牙狼〈GARO〉 大和の輝き   作:ザルバ

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 島津寮の女子の入浴時間、まゆっちはアヒルに乗せた松風と共に入浴をしていた。

 まゆっちは自分の左肩から湯を掛けると風呂に浸かる。

「それではー恒例の反省会!ドンドンドン!パフパフパフー!」

 松風が司会をする。

「ここでするんですか?」

「最近まゆっちは弛んでいるからなー。抜き打ち反省会だぜー。」

「確かに未熟な私は至らぬことばかり。反省することしきりです。」

「愛の鞭でびしばししごいてやるから覚悟しなー。」

「はい!それでは松風、今日の課題はなんですか?」

「ここはずばり、直江大和についてだー!」

 松風の言葉にまゆっちは顔を紅くする。

「や、ややや大和さんについてですか!」

「まゆっちさー、大和に気があるんだろー?そこんとこマジどーなのよー?」

「そそそそんな滅相もない!私めなどが大和さんを好きになるなんて!いやもちろん大和さんはいい方ですし、恋を抱いていますがそれは良き先輩としてであって邪な感情で見ているのでは――――」

「バッカ――――!甘ったれんじゃねえ!恋愛に邪もたてしまもねーんだよ!」

「恋愛ですか?」

「そうだよ恋愛だよ。大和に惚れてんだろー?はっきり言っちゃいなよYU・KI・E?」

「そ、そ、それは~・・・・・わ、私などがそのような感情を抱くなどなんておこがましい・・・・・」

 まゆっちは自身がない声を出す。そんなまゆっちに松風が強く押してくる。

「だがまゆっち、大和は鈍感なんだぜ!そんな大和に今のうちにアタックしておきゃ他のライバルが来ようとも形勢逆転狙えるぜ!」

「そ、そうですね!松風がそういうのなら!・・・・でも大和さんには他にも慕っている女性がいますし・・・・」

「バカヤロウ!そんなことじゃ勝てる試合も勝てねぇぞ!子曰く、『諦めたらそこで試合終了』だそまゆっち!」

「でも・・・・」

 まゆっちは松風を両手に持つ。

「何もしないでいると大和はいずれ他の女と付き合っちまうぜ~。そんで子供出来て結婚しちまったらどうする?」

「大和さんが他の女性と結婚?」

「そうなったらまゆっちは新郎の友人として式に招待されるんだよ。それでもいいのか?」

「御式に大和さんの友人として認めてもらえるのならそれも本望―――」

「アッメー!」

「はうあ!」

「友人で満足していいのかまゆっち?披露宴に出たら引き出物に新郎新婦の入った顔写真が入った皿もうらうんだぜ!捨てるに捨てられず一生付いて回る呪いのアイテムだぜ!」

「っ!」

「しかも毎年子供の写真入り年賀状が送られてくるぜ。そうなっても耐えられるのか?」

「気の小さな私には元旦の郵便配達が最悪を届ける死神に見えてしまいます。」

「まゆっちに出来るのは子供の写真に落書きするくらいだぜ。」

「そんな大それた真似できません!せいぜい写真のお皿でカレーを食べるくらいです。」

「くれー。そんなことになってもいいのかよまゆっちよー?」

 松風の言葉でまゆっちは改めて気付かされた。

「私が間違ってました。簡単に諦めず、思いを胸に精進します!」

「そーだまゆっちー!子曰く、『がんがんいこうぜ!』だ!」

「はい!これからはがんがんいきたいと思います!」

 そんなときまゆっちはあることに気付いた。

「でも、一つ気にかかることがあるんです。」

「はい、なんですか?」

「大和さんはよなよなあ外に出ては朝になるまで戻ってきません。身体が心配で・・・・」

「そいつは願ったり叶ったり。まゆっちの得意な手料理作戦で大和の疲労を治しつつ大和への高感度アップだー!」

「はい!折角なら大和さんの好きなものを作ってさしあげたいと思います。ところで松風。」

「なんだよまゆっち?」

「大和さんはどんな女性がお好みなんでしょう?前に李杏さんという方が川神大戦のときに姿を表しました。年上でしかも綺麗です。」

「そっかー。でもまゆっち考えてみ。大和の奴めっちゃ鈍感だろ!」

「た、確かにそうです!」

「つまりまゆっちが今のうちにアタックすれば問題ないってワケだ!」

「な、なるほど!」

 

 風呂から上がりまゆっちは身体を拭いていた。

(どうして私友達出気無いんでしょう?)

(やっぱ、人と話すの苦手だからなんじゃね?)

(確かに人前で話すと緊張してしまってご挨拶すらまともに交わせません。)

(前途多難だねー。)

(松風よはこんなにお話出来るのに。)

(そりゃ親友だからな。)

(こんな私に友達百人出来るでしょうか?)

(心配すんな、出来るさ。絶対によ!)

 松風との念話しながらパジャマに着替えまゆっちは廊下を歩いていると大和に出くわした。

「よっ!」

 まゆっちは大和の顔を見た瞬間緊張してしまう。徐々に大和が近づいてくるがまゆっちは緊張して声が出せないでいた。大和は通り過ぎる際にまゆっちに一言言った。

「おやすみ、まゆっち。」

「っ!」

 大和はまゆっちに背を向けながら手を振っていた。

「おやすみなさい、大和さん!」

 まゆっちはお辞儀をしながらそう言い、顔を上げると頬は赤く、笑みがあった。

 まゆっちは自室に戻り電気を消して布団の中に入った。

「大和さんとご挨拶が出来ました。」

「よかったなー、まゆっちー。」

「はい!明日もいい日になりますように。お休みなさい、松風。」

「ああ。お休みまゆ・・・・」

 松風も就寝した。

 

 深夜の川神の町を大和は歩いていた。

「今日は不思議なくらいにホラーが現れるゲートもないな。」

「そうだな。だが・・・・お客さんはいるみたいだぞ。」

「そうだな。出てきたらどうだ?ホラーヂュポア!」

 大和は魔法衣の袖に忍ばせていたソウルメタル製のナイフを後ろに向け投げる。そのナイフをホラーヂュポアは掴む。

「さっすが黄金騎士といったところかな?」

 そこにいたヂュポアは背中から翼を広げていた。

「最初っから本気ってワケか?」

「い~や。ちょっとは本気を出そうと思ってね。」

 ヂュポアはそう言うとナイフを懐に納め、両手に湾曲した羽のような剣を手に取る。

「はぁ!」

 ヂュポアは羽を羽ばたかせ大和まで飛ぶ。大和は魔戒剣を抜刀し構える。ヂュポアは両手の剣を大和に向け振り下ろすが大和は剣を横に構え受け止める。

「ぐぅううう!」

「くぅううう!」

 ヂュポアは少し後ろに下がると大和に蹴りを数回叩き込む。大和は腕を使い蹴りを防ぐ。

ヂュポアは両脚で大和の腕を蹴ると大和から距離を取り、翼の羽を大和に向けまるでナイフのように飛ばしてくる。

「つっ!」

 大和は後ろに下がりながら魔戒剣で羽を防ぐも羽は大和の身体に傷つける。

「大和!」

「わかってる!」

 大和は魔導ライターを取り出すと魔戒剣に魔導火を纏わせ魔導火の刃を飛ばす。ヂュポアは羽を魔導火の刃に飛ばすが魔導火の勢いは羽の刃では止められなかった。

「クソッタレッ!」

 ヂュポアは空中で翼を納めると一気に真下に向け堕ちる。魔導火の刃は空中を斬るが大和はヂュポアに向かい一直線に接近する。

「おおおおおおおおおおっ!」

 大和は魔戒剣を突く。しかしヂュポアは身体を左に反らし左の剣で魔戒剣を下に逸らすと右の剣で大和の頭を斬ろうと横に振る。

(しまっ!)

 大和は回避しようにも間に合わないと思った。

「はぁ!」

 大和がそう思った瞬間突如ヂュポアの右手に蹴りが入った。

「「っ!」」

 ヂュポアの右手を蹴ったのはあろうことか揚羽であった。ヂュポアの右手の剣は弾き跳ばされる。大和はその瞬間を見逃さなかった。大和は左脚を左に捻り右足蹴りをヂュポアの腹部に叩き込む。

「ぐがぁ!」

 ヂュポアは弾き飛ばされる。

「大和君!」

「揚羽さん!なんでここに!」

「邪気を感じたので見ていれば君がいた。邪魔だったかな?」

「いいえ。むしろ助かりました。」

 二人が話している間にヂュポアは立ち上がる。

「ててて・・・・・こらかなり状況ヤバイわ。て、こで俺はこれにて。」

「逃がすか!」

 大和はヂュポアに向かい魔戒剣を振り下ろすがヂュポアは翼を羽ばたかせて天高く飛び、その場を飛び去った。

「クッソ・・・・・・・・逃げやがった。」

「すまない。」

「いえ。あの時助けてくれなかったら頭真っ二つに斬られてましたし。謝らなくていいです。お礼を言いたいところです。」

「気にしなくていい。君は人々を影ながら護っている。これくらいは当然だ。それより君に聞きたいことがあるのだが。」

「なんですか?」

「これを見てくれないか?」

 そう言うと揚羽は懐から写真を一枚取り出した。そこには札が貼られているオブジェがあった。

「先刻密輸入される物の中に入っていた。九鬼の者が阻止しようとしたが返り討ちにあった。そんな中で密輸入品の写真が入ったメモリーカードを守ったんだ。その中にこれがあったのだが・・・・・・・どう見る?」

「・・・・・・・・ザルバ。」

「ああ。こいつはホラーが出るにはとっておきのオブジェだ。だがこれは一つで完成じゃないな。何個か必用だ。」

「成程。ではこちらで出来る限り阻止しよう。」

「いざとなったらそれごと破壊しますので。」

「頼む。」

「それでは。」

 大和はお辞儀をしてその場を去った。

 

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