牙狼〈GARO〉 大和の輝き   作:ザルバ

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 S組

 成績優秀の中から名門進学を希望する人間達で結成された特進クラスである。スポーツ、武道、学問、芸術。文武に秀でた者がそろうエリート集団・・・・それがS組なのだ!

「やはり肌に不純物の無い娘は・・・・イイ。」

 S組で幼稚園児の娘の写真を眺めている井上準はその写真から元気を貰っていた。用はロリコンハゲ。

「じゅん、準―。」

「なんだユキ。俺は今小さい女の子を自愛の目で見る仕事で忙しいぞ。」

 準に離しかけているのは白い紙が特徴的な女子、榊原小雪である。

「あのねー、紙芝居できたー。」

「お?新作か。見せてみろ。」

「榊原小雪第二十三作品目、ハートフルなお話だよ。タイトルは“俺、天才君”。」

「・・・・・なんか鼻につくタイトルだな。」

「あるところに天才君と呼ばれる少年がいました。お父さんが自家用ヨットでカジキの一本釣りが趣味です。」

「設定まで花につくな。」

「村長さんが先物取引で失敗した時も天才君のアドバイスで乗り切れました。」

「ほう、そいつは確かに天才だ。」

「村長さんの愛人ミッシェル三十七歳の存在が奥さんにバレた時も奥さんをクールダウンさせました。」

「ミッシェルさんの年齢がリアルだな。」

「村長さんが男の味に目覚めた時も自分は狙われないように工夫しました。

「村長さんロクな人間じゃないな!」

「しかしそんな天才君にも悩みがありました。」

「なんと。」

「天才すぎて彼と話せるレベルの人間がいなかったことです。ある意味で彼は孤独でした。そして孤独のあまり・・・・・お・し・ま・い。」

 ユキが話を終えると周りが拍手をする。

「天才君どうなったの!後ハートフルじゃなかったよね!?」

 準だけがツッコミを入れる。

「いつもながら救いがねぇ・・・・それから半分は村長さんの話だな。」

「それが現実―。」

・・エリート集団である。

「あはははは!ざまあみるのじゃー。」

 準の元に笑い声を出しながら不死川心が近づいてくる。

「よう不死川。なによ、きげんよさそうじゃないの。」

「賭場の麻雀で2-Fの山猿の一人凹ませてきたのじゃ。」

「賭場ぁ?」

 川神学園では賭場(非公認)がたまに開かれる。

「随分俗っぽいとこ行くじゃないの。」

「高貴なこなたがすることはすべからく高貴なのじゃ。だいたい最近の2-Fは調子に乗りすぎじゃ。劣等なクラスの分際で2-Sより目立つなど許されないものじゃ。」

「あー、たしかに派手だな。異国の美人さんや謎の三人組。でも2-Sも対外きゃら濃いいけどな。」

「平民は此方のような上級階級に指導されるべきなのじゃからして、まだイビり足りない此方はとなりの2-Fクラスに嫌がらせを仕掛けに行くのじゃ!」

「俺不死川のその上級でない精神構造も嫌じゃないぞ。」

「そういうわけでカモを探しに行くのじゃ。」

「あんまり事を荒立てるなよ。」

 

 一方Fクラス。

「ほい。」

 大和は哀空吏と猛竜に武器を投げ渡す。

「なんだこれ?」

「ソウルメタルじゃない・・・・・・・・・模造刀か?」

「ああ。ここだと真剣は使えないからな。刃の部分は偽物でそれ以外はほとんど同じつくりだ。」

「じゃあお前も剣も紅なのか?」

「いや、白だ。俺は紅の鞘で戦うのは・・・・・・」

「まあホラーくらいだからな。ところでいいか?」

「なんだ猛竜?」

「あそこでヨンパチがないているんだがどうしてだ?」

「ああ。なんでも賭場したみたいだぞ。」

「おいおい・・・・変な陰我生まないで欲しいぜ。」

「全くだな。」

 そんな時突如Fクラスの扉が開き、着物を来た。

「ほーっほっほっほ。F組に高貴な此方が遊びに来てやったのじゃ~!」

 不死川が来ると大和は懐から魔導筆を取り出し術で扉を閉める。

「さて、最近の出現についてだが・・・・」

「って待てー!此方を無視するとは何事じゃ!?」

 不死川が再び扉を開け大和に文句を言う。

「大和、あいつだ!賭場にいた顔射願望をそそられるヤツだ!」

「ガンシャガンボウ?」

「大和は知らなくて当然だな。」

「まあずっとあそこで暮らしていたらな。」

「そこ!此方を無視して話すな!」

「ああ、ゴメンゴメン。で、S組の不死川さんが何か用かな?」

「負けている山猿の遠吠えが聞こえてきたからその顔を拝みにきたのじゃ。さすが劣等クラス、負けた後まで醜いのう~。」

「なんだとー!」

「ヨンパチ、落ち着け。それで?もしかしてヨンパチの敵討ちでもしないかって話?」

「そうじゃ。どうじゃ?」

「生憎だけど俺は女に暴力を振るう趣味は無いんだ。ゴメンね。」

「ふん。所詮F組みはクズ共の集まりじゃのう。」

「ちょと「ちょっと待て!」っ!」

 クリスが不死川に意見しようとした瞬間大和が割って入った。その時の大和からなにやら怒りの波動が感じ取れる。

「いくら自分が他者より優れているからと言ってそこまで言うのはちょっと調子に乗りすぎじゃないかな?」

「な、なんじゃと!」

「第一あんたは何も知らないのに好き放題言っているけど人間一人一人の長所とを見ないでよく言えるよ。」

「こ、此方に口答えする気か!」

「しているじゃないか。そんなに侮辱されて悔しいなら代理人に決闘を申し込ませてくれよ。」

「何故此方と戦わない気じゃ!」

「さっき言ったことを忘れたか?俺は女に暴力を振るう趣味は無い!」

「わ、わかったのじゃ。暫し待っておれ!逃げるでないぞ!」

 不死川はそう言い残してFクラスを出て行った。

「おい大和、大丈夫なのか?」

「ん?」

 ガクトが大和に話掛ける。

「大丈夫だろ。多分。」

『おい!』

 クラス全員がツッコミを入れる。

「だが大和、売られたからには勝て。」

「そうだぜ。勝てよ。」

「わかってるって。」

 大和が猛竜と哀空吏と話していると不死川が戻ってきた。

「待たせたのう!」

「あ、忘れてた。」

「なんじゃと!此方を忘れておったじゃと!まあいいわ。お主に戦ってもらうのはこの井上準じゃ!」

「どうも。なんだか厄介なことになったみたいだけど勝負する?」

「ええ。売られたからには買わないと。」

 二人はワッペンを手に取りカルタのように出す。

「あっ!」

「どうかしたか?」

「勝負の方法決めてなかった。」

「そういえば・・・・・・・どうするつもりだ不死川?」

「ん!それなら今おぬしが持っておる剣術でどうじゃ?」

「え・・・・・・」

 大和は自分の手に握られている模造刀を見る。

「それでいい?」

「俺は構わないぜ。」

「じゃあそれで。」

 

 川神学園のグラウンド。模造刀を持った大和と木刀を持った井上が向かい合うように立っていた。審判はケンカごとであるのでリー師範だ。

「それでは両者、準備はイイか。」

「はい。」

「いつでもいいぜ。」

「では・・・・・始め!」

 リー師範の掛け声と同時に開始されるが大和は動こうとしない。それどころか剣を抜いていない。

(どういうつもりだ?隙だらけで動こうとしないなんて?まあこっちから攻めるか。)

「よっと!」

 井上が大和に近づき木刀を突く。大和はギリギリで身体を斜めにしてかわしながら後ろに下がる。

「このっ!」

 井上は木刀を振るが大和はギリギリのところで避ける。

「おいおい!どうしたどうした!さっきまで勝つ気じゃなかったのっかよ!」

「・・・・・」

 井上は喋りながらも攻撃するが大和はそれをギリギリで避ける。

「おいおい、ギリギリじゃねえか。」

「だね。さっきまであんな強気だったのに。」

 ガクトとモロは大和が劣勢のように見えている。

「ねえクリ、大和・・・・」

「ああ・・・・・先に攻撃を呼んでいるな。」

「お前たちも気付いたか。」

 クリストワン子の後ろから百代が歩み寄る。

「お姉さま。」

「あいつ、剣を抜かないで勝とうとしているな。よほど自分の自身でもあるのか?それとも・・・・」

 百代たちがそう言っているのを余所に戦いは続いている。

(そろそろ片付けるか。)

「喰らえ!」

 井上は木刀を大和の左足に当てようとする。大和は両手を下に下ろしたまま身体を左に側転し木刀を避ける。

「なっ!んなのありかよ!」

 大和は後ろに跳び距離を取ると剣を背中に回し、柄に手を掛ける。

(剣を抜く気か?なら本望だ!)

 大和は準に向かい一直線に走る。準の頭の中では鞘から剣を抜き下から切りかかることを予想していた。

 しかし、大和は鞘と柄を入れ替える。大和は鞘を剣から抜き、上から振り下ろす。

「なっ!」

 準は驚きながらも木刀で防ぐ。

「ぐっ!(こいつなんて力で押してきてんだ!)」

 大和は鞘から手を放す。準はさっきまで押していた勢いを殺せずに隙を作ってしまう。大和は準の喉元に剣先を突き立てる。

「く・・・・・・っ!」

「勝負あり・・・・・・・だね。」

「そこまで!勝者、2-Fの直江大和!」

 周りから歓声が湧く。

「あいつ・・・・・・本気を出さずに勝ったな。」

「うん・・・・・かなり手加減をしてた。」

「本気で戦ってみたいな。」

 その光景を窓から見ている者がいた。

「おやおや、我がクラスが負けてしまいましたか。2-Fは本当に面白い人材が揃っていますね。お疲れです、準。大和君、今度はうちのユキとでも戦わせてもらいましょう。」

 その光景を見ていたのは2-Sの葵冬馬。

 

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