騎士は立ち上がり足を進める。

「さてと。行くか、川神!」

 魔戒騎士は川神へ向け足を進める。その騎士の名は蛇崩猛竜、炎刃騎士・漸の称号を受け継ぐ者。

 

 魔戒騎士を束ねる元老院。そこに勤めている眼鏡を掛けた一人の魔戒騎士が元老院の神宮グレスに呼び出されていた。

「お呼びでしょうか、グレス様。」

「よくぞ来てくれました。実は貴方に行ってもらいたいところがあるのです。」

「何処なのですか?」

「場所は川神。そこで不穏な動きがあります。貴方以外にも二人の魔戒騎士をそこへ派遣しています。貴方とその二人の魔戒騎士はそこの学生としてその地域に潜伏し、ホラーを討伐してください。」

「学生としてですか!」

「はい。貴方の年齢は高校二年生の年齢ですので問題はありません。なお、二人の魔戒騎士は貴方の良く知る魔戒騎士ですので大丈夫でしょう。」

「私の良く知る?」

「はい。では、お願いします。」

「わかりました。この楠神哀空吏、天弓騎士・牙射の名に恥じぬように精一杯任務を全うします。」

「期待しております。」

 哀空吏は川神へ都市を勧める。

 これから出会う者達との出会いは彼らに何を与えるのか。彼らに待ち受けるのは国を賭けた壮大な戦いの火蓋であることに、まだ誰も知らない。

 

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