先輩はるのん   作:ゼロ少佐

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5話

俺に話があると彼女はそう言った

彼女とは雪ノ下陽乃 俺の1つ上で

生徒会長で3年連続全教科1位で

雪ノ下建設令嬢の雪ノ下陽乃だ

 

陽乃「私ね、もう残り時間が少ないの…

この意味分かるよね?」

 

残り時間…そうかもうすぐ卒業

ううん、それだけじゃない

早ければ大学に入ってからはお見合いなどが

始まるかもしれない 親に無理やり結婚させられるかもしれない そんな焦りが彼女にはあるのだろう

 

八幡「……はい」

 

陽乃「ごめんね、本当は真っ直ぐ伝えたかったんだけどね そんな余裕もうないの

比企谷君、貴方の事が好きです 私と付き合って下さい」

 

人生初めての告白だ(相手からされるの)

だが、それにはとんでもない重さを含んでいた

彼女の人生そのものが天秤に置かれている

その意味が俺には理解できた

 

八幡「…俺なんかが釣り合うわけ無いじゃないですか

雪ノ下家に太刀打ち出来るほど大きい男ではありません」

 

陽乃「うん、知ってる でも家とか関係ない

八幡とならどこにでも逃げる」

 

八幡「……」

 

陽乃「言い方変えようか 私と結婚して下さい」

 

さっきより言葉が重くなる

俺は多分陽乃さんの事が好きだ

彼女も俺の事を好きと言ってくれた

本来ならそれだけで充分だった

だけど、今回は意味が違いすぎる

この選択1つで人生が変わる

大事な選択だ

 

八幡「すみません、俺は陽乃さんの事が大好きですが、結婚となると重みが違いすぎます。

俺の気持ちだけではどうもできません

自分の気持ちに整理をつけて両親と相談します

最悪海外に逃げることも」

 

陽乃「ありがと、待ってるから」

 

そういい彼女は部屋を出ていく

1人取り残された俺は少し時間をおき

保健室を出ていった

 

 

テニスコートに戻ると戸塚がいた

戸塚にお礼を言われ

2人で奉仕部の部室に向かった

 

その際に

 

戸塚「八幡?何かあったの?様子が変だよ」

 

そう言われた

俺は何でもない大丈夫だといい

その話を終わらせた

 

部室の前につき ドアを開ける

 

するとそこには着替え途中の3人がいた

 

結衣「ヒッキーの変態!スケベ!」

 

そんな事を言われたような気がする

そしてテニスラケットが俺に向けて投げられたが

俺はそれを難なくキャッチしてしまった

 

八幡「すまん、着替え終わったら呼んでくれ」

 

そう言い残し部屋を出る

 

雪ノ下side

 

彼に着替えを覗かれて怒ろうと思ったが、

彼の表情を見るとそんな事はできなかった

彼の目を見ると物凄く怖かった

心ここに在らずという感じだったし

目が据わっていた

 

もしかして姉さんが何かしたのかしら?

 

雪乃「姉さん、比企谷君に何をしたの?」

 

すると姉さんは肩をビクッと震わせていた

 

陽乃「雪乃ちゃん人聞き悪いよ〜ただ手当して

少しお話しただけだよ」

 

嘘だ、いや嘘ではない ただ本当の事を言ってないだけだ

 

雪乃「姉さんでも比企谷君を壊したら許さないわ」

 

そう実の姉を睨みつける

別に彼の事が好きだとかそういうのではない

彼は私にとって必要な存在だったからだ

私に無いものを持っている彼が

 

陽乃「うん、分かってる」

 

らしくない返事だ

だけどこれ以上追求はしなかった

 

陽乃side

 

比企谷君やっぱ凄い迷ってるな

それもそうだ、人生がかかってるんだから

私だって1年ほど掛かったんだもの

 

彼と出会いそして、彼に見破られ

おもしろいと思って近づいた

 

彼は雪ノ下家の陽乃じゃなく雪ノ下陽乃として私を見てくれた。初めてだった。こんな醜くて恐ろしい自分を肯定してくれた。それだけで惚れるには充分だった

それからも彼は素の私のいい所をたくさん教えてくれた。彼と一緒に居ると本当の自分で居られる

その心地良さが好きになった

 

それでも私は雪ノ下家の長女だ

この現実が私の恋路を邪魔する

 

そんな事を考えていたら雪乃ちゃんに

比企谷君を壊さないでと言われた

壊すつもり何てない 絶対に壊させない

だけど、その私が今壊しそうになっていた

 

私の愛の重さが 家の権力が

彼を押し潰そうとしていた

 

私は彼を信じることしかできない

だから私は彼を信じる

彼の決める決断で後悔はしないと心に誓う

 

結衣

さっきのゆきのんの言葉どういう意味だろう?

ヒッキーを壊す?私にはよく分かんないや

でも部屋に入ってきた時のヒッキー

いつもと雰囲気違ってた何かあったのかな?

 

 

雪ノ下に着替えが終わったと言われ部室に戻る

 

戸塚「みんな本当にありがとう!もしあのまま三浦さん達が入ってきていたらどうなっていたか分からなかった。」

 

八幡「おう、気にすんな」

 

結衣「そうだよ!友達でしょ!」

 

みんなそれぞれ戸塚に励ましの言葉を掛けていた

その後おのおのの教室に戻り午後の勉強に励んだ

 

 

 




あれ?昼休み長くない?と思った方
本当にすみません、ご都合主義です

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