蒼き雷霆ガンヴォルト~のび太のヒーローアカデミア~ 作:じゃすてぃすり~ぐ
必要な鍛錬は済ませた。予習復習もバッチリ。
『
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様々な思いを胸に、次代の平和の象徴達は入試へと挑む!
-のび太SIDE
出久が『ワン・フォー・オール』を継承して、さらに月日が流れた。
その間、『ワン・フォー・オール』を上手く使える体になる為にトレーニングをしたり、僕達に混じって『ワン・フォー・オール』を使っての模擬戦を行ったりといろいろやった。
トレーニングの甲斐もあってか、『ワン・フォー・オール』の許容量が上がったり、上手く使える方法を見出したりしたが、その方法が何なのかは内緒だ。まぁ、後から知る事になるからね。何故かって?そりゃあ、勿論今日が雄英高校の入学試験だからさ。
「のび太、受験票は持ったか?」
「持ってるよ」
「筆記用具も忘れてない?」
「大丈夫、バッチリだよモニカさん」
玄関先で、蒼一郎さんと、モニカさんから何度目かの重要物の確認。心配性だなぁ、と軽く苦笑いする。
「そりゃ、リーダー達も心配するだろ。オマエ、肝心な時に抜けてるからさ」
「前よりかはマシだよ」
ニヒヒっと茶化すように言うジーノに、少しムッとしながら言う。そんなに僕って抜けてるかな?・・・うん、抜けてるや(白目)
自問自答してて、軽く凹んだが受験前に沈んだままではいけない。気を取り直し、僕は皆に笑顔で言った。
「行ってきます、皆」
「行ってらっしゃい」
「頑張れよ!」
「グッドラック、のび太」
皆からのエールを受け、僕は『翼の家』を出た。暫く歩いていると、見覚えのある小柄な女の子が。言わずもがな出久だ。
「おはよう、出久」
「あっおはよう、GV」
くるっと、僕の方に振り向き出久は僕に挨拶を返す。
「頑張ろうね受験!」
「ああ、確か僕と出久と爆豪君でワンツーフィニッシュならぬ、ワンツースリーフィニッシュだったっけ?」
花咲くような笑顔で言う出久に、僕は笑顔で返しながら試験前日の事を思い返していた。
―時は遡り、昨日。
「これで、トレーニングは終了だ。3人ともよく頑張ったね!」
マッスルフォームの状態でスマイルを浮かべながら、僕達にそういう俊典さん。知ってると思うが、と腕を組みながら続ける。
「明日はもうすぐ、雄英高校の受験日だ。そこで、君達には『成績上位』で合格して欲しい!」
「どォ言うこった?」
爆豪君が、首をかしげ問いかける。前に言ったと思うけど、と俊典さんはPON!とトゥルーフォームに戻り、答えた。
「ぶっちゃけ、私が『
その第一歩として、『君達が来た!』と言うことを世間に知らしめて欲しい。って事なのさ」
「成る程なァ。だが、納得行かねェ」
「え!?何で!?」
爆豪君の反応に、眼を見開きながら驚く俊典さん。だけどまぁ、何となく彼の言いたい事は大体分かった。
「だってよォ、『成績上位』っつーのは小さすぎるだろうが。
合格するんなら、俺とデクとビリビリでワンツースリーフィニッシュだぜ!」
「な、成る程・・・そう言う事か」
そう言って不敵に笑う爆豪君。粗暴で、傍若無人に見える彼だが遥かな先を目標にしている。『何れはオールマイトを超えるヒーロー』となる為に。
その為に、努力を惜しまない姿勢は僕も尊敬している。・・・僕も負けてられないな。
「って事は、僕が1位って事でいいかな?」
「馬鹿抜かせ、俺が1位に決まってら」
僕もまた不敵な笑みで、爆豪君に言う。鼻をならしながら、それを返す爆豪君。
「わ、私だって譲れないよ!私が1位になるもん!」
「オメェは無理だアホデク。精々2位ぐらいが関の山だな。チコっと『ワン・フォー・オール』使いこなせるようになったぐれーで、調子のんなや」
「かっちゃん酷い!」
出久も負けじと名乗りをあげるが、爆豪君にあっさり一蹴された。
「僕だ!」
「俺だ!」
「私だって!」
「あのー、三人とも?三人ともー!!」
そこから火がつき、誰が一位を取るのかでギャーギャーと大モメ。
ヒートアップしすぎて、口論が何故か3つ巴のバトルロイヤル形式の模擬戦にまで発展。結局決着つかずで、くたくたで動けなくなってしまい、親(僕の場合は両親がいないので、蒼一郎さんとモニカさん)が迎えに来るハメになったのであった。
―回想終わり。
「あの後、いろいろ大変だったなぁ・・・」
蒼一郎さんとモニカさんに『受験前に何やってんだ!(要約)』と正座で長々と説教を食らわされたなぁ・・・。あの後の足の痺れと言ったら・・・。
「あはははは、ドンマイ。でも、一位を譲る気は無いよ」
「それは僕も一緒だよ」
互いに、笑い合い拳を軽く当てる僕と出久。その後、電車に乗り、入試会場である雄英高校へとたどり着く。
「ここが、雄英高校か・・・」
「うわぁ、大きいね・・・」
荘厳にそびえ立つ雄英高校の校舎を見上げ、僕と出久はそう呟く。ここで、俊典さんや蒼一郎さんはヒーローとしてのイロハを学び、そして『平和の象徴』とそれを支える者となった。
そして、これから僕達が挑み、通らなければならない登竜門。不安がない、といえば嘘になる。ぶっちゃけ、『こんな時、ドラえもんがいたら・・・』と考えてしまう。・・・だけれど、ドラえもんはもういない。僕自身の力でやり遂げなきゃならないんだ。
「ドラえもん、見守っててくれよ・・・」
懐からドラえもんの形見である鈴を取出し、祈るように握り締めた。いつも、不安な時や誰かに縋りたい時はこうしている。こうすれば、ドラえもんが近くにいるような気がして頑張れるから。
・・・よし、これで大丈夫だ。出久のほうを向く。
「それじゃあ行こうか」
「うん!」
そうして、会場へ向かおうとしたその時だった。
―ガッ。
「うわわっ!?」
「出久!?」
つまづいて出久が転びそうになる。咄嗟に支えようとした次の瞬間―。
「なっ!?」
「こ、これは・・・」
出久が転びそうな姿勢で浮いていた。出久も出久で、驚いている。これは『個性』だろうか?一体誰が・・・?
「大丈夫?入試で転んじゃったら縁起悪いもんね」
少女の声と共に、出久の姿勢は直立の状態に戻された。声がした方に視線を向ければ、丸顔の可愛らしい少女が立っていた。
「あ、ありがとうございます」
「ええよええよ、好きでやってるんやし。それに、こんなちっちゃい子が転んで泣いたりしたら後味悪いもん」
「ちっちゃッ!?」
お礼を言う出久に、少女は麗らかな笑顔でそう答える。その言葉に、ショックで固まる出久。
「あれ?どうしたん?」
「えーと、彼女僕と同級生なんですよ。んで、入試を受けに雄英に来た訳で」
「ええ、そうやったん!?ウチてっきり、この子の事キミの見送りに来た妹か何かと思ったわ!小学生かそれ位の」
「小学ッ!?」
ショックで固まる出久の代わりに、僕が少女に説明をする。彼女の驚きようはごもっともだ、出久には悪いが彼女の見た目は小学生位のような身長と体型である。
彼女の言葉に、さらにショックを受けガクリと膝から崩れ落ちる出久。両手をつき、「ズーン」と言う効果音が出そうな雰囲気を出し落ち込んでいた。
「ご、ごめんね。そこまでショック受けるとは思ってなくて」
「いえ、いいですよ・・・。実年齢よりも低く見られるのは慣れてますし。あはははは・・・」
「いや、全然大丈夫やないよ!?何か目から血涙出とるし!?」
ケタケタと血涙流しながら笑う出久に、慌てて謝る少女。・・・なんとも、カオスな光景だ。
「そ、それじゃあウチ先に行くね。お互い入試頑張ろうね!」
若干引き気味になりながらも、少女は僕等にそう言って、会場へと向かっていった。それと入れ違いに、
「何だ、この状況?」
爆豪君がやって来て目の前の状況を問いかけるのだった。
―閑話休題。
色々あったけど、会場へと赴きまずは筆記試験。まぁ、これは勉強とかしてたから特に問題もなく終わった。
以前のグータラだった頃の僕ならば、「ヤバイ!分からない!」と大慌てだったかもしれないが、今は違う。予習も復習もちゃんとしているため分からない事とかは無いと言っていいだろう。
そして、実技試験・・・。
『今日は俺のライブにようこそ!エヴィバディセイ、ヘイッ!』
―し~ん・・・。
『コイツはシヴィーッ!受験生のリスナー、実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ!アーユーレディ!?』
試験を始める前に、始まった概要の説明。それを行っているのは、絶妙なトークで色んなラジオやテレビ番組に引っ張りダコなボイスヒーロー『プレゼント・マイク』だ。
「GV!かっちゃん!見て見て、生プレゼント・マイクだよ!生プレゼント・マイク!」
「出久、気持ちは分かるけど落ち着こう」
「ルセー!黙って説明聞いてろや、クソナード!」
先ほどの落ち込みは何処へやら、興奮気味に僕と爆豪君に話す出久を僕達は宥めていた。と言うか、爆豪君。ヴィランめいた形相で小声で怒鳴るって凄いな。
そうこうしているうちに、プレゼント・マイクの説明は続く。
実技試験では、市街地を模した演習場で10分以内に仮想敵を倒していく。と言うものである。もちろん、他人の妨害や他人に攻撃と言ったアンチヒーロー紛いの行為はNG、それを聞いた出久と僕はチラリと爆豪君を見て、爆豪君に、「何で俺を見るんじゃゴルァ!」と言いたげな眼差しを向けられた。・・・だって、ねぇ。爆豪君ならやりかねないし。
なお、アイテムの持込は自由だそうだ。ダートリーダーが使えるのはありがたい、ダートリーダーが無くても『
「質問宜しいでしょうか?」
そこへ、プレゼントマイクに手を挙げ立ち上がったのは眼鏡をはめた体格のいい真面目そうな少年だった。
質問の内容はこうだ。しおりに記載されていた仮想ヴィランと説明の数が一致していないとの事らしい。そう言えば、しおりには4種類の仮想敵が記載されてあるにもかかわらず、説明では3種類の仮想敵がどーのこーのと言っていたっけ?
「これは、雄英としてあるまじき失態ですよ!」
そう叱責する少年。・・・確かに説明としおりの内容が一致してないが、流石に失態だとかそういうのは言い過ぎのような気がするが・・・。
そう思っていると、「それからそこの君!」と少年がこちらを向いた。その視線の先には出久。
「ふぇっ!?」
「さっきから、ブツブツうるさいぞ!物見遊山のつもりなら帰りたまえ!・・・それと」
やはり、あの癖が出ていたのだろう。それを叱責し、今度は僕のほうを向く。
「君は何でこんな所にいるんだ、『
―まぁ、そういう人もいるか・・・。
少年の怒号と、ざわざわと受験生達のざわめきを聞きながら、僕はため息と共にそう思った。
ヴィジランテ、世間の一般的な
・・・まぁ、出て行けといわれて出て行くつもりは無いけどね。
「おい、クソメガネ」
反論しようと重い腰を挙げたそんな時、響いた声。叫んだ訳でもないが、それはよく響き周囲のざわめきを掻き消した。
爆豪君だ、爆豪君が少年を睨みながら口を開いたのだ。
「だ、誰がクソメガネだ!?」
「テメェ以外に誰がいんだよ。今すぐビリビリに謝るか、眼鏡をカチ割られるか選べ」
眼を血走らせ、少年に凄む爆豪君。怒りを隠さぬまま、続ける。
「一般的には、コイツはヴィジランテかもしれねぇさ。
だけどな、あの時誰も頼んでねぇのにアイツは他のヒーローよりも誰よりも率先してヘドロ野郎の前に立ちはだかって俺とデクを助けたんだよ。
それなのに何だァ?ヴィジランテだから雄英に来るな?出て行けだァ?コイツの事何もしらん癖に偉そうにほざくなや!!!」
有無を言わせぬ、爆豪君の気迫に少年は何もいえなくなる。そこへ、プレゼントマイクからストップがかかる。
『おおーっと!ケンカはダメだぜお二人さん!そうだな、まず先ほどの質問から答えていこうじゃないか。まぁ、説明に出ていなかった仮想敵は0P敵。所謂お邪魔キャラって奴さ。
それと、ここ雄英の校風は「自由」。つまり、ヴィジランテだろうとなんだろうと入試を受けるのも拒まない!悪いが自分の意志じゃない限り、そこのリスナー・・・ガンヴォルトは退出させられないぜ!』
「・・・ありがとうございます、失礼いたしました」
「・・・チッ」
プレゼントマイクの言葉を聞き、ペコリと律儀に頭を下げながらイスに座る少年。そして、舌打ちをしながら爆豪君も座った。
「別にお前の為じゃあねぇからな。
あのクソ眼鏡が、お前の事をよく知らんでしゃあしゃあほざいてたからムカついただけだ。勘違いすんじゃねぇぞ、ビリビリ」
「そう言う事にしておくよ、ありがとう爆豪君」
横目で僕を見ながら爆豪君は、そう言った。僕は笑いながら御礼を言うと「るっせ」とプイと横を向く。本当に素直じゃないな、爆豪君は。
「まぁ、それがかっちゃんだからね」
「さりげなく、人の心読むのやめようか出久」
「ちと、テメェら黙れ」
「「アッハイ」」
そうこうしていると、プレゼントマイクの説明も終わりに差し掛かる。
『さて、そろそろ時間だ!最後にリスナーの皆へ、我が雄英高校の「校訓」をプレゼントだ!
―更に向こうへ、プルス・ウルトラ!!!
願わくばお前らがこの試練を乗り越え、ヒーローの卵へとならんことを!シーユー!』
そして、実技試験が始まる!
続く・・・。
本来なら先週の日曜か土曜に書き上げるはずが、リアルが忙しいのと、最初に出会うことになるお茶子ちゃんと飯田君との絡みをどうするか考えていたら予定よりも遅くなってしまった・・・(汗)
自分で書いててなんですが、飯田君のGVに対する言動がちと酷い感じに。「GVって一応ヴィジランテって立場なんだし、飯田君ならコレくらい言うだろう」とおもって考えた結果がこれだよ!飯田ファンの皆様、本当に申し訳ない(メタルマンの博士風に)
次回は、本格的に始まる実技試験!果たしてのび太達は合格できるのか!?
まて、次回!
それでは~。