最近更新が遅いって思う人もいるかと思われますが実を言いますと今日まで今まで書いていたこの作品の誤字脱字を修正していました。所々変わってたりしているところもあります。自分なりには全部修正したつもりですので。
お洒落なバーで一人の女性がグラスを片手にカウンターで時間を潰していた。そんな女性にバーテンダーが酒の入ったグラスを一つ渡した。
「あちらのお客様からです。」
バーテンダーが手を向けている方向には少し年老いた少し丸い男性がいた。男性が手を上げると女性も手を上げて応えた。そして二人は夜の舞台を過ごした。
「すまないね。」
「いえ。こういう人間が好きなんです。」
「人間?」
「ええ。こういう・・・・・・・至福の一時を過ごした人間が絶望に落とされるる瞬間が・・・・・・・・ね。」
「へ?」
その瞬間男性の思考は停止した。
「いっただっきま~す。」
女性は男の胸部に手を当てる胸部から男性を吸い込んでいった。男性は悲鳴を上げたがすぐにその声は無くなった。
「相変わらずえげつねーな。」
「ん?いたの。」
女性が振り向くほうには人間姿のヂュポアがいた。
「覗きなんて悪趣味ね。」
女性は服を着ながらそういう。
「いいじゃん別に。で?胴だった今回の獲物は?」
「テクは良かったわ。でも押しと長さが足りなかったわね。
「相変わらずの高望みだな。」
「いいでしょ、別に。でもそんな人を見つけたとしてもまた別の人間の味を楽しみたいわ。まあ、それはもうすぐ、あの御方によって実現するでしょうけど。」
「早く来たらいいのにねー。もういっそ僕らの存在を全国で一斉公開しちゃったら?」
「だめよ。まだ準備が必要だしあの方の好きな人間までも食べられてしまうわ。」
女性はヂュポアに反論する。主人に忠誠を誓った女性にとって逆らうのは万死に値する行為であるためである。
「私はあの日・・・・あの方に抱かれた瞬間心から幸せと思ったわ。」
女性は窓から見える月を見ながらそう呟いた。頬を赤らめながら。
翌日の深夜、女性は老舗のバーに向かおうとしていると藍色のスーツに身を包んでいる眼鏡の男性が目に入った。女性は声を掛ける。
「ねえ貴方。」
「?」
「ちょっといいかしら?」
「構わない。場所を変えるかな?」
「ええ。いいわよ。」
二人は人気の無い公園に向かった。どういうわけなのかそこに人っ子一人としていなかった。
「さあ、始めましょうか。」
「ああ。」
賛成は懐に手を伸ばすと一気にそれを女性に向け振るう。
「っ!」
女性は間一髪でかわした。しかしわずかに反応が遅れ頬にかすり傷を受けた。女性は後ろに跳び距離を置くと傷ついた頬に触れる。その血は秋田かに人間の血よりも黒かった。
「貴方・・・・・・一体・・・・・っ!」
女性は男性の手に握られている矢を見て驚いた。それが分かると女性は怒りを顔に表しながらその者の正体を言った。
「・・・・・・・・魔戒騎士!」
目の前にいた男性は自分の正体がわかった瞬間スーツを魔法衣に戻す。その魔戒騎士は哀空吏であった。哀空吏は懐から魔導弓を取り出すと矢を弦に掛け、射る。女性は右に即転し回避するが哀空吏は休む暇を与えず連続して矢を射る。女性はバク転をして回避するが一矢が女性の目に刺さろうとしていた。その瞬間女性の足元から水柱が上がり矢を宙に上げ落とした。
「まさかこの私が魔戒騎士にここまで追い込められるとはね。でも避けられるかしら?」
女性は両手を哀空吏に向けると水を鉄砲の如き勢いで放った。哀空吏は横に転がり込んで避ける。水は哀空吏の後ろに会った電柱に命中した。哀空吏は水が当たった電柱を見る。それはまるでライフルにでも貫通されたかのような綺麗な穴が開いていた。
「ふふふ、さあいくわよ!」
女性は連続して哀空吏に水を放つ。哀空吏は走りながら矢を射るが女性の作り出す水の壁によって防がれてしまう。
(このままではこちらが不利だ・・・・・・・・・ならば!)
哀空吏は札を付けた矢を女性のほうには射ず、近くの木々やベンチなどに突き立てた。
「あら?あまりの恐怖に正確に射れなくなったのかしら?」
女性は哀空吏の策に気付かなかった。哀空吏は札に向け矢を射ると矢は女性の背中に向かい、そして突き刺さった。
「ぐっ・・・・・・!まさか全部計算して・・・」
「そうだ。俺はアイツほど頭は良くはないが計算高いんでな。」
哀空吏は円運動をしながら札の貼られたところを狙い矢を射る。魔戒騎士、魔戒法師が使う札はただゲートを閉じるためだけではない。ホラーを攻撃するものや連絡、時には哀空吏のように飛び道具を使う者のためにある札もある。
「ならば!」
女性は自分の周りを水の壁で護った。その瞬間哀空吏は微笑んだ。哀空吏は矢を五矢手に取ると点のペンタゴンを作った。女性はその攻撃が当たることなく上げられると慢心していた。しかし矢は上がらずその場に留まっていた。そして五矢の中心点が輝いていた。
哀空吏は鎧を召喚し牙射の姿になると一本の矢を強く引き、輝いている点に向け射る。女性が気付いたときには既に遅く、矢は女性の腹部に貫通する。
「ぐはぁ・・・・っ!」
その瞬間水の壁は無くなった。牙射は女性のほうまで跳び、弓を右に振るう。女性は右に跳び回避を試みる。しかし牙射の弓についているソウルメタルの刃が彼女の左腕を斬り落とした。回避行動を取った後で女性は声を上げた。
「アアアアアアアアア゛アアアアアアアアアアア゛あ゛あ゛あAAAA゛ああああ”あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!!!!!!わだじの腕がぁあああああ゛!!!!!!!」
女性は明らかに理性を失っていた。牙射はそこにつけこもうとした瞬間突如水柱が牙射を弾き飛ばした。
「ぐああああああああ!」
牙射は弾き飛ばされ仰向けに倒れる。女性は水を全身に纏うと姿を変える。
腰まで長く伸びた水色の髪、白い身動きの取りやすい鎧を身に纏い手首には透明な数珠状のブレスレッドをしているホラー・セレーン。
「本来ならばこの場でお前を倒したいが・・・・・・・」
セーレンは腹部に刺さった矢を抜き牙射に向け投げる。牙射はそれを左手で取る。セーレンはその隙に水で自分の下に斬り落とされた腕を手に持つ。
「今回は退く!」
そう言うとセーレンは牙射の周りに水の壁を作った。牙射はその壁を越えようと試みるが水圧で弾かれてしまう。水の壁が無くなった頃には既にセーレンの姿は無かった。牙射は鎧を召還した。
「あのホラー・・・・・・まさか・・・・・」
哀空吏には心当たりがあった。
先日、力がヂュポアに襲われてから大和は川神院にある資料を手当たり次第に読み漁った。その中で唯一見つけられたものがあった。
ガデラは飛ぶことは出来ず、地を支配することのみに長けていた。しかしガデラは地を支配するのみではこの世を支配することは不可能と気付いた。そこでガデラは自分の気に入った二人を自身の眷族にした。一方には空を征する力、もう一方には水を征する力を与えた。空を征する者の名をヂュポア、水を征する者の名をセーレンと。
「もしアレがセーレンなら・・・・・・・・いや、特徴も大分一致する。大和に伝えないと。」
哀空吏は急いで島津寮に戻った。
ある部屋の一室では月明かりが部屋を照らしていた。
「申し訳ありませんガデラ様。この失態は身を以って償います。何なりと罰を!」
セーレンは片膝を付き、顔を下に向けながらガデラに謝罪をしていた。ガデラは人間の姿でセーレンに近づくとセーレンの斬られた腕の傷口と頬の傷に触れセーレンの斬り落とされた腕をセーレンの身体にくっつけ、頬の傷を跡も無く治した。
「っ!」
「セーレン。お前はよくやってくれている。私がここに上り詰めることが出来たのもお前の助けもあってだ。もちろんヂュポアにも感謝している。これからも私のために頑張ってくれ、セーレン。いや、瞳。」
その言葉を聞いた瞬間瞳は顔を上げた。
「はい。この清水瞳、セーレンとしても、瞳としても頑張ってゆきます。」
瞳がそう言うとガデラは瞳の唇を自分の唇に重ねた。