川神大戦が終わった夜、島津寮では打ち上げが行われていた。川上大戦の勝利が本題だが一番目を引いたのは大和が百代に勝ったことである。だがそんな中でも・・・・
「まゆまゆはいいおっぱいしてるな。」
「も、モモ先輩!やめて下さい!」
百代は相変わらず女子に絡む。もっともこんなことになっているのは川神水を飲んだからであるが。
「姉さんは相変わらずだね。」
大和はコップに入った川神水を持ちながら言うと百代が絡んでくる。
「や~ま~と~、お姉さんは驚かされたぞ。まさかあそこまで強くなったとはな。しかも最初ッから錘を付けてるなんて。」
『はっ!?』
哀空吏と猛竜以外は驚く。
「大和、今のは本当か?」
「うん。」
クリスに聞かれると大和は頷く。
「でもよ、なんで錘なんてつけたんだよ?」
「もしかしてウォーミングアップを早くするため?」
ガクトは疑問を持ちモロは推測を言った。
「いやいや、手加減が難しいから最初っから付けてたんだよ。百代姉さんの時は本気でやってたんだけど。」
「なるほどね。でも百代お姉様を負かしたんだから今度は大和を超える勢いで修行をするわ!」
修行に意欲を燃やすワン子。
「ワン子がそこまでなるなら私も負けられないな。マルさんの次は大和を越えることにしよう。」
「私はモモ先輩を超えられてからにします。」
クリスもまゆっちも強くなる意気込みを言う。大和は思わず苦笑いをした。
(なんか・・・・・変な方向に導いちゃった。)
島津寮の風呂で大和は哀空吏と猛竜と共に風呂に入っていた。風呂の淵には指輪立てにかけられているザルバも一緒である。
「ここの風呂何時直んだろうな?」
「わからん。だがそんなことより大和、お前の魔法衣のアレはなんだ?」
「俺にもさっぱり・・・・・ザルバ、何か知っていないか?」
「ああ。あれは歴代牙狼が戦うときに着ていた魔法衣だ。」
『はっ!』
大和たちは驚いた。
「牙狼の黄金の輝きが失われたときに魔法衣も黒く変色したといわれている。おそらく大和の覚悟と反応したのだろう。」
「そんなことがあんのか?」
「知らん。」
猛竜が哀空吏に聞くが流石の哀空吏も分からなかった。
「だがこれでお前さんは正真正銘の牙狼の継承者と誰もが認めるだろ。」
「そっか。でもまあなんでそれで身体能力も上がったんだ?」
「おそらく魔法衣自体が魔導力を押さえ込んでいたのだろ。ともあれ、これから忙しくなるんだ。がんばれよ。」
「わかってるって。」
そう言うと大和はザルバを持って風呂から上がった。
深夜の町にひっそりとたたずむ地下のバー。そこで灰色の髭を生やしたマスターがグラスを磨いていた。
「まったく、静かにお飲みくださいといっているのに彼方は静かにしないものですから。」
マスターはグラスを置いてカウンターから席を外すと店の中央の椅子に縛り付けられ、猿轡をされて、所々に暴行を受けている男性がいた。
「んー!んー!」
「静かにしなさい!」
マスターはアイスピックの柄で男性の鼻を折った。
「んぐ――――!!」
「静かにしなさいと言ってるでしょ!」
マスターは男性の頭を掴むとそのまま右膝蹴りを何度も何度も顔面に喰らわせる。
「んぐっ!ん゛!んぐぁ!」
しばらく叩き込むと男性は糸が切れた人形のようになった。
「おや、死んでしまいましたか。もう少し生きるかと思われましたが。」
マスターはそう言うと男性の縄を外し遺体を手で徐々に小さくし、ビー玉サイズにまで凝縮して眺める。
「死んだ後ですが、なかなか綺麗ですね。」
マスターはそう言うとそれを飲み込んだ。
「さて、この血を隠さなくては。」
マスターはテーブルや椅子を使って隠し、再びカウンターに戻った。そこへ店の扉につけていたベルがカランコロンと鳴った。
「いらっしゃいませ。」
店に入ってきたのは黒いスーツに身を包んだ若い男性である。
「お客様、当店でのルールは店の扉に書いてあります通りなるべくお静かに。ここはあくまで紳士のバーでございます。」
「わかっている。」
若者はカウンターの椅子に座り、テーブルに両肘をついた。
「何をお飲みになされますか?」
「そうだな・・・・・・強いて言うならのみのもではなく、彼方の命を貰いにきました。ホラー・バーボン。」
「は?」
バーボンは首を傾げるがその若者はマスターの目の前に魔導火を見せる。その瞬間マスターの目に魔戒文字が浮かび上がった。
「くっ!」
バーボンはアイスピックで若者を刺そうとするが若者は後ろに跳び、白い魔法衣姿に戻る。
「大和、コイツさっき人を喰ったぞ。」
「なに!?本当か?」
バーボンの方を見て大和が尋ねるとマスターは「ああ。」と答えた。
「五月蝿い人間でしたからね。当店でマナーを護らない人間は黙るまで叩きのめしたから私が召し上がります。彼方は魔戒騎士ですし、問答無用で殺させていただきます。」
そう言うとバーボンは服の袖からナイフを複数取り出し大和に向け投げつける。大和は身体を右に手を使わずに側転して回避し、右足に掛かっていた魔法衣を払い構え直す。
「ほう・・・・・ならこれはいかがでしょう。」
バーボンは両手を横に広げた瞬間グラスが宙に浮き、一斉に割れ大量のガラス片へと変わった。
「避けられますかな。」
バーボンは大和の周りにガラス片を浮かせ四方八方から刺さるように仕向ける。しかし大和は冷静に魔導火を最大火力で着火し、自分の周りに吹き掛けた。ガラスは赤くドロドロに溶け下に落ち、カーペットや椅子、テーブルを焦がす。
「舐められたものだな。」
「私も彼方に対する評価を見直さなければなりませんね。」
バーボンはカウンターから席を外して片手に鉈を持つ。
「いぃやぁ!」
バーボンは鉈を上から振り下ろす。大和は魔法の中から鞘に入った魔戒剣を左手に取り、受け止めると右拳を溝に叩き込む。バーボンは弾き飛ばされ、カウンター後ろにある酒棚に叩きつけられた。
「ぐぅ・・・・・・よくも!」
大和はバーボンの下まで跳び頭に魔戒剣を突き刺した。
「かぁ・・・・・・・」
大和はバーボンから剣を抜くと力を込め剣を上から下に一気に振り下ろし、バーボンを封印した。
「どうだ大和。思った以上に戦えたろ?」
「ああ。今までなんで苦戦してたのかは自分の実力のなさってわかるんだけどね。ん!」
大和はバーボンがいた近くに落ちてある新聞の見出しに目が行った。大和はそれを拾い上げ、内容を読んだ。
「総理大臣辞任・・・・・・次期総理大臣有力候補数馬郁夫(かずまいくお)・・・・・・」
大和はその記事に深く着目した。
「どうした大和?」
「なあザルバ。この李杏に連絡できるか?」
「ん?ああ。」
その日の夜、大和は確実に何かを掴んだ。
翌朝。大和は百代と会うと百代は頬を膨らましていた。
「どうしたの、百代姉さん?」
「ん~~~~~っ!昨日ジジイから話を聞いたんだがどうも先日の川神大戦で私に勝負を挑もうとするやからが一斉に辞退したそうなんだ。」
「ああ。」
その言葉を聞いた瞬間大和は安心した。これでしばらくは町の陰我も減って大助かりであるからだ。
「まっ、物好きが現れるまで少し我慢でもしたら?」
「物好きとは聞き捨てならんな。それに、暇になったらお前で遊んでやろうと思う。」
「人はおもちゃじゃありません。」
大和はそう言うと歩き出した。
しばらくTINAMIの方の二次創作をしようと思います。最後にしたのが一月末で止まってるので。