IS/ガンダム00 crossing exceptioners 作:A.Tom
さて、『力を得るにはそれ相応の対価が
・・・その意見には大いに
力に限らず、モノを得るには価値に見合う対価が必要で、それは有限のこの世界において間違いない絶対の法則でもある。
「ただそりゃ手に入れる方の問題だろうがよ・・・」
ここはIS学園の
(
見ている分には面白かろうが、その施設にお世話になるのは面白くない。
と言うのもこの施設は
ホントに俺が悪人だったら何も聞かずに
「
「そんな事言われたってねぇ・・・
無人機を回収し学園に帰投した数分後、俺と円花は先生に引っ張られ、着の身着のままそれぞれ別の人員と設備で聴き取りが始まった訳である。
事態が事態である
「俺ァなぁーんにも悪い
「その割にはビル2
「人的被害が出るよりはマシですよ、物的被害に関してはまぁ
「今日は
「逆ですよ逆。ストレスと肉体的疲労が俺のマウスピースの
あーあやってらんねー。と変わらぬトーンで放言する小鳥。
表情ひとつ変えない千冬は。そのまま尋問を続ける。
「それで、何か情報は無いか?」
「さっき話したでしょう、
「違う、状況説明は聞き
「ああ成る程。そう言う事ならいくつか」
多少演技クサいところもあるが、小鳥は
「一つ、サイレントゼフィルスは他者から貰い受けた事。二つ、円花を
「───・・・・・・そうか」
「・・・?」
だがその顔はどこか安心したような、下手な嘘を吐いた子供のような、そんな
しかし、そんな表情の変化はほんの
彼女の秘密とやらに興味は
意識を切り
「・・・んで、俺の個人的な考えだが。今回の一件は束にとって半分以上
「ほう?その
束との会話を思い出し、もう一度その内容を
「どうやって聞き出したのかは
千冬の頭の良さなら、ここまでの情報でも十分に理解できるだろう。
そう思って話を振ったつもりなのだが。
「・・・で?」
「え?」
・・・・・・・・・。
「・・・あんたそんな言わないとわかんない人だったか・・・?」
何か異様なレベルで千冬の
やはり何か気になっている事があるのだろうか。
とは言え気にしても仕方ないので、話を続ける。
「つまりアメリカのISを使うことから襲撃者をアメリカの手の者だと
「成る程。前回のプロファイリングの事を
その返答に
「そう、それも含めて考えると。束のバックに居るのはアメリカでほぼ間違いない」
これまで仮説止まりだった物が現実味を
(もう一押しの所で
だからと言ってどうこうなる話でもないが、それでも束の目的に近付く一歩だ。
「そんな事より」
「あん?」
首を
「円花を・・・どうするべきだと思う?」
「──あ〜・・・」
成る程そう言う事か、前々から千冬には一夏に対してのみ当たりが強く、
どうやら考え事とやらは円花の
思わず顔面に浮かぶ
「
「それはそうだが・・・。強制に転入させても良いものかと思ってな」
アイツにもアイツなりの生活がある、そう言って千冬が小鳥に向き直ると、小鳥の口が空いたままだった。
まるで、信じられない物を見たかのように、
「・・・どうした、何だその顔は」
「──イヤこっちの
「おい待て貴様私を何だと思っているんだ」
「冷血と鉄血の流れる血も涙も無い
ゴチィン!
千冬の
『いたたた・・・』と
「本人の意思が大切なら本人に聞けば良いだろまどろっこしい」
「それが出来れば問題無いのだがな」
「・・・?」
それはまるで円花が
(はて、円花の性格を考えたらそう難しい話でもなさそうだが)
千冬ほどとは言わないが、円花も結構気骨のある性格だ。あんな危機的状況に
小鳥が小首を傾げていると、千冬が話を続けた。
「アイツは自分の本音を話さない節がある。私が聞いても一夏が聞いても、それが本音なのか気を使っての嘘なのか・・・ハッキリと分かった試しが
「あ〜。いるなそういう奴」
適当に返答しながら
どうやら千冬との間にあった認識の
・・・まぁ、目の前の情け知らずの
とは言え、それを話すというのも
心中で小さく呟いた小鳥は、解決策を提示する。
「ならその件、俺が引き受けてやろうか?」
「ほう?円花の真偽が見抜けると?」
千冬の目が
だからと言って
「本音を見抜くと言うより、本音を引き出す、と言った方が正確だな。家族に対して何かしらの引け目があるなら
半開きの眼の内に、鋭く、しかし生暖かい光が見え隠れする。
(“小鳥”などとはよく言えた物だ。・・・これは
束が
油断すれば足を取られてしまいそうな、そんな不気味な眼が笑って告げる。
「それに円花にゃもう一つ問題が残ってる、それを解決する為にも
円花に付きまとう問題、それはブルーティアーズ3号機“サイレントゼフィルス”を
これはある意味では円花の
「ま、別に俺としてはどうでも良い話でもある。あまり
別に何か問題があるわけではない、しかし小鳥に頼むと言うのは何か
(・・・まぁ、やるだけやらせてみるか)
断る理由も無し、成功率が高いのならそれに越した事は無い。
「・・・ならやって見せろ、小鳥」
「はいはい、なんとでもして見せますよ」
「よう」
「あ、小鳥さん!」
IS学園の先生(山田先生と言うらしい)からの
「小鳥さんも終わったの?」
「まあな」
そう言って小鳥さんは少し離れた
「それで、これからどうする?」
「どうって・・・何を、」
いきなりの問い掛けに言葉を返す。
ため息を吐き出して小鳥さんは答える。
「お前の所属についてだよ。お前がどうも何かしらの組織に狙われてるのは疑いようの無い事実だ。その上、サイレントゼフィルスの一件もある。お前はもう一般人じゃない」
お前の意思に関わらずな。そう言って
とは言え、そんなに心配する必要は無いんだよねぇー。
「それについてはもう決まってるんですよねぇ~」
「・・・え、マジで?」
「うん、山田先生にはもう言ったんだけど、私は狙われてるみたいだし、安全の為に学園に入学することにした」
「・・・そうか。まぁ
そっけなく切り返す小鳥さん。もうちょっと驚くと思ってたんだけどな。
でもそれが目的ではないし、がっかりしていても仕方無いか。
「・・・ったく、苦労しないな」
「え、何か言いました?」
「何も・・・空耳だろ」
───なんか怪しい、根拠は無いけど。
そう思って追及しようとしたら、小鳥さんの方が口を開いた。
「で、IS学園に所属するのは良いとして、そっから先は?」
「先?」
「ああ、お前の知る由も無い話だろうが、お前の乗ったIS、“サイレントゼフィルス”はどうやらイギリス軍から
「え゛、そんな物だったんですかアレ」
それは知らなかった、だったら
そう軽い後悔を浮かべていると、待合室の扉から山田先生がやって来た。
「転入用の資料持ってきましたよ
両手で持つにしても多すぎる量の資料を抱えている山田先生は、小鳥さんの姿を見て驚いた声を上げる。
「そんなに驚きますかね・・・っと、半分持ちますよ」
「そこは全部もってあげましょうよ」
言葉通り資料の半分だけを持ち、近場のテーブルに置いた。
遅れてもう半分の資料を置いた山田先生が背筋を伸ばす。
と、たわわに
・・・
ちらり、と小鳥さんを見やる。
「──・・・・・・(ペラリ」
──ちぇ、面白くない。
そんな不機嫌な私の顔を見た小鳥さんが不思議そうに首を
弱みを見せる訳が無いだろ、と言いたげな笑顔。
『──千冬先生の妹に何かあったら事だからな』
・・・どこまでも『大人』な人だな、心配は私の為じゃなくて自分の為で、
「おい、お前の事なんだ。少しは目を通しておけ」
「はーい」
スゴい、
「あの、私サイレントゼフィルスにユーザー登録されてるらしいんですけど。それって解除出来たりします?」
「あん?どうした?」
小鳥さんが答える。いや、山田先生に
山田先生も反応してくれてるし、あんまり支障はないけど。
右手人差し指の指輪を擦りながら続ける。
「
「あ、えっと・・・どうなるんです?」
「そこで俺を頼りにするなよ・・・」
小鳥さんが肩を落とす、確かになぜ小鳥さんを頼るのか。
と、山田先生に対する評価を落としていると、小鳥さんが口を開いた。
「円花、腕部だけ展開できるか?」
その片手には
どうするつもりかはわからないが、とりあえず左手だけ展開させる。
と、山田先生が驚きの声を上げた。
「え!?もうそんな細かい操作が出来るんですか!?」
「ええ、プライベートチャンネルでの通信も出来ますし、円花のIS適正結構高いと思いますよ」
「え、これってそんなにスゴい事なんですか?」
「はい!私が部分展開できるようになるまで
流石千冬先生の妹さんですー!と、一人舞い上がっている山田先生を無視して電子辞書のような物を机の上に置いた小鳥さんは、
次の瞬間に、小鳥さんの頭にISのヘッドギアが現れた。
「さて・・・と」
ヘッドギアのブイアンテナをバイザーに引き下ろした小鳥さんは、私の手を取ってまじまじとサイレントゼフィルスの装甲を観察する。
何をする気なんだろうと思っていると、次の瞬間、小鳥さんが爪を立ててサイレントゼフィルスの装甲を
「ちょおおお!何するんですかぁ!?」
思わず飛び退いてその意図を問いただす。
小鳥さんは素っ気無く答える。
「カバーの
「へ・・・おお、凄ぉ」
見れば腕の装甲が開いていて、小鳥さんの言っている事が本当の事だと理解できた。
「ってこんなに簡単に開けれて良いんですか?」
「問題ねぇよ。そう簡単に開く物ではないし、ISにはシールドバリアがある。戦闘中に開く事態には
「あ、そうか・・・物知りですね」
「安心しろ、二週間で叩き込まれる」
褒められても小鳥さんは手を止めない、もう一度私の手を握り、展開されたカバーの中身を
コードのソケットの型式を確認して、電子辞書ライクな端末を机から取り上げたかと思うと、液晶の収められた
そしてキーボードを叩いて小鳥さんは告げた。
「あ、ダメだコレ」
「「はい?」」
「特殊な設定が
間違い無く
しかも『消去できない』ではなく『いじれない』と言う事は他のユーザーを追加する事もできない、と言う事だ。
それが意味する所はつまり、
「
「だな・・・」
「織斑さんの転入は保障の為にもなるだけ早くする必要があるんですけども・・・どうしましょうか・・・」
山田先生の
少しの沈黙の時間が過ぎた後、小鳥さんが何か思いついたように呟いた。
「・・・
「!、何か思いついたんですか!?」
「──まぁ、一応。ただ
そう言って小鳥さんは唇を
これが小鳥さんのルーティーンなんだろうなと思いながらも、その手段について
「じゃあその手段って言うのは?」
「円花を
「え?」
「そ、そんなシステムありましたっけ!?」
「無い」
「はぁ!?」
何を言ってるんだこの人は。
私と山田先生が困惑したのを見ながら、真顔で小鳥さんは説明を始める。
「IS学園の管轄は国連だが、まぁその運営はほぼ学園の
半開きの目が
どうやら、新しい仕組みを作り上げるつもりらしい。
だがそう上手く行くものだろうか、と言うかそれなら国家代表候補の方が良いような気もする。
「そう上手くいきますかね・・・」
「俺が大丈夫だと言っているんだ、大丈夫に決まっている。
「は、はぁ。根拠があるなら良いんですけど」
「そんな訳で俺は学長に話を着けに行ってくる。円花はそのクソ程多い書類を書いておくんだな」
そう言って小鳥さんは待合室から歩いて出て行った。