仙はアヤトに合流してコクリアを進んで行く。
着々と歩みを進めていき、途中で何度か捜査官に遭遇したが難なく処理出来た。
そのまま更に進んだ時の事だった。
仙、そしてアヤトに向かって雷が放たれる。
仙はこの雷に貫かれた記憶を一瞬の内に思い出す。
そしてこの雷を持っているのはただ一人、死神有馬貴将。
仙とアヤトと戦える喰種達で有馬へ向かっていく。
アヤトの羽赫の攻撃の後に、隙を与えないように鱗赫の攻撃を差し込む。
死神の対処は鮮やかな者だった。
そして死神の雷が放たれた。
しかし、その方向に自分は居ない。
悪寒がした仙は五感を研ぎ澄まし、雷が飛んでいく方向を探る。
そこには雛実やその他の喰種達。
仙は光の速さで動き出す。
雷より速く。
雷が到達する前に。
仙は雛実の前に飛び込む。
仙は身体に大きな雷を受ける。
身体中の血が気化していくような感覚、喉を熱い血が逆流する。
「センさん!」
仙が動けない間に戦闘は進む。
アヤトと、もう一人羽赫の喰種が戦う姿を朦朧とした目線で見つめる。
先程の戦いでrc細胞を使い過ぎた上に死神とも戦ったからか、再生がうまくいかない。
そしてアヤトを庇って前に出た羽赫の喰種は電撃を放つが、死神はそれをかわし、そのままの動きで羽赫の喰種に雷を向けた。
目の前にいる名も知らない喰種が殺される。
自分達を庇って前に出た名も知らない喰種。
まるであの時と同じだ。しかし身体は動かない。
死神の雷は最大級に溜まりそれを羽赫の喰種に放ったその時、赤く大きな鱗赫が雷を防いだ。
「お兄ちゃん、、、!」
自分の近くにいた雛実がそう呟く。
「アヤトくん!最下排出口だろ!?」
「あ、ああ!」
「任せた!」
赤い鱗赫の喰種はそう言い、死神と向き合う。
未だに立てない仙をアヤトが抱える。
「お前、独りでコクリアに来たのか?」
頷く仙にアヤトは若干呆れたように息を吐く。
「あの日からアジトにも帰ってこなかった。正直死んだと思ったぞ」
「どこに居たんだ?」
「地下にある陣という喰種の所」
そう言うとアヤトを含めて何人かの喰種が反応したのが分かった。
「陣ってまさか、、鬼か?」
「多分。陣は僕のお義父さん」
「アヤト。もう大丈夫。自分で、歩ける」
仙はアヤトに下ろしてもらうと自分の脚で歩き始め、話出した。
「陣の所でコクリアを破る訓練をしていた」
「どうせアオギリの樹は雛実を助けには来ない」
「アヤトが来るとは予想していたけど、それはいかない理由に成らない」
「なら僕が行こうと、その為にずっと訓練していた」
アヤトと話していると、とうとう廃棄プレス場に着いた。
そしてここを下っていった所、最下排出口だ。
早速喰種達は下っていくが、異変を感じた仙は止めようとする。しかし、それは遅かった。
轟音を響かせながらプレス機が稼働し出した。
そして上からぞろぞろと出てきて自分を見下す捜査官達。
仙は赫子を展開しようとしたが、それは必要無かった。
巨大な喰種が乱入して、プレス機を壊した。
「なんでエトが!!」
「分からない。だが利用するしかない!」
壊れたプレス機はもう動かない。
仙達は最下排出口を抜け出した。
遂にコクリアを抜け出した。
廃水場に抜け出し、進む仙。
もう終わりかと思ったがそれが違った。
目の前で捜査官が待っていた。
「おかしいわね。ネズミにしては大きいと思うわ」
「ぴょこぴょこぴょこぴょこぴょこ。これはかわいいウサギ達」
「檻からでちゃだめ」
「ダァーーーーーーッ!」
高速の光線が放たれる。
仙は受け止めようと甲赫を出した雛実の後ろに周り、後ろから雛実の赫子に仙の赫子を重ねて雛実を支えた。
雛実を支え終えた仙は動き出す。
再生する時間は充分だった。
細胞も足りてる。
羽赫のクインケを操る女捜査官に切りかかるが、クインケは2つに分かれて刃に成った。
仙が展開した甲赫も形状を刃に変え、女捜査官と打ち合う。
仙のフードが捲れて露になったマスクを見た女捜査官は呟く。
「まさか、、業鬼!」
仙の全ての赫子は身体を鎧の様に包み、伸びた羽の様な赫子は形を変えて刃と化した。
その姿はさしずめ
「鬼、、、!」
「赫者か!!」
仙の動きは目で終えない程の速さだった。
重みは景から。速さは歴から。硬さは燐から。その全てを活かす技は陣から。
戦う仙の横に戦える全ての喰種が出てくる。
「セン!手を貸す!」
アヤトを羽赫のクインケが狙う。
それを避けたアヤトだったが、弾丸はアヤトを追尾する。
仙は結晶をぶつけて追尾する弾丸を潰す。
「助かった!」
そのまま戦続けていると、女捜査官を白装束の捜査官が囲った。
「零番隊!」
「どういうことかしら?」
白装束の捜査官達はどうやら味方らしい。
そして、大きく赤い鱗赫が迫ってくる。
赫子の主は、白い髪の青年。
それは、青年ではない。
それは喰種の王様だ。