蒼き雷霆ガンヴォルト~のび太のヒーローアカデミア~ 作:じゃすてぃすり~ぐ
何の偶然か、同じ受験会場となった謡精の少女と爆炎の少年。
『自分が1番で合格する!』
その思いを胸に、少女と少年は
時は試験開始前に遡る・・・。
―Side 出久
「試験会場、かっちゃんと一緒か・・・」
試験会場で、かっちゃんの顔を見かけ思わず呟いた。
同じ中学ではない為、私とかっちゃんがこうして試験会場が一緒なのは仕方がないと言えば仕方ないのだが・・・。
―ギロリ・・・。
(・・・殺気が凄い)
物凄い殺気の篭った目でこちらを睨んでくるのだ。あわよくばこっちをぶっ潰そうと、そんな感じで。
そんな野獣の如き眼光を放つかっちゃんから目をそらすと、こちらに来た直後、転びそうになった私を助けてくれた女の子がいた。どうやら彼女も同じ試験会場である。
あの時は色々あってお礼が言いそびれてしまったが、あわよくばお礼を言えればいいな。そう思っていると。
「君達もこの試験会場だったか」
「ん?」
「あん?」
声をかけられ、見やると説明会で質問をしていた眼鏡をかけた男の子が立っていた。
「なんだァ・・・、てめェ・・・?またイチャもんつけに来たんか?」
「かっちゃん!止めなって!」
ケンカ腰で、男の子に凄むかっちゃんに私は慌てて止める。ケンカになったら一大事だ。
対する男の子は、かっちゃんの言葉に目くじらを立てる様子は見せずかっちゃんに問いかけた。
「そのつもりはない。少し、聞きたい事があるだけだ」
「聞きたい事だぁ?」
男の子の言葉に、かっちゃんは眉を潜める。
「君とガンヴォルトの関係の事についてだ。何故君はアイツを庇った?」
「・・・別に、アイツとは何の関係もねーわ。それに庇ってもいねー、アレで庇ってるとか目ェ腐っとんのか?」
かっちゃんはそう吐き捨てる。そんなかっちゃんに、かみつこうとした男の子を遮るように今度はかっちゃんが問いかけた。
「そう言うお前は、やけにビリビ・・・ガンヴォルトの奴を眼の敵にしてんな。
アイツに酷い目に合わされたんか?」
「・・・君には関係のない事だ」
「・・・そーかよ」
ちょっとケンカになりそうな雰囲気だったけど、何事もなくて良かった・・・。おっと、安堵するのはまだ早い。いつ試験が始まってもいいように身構えないと・・・。
そう思い、私が目の前の会場に目を向けると同時に、
『ハイ、スタートォ!!!』
プレゼントマイクの声が響く。それと同時に、私とかっちゃんは既に飛び出していた。
後ろを振り向くと、何がなんだか分からないとうろたえる受験生達が。
「ハッ、実戦にカウントダウンなんかありゃしねーっての!」
他の人達に悪いけど、かっちゃんの言う事はごもっともだ。それに追い討ちをかけるように、プレゼントマイクのアナウンスが。
『オラオラ、走れェ!もう試験は始まってるんだぜ!?』
それと同時に、慌てて受験生達が走り出した。っと、他の受験生達に気を取られるわけにはいかない。
『『目標捕捉、ブッ殺・・・』』
「SMASH!!!」
「死ねェ!!!」
目の前の仮想敵を、倒さないと。現れた2体の仮想敵を、私は『ワン・フォー・オール』で強化(勿論、100%ではなく、許容量である10%程)した拳で、かっちゃんは爆破で撃破する。
「ちっ、ポイントも同時か!」
倒した仮想敵を見てかっちゃんが舌打ちする。同じポイントの仮想敵だったようだ。
「だけど、まだ試験は始まったばかりだよかっちゃん」
「ンなのわぁっとるわ!」
テメェには負けねぇからな、デクゥ!と捨て台詞めいた言葉を発し、別の場所へと向かうかっちゃん。
さてと、私もポイントを稼がないと。そう思い、『ワン・フォー・オール』を全身に漲らせ走る!
GVが『
『『『目標捕捉、ブッ殺ス!!』』』
仮想敵が3体、徒党を組んで私に襲い掛かってくる。散開して囲まれる前に、叩く!
「SMASH!!!」
―ブッピガン!!!
『ワン・フォー・オール』で強化した右ストレートで一体目をぶち抜く。そして、その残骸を持ち上げて・・・、
「でえええええい!」
思いっきりブン投げた!狙い違わず2体に直撃。そのまま、機能停止する仮想敵。この調子でドンドン行くぞ!
「ん?」
ふと、視界に仮想敵の群れと戦っているパッと見エレガントそうな受験生の男の子が見えた。
ヘソ部分にあるパーツから恐らく『個性』であるビームを撃って攻撃しているが、如何せん数が多い。それに、心なしか顔色が悪そうである。
『あの子、ちょっと拙そうね・・・。どうする、イズク』
ひょっこりとモルフォが出てきて、私に問いかける。勿論、私の答えは決まっている。
「助ける。ヒーローとして当たり前の事だからね」
『OK、それじゃあアタシもサポートするわ』
モルフォとそう言葉を交わし、走り出す。仮想敵が気づく前に、モルフォが大きく息を吸い込む。
「耳塞いで!」
『Laaaaaaaaaaaaa!!!』
私が、男の子に叫ぶと同時に、『
だけれど、何体か討ちもらしがいる。そんな場合は、
「S・・・MAAAAAASH!!!」
『ワン・フォー・オール』でぶっ飛ばす!そして、振り向き様に、男の子に問いかけた。
「大丈夫?怪我はない?」
「め、メルシー・・・怪我はないよ。ただ・・・」
男の子はお腹を押さえながら続ける。
「『個性』の使いすぎで腹を壊しちゃって・・・、でももう大丈夫。ノープロブレムさ☆」
青ざめた表情で、プルプルと震えながら彼はそう言う。・・・どう観ても、大丈夫じゃないと思うけど。
『本人が大丈夫なら、それでいいんじゃない?』
「そうかなぁ・・・」
彼に聞こえないような声音で、モルフォと会話する。私とモルフォの会話を他所に、男の子は何気に『キラッ』と言う効果音が似合いそうなしぐさで私達に言う。
「それじゃあ、僕はこれで☆お互いに頑張ろう☆」
そう言うと、男の子は去っていった。
ホントに大丈夫かなぁ・・・?と心配になるが、まぁ、これは野暮なものだろう・・・。
『さてと、私達もガンガン稼がないとねポイント!』
「そうだね、私がGVやかっちゃんを抜いて1位にならなきゃ!」
フンス!と鼻息を出して、モルフォに言う私。・・・よーし!頑張らなきゃ!!!
―そして・・・。
「ふぅ・・・これで大方は稼いだかな・・・?」
一息つきながら、私は呟く。
時折、ピンチになっている受験生を助けたりしながらポイントを稼いでいたんだけど・・・、
「小さいのに、凄いパワーだ!」
「まるで、ア○レちゃんみたいだ・・・」
などとお礼を言われた後に、こんな事を言われた。・・・はぁ、早く大きくなりたい。
『無理ね』
「酷い、モルフォ!」
キッパリとモルフォに一刀両断された!?ちょっと辛辣すぎない、モルフォ!?
―KABOOOM!!!
そんなやり取りをしていると、背後で轟音が響いた。振り返ってみると、ビルを破壊し妨害用の0P仮想敵が暴れている。
『イズク!あれ見て!』
「ッ!!?」
何かを見つけたモルフォが、その方向を指さしながら私に言う。その方向にはあの時の女の子が蹲っていた。しかも、0P敵の進行方向だ!
それを見た瞬間、私は一目散に0P敵に向かって駆け出していた。
―SIDE OUT
―SIDE 爆豪
「うわあああああ!?逃げろォ!」
「あ、あんなのありかよォ!?」
「ン?」
爆音と、
成る程、あれが0P敵か・・・。デカイな・・・。
あまりのデカさに、
何故、デクが倒しても得の無い0P敵に立ち向かおうとしているのか?答えはすぐに分かった。
「ったく、あのアホナード・・・!」
あれほどの巨体だ。デク一人で相手にするにはいささか骨が折れる。急いで俺も救援に向かおうとしたその時だった。
「何やってんだ、あのチビ!?」
「ほっとけ、どうせ自殺志願者だよ。アイツが囮になってるうちに早く行こうぜ」
仮にもヒーロー志望なんだろうが!自殺志願者だとかのたまうだけじゃなく、あろう事かデクを
「君達、それでもヒーロー志望か!?」
ふざけんな!と叫ぼうとした俺を遮るかのように、怒鳴り声が響く。
その声に
「あの0P敵の進行方向に、女の子が蹲っているのが見えないのか!?
彼女はその子を助けようとしているのに、その言い方は何だ!?」
「だってこれは試験じゃねぇか、ガチでやってんじゃないんだぜ?」
メガネの言葉に、
「黙りたまえッ!!人を助けるのに、試験もガチもあるか!
君の様なヤツはヒーローになる資格はない!即行に立ち去りたまえ!!!」
そう言うと、メガネは0P敵に向かって走っていった。・・・なんつーか、俺があの
「・・・っとこうしてる場合じゃねぇな。早くデクの元にいかねーと」
そう言って、俺もデクのもとへと向かったのであった。
続く・・・。
いかがだったでしょうか?
青やm・・・ゲフンゲフン、ビームを撃つ受験生のキャラがイマイチ掴めない・・・。
本来ならば、お腹を壊してウ○コをもらしそうになってしまい、出久とモルフォを大急ぎで彼をトイレに連れて行く・・・と言う展開にしようと思いましたが、前述の理由と『そもそも、試験会場にトイレつけてあったっけ?』って言う疑問から、それをカットしました。
飯d・・・メガネ少年のキャラが大きく変わっておりまする・・・。当初ではこんなキャラにするつもりじゃなかったのに・・・どうしてこうなった(汗)
次回は、VS0P敵!乞うご期待!
ではでは~。