喰種喰   作:リョー

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 ピエロの華やかなオープニングでオークションは始まった。

目の前にあるステージでは人間達が想像も付かないような価格で競られていく。

特に自分と同じ隻眼の喰種は二億という価格で競られた。

何故喰種である彼女が競られているのかは分からないが彼女からは食欲を掻き立てるような不思議な匂いがしていた。

 

「セン。今日はタキザワも参加するらしい。アイツのフォローも頼む」

 

「分かった」

 

 そう言えば元々人間のタキザワは人間を殺すことに抵抗をおぼえないのだろうか。

いや、それを感じる心さえも既に死んでいるのか。

 仙は一人で納得すると再度ステージに目を移した。

 

「白い肌に大きな目!まるで人形じゃないか!」

 

「スタート価格は」

 

そういいかけた所で少女は脚に手を伸ばした。

 

「御代はけっこう」

 

脚は作り物のようで、そこからは無数のナイフが出てきた。

 仕事の始まりだ。

 

「セン、行くぞ!」

 

「うん」

 

アヤトと一緒にオークションのホールを駆ける。

 そして、羽赫を展開する。

 

「そっちはウサギさん。でも君はみたことないですね」

 

 アヤトが狙われると空かさず仙が出ていきターゲットを移す。

武器は無数のナイフしか持って居ないようで、不利だと感じた目の前の捜査官は撤退する。

 すると耳元に雛実の声が流れる。

 

「センさんは出来るだけ捜査官を殺しながらタキザワさんに合流して下さい」

 

 仙は駆け出す。

目の前にいる捜査官を切り殺す。

逃げていく捜査官を羽赫で撃つ。

 

「正体不明の喰種と交戦」

 

「紀村上等と三浦一等が殺されました!」

 

 仙を沢山の捜査官が捉え、攻撃するが攻撃が仙を傷つけることはなく、その鱗赫は大きく伸びて捜査官を次々と刈り取っていく。

 

「白い大きな鱗赫と羽赫。鬼のマスクです!」

 

 特徴を聞いたCCGの指令部はその喰種を探す。

そして誰かが呟いた。

 

「業鬼、、」

 

「業鬼と特徴が一致!」

 

「状況は!」

 

「准特等捜査官が二人、上等捜査官が五人、一等捜査官、二等捜査官は数えられません!」

 

「正体不明の鬼、ここで出てきたか」

 

和修はそう呟くと、無線のマイクに言う。

 

「業鬼のレートを制定」

 

「過去の被害、そして今回の被害を合わせてレートは暫定レートはSSS~とする!」

 

 仙と戦っている捜査官達は絶句した。

梟のレベルの敵が目の前にいる。

最早自分の死は確定したものと思い、斬りかかる者。

何とか助かろうと逃げだす者。

何もせずに呆然とする者。

 しかしどれも平等に無慈悲な死が与えられるだけだった。

 

「広場を制圧。タキザワのとこに向かう」

 

「うん!」

 

 そう言った自分の前にあの捜査官、片腕の無い捜査官が飛び出す。

 

「情報通り、アオギリ所属していたか」

 

きっとここはこの捜査官を倒さなければ通れないか。

 仙は赫子を限界まで強化する。

無言で切りつけてくる隻腕。

それを見切って、捜査官の懐に潜り込む仙。 

 攻防が頻繁に入れ替わる戦い。

それは相手と自分が同等であることを示していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 隻腕との戦いは長引き、未だに終わらない。

仙は赫包を2つ潰され、隻腕は左目を斬られている。

しかし退けない。

ここで退いてしまってはまた同じだ。

 仙の鱗赫は主の血液で尚いきいきとしている。

まだ戦える。

 

「そろそろ終わりにしよう」

 

そう言い、隻腕は武器を掲げた。

武器から発せられる光。

 その光を見たとたんに仙は身体から力が抜けるのを感じた。

 

「この光はRC細胞を抑制するんだ」

 

 光景が異常にゆっくりに見えた。

隻腕の刃はゆっくりと自分に迫ってきている。

 この状況を変えるにはどうすれば。

RC細胞を抑制する。

そう言えばいつかの男が言っていたRC細胞を操作する、ということ。

 考えてみればそうだ。

抑制されたならそれを上回るRC細胞が有れば良い。

 もっと赫子を!

 消えかけた赫子はまた取り戻し、隻腕の刃を防ぎ、割った。

 

「馬鹿な!」

 

戦う武器を無くした隻腕は悔しそうに撤退して行く。

逃すまいと放った結晶が当たることは無い。

 追おうして、飛び立った仙の身体を後ろから雷撃が貫いた。

後ろを振り向くと、そこに居たのは白い服で揃えた捜査官達。

そしてその真ん中に居る、白髪の捜査官。

死神、有馬貴将。

 隻腕との戦いで傷を負った身体は動かない。

死神はゆっくりと近付き、仙の頭を黒い槍で貫いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 タキザワと戦い、傷を負った雛実。

そして雛実を捜査官が囲んだ。

その中の一人の捜査官は雛実に向かって大きな何かを投げた。

 それは同種だった。

端整な顔立ちには見覚えがある。

そしてその目から流す赤。

苦しそうな声。

そこに居たのは仙の成れの果てだった。

 淀みはさらに深くへ。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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