「エルクのお仕事っていつもこんな感じなの?」
「仕事してないように見えるって?まあ、賞金稼ぎなんて皆チャランポランな連中の集まりだしな。
「そうやってトボケるのも?」
彼女は不思議そうな表情で
「…うーん、これはなんていうか…、あれだ。
彼女は俺の『声』を
「アタシ、もっとエルクの仕事が知りたい。」
「な、なんでだよ。」
「……言わなきゃダメ?」
「……」
おそらくミーナ辺りが
「賞金稼ぎつったって他の仕事とそんなに変わらねえよ。仕込みさえ
俺は女の子相手にクソ
「あとの2割は?」
「直感と
こればっかりは生まれ持った性格が
例え、どんなに
「力の強さは関係ないの?」
「時と場合に
そんな奴らと
「それで上手くいくの?」
「ほぼほぼな。」
仕事ってのは不思議なもので。応用編にこそついていけないものの、
「また嘘
店の中を見回している時に心の中で
「……だいたい、店が広
宝石店”ブリリアント”は
それを
だから、「
そのポイントってのを見つけるのにもまた一苦労させられてるんだ。
……相手が人間だけだってんなら人手は十分に
すると、彼女は
「でも、今回は違うんだ。」
「そうだろうな。多分、この件に
そもそも、この
こんな、本物の魔女でさえ
「どうして?」
「ここがアルディアで、ここがインディゴスで、ここがマルフィラーノ
ここ、アルディアは言わずと知れたマフィアのメッカ。そんな中でもマルフィラーノ
もちろん、ガルアーノだってどこかで
そんでもって、そんな連中を相手にするのを大の得意にしてるのがインディゴス警察にいる。
ソイツらの目の前で100億もするようなもんに手を着けちまったら、
「じゃあ、カリーナさんが言ってたルージュっていう人もそうなの?」
「ああ、アイツも
聞いた話でしかねえが、どっかの闇ルートで手に入れた
「とても悪い人なんだ。女の人なのに。」
「リーザ。この国に限って男も女も
「……フフ、なにその
「……」
1、2時間かけて店の中を一通り
すると、俺たちの外出を
「
「…何の話だよ。」
出し抜けに、カリーナは俺たちに対する
「
仕事中、監視カメラが俺たちを追っていることには気付いてた。
カリーナは俺の
「ヘッ、ガキで悪かったな。」
「そうね。若いのに仕事が早いし、しっかりしてるわ。恋人にしたいくらいだわ。」
「……は?」
「ウフフ、冗談よ。思った通りカワイイのね、アナタ。お仕事、くれぐれもよろしく頼むわね。」
そう言い残すとカリーナは商売用なのかどうかも分からない
……どうして俺の周りにゃこんなヤツばっかなんだ。
ふと
「それで、リーダー
さっきまで、ただただ
リーザが背中を
「……
とは言っても、
なんといっても、ブリリアントのレベルの高い警備員が心強かった。
会話をした時の物腰を見ただけだけど、カリーナが
ただ、あんなキラキラした場所に何日もいなきゃいけないかと思うと、その前に外の空気を
そんな俺を見かねた神様が
「あら、エルクじゃない。久しぶりね。」
振り返ると、そこには俺と同年代の女が立っていた。
「よう、ティファじゃねえか。元気にしてたかよ。」
「どうしたの、お仕事?」
「まぁな。お前こそ、
ティファ…、ティファニー・エヴァンスは俺がプロディアスでシュウの世話になり始めた
よく笑い、
彼女がプロディアスからインディゴスに引っ越した後は、仕事でインディゴスに来る
そして――――、
「あら、失礼ね。女が妖精になろうって努力は全部、アンタたち男のためにやってんのよ?」
「気味の悪いこと言ってんなよ。全部、シュウのためだろ?」
いつの頃からか。大きくなったコイツが俺と
「う、うるさいわね。イイでしょ?カッコイイんだから。」
いつの間にか始めたオシャレに掛ける金は、今じゃそこいらの賞金稼ぎよりも多い。
その分、色々苦労してるらしいけど。
……まあ、上手くいかないと分かってても
「……ところで、今日は
「シュウか?ああ、今はちょっと
「……そう。」
昔馴染みと話し込んでいると、背後から
「エルク、その人は誰?」
……ああ、
話しに夢中だったティファもようやく彼女たちが俺の連れだってことに気付き、
「アンタが女の子と一緒にいるなんて珍しいわね。ねえ、
リーザなら俺の『声』を聞いて
頼む、あんまり
「先に言っておくけどアンタの”恋人”だとか、そういう冗談はヤメテよね。オカシくてお腹
……コイツはそういう奴だ。例え、そこに
チラッと彼女を盗み見ると――――、
「……」
あ、ヤバイ。
「…えっとな。コイツは、リ――――、」
「こんばんわ、お美しいお嬢さん。ワシはチョビ
彼女の紹介に割り込んで、待ってましたとばかりに身を乗り出すケバブがフザケタ
「プッ、フフフ…変なオジサマね。……じゃあ、そうねぇ。私は”
バカじゃねえの?
なんて思いつつ、まあ、ある意味、今回ばかりはそんなバカ二人に助けられたのかもしれない。
「それで、そっちのお嬢さんは?」
本当に、一時凌ぎでしかなかったけれど。
そして
スカートの
「リザベラ・エルナンド、エルクの恋人です。どうぞ、よろしく。」
セカンドネームまでつくって。どういうつもりだ?
「ウソ?ホント?冗談でしょ?」
赤毛の女はむさ苦しい王子に向けていた関心も、シュウへの
ご丁寧に、
「なにか
すると赤毛の女スパイは腹を
「アッハハハハハ!!」
「……」
リーザは爆笑するティファを
「リザベラちゃん、エルクの良い所ってのを
「……優しい、です。」
「なるほどなるほど。他には?」
リーザだって『聞こえてる』くせに。なんでそんな安い
「私を、
「ほうほう、もう一声。」
そして、トドメの一言を、彼女は心なしか顔を赤らめながら
「私のことを…、好きだ…って言ってくれました。」
「アーーッハッハッハッハッ!!」
おい、笑い過ぎだろ。
ひきつけを起こすくらい
……遅過ぎるだろ。
「ごめんなさいね。別にエルクがどうとかって言ってる訳じゃないのよ?ただ、私たち結構長い付き合いだから。なんとなく、そういう事を言われると違和感があってしかたないの。……クククッ。」
「……
「ああ、
「飲んでるのはお前だけだけどな。」
ティファは俺と
「
「おいおい、あんま好き勝手言ってくれんなよ。」
「あら、そんな口
「このアマ…!」
カッとなって赤毛の首元に手が伸びる。
ところが――――、
「!?」
ティファは、
そして、2転、3転バレリーナのようにクルクルと回転するとスッと
「エルク、私たち、もう
お前が売ってきたケンカだろうがよ。いいや、そんなことより――――、
「…お前、いつの間にそんな身軽になったんだ?」
昔からケンカは弱くないとは思ってた。頭が良く、俺がシュウから習ったことをケンカ
「まずは
「……悪かったよ。」
「はあ、まあイイわ。アタシ、今、ダンス教室に通ってるのよ。
バカ言いやがる。俺の拳はプロボクサーだって仕留められるんだぜ?それを――――、
「まあ何にしても、リザベラちゃんだっけ?私とエルクはそんな関係じゃないから心配しないで。そんでもって改めて、ティファニー・エヴァンスよ。よろしく。」
「……」
まだ怒っているのか、彼女は差し出された手を無言で
「見かけによらず、
「分かった!分かったから!今度戻ってきたら好きなモン
赤毛の兄弟はその言葉を待っていたとでも言うような
「そうねえ。そのご飯にシュウを誘ってくれたら見逃してあげてもいいわよ?」
……コイツ、
全く、シュウのことになると抜け目がねえ。
「ああ、伝えといてやるよ。」
するとティファは途端に、
「ホント?!絶対よ。私、ソーヴィニオン予約するからね!」
……ソーヴィニオン、この町で有数の高級料理店だ。想い合う恋人がプロポーズの場所に使うってことでも有名だ。
そんなところに
「お前がそんなんだからシュウがビビッて逃げちまうんだろ?せめて、もっと大人し目のところにしとけよ。」
「分かってないわね。ああいう奥手の人には多少強引なくらいがちょうどイイのよ♪」
あからさまに上機嫌だ。
「じゃあ、ホントによろしくね。嘘吐いたら後が
淑女らしからぬ中指を立てるハンドサインを挨拶に、女スパイは去っていった……
……さて、この後、どう言い
※リザベラ・エルナンド
リーザがエルクに助けられて初めてプロディアスに入った時、エルクに賞金が懸けられた。
その「連れ」、「関係者」ということで「リーザ」も同僚たちから目を着けられていた。その目から逃れられるために変装したのが「リザベラ・エルナンド」。
ちなみに「エルナンド」はリーザが即興でつけた名前です。
※ティファニー・エヴァンス
原作で名前が明記されることはありませんでしたが、インディゴスの街中にシュウに想いを寄せる女の子(モブ)が一人いるのです。
その子を登場させてみました。
※メッカ
イスラム教の開祖であるムハマンドの出生地、発祥地。サウジアラビアの中西部。当宗教の聖地のこと。
ここから転じて、特定の分野における発祥地(温床地)や神聖視になる場所のことを言います。