だけどここからは結構頑張って書くつもりです。
何卒宜しく御願いします!
アオギリの樹に所属して2ヶ月。
新人教育は終わったが、アヤトの部隊に所属している都合上ヒナミと仕事に行くことは多い。
今回も仕事は仙と雛実で、何時も通りの仕事をしているとそれは目の前に出てきた。
今回の仕事は捜査官の排除だ。
そして対象はもう掃除した。
しかし増援として駆け付けた捜査官の中に左腕が無い男が一人。
「センさん。帰ってよさそう。あの捜査官は対象外だよ」
ヒナミからは帰還の指示が出された。
しかし恨みの相手を前にしてそんなものは聞いていられない。
「先に帰っていて」
そう言うと、仙の目はさらに紅く染まった。
仙は駆ける。
そして飛び立ち、捜査官達に結晶を浴びせた。
「襲撃だ!」
「ん?この赫子。そうか。隻眼か!」
現れた喰種に体勢を整える捜査官達。
どうすれば良いか戸惑う雛実。
物分かり良く、冷静で、常に落ち着いた仙が指示に背いたことは始めてだった。
そしていつもは光の無いその眼には復讐という確かな炎が宿っていた。
仙の身体には既に傷が刻まれているがそれでも仙は捜査官と交戦する。
取り巻き達の頭を結晶で貫き、隻腕の捜査官には鱗を纏った赫子を振りかぶる。
しかし隻腕は大鉈の様な武器で対処する。
「センさん!退いて!」
雛実は必死に呼び掛けるが届かない。
仙の鱗赫は敵だけでは無く仙の理性までを喰らった。
「あああっ!」
叫び。
そして叫びと共に鱗赫は九本に増える。
増えた鱗赫はさらに隻腕を襲う。
「チッ!このクインケじゃ分が悪い!退くか!」
逃げた隻腕。
それでも仙は叫びながら赫子を振り回す。
雛実は暴れる仙にゆっくりと近寄る。
これまで仕事をしてきて、仙は何度も負傷している。
しかしこれまでの仕事で仙が捜査官や喰種から攻撃を受けたことは殆んどない。
つまり仙の赫子は主をも喰らう。
仙の赫子は赤い煙になって消えた。
自分を傷付け続け、血が足りなくなったのだろう。
雛実は地面に倒れている仙の頬に手を置いた。
「全部僕のせい」
「母さんが死んだのも」
「父さんが殺されたのも」
「霞が殺されたのも」
「だから強くならないと」
「もう一人にならないため」
「もう悲しくならないようにするため」
「奪わないと」
これが仙が流す赤。
怒り、悲しみ、恨み、後悔、色んな感情が入り交じって成された復讐の赤。
血に染まった灰色の髪が揺れる。
死人のように白い肌を赤が伝う。
雛実は仙の過去を知らない。
しかしそれが酷く暗く、淀んだものであることはよく分かった。
そして彼はその淀みの奥で抜かるんで動けないのだ。
虚ろで奥の見えないその眼のような淀み。