蒼き雷霆ガンヴォルト~のび太のヒーローアカデミア~   作:じゃすてぃすり~ぐ

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ついに始まった実技試験。
タイムリミットは10分。
限られた時間の中で、少年は奔る!


チャプター7『入試 その2』

―SIDE のび太

 

「さてと、僕の会場はここか・・・」

 

 レクチャーを終え、各々が試験会場へと向かう。

 目の前に広がるのは会場・・・と言うより街だった。そして、何よりも・・・、

 

(広いな・・・、10分以内にこのエリアをうろついている敵ロボを倒さなきゃならないのか・・・)

 

 恐らく、他の会場もこれほどの規模なのだろう。やはり、雄英は凄いな。と改めて思う。だけれども、圧倒されてばかりじゃいられない。

 いつでも開始と同時に、『蒼き雷霆(アームドブルー)』を発動できるように身体をほぐしつつ、ウォーミングアップ。ホルスターに収められているダートリーダーをいつでも抜けるようにし、装備の確認をする。

 

 ちなみに僕が、今現在装備しているのは

 

・抑制のレンズ

・活性のレンズ

・セラフリング

・不屈のペンダント

 

 である。これらは全て、僕が『個性(アームドブルー)』を使用する上で重要な装備であり、特にペンダントは『電磁結界カゲロウ』を使用するのには欠かせない。

 これがなければ、『電磁結界カゲロウ』は使えないのだ。

 

『ハイ、スタートォ!』

 

 装備を確認し終えたと同時に、プレゼント・マイクが開始の宣言を始める。

 突然の開始の合図に、虚を突かれた受験生達を尻目に僕は走り出した。実戦(ミッション)ではカウントダウンなんてものはない。現地に着いたらすぐに始まるものだ。

 

『オラオラ、走れェ!もう試験は始まってるんだぜ!?』

「こ、こうしちゃいられねぇ!」

 

 プレゼント・マイクの言葉と同時に、泡を食った受験生達が走り出したようだ。

 

『目標捕捉!ブッ殺ス!!!』

 

 おっと、目の前に仮想敵が出現。それと同時に、素早くホルスターからダートリーダーを抜き、仮想敵にダートを撃ち込んだ。

 

―BLAM!

 

『イテッ!?』

 

―CLAP!

 

『ギャン!』

 

 そして、電流を流し仮想敵をノックアウト。屈んで確認して見ると1Pの敵のようだ。

 

「さてと、これで1ポイント。ジャンジャン稼がないとね。・・・ん?」

 

 僕がそう言って立ち上がった次の瞬間、潜んでいたのだろう、何処からか仮想敵が5体ほど現れ僕を包囲するように襲い掛かった。

 

「無駄だッ!迸れ、蒼き雷霆よ(アームドブルー)!」

 

 天体の如く揺蕩え雷

 是に到る総てを打ち払わん

 

「ライトニングスフィア!」

 

―CLAAAAAAAAP!!!

 

 『『『『『アバババババババババ!!!?』』』』』

 

 襲い掛かる仮想敵をライトニングスフィアで一網打尽にする。ちなみにヘドロとの戦いで使ったような右手に収束させる奴ではなく、僕の周りを3つの球体が回転する本来のライトニングスフィアだ。

 黒焦げになって、行動不能となった仮想敵を見てみると・・・1Pが3体、2Pと3Pが1体ずつのようである。これで、9Pか・・・。このまま一気に追い上げよう。

 

「ん?」

 

 ふと別の場所へと向かう道中、サイドテールの少女が仮想敵の群れと大立ち回りをしているのが見えた。迫り来る仮想敵の攻撃を回避し、『個性』を使ったのだろう、巨大化した拳で沈めた。

 身のこなしからして何かしらの拳法を習っているのだろう、動きに隙がないなぁ。そんな事を考えていると、彼女に狙いを定めている仮想敵を確認した。拙いな、狙撃するつもりだ。一方の少女は気づいていない。『蒼き雷霆《アームドブルー》』で脚力を強化し、その仮想敵と少女の間に割り込む。

 それと同時に、ミサイルが放たれた。ミサイルならば、これで防げる!

 

「ふっ!」

 

 手をかざすと僕を包み込むように電気の球が現れ、ミサイルはそれにより爆発した。勿論僕には無傷だ。

 電磁フィールド『雷撃麟(らいげきりん)』、これが僕を包み込んだ電気の球の正体だ。実弾兵器を防ぐ事も出来るし、これを纏って体当たりを仕掛ければ相手にダメージも与えられる、正に攻防一体だ。

 

「何今の音?・・・ってアンタはガンヴォルト!?」

「危ない所だったね、今さっき仮想敵が君を狙ってたんだよ」

 

―CLAP!

 

 『ギャン!』

 

 爆発に反応し、振り向いた少女に僕は話ながら仮想敵にダートを撃ち込み電流を流した。仮想敵は即座に沈黙、3P敵のようだ・・・ラッキー。

 

「えっ?あっ、本当だ。・・・気づかなかったなぁ、サンキューな」

「・・・意外だな、てっきり『余計な事をするな!』って怒られるかと思った」

 

 本当に意外な反応に、僕が戸惑っているとまさか。と少女は笑って返す。

 

「助けてくれた恩人にそんな恩知らずな事は言わないよ。・・・っとぉ!」

 

―CLASH!

 

『アバーッ!?』

 

 そう言いながら、迫ってきた仮想敵を殴り飛ばした。後は彼女一人でも対処出来そうだ。

 

「それじゃあ、僕は別の場所に移動するよ」

「分かった、お互い受かるといいね」

 

 少女と言葉を交わししばしの別れを告げる。そして、僕は仮想敵を探して走り出した。

 

 

―それから暫くして・・・。

 

 

「ふぅ・・・結構倒したな」

『『『』』』

 

 倒れ伏した仮想敵を見て、僕は呟いた。あの後、試験会場内と駆け回り多くの仮想敵を倒した。

 その際でも、ピンチに陥っている受験生をサポートをしながらだ。・・・まぁ、問題はないだろう。僕がやってるのはサポートだし。

 それは兎も角、あれから時間も経ちポイントも結構貯まった。まぁ、合格は間違い無しかな?・・・だけど何か忘れてるような・・・そんな気がする。何だろうか?

 

―ゴゴゴゴゴゴゴ・・・。

 

 突如轟音を響かせ、ビルのようにデカイ仮想敵が現れた。そうだ!コイツを忘れてた!レクチャーで言っていた0P敵。なんてデカさなんだ!?

 

「うわあああ!?何だアレ、デカすぎんだろ!?」

「に、逃げるんだァ!あんなのに勝てる訳がない!」

「それにアレは0Pだ、倒したって何の得にもなりゃしねぇよ」

 

 周りの受験生達はその0P敵を見て、蜘蛛の子を散らすように逃げていく。

 確かに彼らのいう事も一理ある、あの敵はわざわざ倒したとしてもポイントなんて入らないしメリットも全くない。

 ・・・だけど、それが『ヒーロー』として『正しい事』なのだろうか?

 周りからすれば「たかが試験で・・・」なんて思う人もいるだろうが、逆に考えてみよう。もし、あの0P敵が本物のヴィランで、試験会場が本物の町だとするのなら・・・。

 戦術的撤退なら、まだ分かる。だけど、「0Pだから」だとか、「得にもならないから」で0P敵に立ち向かわないのはいかがなものだろうか・・・。『ヒーロー』を目指すのなら立ち向かうべきだろう、ヴィランを野放しにすれば犠牲が増える一方なのだから。

 

「迸れ、蒼き雷霆よ(アームドブルー)

 

 幾たびのミッションで紡いできたこの言霊。・・・かつては、償いの為に人知れず目の前の敵を貫き滅ぼす為に紡いできた。

 ・・・だけど今は違う。

 ヒーローだと言ってくれた少女がいた。

 ヒーローになれると言ってくれた人がいた。

 だからこそ、彼らに胸を張れるような立派なヒーローになりたい。

 

「我が敵を、貫き滅ぼせッ!!!」

 

 『個性』を迸らせ0Pに向けて走り出した。

 

『死ネヨヤァァァァァァ!!!』

 

 対する0P敵も大きく腕を振りかぶり、僕に殴りかかる。それを僕は飛び上がって回避した。

 

―BLAM!BLAM!BLAM!

 

 ダートリーダーを抜き、頭部目掛けて三連射。ダートは狙い違わずに突き刺さった。

 

「これでどうだッ!」

 

 そして、着地と同時に電流をこれでもかと流し込んだ。だが・・・、

 

『カスガ、効カネェンダヨ!』

 

 装甲が厚いようで、0P敵はビクともしない。このままチマチマと装甲を削るようじゃ時間が無くなってしまう。

 ならば、どうするか?簡単だ、頭部に強大な一撃を叩き込めばいい。だとするなら・・・『アレ』だな。

 

―CLASH!

 

 再び攻撃が来た。軽く飛んで回避し、腕に飛び乗ると一気に頭に向かって走る。五月蝿い蝿を叩き潰そうと0Pヴィランがもう片方の腕を振り上げようとし・・・止まった。

 ショートでも起こしたのか?そう思ったが違う、何故ならばその腕にいつの間にかテープがロープのように巻かれてあったからだ。0P敵はそれをほどこうともがいている。

 

「おーい、無事かー!?」

 

 声が聞こえた、聞こえた方を見やると、そこにはテープを引っ張っている黒髪の痩せ型の少年、大柄でタラコ唇の少年がいた。二人とも、僕が仮想敵退治を援護した受験生だ。

 よく観ると、痩せ型の少年の両肘にリール状の器官とスリットがあり、そこからテープが出ているので、恐らくこのテープは彼の個性なのだろう。

 

「恩人を見殺しに出来なくてな、ちょいと手伝いに来たんだ。余計なお世話だったか?」

「まさか、助かったよ。ありがとう」

「ま、これで借りは返したぜ。っとと、おい!もうちょっと踏ん張れねぇのか!?」

 

 ニカっと笑いながら僕にそう返すが、0P敵がもがいた為グラリとつんのめった。痩せ型の少年の言葉に、タラコ唇の少年は脂汗をかきながら答える。

 

「む、無茶言うな・・・、コイツパワーすげぇんだよ・・・」

 

 このままじゃ近いうちに0P敵が拘束を振りほどいてしまうな。彼らが作ったチャンスを無駄にするわけにはいかない。

 僕は、再び頭へと向かって駆け出す。それと同時に、0P敵がテープの拘束を振りほどくのは同時だった!

 

『潰レロォ!!!』

 

 僕のいる方向に平手にした0P敵の手が迫る。それを僕はカゲロウで回避!それと同時に大きくジャンプし、0P敵の顔面まで肉薄する。

 

「これで、終わりだッ!!!」

 

 煌くは雷纏いし聖剣

 蒼雷の暴虐よ敵を貫け

 

スパークカリバー!いっけェェェェェェェェェッ!!!

 

―SLASH!!!

 

『ギ・・・ガッ・・・!?!?!?!』

 

 巨大な蒼い剣を腕から召喚し、放つ。僕の切り札である「スパークカリバー」

 それは、0P敵の顔面を貫き両断した。頭部を貫かれ、0P敵は動きを止めるとそのまま倒れ伏した。

 

『終了ー!』

 

 それと同時に、プレゼント・マイクの終了アナウンスが聞こえた。さてと、この高さはちと危ないし、雷撃麟でゆっくりと・・・。

 

「・・・あれ?」

 

 雷撃麟が・・・出ない。出そうとしても、プスン。と変な音が出るだけだ。・・・あ、これってまさか・・・、

 

「やば、オーバーヒート起こしちゃった・・・」

 

 『蒼き雷霆(アームドブルー)』も完璧な『個性』ではない。長所があれば短所も存在する。

 その短所が、これだ。使いすぎると、暫くは発動できない状態に陥ってしまう。・・・所謂、オーバーヒート状態って奴だ。

 よりによって高所・・・しかも落ちている最中でオーバーヒートするなんて最悪だ。何でかって?オーバーヒート状態は『蒼き雷霆(アームドブルー)』の全般が使えないからだ。つまり、今の僕は『無個性』となんら変わりないと言う事。

 そんで今現在、僕は高所で絶賛オーバーヒート中。勿論、雷撃麟によるホバリングも出来ない。・・・つまりは、

 

「わあああああああああああああっ!!!?」

 

 真っ逆さまに落ちる。と言うことだ。そのまま僕は地面に激突・・・にはならなかった。

 

「間に合えっ!!!」

 

 その声と同時に、僕は何かに受け止められた。下を見てみると、僕は巨大な掌の上にいた。これはもしかして・・・。

 

「や、大丈夫かい?間一髪だったね」

 

 始めに僕が援護したサイドテールの少女だった。恐らく、自身の手を巨大化させてクッション代わりにしたんだろう。・・・何はともあれ助かった。

 

「ありがとう、君のお陰で助かったよ」

「いいって、ヒーローってのは助け合いでしょ?それに、これで貸し借りは無しって事で」

 

 ストン。と彼女の手から降りながら僕はお礼を言った。彼女も笑ってそう返した。

 

 ちょっと、最後の辺りでポカをやらかしたがこれで僕の実技試験は終了した。時間までに多くの仮想敵を倒したし合格だと思うけど・・・何位になっているのやら・・・。

 

 

続く・・・。




今回はのび太GVの実技試験風景、のび太と一緒に受験しているキャラ(名前は伏せてあります)をどうするか悩んだり、0P敵戦にて、援護をつけるかどうか?等を考えていたらいつの間にか遅くなっていた・・・(汗)本当に申し訳ない(メタルマンの博士風に)
さて、次回は出久ちゃん&かっちゃんの受験風景となります。お楽しみに!
ではでは!
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