IS/ガンダム00 crossing exceptioners 作:A.Tom
悪意式弁論大会
教室の右列三番目、
「あー、ニュースで知ってる奴も多いと思うけど、俺の名前は
割と丁寧だが、どこか突き放す様な口調でそう話した小鳥。
女子の目線は、どこかポカンとしている。どうやらもう少し情報が欲しいようだ。
・・・まぁ、そんな期待をかけられたら裏切りたくなる物だ。
「━━━そんな訳だ、これから一年間、
半開きの目は誰を見るでもなく、面倒臭そうな態度で後ろ頭を
物欲しそうな目付きをしている割に何も質問してこない、
「え、えっと、次は
先生に
かなり長い間が開く。どうやら、どの様にして自己紹介しようか迷っているようだ。
と、たっぷり30秒ほど経った
「お、
最初に見つかった『ISを使える男性』の一人目、自分としても少しは気になる。
「・・・以上です」
何か、
と、教室中の誰もが
「お前は満足に自己紹介も出来んのか
見ればその
五十音の都合上、先に済まされた小鳥の自己紹介は
痛そうにする一夏を
一人だけ長ったらしい事を除き、自己紹介も
普通は
(確かに、
「ハァ・・・」
内心で呆れながらも、教科書のページをペラペラと適当に
(しかも、教科書さえこのザマか。一般に公開されているISの情報と大して変わらない・・・詰まらねぇな)
教科書に書かれている
(この程度の情報、調べようと思えばこんな所に居なくとも知れるだろうに)
ぱらり、と退屈そうにページを捲る。
「ハァ・・・」
小鳥が
「・・・?」
軽く教科書全ページを読み漁った小鳥は、前方の山田教師と軽く目が合う、が、直ぐに山田教師側からいそいそとその視線が外される。
(流石IS学園、生徒は勿論、教師まで男性慣れしてないのか・・・千冬先生以外は)
ちらり、と横目で元
一夏と姉弟とあって、その面立ちは似通う所が多い、がしかし、その目付きはこの教室に居る誰よりも
(世界最強は
と、暇を持て余し教員の品定めをしているその真後ろの席で、今しがた織斑千冬との
「んんんんん・・・?」
何が在ったかは知らないが、ISの授業に付いて来れてないらしい。
(だ、駄目だ・・・全ッ々解らん。何でみんな
一時間目の授業も終え、二時間目も終えた頃には織斑一夏の状態は悲惨な物になっていた。
先程、小鳥から『
(最初にISに乗った時みたいな、あんな感覚が嘘みたいだ)
そんな彼が思い出していたのは今年の三月頃の話。
・・・親も
諸事情あり、学生生活を姉の
が、
その結果は、本来なら『動かない』の一言で
だが違った、『動いた』のだ『
そんな事も有り、ISが使える事が判明した彼は、トントン拍子で学園への入学が決まり、今に至る。
(・・・あの時の
あのISに触れた右の手の平を見つめる。思い出すのはある一つの感覚。
言い表すのも難しい、例えるのならば、『前から知っていた』様な、でも『生まれ変わった』様な、矛盾する感覚。
でも何より、彼が一番引っ掛かりを感じているのは、『こう在る事の方が自然』で、自分と世界がISを介して
直感的に言語化してみせても、どうも不思議で仕方がない。彼はISに乗った事なんて一度たりとも無かった筈なのだが、
そんな疑問に駆られ、何度も思い返してみても、自分がISを操縦した事に思い当たる
(悩んでいてもしょうが無い、今からでも遅くはない筈だ・・・!!)
と、気合いを入れて教科書を
「ちょっと、よろしくて?」
「ん?」
「んぁ?」
自分の世界に入り込んでいた中、
「まぁ、何ですの!?この
一方的に話し掛けて置いて、勝手に怒り出す女子。
その目付きは他者を
(・・・あー、何だったかコイツは)
小鳥がその少女の名前を思い出そうとする。
確か、やけに長ったらしい自己紹介をしていたのがこの女子だったのは覚えているのだが、
そんな小鳥の無関心を知らず、金髪ロールの髪型をたなびかせ、少女はさらに続ける。
「この
(あ、セシリアって言うんだ。ふーん)
小鳥と同じく、少女の名前を思い出せてなかった一夏は、彼女が自分から名乗った事で、その名を記憶に留める。
(━━━この手の女子は苦手なんだよなぁ)
と、同時に密かに一夏はそう思う。
だが、
「あ、質問良いか?」
「ふふふ、下々の求めに応えないほど薄情ではなくてよ」
良い、と言う意味なのだろうか、一夏が質問の
「代表候補生って何だ?」
が、それも束の間。一夏のその発言を引き金に、教室中の時間が止まった。
信じられない物を見る様な目で見られる一夏は、初めてISに乗った時、彼の第一発見者となった女性もこんな顔をしていた事をぼんやりと思い出していた。
「・・・あー、何だ。『国家代表候補生』ってのは、読んで字の如く『国家』を『代表』するIS操縦者、その『候補生』・・・つまり、お前の姉、千冬先生が数年前までなっていた物に、これから
目も当てられないと言った様子で、小鳥が解説を入れた為に、自信を取り戻したのか、セシリアは胸を張って堂々と宣言する。
「そう、エリートなのですわ!!」
「ふーん」
思った以上に反応の
「そんな選ばれた人間とクラスを同じにした幸運を噛み締めて頂きたい物ですわね」
「・・・・・・フッ」
その話の鼻先を、『エリート』だとセシリアを持ち上げた筈の小鳥が鼻で
「何ですの、その笑いは?」
「いや失礼、余りにも身の程知らずな発言だと思ってな。思わず
クツクツと
「どういう、意味ですの・・・?」
「だってなぁ、『国家代表候補生と同じクラスになる確率』なんざ、そう低くねぇんだよ」
小鳥は立ち上がり、ボタンを開けっぱなしにした制服のブレザーを
「現在世界に在る国は統合なんかのせいで150ヶ国程だ、その上ISを軍事力として保有している国家は精々四十が良い所だ。つまり、単純に考えて四十分の一。それに比べて『世界で二人しか確認されていない、ISを使える男性の二人と同じクラスになる確率』を考えてみろ、今現在
演技ぶった、わざとらしい台詞回しで小鳥はセシリアに問う。
当のセシリアは、ぐうの音も出ないような正論に顔を真っ赤にしていた。
「ッ・・・貴方は・・・!!自分を何だと思っているのですか!?」
「さぁな、だが少なくとも、俺は俺自身がそこまで特別だとは思っていない、正直ISが乗れる以外は只の男だからな。だが、
セシリアの精一杯の感情的な反論でさえ、それ以上の感情論と正論で封殺する。
「ひとつだけ言って置こうか・・・。下らない
ギラつく目付きでセシリアを威圧し、そう忠告する小鳥。
その光景に一夏は少し引き、周囲の女子達も軽く引いている。
その直後、小鳥の勝利を示す