牙狼〈GARO〉 大和の輝き   作:ザルバ

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 晴れ晴れとした夏休みのある日のこと、百代と大和は七浜に来ていた。

「久しぶりにきたなー、七浜!」

「俺も。」

「だが大和、何故こんなことをしようと思ったのだ?」

「ん?なーんとなくね。」

「そうか。なら今日は容赦なくおごってもらうッッ!!」

 キリッとした表情で百代は発言した。

「まあいいや。」

「ホントか!」

「うん。俺もここ久しぶりに来て食いたいところあるし。」

「ほー。では何処にする?」

「とりあえず中華街に。」

 一見すればデートのように見える光景を陰から見ている人たちがいた。言うまでも無く風間ファミリーの面々である。

「大和の奴百代さんとデートしてるぜ。ナイスガイな俺様を差し置いて。」

「ガクトがナイスガイじゃないのは昔っから。」

「というかムサイ。」

「大和と比較にならないほど大和のほうがいい。」

「ガクトさんの場合モテる要素が見つかりません。」

「グハァ!」

 京、ワン子、クリス、まゆっちの順にガクトは非難される。

「あはは、皆容赦ないね。」

「でもうちの女子は堂々といえるから強いぜ。それより哀空吏と猛竜はどうした?」

 風間ファミリーの女子を褒めるキャップがある事に気付いた。

「さあ。なんでも外せない用事って話だよ。」

「ふーん。」

「なあお前ら、早く尾行しようぜ。」

「だがこういう行為は覗きではないか?」

 クリスがそう言うとガクトが抗議を始める。

「人聞きの悪いことをいなくリス!これは俺たちの親心!100パー善意!後ろめたいなら帰りたまえ!」

「む・・・」

 ガクトに言われクリスはしばらく考え込み、そしてこう言い放った。

「お、親心なら仕方ないな!」

 クリスはそういうも少し頬に照れが見える・

「どうやら好奇心に理由をつけたんだぜー。」

「あはは。」

 松風の言葉にまゆっちは苦笑をする。

「なー、もう確認したしせっかく来たから七浜で遊んで行こうぜー。」

 キャップが尾行に飽き飽きしだした。

 

 裏路地の中華街、大和と百代は一緒に食事を取っていた。

「いいな、辛味が効いていていながらもあっさりしている。」

「こっちのレバニラもレバが柔らかくて美味いよ。」

「ホントか!」

 百代は料理を口に運ぶ。百代の満面の笑みを見て大和は微笑んだ。

「ん!どうした大和?」

「いや・・・・・・こういう光景を見ていると平和を感じるよ。」

 一方その頃ガクトたちはというと

「いきなり見失ってんじゃないのよ!」

「豚まんに気を取られてたのは誰だよ!」

「ガクト、どこか分かるんでしょ!」

「俺様の勘が正しければこっちだ・・・・!」

「その勘で迷ってんだけどね。」

 

「あらま。」

 大和と百代が店から出てみると雨が降っていた。

「困ったな。」

「だいじょーぶ。」

 そう言うと大和は懐をゴソゴソと探り始め一本の傘を取り出した。

「おお!何かの手品か!」

「んー、そーしといて。じゃあ俺もう一本傘買ってくるわ。」

「こらこら。」

 傘を買おうとする大和を百代は止める。

「なにいってんだ。一本でいいぞもったいない。」

「え?どうすんの?」

 百代は傘を開くと大和の腕を掴み自分に引き寄せ傘に入れる。

「相合傘だなー。」

「いいの?」

「この状況、周囲から見たら私達がどう見えるかクーイズ。」

 大和はしばらく考え込み、答えを出した。

「年上の荷物持ち。」

 百代はズコッと倒れかける。

「恋人って回答は無かったのだな。」

「だって姉さんに釣り合う様に見えるような男じゃないでしょ。」

「自信が無いのだな。」

「そんなんじゃないよ。」

 その後も大和と百代はショッピングモールを見回ったりした。

「ゴメン姉さん、ちょっとお手洗いに。」

「うむ。早く戻れよ。」

 そう言うと大和はお手洗いの方に向かうが用を足しに来たわけではなかった。

 大和は個室に入ると壁に背もたれをする。

「元老院からの使者です。」

「ああ。なんだいこんなところに呼び出して?」

「実は最近総理を失脚させようとしている族が見つかりました。」

「へぇ・・・・・で?それがどうかしたの?」

「つい最近まで下っ端だったのが一気に総理に近づけるまでの力を持ち始めたのです。」

「怪しいね。」

「はい。それと不穏なうわさが後を絶たないとのことです。」

「それはそれは。まだうかつには近づけない。」

「ええ。今の状況では危険です。彼を調べていた私立探偵が突如消息を絶ちした。」

「喰われたか?」

「おそらくは。」

「そうか。また何か分かったら知らせてくれ。」

「はい。ああそれと元老院でグレス様からの伝言です。『学生としての時間は楽しんでいますか?』と。」

「じゃあ伝えてくれない?川上の高校生活は普通じゃないって。」

「ではそう伝えておきます。」

 そして大和はお手洗いを後にした。

 

「で、最後は縁日だ。」

「久しぶりにこういうのに参加するよ。」

「そうなのか?以外だな。」

「ちょっとワケあってね。それよりどう?その浴衣。」

「ああ、結構センスがいいな。」

「えがった。」

「しかしここまで用意していたのか?」

「んにゃ。別にそのままの服装でもいいかなーて思ったけど周りに浴衣着ている人多いからどうせならって思って。」

「ふふ、お前は優しいな。」

「そう?」

「ああ。そこで優しい大和に頼みたいことがあるのだが・・・・・」

「借金以外でお願いします。」

「ムードを壊すな。まあいい。頼みたいのはあそこの金魚すくいだ。」

 百代が金魚すくいの出店を指差した。二人はその店の金魚を覗く。

「あいつ、良い感じだな。色が綺麗で生命力がある。なかなかの強者だ。」

「青文魚か・・・・たしかに。じゃあ挑戦してみようか。オジサン、いっちょお願い。」

 大和は屋台のオジサンにお金を渡しポイを受け取る。

 大和は感覚を極限に研ぎ澄ます。

 一瞬、ほんの一瞬で勝負は決まる。

 大和は水面を自身の吐息で揺らさぬように小さく呼吸をする。

 屋台のオジサンも思わす息を呑んでしまう。

 そして大和はポイを一気に水面に刺し青文魚を捕らえた。

「ほい。」

「くー、まさか採られるとは思わなかった!そいつは活きのイイヤツのうちの一匹だからなかなか取れないとは思ってたのによー。」

「ふふ、やるな大和。」

 一方その頃尾行しようとしていた風間ファミリーはというと

「あーあ、結局見つからなかったね。」

「探索ゲームぽくって面白かったぜ!」

 お面を頭に掛け屋台のお菓子を持っているワン子にキャップが焼きそばを食いながら返事をする。

「あっ、いた。」

 京が大和と百代の姿を見つける。

「おーむがっ!」

 大和たちにキャップが声を掛けようとすると京が口を塞ぐ。

「まだ面白くなりそうだからこのまま観察。」

「おお、俺様もその意見に賛成!」

「私も!」

「僕も。」

京の提案にガクト、ワン子、モロが賛同する。

「おい、裏山の方に向かうみたいだぞ。」

「早く追いかけましょう。」

 クリスとまゆっちの言葉に皆は大和たちを追いかける。

 

 人気の無い裏山。デートするカップルにとっては絶好の場所である。

「大和、今日はありがとう。」

「どーいたしまして。」

(全く。デートみたいなのは口実で本当は情報交換と人気の多いところのゲートの確認をしてたのにな。)

(ザルバ、間違っても喋るなよ。)

 一見すれば百代とデートしているように見えるが大和の本当の目的は七浜にゲートの確認をしていた。ゲートになりそうなオブジェを見つけては札を貼っていた。

「それにこれももらったしな。」

 百代はそう言いながら青文魚の入った水袋を見せる。

「話は変わるが・・・・・・大和、どうしてそのコートにそれをつけているんだ?」

 百代は大和のコートにつけている蒼い花のポーチを指差す。

「これ。・・・・・・・・・・これは母さんのなんだ。」

「っ!お前の母さんのか?だが私が聞いた話では・・・・・」

「うん。死んだって聞いてたけど・・・・・・・生きてたよ。でも・・・・・・」

 大和は深刻な顔をする。

「・・・・・・・なにがあったんだ?」

「・・・・・・・死んだんだ。俺の腕の中で。」

「っ!!・・・・・・・・・すまない。」

 百代は驚き、暗くなる。

「気にしないで。それに俺母さんは今も一緒にいるから。」

 大和はそう言いながら自身の目を触る。

「・・・・・・・・。」

 百代は無言で大和に近づくと抱きしめた。

「・・・・・・姉さん?」

「泣きたいのなら・・・・・・・泣いてもいいんだぞ。」

 百代のそんな反応を見て大和は顔には出さなかったが驚いた。だが大和は泣こうとせず、百代の肩を掴み自分から少し離した。

「大丈夫だよ。もう涙はあのときに十分流したから。」

「・・・・・・・・そうか。」

 

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