IS/ガンダム00 crossing exceptioners 作:A.Tom
「では、これよりISの基本的な飛行操縦を
四月
1-1クラスでは、実習訓練が行われていた。
指示に従い、セシリアは左耳のイヤーカフスに触れる。
その直後、彼女の
「早いもんだなぁ・・・」
しみじみと呟く
「早くしろ。熟練したIS
言われて、一夏は右手で左手首のガントレットを
(来い、
その
「来い」
短く、しかし強い言葉。それが
端末は光と
ほぼ同時に展開を
「よし、飛べ」
二人の機体の展開を確認した千冬は、強い口調で命令を
そこからの行動はセシリアが早かった。
「は、早いな」
「まぁ仕方ねぇだろ」
二人も続くが、どうも速度が出ない。
セシリアが空中で止まり、小鳥が半ばに
「何をしている
セシリアにとって乗り慣れたブルー・ティアーズなら
そう千冬からお
「そう言われたってなあ、『前方に
と、
「イメージはたかがイメージですわよ。
「って言われてもなぁ・・・。大体、空を飛んでる今でさえ、その感覚があやふやなんだ。そもそも、どうやって浮いてるんだこれ」
白式には翼に
翼の向きとは関係無しに好き勝手に方向転換できる時点で
「お前な・・・それ
一夏の
「細かい事は
いやらしい笑みを浮かべる小鳥。
今の
「なるほど、わからん」
「だろうと思ったから励めと言ったんだバカめ」
「はいはい・・・。それはそうとセシリアが何か
小鳥に近づき、耳打ちする一夏。
確かに言われてみれば、小鳥が一夏に説明を始めた辺りからセシリアの顔が明らかに雲っていた。
問われた小鳥は、その理由を
「ついでだが、下を見てみな」
「お、おう」
小鳥に
「うわっ・・・凄いな」
ISに
この分なら月の表面くらいは楽勝で見えそうだ。
「ちなみに、これでも機能制限がかかっているのでしてよ。元々、ISは宇宙空間におけるパワードスーツが目的でしたから、
「だ、そうだ」
「へぇ~。サンキュ、セシリア」
一方専属コーチの箒は説明がアバウトで、
『ぐっ、とする感じだ』
『どんっ、という感覚で行け』
『ずがーん、と言う具合だ』
・・・・・・とまぁ、
そんな箒の説明にセシリアが口を出してケンカになるのがここ最近のパターンと
(俺に対して
と、少しの
「三人
「了解です。では一夏さん、お先に」
言うが早いか、セシリアは地上へ向かう。
みるみる内に遠くなるその背中を、残された二人は感心しながら
「
完全停止もどうやら上手くいったらしい。
それを見届けた一夏は、小鳥より先に降下体勢に入る。
「よし、俺も━━━」
意識を集中させる。
想像するのは背中からロケットファイアが燃えるイメージ。
円錐を思い起こす事はしない、先程はそれで推力が上がらなかったのだから、セシリアの言うように自分のオリジナルでやってみる。
「わぁぁあああッ!?」
地上の
「大丈夫ですの?一夏さん」
「・・・・・・なんとか」
ISのダメージカットの力によって肉体にダメージは無いが、クラス女子の視線はひしひしと感じる。
心配をしてくれているセシリアの優しさでさえ何だか
「馬鹿者、誰が墜落しろと言った」
「・・・・・・すみません」
「情けないぞ一夏。昨日教えただろう」
「・・・・・・すみません」
ゲンナリとした一夏へ肉親と幼なじみのお叱りの声が
「お怪我は
「大丈夫・・・どこも痛くない」
「そう。それは何よりですわ」
ふふふ、と
「・・・・・・ISを装備して怪我などする訳ないだろう」
「あら
と、二人が口喧嘩を始めようとしたその時、
「━━━━━━ふんッ」
頭を進行方向に向けていた小鳥は、地面より10mの地点で身を
「チッ、2m60・・・・・・。おおよそ20点ってとこか」
遠回しに一夏がそれ未満だと、他人にも自分にも
と、舌を打つ小鳥に
「完全停止は成功したようだが・・・誰が大穴を開けろと言った。10点だ」
スラスターを全力噴射した反動で小鳥の足元のグラウンドは、浅く広い穴が空いていた。
それを見た小鳥は、先程よりも大きな舌打ちを放ち悪態を
明らかな反抗的態度に眉をひそめる千冬だが、何に対する舌打ちか判断しかねたようで、何も言わずに一夏に次の
「織斑、武装を展開しろ。それくらいは出来るだろう」
「は、はぁ」
「『はい』だ」
「・・・はい」
「よし、始めろ」
指令を受けた一夏は周囲の人物との距離を確かめ、正眼に手を
(━━━鋭い、薄い、硬い、斬るイメージ)
最大まで集中力が高まると、構えた両の手から光が放たれる。
(・・・よし、来いッ!)
その光を確信を
つい一ヶ月前まで平凡な受験生だった一夏にとって、『手の中に刀が現れる』イメージというのはかなり難しく、ここ最近の特訓はそればかり練習していた、
「遅い、0.5秒で出せ」
していたのだが、これでも遅いらしい千冬からまたもやお叱りを受けてしまう。
(ISと一緒に装備が出てくる小鳥が
「次はオルコットだ、武装展開をしろ」
「はい」
言うなり右手を横に突き出すセシリア。
すると、爆発的に光が放出、
その出来の良さに小鳥も思わず口笛を吹き鳴らす。
「流石だな代表候補生・・・・・・。だが、そのポーズは
「で、ですが、これは集中する為に必要な、」
「一週間以内に直せ。良いな」
「・・・・・・はい」
反論を
流石に口に出して反論はしないが、言いたい事は沢山あるらしい。苦虫を潰したような顔で黙り込むセシリア。
と、頭の中で
「セシリア、近接戦用の武器を出してみろ」
「えっ?あっ、はいっ」
完全に自分の世界に入っていた時に出された
「くっ・・・・・・!」
その光は、ライフル『スターライト
「どうした。まだか?」
「す、すぐです!」
とは言いつつも、光は
(どうやら、近接戦は基本的にやんねえみてえだな)
遠距離武器の際はあれほど見事な展開を見せたと言うのに、近接武器を呼び出そうとしている今の展開速度は、一夏のそれにさえも劣る。
ISの操縦というのは、基本的にイメージの
IS歴が1ヵ月にも満たない一夏がそれなりに速く雪片を呼び出せたのは、ブランクがあったとは言え彼が剣道経験者だったからであろう。
「ああもう!『インターセプター』ッ!」
と、
すると、手元で行き場を失っていた光はゴール地点を見つけたかのように
(・・・・・・マジか)
小鳥が驚いたのはその
武器の
慣れていないのは
小鳥の中でセシリアの
それを自覚している為に、セシリアもその
「何秒かかっている。お前は実戦で相手に待ってもらう
「じ、実戦では間合いに入らせません!ですから問題ありませんわ!」
「ほう、あの初心者二人相手に
「あっ、あれは、その・・・・・・っ!」
懸命に反論を試みるセシリアだが、それらが一々事実な為に
『大変そうだなぁ』と
それもその
『
(なんでだよ)
『あ、貴方が
(そりゃあ、近接武器しか無いんだから仕方ないだろ)
『せ、責任をとっていただきますわ!』
(なんのだよ)
とまぁプライベートチャンネルによって一方的に言われっぱなしだった。
と、理不尽な
「時間だな。・・・・・・今回の授業はここまでだ。織斑、小鳥、グラウンド、片付けて置けよ」
「はい」
「
一夏、小鳥の開けた穴はそれなりに大きく、小鳥のそれに
(━━━━って、土どこにあるんだ?)
スラスターの風を箒
その日の夜、IS学園のゲート前に、
「ふ~ん、ここがIS学園なんだ・・・」
肩にかかりそうなサイドアップツインテールの髪型を風に
「えーと、受け付けってどこにあるんだっけ?」
上着のポケットをごそごそとかき回し、一枚の紙を取り出す。長旅と彼女自身のガサツな性格を表すようにグシャグシャとなったそれを広げると、目的地の場所を探し
「本校舎一階総合受け付け・・・・・・ってだからどこにあんのよ」
「アッチですヨ」
「わぁっ!?」
彼女がぶつくさと
声の方をみる鈴音の
「だっ、誰よアンタ!?」
見知らぬ少年は、おどけた調子でレジ袋を持った腕で肩をすくめ、鈴音の質問に質問で返す。
「オイオイ。仮にも親切に道案内してくれてる人にその言い方はないだろ」
「いつの間にか横に立ってる
「不審者とは
ムッと眉を
「俺の名は
その言葉を聞いた鈴音は、全力で
「え・・・え?い、一夏以外にもいたの!?」
「居るぞ」
「マジで!?」
「
と、鈴音の言を聞いていた小鳥は、思考の
(『
半開きの目を更に細くして、鈴音の存在を
恐らくは
「はぁ・・・・・・もういいわ、受け付けはあっちなのよね?」
「おう。・・・あ~そうだ、
「え、ちょ・・・ッ!」
そう言って
「あれ?」
「ん?どうした?」
箒との特訓が終わり、
「・・・・・・あいつは」
どこかで見たことある髪型だ、そのおさげの位置も見覚えがある。
「もしかして・・・
声を掛けようと足を動かすが、それより先に隣に立つ箒から声が掛けられる。
「おい、鈴とは奴の事か」
「ん?ああ、箒が小4の頃転校しただろ?そのちょっと後に入れ違いで転入して来た奴だよ」
問う声、答える声それぞれが、アリーナの入り口に
気づいた鈴音は一夏の方へと振り返り、
「あ、いち・・・か?」
一夏とその
・・・・・・彼女がこのような中途半端な時期に転入して来たのには、二つ
まず一つ。現在、一学年の国家代表候補生が専用機持ちであること。
世界のISの数が限られている事、そのISが
学園内での対戦で遅れをとるような事態があれば、数の力の無い現状においてそれは、その国の軍事力が劣っている事の証明となる。
まして、その舞台にさえ上がらないと言う事は開発が
そこで二つ目の理由だ。
結論から言えば、彼女は織斑一夏に好意を寄せている。
毎度の様にIS学園への進学依願書をゴミ箱へ投げ捨てた日の昼。彼女はポテチを
それもその筈、速報に流れてきた人物が幼なじみの顔だったのだから。
・・・・・・詰まる所彼女は片想いの相手に会いに来たいが
しかし、一夏の隣には謎の女子が居たのだ。
しかもその距離も明らかに近い。まるで幼なじみのようだ。
衝撃の現実に開いた口の
「お、おう。久し振りだな、鈴。一年ちょっと振りか?」
「え、ええ!それくらいじゃないかしら!」
ハッとして我に帰った鈴音は、ぎこちない笑みを浮かべて一夏に応答する。
「そ、それにしても良く分かったわね、普通一年も会ってなかったら顔とか忘れない?」
「忘れねえよ、鈴とは良く遊んだからな」
そう言われると、顔を赤らめてしまう。目の前で一夏の隣に立っている見知らぬ少女にさえ目が行かなくなる程に。
と、一夏との会話に夢中になっている鈴音に、箒が割り込んで来た。
「ん゛っ、んん!一夏、この女は何者だ?」
「いや、さっき言ったろ。こいつは、」
「
「ほう、奇遇だな。私もだ」
「んなッ・・・・・・!?」
突然の幼なじみ宣言に
「ど~ゆうことよ!?」
「どう、って言われてもその通りなんだが」
「あたしの知らないアンタの幼なじみだなんて存在するワケないでしょ!」
事情が全くもって
「い~や、そんなワケがあるのだ!」
「なっ・・・。良いわ、聞かせもらおうじゃない」
鈴音が
「私は貴様の前に転校した幼なじみ。つまり初めての
「な、なんですって!?」
何だか『初めて』と言う部分が強調されている気がするが、事実なので仕方ない。
「まぁ、その、何だ。こいつの名前は
無言で『言っても良いのか?』と目配せを送る一夏。
箒は何とも言わないが『勝手にしろ』と顔を
「
その説明に開いた口が閉じた鈴音。
その代わりに箒がむっとした表情になっているのは、どうか気のせいであってほしい。
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
と、話題が無くなった三人は、三者
誰から話しかけたものかと様子を見計らっていた三人の間に、
『Pririririririri!』
「!?」
突然
「お、俺か・・・・・・。もしもし?」
一夏の携帯から鳴っていたらしい、
『おう、一夏。今どこだ?』
「あぁ、アリーナだ。特訓が終わったばっかりでさ」
『そうか・・・まぁ良い。部屋に戻って着替えたら
「お、おう。解った」
『別段急ぐ必要は無い、
「あ、ああ」
『じゃあまたな』
小鳥からの一方通行な会話は小鳥の一方的な切断によって切られ、一夏も豆鉄砲を食らった様な表情で通話を終了させる。
「誰からだ?」
「小鳥からだった。なんでも、『教室に来い』だってさ」
何が目的かは知らないが、あの