IS/ガンダム00 crossing exceptioners 作:A.Tom
「・・・一体何なんだ俺の同室者は」
現在時刻は午後六時三十分。一夏と夕食の時間まで後三十分と、微妙な時間が残されている。
隣で大惨事待った無しの一夏を救出に行くのか、それとも自分の同居人の顔を知るべきか否か。どちらにせよ、小鳥には二つの選択肢があった。
取り
「
ウィリアム・シェイクスピアの言葉をアレンジしながら、この世の難しさを
嘆いてはいるが、別段そこまで深刻に悩んでいる訳でもなく、今日の晩御飯のレシピどうしよっかな~。程度の悩みである。
確かに、同居人の事は気になるが、知らなかった所で死ぬ訳でもない。それに、一夏の方も、同居人は知り合いらしいのでボコられても
「・・・・・・━━」
ふと、隣に置いてある着替えが眼に
隣人が一夏である以上、女子の服であろうそれをまじまじと見つめるのは気が引けるものの、これ以上状況が進展しなさそうなので、この同室者に対し考察を深めて行く。
「一応、女子、だよな・・・。下着類が見当たらないって事は、大浴場で入浴中って事か」
白いTシャツが一番上に何枚か掛けられ、下には短パンが何枚か重ねられて居る。
見てくれから察するに、どうも胸囲はそこまで大きくなく、スレンダーな娘らしい。
「エロ親父か俺は」
そこまで考えて、考察が
「
一人
「━━━ってかコイツ、服と携帯以外
より一層謎は深まるばかりだ。
小鳥自身、自分の荷物が普通より多い事は自覚しているが、流石にこれは異常だ。
彼がこれまでの人生経験で得たものとして『人間、生活をする以上は趣味だの
「・・・例外か」
ふと、そんな事を思ってしまった。
セシリアに言った通り、自分は自身の事をさして特別とも思っていない。
それがどうだ、たった二人のIS操縦可能の男性として
「ったく・・・人生どう転ぶか解ったものではないな」
そこまで言って、先程と同じように頭をブンブンと振り回す小鳥。どうも思考がブレがちで、結論が見えてこない。
例外の事を考えた所で、一体何者なのかなど解る訳・・・。
「いや待てよ・・・。
考えてみれば確かにそうだ、この同居人はどうやら、荷物と呼べる荷物が全くと言って良いほど無い。
そんな人間の条件を絞っていけば、自然に答えに近付く筈だ。
「・・・バッグが無いって時点で
とは言え、考えたら直ぐに答えは出てしまった。
バッグが無い、と言うことは、生活用品をこちらに持ち込んでいないと言う事だ。
それにも関わらず生活用品一式が
一つは、一夏の様に急に寮入りが決まって、泣く泣く学園からの支給品で回している奴。
二つは、元々寮生活を希望していた上で、わざわざ近場のショッピングセンターで買って来た奴。
「━━━・・・」
もう一つ、これが一番面倒臭くかつ、あり得ない事態だ。
「超国賓級の
そう言う特別な人間なら、自分や一夏と同じように、秘密裏に入学させられ、身辺整理の整う前に政府によってぶちこまれたと考えられる。
さらに面倒なのは、
例えば歳に似合わぬIS適正で、流石に国家代表うんぬんを問えない状況ならば、それもありうるだろう。
が、その場合。子守りを
「とは言え、もう一方も・・・」
正直言って面倒臭さは先程の想定より倍の面倒臭さだろう。
その想定とは、言うまでも無く隣人が男子だと言う場合だ。
この場合、女子どもが
(一夏と一緒に
とは言え、この想定も言わば想像の
男子であれば、世界的な発見として、大々的に発表される筈だ。が、しかし、どういう訳だか世間一般に知らされていない存在なのだ。
この事実が有る限り、想定としては片手落ちとしか言わざるを得ない。
「誰だかは知らないが、会ってみてからの話になるな」
時刻は現在六時五十分、そろそろ
ベッドから跳ね上がり、小鳥は立ち上がる。
「考えても仕方がない、取り敢えず飯だ飯」
考えるのは飯を食ってからにしよう、と。何も考えていない笑顔で小鳥は自室を後にし、食堂に向かった。
・・・一夏を置き去りにして。
「小鳥・・・お前さ、」
「あー・・・。悪かったって、約束すっぽかして一人だけで飯に行った事は」
時刻は現在朝の七時。場所は食堂の窓際テーブル。
小鳥はほうとうのお吸い物、一夏は
恨めしげに小鳥を睨む一夏は、昨日の事のあらましを語って、自分の大変さを論じ、小鳥が助けに来なかった事を含め、約束を破った事に
やれやれと言った表情で両手を上げ、降参のポーズを取る小鳥は、軽い口調で約束を破った理由を説明する。
「色々と考え事してたらすっかり忘れてしまってな」
出任せでは有るが、一応考えていた事については事実である。
結局、晩飯を食べた
しかし、一夏もこの程度の嘘ではそう簡単には
「何の考え事だよ」
「アイツにどうやって勝つか」
これは完全な出任せ。一夏を
一夏は勝利への意欲が無駄に強い。それを
が、一夏の食い付きは思いの他強かった。
「へー?じゃあ何か思い付いたか?」
小鳥の顔を覗き込む様に身を乗り出し問いかける。
余程セシリアとの戦いに負けたくないらしい。
まさかの食いつきに面喰らいながらも、小鳥はどう答えようか、
実は全然考えてませんでした、だなどと口走る訳には行くまい。だが、実際考えていない事を隠すにはどうすれば良いか、考え付いた言葉はこれだった。
「何も」
「思い付かなかったのかよ・・・」
失望からガックリと
(ホントに勝ちたいのか・・・)
一夏の勝利意欲に引き笑いしながらも、小鳥はそれに答えるべく、手作りの二つ折り式小型端末を取り出して
「取り敢えず、アイツのISの情報だ」
おどけた声音で、一夏に端末を手渡す。一夏は驚きながらもそれを受け取る。
「お前、どこでそんなもん手に入れたんだよ」
「別に。IS学園のサーバに公開されてるからな」
ほぉー、と頷く一夏。
そんな彼を見ながら、小鳥は心の中で
(ま、
ISの機能は特A級の国家機密であり、一般のネットワークからハックされないよう、学園内の専用端末でしか接続できない独立ネットワークのサーバに
それを破る為の労力は
(ホントに・・・良くもまぁ端末の使用コードを特定出来たな整備科)
「んー・・・」
それに感心している小鳥。一方の一夏は、小鳥の端末とにらめっこしながらセシリアが一体どんなISを使っているのか、どうすれば勝てるのかを考えている。
「遠距離専用の機体か・・・。やっぱりそうなると近距離戦で回して行くしか無いよな」
「ま、だろうな」
一夏の話題に乗ってはいるものの。声に張りは無く、何となく面倒臭くなって適当に
事実、面倒臭くさいのは確かなので、小鳥は一夏から端末を取り上げて会話の終わりを
「
「ま、そうだな」
そう言って
「あ~、いたいた~!」
と、その横から異様にゆっくりな女子の声が掛かった。
それに釣られて横を見ると、
「えへへ~。オドリンおはよ~」
「━━
「ん?知り合い?」
「あー、うん、まぁ」
「言いよどまないでよ~」
困った様に言うが、
彼女の名前は
「えっとね~、となりに座ってもい~い?」
「えっと、小鳥、良いよな」
「構わん、別段特に迷惑な事しなければ断る理由は無い」
「へへへ~。ありがとぉ~」
どうもこのキャラとその立場が噛み合わない。
彼女の様に
「しかし、小鳥お前良く覚えてるな。俺なんて昨日部屋に押し
「ああ、俺の数少ない取り
専門校で
一機のISで使われるパーツは数十万にも
中には
興味の無い女子連中とは言えども、数十人程度の名前なら小鳥の記憶力をもってすればそう
「えへへ~。うれしいな~♪」
「そこまで嬉しいか?」
とは言え、覚えられた側は嬉しいらしい。異常に長い袖の剰りをぶんぶんと振り回して喜ぶ本音。
喜ばせる
「じゃあ、食べようか」
「そうだな、これ以上時間