蒼き雷霆ガンヴォルト~のび太のヒーローアカデミア~ 作:じゃすてぃすり~ぐ
ここで、遂に出久ちゃんがワン・フォー・オールを継承します。
若干グダグダな感じですが、温かい目でお願いします。
―出久SIDE
「つ、疲れた・・・」
『お疲れ、イズク』
時計が12時を指した頃、私はヘトヘトの状態で座り込み、モルフォから渡されたタオルで汗を拭いている。
キツイ、はっきり言ってキツイ。私が今までやってきたトレーニングとは比にならないくらいだ。
「お疲れ、出久ちゃん。ホイ、差し入れ」
「ありがとう『ジーノ』さん」
コンビニの袋を手渡して来たのはツンツンヘアーの陽気そうな青年。GVが所属している『フェザー』の構成員の一人で、新横崎市を拠点に活動している現役ヒーローをやっている『ジーノ』さんだ。
アニメ、ゲーム等が大好きでチャリティイベントやオフで『翼の家』に来た時等は、よく子供たちとゲームしたりして遊ぶ事が多い。・・・但し、たまに大人気なく本気を出しすぎて連戦連勝やらかしてしまい、子供を泣かせ、モニカさんや蒼一郎さんに怒られることがあるが、私にとっても、GVにとっても頼れる兄貴分だ。
「わ、カツ丼だ!」
「出久ちゃんの大好物だろ?それを食って、この特訓に『勝つ』。なんてな」
「あはははは・・・」
ジーノさんの洒落に苦笑いしながら割り箸を割り、カツ丼を食べる。う~ん・・・このサクサクとしたトンカツのころもがたまらない・・・。
カツ丼の味をかみ締めながら食べていると、ジーノさんから声をかけられる。
「所でどうよ?この特訓やってみて」
「う~ん、まだまだかな?『あの時』以来、ずっとトレーニングとかしてたけど・・・運べたのがこれだけだからなぁ・・・」
ため息をつきながら、先ほどまでゴミ拾いをしていた場所を見やる。まずは大きいものからやってそれから小さいものをやろうとした為、あまり減ってないなぁ・・・。まだ、大きいゴミが半分ほどある。
「そうか?俺としては大きいものを12時までに半分に減らせるってのはスゲーと思うんだけど」
「私としては、12時までに全部仕上げたかったんだけどなぁ・・・」
「意気込むのはいいけど、無茶はダメだぜ。あまり根つめすぎると倒れちまうよ」
ジーノさんに言われ、思わずうぬぅ・・・。と唸ってしまう。ふと、モルフォがGVとかっちゃんのことを思い出し、問いかけた。
『そういえばGVとカツキは?』
「あの二人は、向こうで組み手やってる。・・・たださぁ」
「はい?」
「あのバクゴーって奴さぁ、ヒーロー志望なんだよな?
何で、ヒーロー目指してんのに『死ね!』とか言ってんの?それにあの悪人面だし、ヴィラン目指してるっていわれてもしょうがねぇぞアレ・・・」
「そ、そうですね・・・。でも、かっちゃんもかっちゃんでストイックな一面がありますし・・・。
まぁ、パッと見、ガラが悪いし。人によってはクソを下水道で煮込んだような性格とか言われるかもしれませんけど、優しい所だってあるんですよ?例えば、最近私の家に遊びに来て、最近の調子とか聞いてきたりするし。・・・しょっちゅう、暴言吐かれたりしますけど」
遠い眼で、そんな事を言うジーノさんに精一杯のフォロー。
『それ、フォローになってる?』
モルフォから手痛い指摘。うう、フォローだもん・・・、フォローになってるもん。多分、きっと、メイビー。
「随分、言ってくれてんじゃあねぇか。デクゥ」
「ふぇ?か、かかかかかかっちゃん!?」
背後から、ドスの効いた声。別段、大きい声でもないのに響くような声に私は身を震わせた。振り向くと、かっちゃんがいた。獰猛な笑みを浮かべこっちを睨んでいる。
「い、何時からいたの?」
「そこのジーノっつぅビリビリの仲間が、俺の事を悪人面だとかヴィラン目指してるだの言ってる最中だ。テメェもテメェで俺の事好き放題言ってたよなァ?」
「ビリビリって誰?」
『GVの事よ』
「あー、成る程な」
ぜ、全部聞かれてた・・・。と、兎に角弁明しなきゃ・・・。
「ち、ちちちちちち違うよ!私は、かっちゃんの事をフォローしてただけで」
「全然フォローになっとらんわ、クソナード」
ひ、一言で斬って捨てられた。・・・ぐすん。
「やぁ、緑谷少女。ゴミ拾いは進んでいるかい」
「なんか、出久うなだれてるけどどうしたの?」
そこへ、オールマイトとGVもやってきた。うなだれている私を見て心配そうに声をかけるGV。そんなGVに私は答えた。
「私としては、かっちゃんを精一杯フォローしたつもりだったんだけどね・・・」
「「フォロー?」」
オールマイトとGVが異口同音で問いかける。
「はい。かっちゃんは口は悪くてどっちかって言うとヴィランっぽいですけど、優しい一面もあるんだって事を言ってたんです。
例えば、さっきジーノさんに言った事もありますけど、小さい時に友達を苛めた年上相手に勇敢に立ち向かってやっつけたり凄いんですよ!」
「何でンなクソ恥ずかしいエピソード覚えとんじゃ、デクゥ!」
「ひえぇ、ゴメンかっちゃん」
ついうっかり熱弁してしまい、目を吊り上げたかっちゃんに怒鳴られてしまった。思わず萎縮して謝る。だけれども、かっちゃんの怒りは収まらないのか、怒声はまだ続く。
「テメェに凄いなんて言われてもぜ、全然嬉かねーわ!
それになぁ!最近お前ん家来るのは、たまたま帰り道で通るついでだって言ってんだろうが!べ、別にテメェが気になって来てる訳じゃねぇんだよ!!!」
「HAHAHA、のび太少年の言うとおり典型的なツンデレだね爆豪少年」
「だ、誰がツンデレだァ!ビリビリテメェ、オールマイトに変な事吹き込んでんじゃあねぇよ!!」
オールマイトの言葉に、かっちゃんは顔を怒っているのか顔を真っ赤にして反論し、GVに怒鳴った。だが、GVは何処ふく風で返す。
「変な事も何も本当の事じゃないか」
「~~~~~~ッ!!もういいわ!さっさと飯にすっぞ、飯!」
GVの言葉に顔を真っ赤にしながら、かっちゃんはジーノさんが持っていたビニール袋の一つを奪い取るように受け取り、袋の中の弁当を開け、食べ始めた。そんなかっちゃんを見て、GVは苦笑交じりにオールマイトに言った。
「それじゃあ、僕らも昼ごはんにしましょうか俊典さん」
「そうだな」
オールマイトも苦笑し、GVと共に弁当を受け取りに向かったのであった。その後、昼ご飯を食べ終え私はごみ拾いを、GVとかっちゃんは組み手を再開した。
その翌日も、その次の日も、私達は訓練を続けた。オールマイトの『個性』である『ワン・フォー・オール』を受け継ぐ為の訓練のキツさは生半可なものではなく、あまりのキツさに筋肉痛や疲労で思うように動けない・・・と言う事態となり母さんや皆に心配された。
正直に言うと、辞めたいと思ってしまったこともあった。・・・でも、あの時の無力感、そしてGVに誓った言葉を思い出し、もう二度と繰り返さないために、そして『ワン・フォー・オール』を受け継ぎ、GVやかっちゃんと並ぶヒーローになる為に一生懸命頑張った。
―そして、7ヶ月の月日が流れた。
「終わったァァァァァァァ!」
最後のゴミをジーノさんの持ってきたトラックの荷台に積み込んだ後、私は振り返り、蘇った水平線を見ながら大声で叫んだ。
やった。私はやったんだ!モルフォの歌を借りずに、たった一人でこの水平線を蘇らせたんだ!
―SIDE OUT
―SIDE のび太
「いやぁ・・・凄いな」
「ええ、僕も驚いています」
水平線に向かって叫ぶ出久を見て、僕と俊典さんはそう言葉をかわす。
「まさか多少鍛えてたとはいえ、指定した区画以外・・・否、この公園全てのゴミを片付けちゃうなんてね!しかも、7ヶ月で!ちっこい身体に反して凄いタフガールだよ、緑谷少女は!」
オーマイゴッドネース!とマッスルフォームになり叫ぶ俊典さんを尻目に、僕は感慨深く出久を見て過去の事を思い出していた。
『私は、外の世界で・・・ヒーローになりたい』
あの時、彼女は涙ながらに僕にそう言った。そして今、こうしてヒーローとしてのスタートラインに立っている。そう思うと、涙が滲んできた。
「よかったね、出久」
僕はそう呟き、涙を拭うと出久の元へと向かった。俊典さんも、爆豪君も出久の元へと向かっている。
「おめでとう、緑谷少女!だいぶ、いい身体になってきたじゃあないか」
「あ、ありがとうございます!」
「うん、これなら『ワン・フォー・オール』を引き継ぐのに問題は無さそうだよ。よく頑張ったね」
俊典さんに、言われ出久の目にじわり・・・と涙が滲みあふれ出す。それを見て慌てる俊典さん。
「え!?ちょ、緑谷少女!?どうしたの!?」
「いえ・・・、嬉しくて・・・。GVに助けてもらってから、オールマイトに『個性』を貰う今まで・・・私って恵まれてるんだなぁ・・・って思うと涙が止まらなくて・・・」
ぐすぐすと、涙を拭いながら俊典さんにそう言う出久。そんな彼女の背中に、
―バッシィィィィィン!!!
「あいたぁ!?」
鋭い張り手が、爆豪君だ。
『ちょっと!カツキ、アンタ何すんのよ!!!』
「騒ぐんじゃあねぇよ、気合入れてやっただけだ。ったく、ピーピー泣くなや。
テメェはもう、『デクノボーのデク』なんかじゃあねぇ、『ワン・フォー・オール継承者のデク』なんだから、情けねぇツラすんなや。シャキっとせんかい」
怒鳴るモルフォにそうあしらいつつ、爆豪君は出久にそう言った。出久は、ハッとした表情になり涙を拭うと爆豪君に笑いかけた。
「そうだね、ありがとうかっちゃん」
「・・・別にお前のためじゃねぇわ」
そう言ってプイと顔を背ける爆豪君。・・・ホント、ツンデレだよなぁ・・・。
「さて、改めて緑谷少女。君に『ワン・フォー・オール』を授けたいと思う。だけど、注意しなきゃいけないのは『ワン・フォー・オール継承者』としてスタートラインにたっただけって事。
まだまだ今の君じゃあ『ワン・フォー・オール』を十分に使いこなせない!明日から、雄英受験まで『ワン・フォー・オール』を使いこなせるまで特訓だぜ!」
「はい!」
俊典さんの言葉に、出久は元気よく答える。うむ!と俊典さんは力強く頷いた。
「いい返事だ、緑谷少女!それじゃあ、早速・・・」
そう言って、俊典さんは髪の毛を一本抜く。そして、それを出久の目の前に差し出して・・・、
「食え」
・・・・・・・・・・・・・。
『「・・・えっ?」』
「・・・は?(威圧)」
「へあ?」
一瞬で空気が凍った。
そりゃそうだろう、いきなり髪の毛食えとか言われたら誰だってそーなる。僕だってそーなる。
「あー、説明してなかったね。『ワン・フォー・オール』を譲渡するには渡したい相手に自分のDNAを摂取させる必要があるのさ」
「そ、ソーデスカ」
HAHAHA、と笑う俊典さんに考えていたのと違ってたのだろう、めっちゃショックだったのかカタコトで出久は答えた。
「ま、とりあえずグイっと行っちゃいな!」
そんな訳で、色々と台無しではあったが『ワン・フォー・オール』継承は無事に終了した。
後に、出久は僕達に俊典さんの髪の毛についてこう述べていた。
「めっちゃ酸っぱかった」と・・・。
続く・・・。
やっと、出久ちゃんにワン・フォー・オールを継承させれました。・・・長かった。
次回からやっと、雄英受験となります。はてさて、GV達は無事に合格できるのか?
次回もお楽しみに!
それでは~。