IS/ガンダム00 crossing exceptioners 作:A.Tom
IS学園の地下深く、一部教員しか立ち入れないセクションで、1-1
(やっぱり、どれだけ探っても
上半身と下半身で真っ二つになっている
・・・サラッと言っているがメチャクチャである。
ISは人が乗らなければ稼動しない。
ところが目の前のそれはそんな
小鳥くんからの情報が正しければ、この機体はコア・ネットワークから独立し、その上で無人機の技術を
(ただ・・・そんな事が
でもそれも仕方が無いのかもしれない。
この無人機に使用されていたISコアが未登録のコアだと知れば、誰もが同じような気分になるだろう。
本人が
それは篠ノ之博士が最近まで
そのため、そのISコアに割り振られたナンバーを国連のデータベースに問い合わせれば、そのISコアが所属している国家や、管理している
(まぁ・・・その全てが真実である確証は無いんですが・・・)
恐らくはそのデータベースに報告されている情報の一部は
だと言うのに、
ISコアが国連のデータベースに登録されていない、それはつまり登録以後に新造されたISコアという事になる。
そこから考えれる犯人は、ISコアを作れるたった1人の人間にまで
言うまでもなく、篠ノ之博士の
(よりにもよって篠ノ之博士がこんなことを・・・)
彼女をよく知る先輩、
ストレス性の溜息を吐き出して資料作成を進める。
一応
と、キーボードを叩き始めると、エアロックが解除される音がした。
振り返って見てみると、件の織斑先生と───
「お、小鳥くん!?」
茶色の髪を後頭部で
その服装はISスーツに医療用のガウン、どうやら意識を取り戻して直ぐに来ているらしい。
「って、何で居るんですか!?」
ここは教師、生徒を問わず基本的に立ち入り禁止である。
そこに小鳥がいるのは流石にまずい。
「私が連れて来た」
「えっ、大丈夫なんですか!?」
「問題無いだろう、コイツは既にこの機体の事を知っているし。何よりこの機体の
そう言って顎をしゃくる千冬、小鳥はそれに苦笑いしていた。
「そら、自分から言い出したんだ。さっさと
と、小鳥の肩を叩いて急かす千冬。
それを聞いた麻耶は驚いた表情を小鳥に見せる。
格好から勝手に連れてこられたと考えていたが、自分から希望してここに来たらしい。
「小鳥くん、自分で来たんですか?」
「ええまぁ。事情聴取の時に『無人機の情報が欲しい』と言ったらこのザマですよ」
肩を
それまでに何があったかと言うと・・・。
「・・・で、そこまでしか話せないのか?
「だから言ったでしょう『無人機の確証については喋れない』って」
小鳥への
千冬は
話せない事があると言ったとはいえ、聞かれた事の四割を
とは言え、下手に話すと俺と
「
思わず
「俺がこれ以上の話をするなら、せめてあの無人機の情報が欲しい所ですね。
これ以上
「ふむ、じゃあやってみせろ」
「へ?」
「情報が欲しいんだろう?なら来い。あの無人機のある所まで連れてってやる」
「え?良いんですか」
「当たり前だ、その気がなければ言いはしない」
・・・マジか、
本当は話題を逸らせられれば良かったのだが、まさかそれが
「・・・そんな訳で千冬先生の案内によって禁止区画に入ることになった───と言う訳です」
んで、と一息置いて本題に入る。
「どこまでわかってるんです?アレについて」
「は、はい」
無人機を送り出した勢力を洗い出してやる、と
と、それを問われた麻耶はいつもと同じように緊張した様子で
それを受け取って画面に映る情報に目を通す。
(凄いな・・・。一人で良くここまで調べた)
装甲素材、センサー方式、仮想ジェネレーター出力、仮想エネルギー回路、両腕部ビームキャノンの構造etc・・・。ISに関わる事だけでなく、測定出来るだけの
特に目を引くのはISコアの
『未登録』と記されたそれには、視線を注がずにはいられなかった。
「『未登録』て・・・。これ
未登録のコアを所有出来るとすれば、心当りは一人しか居ない。
と同時に、
・・・と言うか、
「参ったな・・・ここまで
犯人が一人に限られた今、俺に出来ることなど無いに
一応この場に置いて俺の
「良いからさっさとやれ」
千冬からの
まぁ彼女の言う通りこんな所で出来る出来ないとゴネていても
「・・・まぁ、一応やると言った
言って、集まった情報、特にハードウェアの情報に注力して解析を始める。
「・・・・・・───」
端末に表示される情報を、先程まで麻耶の座っていた
ラファール・リヴァイヴ、虎龍、ブラック•ハウンド
それぞれがAEU、人革連、ユニオンを代表する機体だった。
現在無関係な筈の機体三機を並べる事に首を傾げる千冬と麻耶だったが、こちらとしてはいたって真面目である。
そんな疑問に耐えかねてか、麻耶が質問を投げて来た。
「・・・何してるんです?」
「援助組織の痕跡探し」
画面から目を離す事なく、
「・・・ISは、
・・・だとしたら。
「だとしたら、何を材料にした?タダで物貸しをする奴はどこにも居るまい、だとしたら何かしらの材料が必要だろう」
三つの機体、それぞれのエネルギー回路の透過模式図を、無人機のそれに
「物資、情報、技術・・・。考えられるのはこの三つ。物資・・・はまぁまず無理だろうな、今回はその物資を貰い受けてる訳だしな」
物を欲しがってる者が物を持つとは思えない。
「じゃあ、情報と技術と言うことに・・・?」
「情報って線も
装甲素材、フレーム素材、その構成を見比べ、
「それに、束が世界から注目されているのは、誰も届かない技術力にある。なら十中八九交渉材料は束の技術の一部だろうな」
「っでも、それがどうして援助組織の痕跡に
その仮説に納得しながらも、同時に疑問にぶつかって首を傾げる麻耶。
そのまま言っても面白くないので、一つ問題をふっかけるとしよう。
「さぁて、どうしてでしょうか?」
「え?ええっと、なんででしょうか・・・?」
「・・・
「大正解。・・・まったく、そんな早く答えないでくれ、麻耶先生が困ってて面白いトコだってのに」
「教師で遊ぶな教師にタメ口を聞くな」
「あいてっ」
バシンッと、端末の面で
気を取り直して、
「技術だったら何だって良い訳じゃない。最終的な目的は取得した技術を自分の技術へと
口に出すことは無いが、その
そう言う
正直言って余りに危険な思想だ。
(
怒りを通り
─── その上で、その組織にアタリが付きそうな事が、俺にとってストレスを増加させる事だった。
「はあああぁぁぁぁ・・・?」
クソほど大きな溜息を誰にでも聞こえるレベルで吐き出す。
理解は出来るが、
怒りに駆られたまま、口を開く。
「・・・多分だが、援助組織が
「ほ、本当ですか!?」
ああ、と、その結果にうんざりしながらも、力無く返答する。
少しばかり言うか迷ったが、千冬の刺す様な視線に急かされ、溜息混じりの声で絞り出すように結論を出す。
「・・・結論から言うと、束のバックにはユニオン、少なくともアメリカがついてる・・・!クソ、最悪だ・・・!よりにもよってあの国と組んでいるだと!?」
自分の出した結論が間違いであって欲しい心を
見れば、信じられないと言う風に麻耶は絶句し、千冬は鋭い瞳のままこちらを見ていた。
その千冬が問う。
「
「この無人機の
言って、情報端末のパネルを叩く。
そこには完全状態の無人機の透過模式図、その腕部の拡大図があった。
「AEU、ユニオン、人革連のISのコンセプトは、それぞれの勢力で分かれてる」
一度閉じた三機の量産型のホログラフィーをもう一度開く。
一機一機に指を刺しながら説明を始める。
「人革連はスペックより量産性。AEUは
細長い目が
三機の量産機の図を
骨子、エネルギー系、センサー系、そのどれもが
「コイツのコンセプトは
残るは二つ。しかし、その特性ではアメリカを黒幕だと
「それじゃあ、AEUが関わってるって事になりませんか?」
確かに、先程の説明だと、機体の汎用性を求めるのはAEUの特徴だった
だが、そう判断したのは別の理由があったからだ。
「言っただろう?この機体のミソは腕部ビームキャノンだって。・・・これを見ろ」
そう言ってホログラフィーを移動させ、腕部アーマー内のビームキャノンのエネルギーパスを
無かった。
「この機体のビームキャノンは、エネルギー供給を実体コードではなく、
「接触式のパス・・・?」
「ああ、普通ならあんな大出力を使うなら実体のコードを使うだろうに、この機体は基本的に普通のISと変わらない無線式どころか、本体装備なら使う筈も無い接触式のエネルギーパスなんかを使っていやがる」
接触式での供給は無線式よりは効率は良いものの、それなら直接ラインを切らずに制御した方が効率は
だと言うのに、わざわざ接触式のエネルギーパスを使用しているその理由。それに一つ心当たりがあった。
「恐らくだが、この機体の腕は腕にビームキャノンが付いている訳では無くて無理矢理ビームキャノンに腕としての機能をはっつけてると言った方が正確だな」
そう、接触式のパスを使うとしたら、マニュピレータを
それならば援助組織は
「
「そう言う事・・・。正直言ってまだAEUや
背もたれに深く背を
「アメリカは─── 建国以来負けを知らない。第一次ではほぼほぼ裏方、第二次では本国へ誰も足を踏み入れられず、100年前の中国との大戦でも
吐き捨てるように、そうあって欲しくない未来を想像する。
と、千冬から視線を外すと、血色の悪い顔をしている麻耶が居た。どうやらショックの大き過ぎる話題だったらしい。
それもそうだ、そんな血みどろな話題が現実味を帯びることなそうそうあるまい。
皮肉気に口を歪めて今までの言葉を
「ま、気にしなくても良いですよ。コイツは元専門学生の
実際、アメリカと束がつるんでいる
「───」
それでも気休めにはならない、麻耶も千冬も浮かない顔を浮かべ、そう言う茶化しを入れた俺ですら、その
「どちらにせよ、可能性の
「・・・まぁ、でしょうね。こんなのは書類に書くべきじゃない」
千冬が口にした台詞に同意する。
この仮説がたとえ真実に届いていたとしてもそうでなくても、外に
真実の所在はどうであれ、ひた隠しにした方がよっぽど
ここに居る三名の内二人が
「そう・・・ですね。この事は報告書には書かないでおきましょう」
どんなにIS学園が中立地点だとしても、運営しているのは日本だ。直接的でなくても圧のかけようはいくらでもある。
各国との関係が重要なIS学園、その中でもアメリカは重要な一国である。
─── 正直に言うとこういった重要な事は公表したいが、かと言って公表の後の事を考えられない程向こう見ずでもない。
「それに、事を明るみに出すのはいつでも出来る」
蛇の様な目が、怪しく光った。