IS/ガンダム00 crossing exceptioners 作:A.Tom
「やった・・・!セシリアを倒した!!」
「うん、まぁ・・・そだね」
・・・のだが、小鳥の顔色は難しい物だった。
「どうしたんだ?あんなにセシリアの事嫌ってたのに、あんまり嬉しくなさそうだな」
「あー、いや。そりゃ嬉しいよ、あんな
地味に酷い悪口を発する小鳥。いつもなら満面の笑みでも浮かべている所なのだが、その口調には溜め息さえ混じっていいた。
そんな煮え切らない
難しい顔で考え続ける小鳥は、重たい口を開いて、一夏に問う。
「お前さ・・・これが一対一対一のバトルロワイヤルだって事、覚えてる?」
・・・・・・。
「・・・・・・あっ、忘れてた」
「安心しろ、俺もだ」
セシリア撃破に全力を
一番最初に
「参ったなぁ・・・俺達、戦わないといけないのか?」
「心苦しいが・・・多分」
セシリアと戦っていた時、互いに気を配りながらコンビネーションを取っていたのだ。今頃潰し合えと言われて素直にそんな事が出来る訳が無い。
「しかもお前あと少しで死ぬだろ?セシリアからのダメージに『零落白夜』で消費した分を考えると、俺とお前にはどうしようもない不平等がある
つまり、小鳥が悩んでいたのはそこなのだ。
出来うる事なら仕切り直しをしたい所なのだが、それを
「「・・・・・・・・・はぁ~あ」」
二人して大きな溜め息を吐いて肩を落とす、こんな状況でやる気を起こすと言うのは至難の技だろう。
どうしたものかと考えようとした時。
アンタ鬼か何かですか・・・。
とは言え、あんな
「よっしゃ来い!!」
「こうなったら
もうどうしようもない。
「ウォォォッ!」
「ラッシャァ!」
刀と大剣がぶつかり火花が散る。
「ぐぅ・・・!」
質量、加速、共に上の小鳥が一瞬圧す。が、負けじと一夏もスラスターをふかし
「こん・・・のッ!」
「グァッ!?」
一夏が更に小鳥の腹に
「こん・・・なろッ!結構痛かったぞ今の!」
飛んだ方向とは逆向きにスラスターをふかし、ブレーキを掛け、前方に居る筈の一夏を
が、しかし小鳥が予想していた場所には一夏は居らず、しかも小鳥の目の前で『雪片弐型』を降りかぶっていた。
「ハァッ!」
「のぉわッ!?」
間一髪、
(不味いな、距離を取りたいとこだが、このヤロウ完全に状況を心得てやがる・・・!)
口許を引き
近接戦において、機動力に重点を置いた
せめてアイアスを分割して手数を増やしたい所なのだが、そんな隙さえ与えてくれない。
(どうする俺?このままだと以外にもジリ
そんな
織斑千冬、
「押してますね、一夏君」
静かに山田先生が感想を述べる。
連続で攻撃を仕掛け、小鳥を防戦一方に追い込んでいるその
「よし、行け一夏!このまま押し勝ってしまえ!」
一夏に向けて
「いや、それは無いな」
だが、そんな期待を千冬があっさりと切り捨てる。
確かに、単純に見て小鳥の方が戦力が上だ。今は一夏が優勢だが、全体的な戦局では小鳥の方が有利だろう。
とは言えそれも時間の問題だ。このまま流れが一夏の物になり続けるのであれば戦局は
しかし、それ以上に一夏に負ける要素が在るらしい、千冬は確信を込めた言葉で箒に問う。
「篠ノ之、お前はあいつの幼なじみだろう?あいつは今、とある
そこまで言われた箒は、一夏を
「手を握っては開いています、確かあれは・・・」
「そう、あれは・・・」
口を開いた箒に頷き、千冬もその
「「━━━調子に乗っている時の癖だ」」
千冬は
恐らくは小鳥を相手に押していると言う状況に調子付いているらしい。
ただ、
だが、千冬は調子に乗る事を恐れているらしく、厳しい面持ちで一夏の現状を語る
「調子に乗れば、誰であれミスを犯す。アレはそれが
その隣では箒が苦笑いをしている。どうやら調子に乗った一夏が嫌な思い出を作った事が有るらしい。
そんな箒の隣で彼女を見る山田先生の視線がやや
「と、とにかく。あの手癖をしている時、一夏はミスを
と、
『うぉおお!』
「あっ、不味い!一夏、それは駄目だ!」
大振りに刀を振り下ろす。恐らくは勝てると踏んで大きなダメージを負わせに来たのだろう。
だが、まだ
彼女達の
(いける!このまま押し切れば、勝てる!)
剣道で
シールドエネルギーは残り
きっとまだ小鳥は操縦に慣れていないから、こんな優勢な状況が出来上がっているのだろう。でも時間が
(なら、ペースアップして、決着を着ける・・・!!)
気合いを入れ右手の雪片弐型を強く握り直した。
(まぁ、あんな顔なら、『行ける、なら攻めを強くすれば勝ちは見えて来る』・・・とか考えてんだろうな)
難しい顔をしながら、そう一夏の思考を先読みする小鳥。
(まぁ、それならそれでカウンターを入れるだけなんだけどさ)
巨剣と刀が激突し光が散る。
シールドエネルギーの容量から『零落白夜』を使えない事を解っているからこそ、こんな打ち合いに
今のこの状況において、最も有利なのは自分だと解っている。だからこそ
「うぉおお!」
(来たッ!)
雄叫びを上げて一夏が突っ込んでくる、大振りに刀を振り上げることなど『避けて下さい』と言ってるようなものだ。
絶好のチャンスを逃すまいと、全センサーを動員して一夏の動きを注視する。
スペック上、銀影にその動きにカウンターを当てるのは十分可能だ。後はギリギリさまで引き付けて剣なり拳なりをぶちこめば良い。
そして刀が振り下ろされ、
「やっぱ無理ッ!」
「なっ・・・!?」
思いっきり飛び
「「「え?」」」
一夏だけでなく、ギャラリーの三人も驚く、絶好のチャンスの筈なのだが・・・。
「
自分に激怒し、
そんな素人が『来る』と分かっていても、攻撃に移るなど、かなり無茶な話である。
「ッ・・・!」
しかし、距離は出来た。アイアスを
「さぁーて・・・素人VSハンデ付き経験者・・・どこまでやれる・・・?」
まともに打ち合っても勝率は一夏に
「行くぞ小鳥!」
小鳥に向かってスラスターを吹かし、攻撃をしかける。
「んなろ!」
片手で放たれたそれを、小鳥も同じ様に片手で受け止める。
空いた右の剣を
「今・・・ッ!?」
『今だ』と言おうとした一夏の目の前には、剣を振った勢いを無理に止めず、一回転して後ろ回し
「くッ!」
「ハァッ!」
腕を右に配置して防御する一夏。
小鳥は防御ごと突き
(ッ、そこまで大きなダメージは入らなかったけど・・・小鳥との距離が開いた、
(小鳥の腕が俺より強いかは分からない・・・でも、攻撃を防ぐのなら手数の多い今の方がやり
どちらにせよ、『今は』『まだ』一夏が優勢だ。先程と同じように攻めきれるかは分からない、だが攻めなければ勝利は有り得ない。
「こうなったら、下手に考えない方が良いよな・・・」
それなら突撃だ。
もう『零落白夜』を使っても勝てないのは判りきっている。どれだけ上手く当てても、この分じゃ小鳥を削り切る事は無理だ、ただでさえ少ないシールドエネルギー。それを消費したら、自分の負けは確定的だ。
(距離を詰め続けられたのならアイツが有利、ヒット
心の内で己に問う、一夏程考える事を
(戦力を整理しよう)
聞いた話だと、一夏のIS適正はBに対し、小鳥のIS適正はC+と言った所。
そして
正直言って、元の機体が
(━━━・・・・・・)
状況整理をしてみても自分が不利だと言う事が
「・・・・・・・・。」
もし一夏が強襲を掛けても反応出来るように、
だが、それを黙って見ている一夏ではない。
「うぉおお!」
「クソッ!」
苦い顔はさらに苦しい表情に変わる。このまま防御を続けても勝利へは近づけない、むしろ敗北に引き寄せられるだけだ。
苦笑いを浮かべ、一夏を睨む小鳥は次の一撃を
「んなろッ!」
「クッ!」
小鳥は下段からの切り上げを後退しながら防御する事で、防御ラインを
そんな器用な動きが出来るようになってから
(小鳥が明らかに
一夏には武器を使った戦闘経験が在ると言うアドバンテージがある。
これでも一応全国レベルだったし、ブランクがあると言っても、それもこの一週間で大分マシになっている。
だが、そのアドバンテージも小鳥が武器を使った戦闘において素人だからアドバンテージ足りえるのだ。
もし小鳥が戦いに慣れれば、この優勢も一気に瓦解する可能性がある。
(・・・って落ち着け落ち着け、さっきもこうやって気を
斬激に比べて動きが少なく、カウンター接続技を掛け易い刺突なら、慣れてきた小鳥相手にも十分対応出来る筈だ。
「いくぞッ!」
「ッ・・・!」
「チィッ!」
小鳥も必死に剣を振り、一夏を間合いの外へと追いやる。
(行ける・・・!この戦法なら小鳥は完全な対処が出来ない!)
思わず
「・・・!」
と、そんな一夏の好戦的な姿勢とは裏腹に、難しいをしている小鳥は、何か思い付いた様な顔をしている。
「・・・?」
かと言って何かする訳でもなく、小鳥は
(って、考えさせたら
小鳥は頭の回りが速く、物を考え『戦力』を『戦術』で
考えさせて何かを思い付かせるのは不味い。
小鳥のペースへ持っていかせまいと、もう一度突撃を仕掛けようとしたその時。小鳥は右手を上げ、剣の腹を見せつつ『待て』のポーズを取る。
「あー、ちょっと待った!」
「ッ・・・何?」
不意に掛けられた言葉に驚いて、突撃の姿勢を
『待て』とはどう言う事だ、まさかこれも策略の一端か?
と、策略を警戒する一夏を
「俺の負けだ!
「・・・へ?」