ヤンデレギャルと不良っぽい少年   作:ぽぽろ

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えっと…6ヶ月ぶりですね…感想ではよ!って意見多かったんですが、中々方向性が定まらなくて……


1話

「休ませるって言ったってどうすっかな…」

 

俺は屋上で悩んでいた。悩みの種はもちろん、彼女今井リサを休ませようとする事。

普通に言ったって彼女は聞かないだろう。

 

「…授業サボって何してんの?」

 

「お前もだろ。蘭」

 

独り言を聞かれていたようだ。

髪に一部赤いメッシュが入った少女は美竹蘭。

一応、俺が先輩のはずなんだが、敬語のけの字もない。

 

「響に敬語使う価値ないし。」

 

「…心を読むな。」

 

よく、屋上でサボっている俺と蘭はある時ばったりと会い、そこから軽口が言い合える仲へとなった。

 

「蘭。例えば、お前のお母さんとかに休んで欲しいと思ったら何する?」

 

「……なに?突然。頭でも打った?」

 

「…うっせ。」

 

「まぁ、家事とかを変わってあげるとかかなぁ。」

 

「やっぱりそれか。」

 

「やっぱりって?」

 

「…別に何でもねぇよ。気にすんな。ただの戯言だ。」

 

屋上の出口へと向かい、錆びた扉を開け、階段を下る。

 

「もう行くの?いつもより早いね。」

 

「ちょっとやる事があるんでな。」

 

 

 

* * *

 

 

 

家に戻り、いつも通りリサは、鼻歌を歌いながら、夕飯の準備をしている。

 

「…あのな、リサ」

 

「ふふふ~ん、ん?なに☆?」

 

味噌汁の味を確かめながら、こちらを向く。

 

「もう、俺の世話しなくて、いいぞ。」

 

ガシャーン!と皿が割れた音が、急に静かになった部屋に鳴り響いた。

 

「……アタシ何か響の気に障る事した?」

 

「…してないな。」

 

「いつも飛び込んで起こすのが嫌だった…?なら明日から直すから!」

 

「別にいつもの事だから気にしてねぇよ。」

 

「なら!何でそんな事言うの……?」

 

縋るようにこちらに問う彼女

その瞳には絶望というのが映っているのが、ハッキリと分かった。

ただ、世話を出来ないだけで、これだけの深く絶望するだろうか?

例えるならば、今、リサはおもちゃを盗られて泣いている子供だ。

しかし、その瞳はその比じゃない程の闇。

闇という名の絶望だった。

 

「お前いっつも俺に割く時間多いだろ。

それで俺の世話とバンドの練習、バイトを入れたら、お前の休む時間は何処だ?

幸いある程度なら、俺も家事出来るしな。」

 

「休む時間は…響といる時間だから…」

 

弱々しく答える彼女。

 

「そんなのは休みにならねぇよ。俺はお前に休んで欲しいんだ。」

 

そうすれば、もっと練習が出来たり、自分の趣味に費やす事が出来るだろう。

 

「分かった……でも!これだけは準備させて!」

 

「分かった。」

 

なら、いつもより腕によりを掛けないとね。とボソリと呟いた。

 

 

 

 

 

俺はこの時は達観して居たのだ。

 

この後の事なんて、何も考えずに。




☆9 平和なしらす。さん
☆8 ももちるさん
その他お気に入り登録、感想等ありがとうございます!
次は早く出せるようにしたい……
と言うか、1話だけ出して、放置してる他のシリーズをどうにかしたい……

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