ガールズバンドの子たちに甘やかされる日常【完結】   作:薮椿

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 ニートが遂に学校へ行く!?


潜入!羽丘女子学園

「これ、誰の忘れ物だろう……?」

 

 

 時間はお昼前。今日も今日とてニート生活を嗜んでいた僕は、小腹が空いたので2階の自室から1階のリビングに降りて食料を物色していた。その時、テーブルに手提げ袋が置いてあることに気付く。見たところ自分のではないので、恐らく今朝家に来た女の子たちの誰かが忘れていったものだろう。

 

 とりあえず名前が書いていないか確認をするために手提げ袋を見回してみたけど、流石に高校生にもなって私物に名前を書くような人はほとんどいない。こうなったら申し訳ないけど、中身を取り出して確認するしかないか……? 女の子の私物を見るのは少し躊躇われるけど、もしかしたら授業で必要なモノが入っているかもしれないしね。

 

 

「こ、これは……」

 

 

 手提げ袋から出てきたのは、紺色のポリエステルの物体――――そう、男の興奮を大いに煽る『スクール水着』だった。まさかすぎる代物の登場に、僕は思わず手に握られたスクール水着を手提げ袋に戻してしまう。もはや男がスクール水着を手に取っているだけで犯罪者扱いされるこの時代、男の家にスク水があるって時点でもアウトすぎる。しかもこれは、ガールズバンドの美少女たちの誰かのモノだ。そう考えると背徳的な興奮がふつふつと煮えたぎってくた。

 

 

「落ち着け、冷静になれ。名前を確認して連絡してあげるだけでいいんだ……」

 

 

 こんなものは昨日の時点ではなかったから、今朝僕の家に来た誰かが忘れていったもの。水泳の授業がなければ水着を持ち運ばないはずなので、つまり今日は水泳の授業があるってことだ。ということは、これを忘れていった子は水着がないことで授業を欠席してしまうことになる。今の時間はお昼前だから、もし水泳の授業が午後からなら事前に連絡をしてあげれば僕の家に取りに来ることができるだろう。だったらなおのこと、この水着の持ち主を特定しなければならない。

 

 そう思って改めて水着を確認したけど、やはりというべきか名前は書かれていなかった。そりゃそうだ、このご時世、スク水に名前が書いてあるなんてエッチなビデオのコスプレかよって話だからね。むしろ書いてあったら書いてあったでドン引きしてたかも……。

 

 こうなったら、連絡用アプリのグループチャットで水着の忘れ物が誰かを聞いてみるしかない。思い出せば今朝この家に来てた子たちはみんな羽丘の生徒なので、ある程度聞く相手は絞り込めそう――――――

 

 

「あっ、携帯の充電がなくなっている。あぁ、充電器壊れてるのに……」

 

 

 昨晩、寝惚けたままトイレに立った時に充電器を踏んで壊してしまっていた。だから今日買いに出かけようと思っていたんだけど、不幸な出来事というのは積み重なるものなんだよね……。

 みんなに連絡ができないとなれば、僕が直接羽丘に出向いて届けてあげるしかない。女子高に行くのは気が引けるけど、本来なら家主である僕が担うべき家事をみんながやってくれて、その過程での忘れ物だから、このままこれを放置するのは恩を仇で返すようなものだ。

 

 うん、行こう。せっかく最近外出許可が出たんだし、少しでもみんなの役に立たなくちゃね。

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

「うっ、やっぱり緊張する……」

 

 

 意気込んで羽丘の校門前まで来たのはいいものの、やっぱり男が女子高に入るのは躊躇われる。アニメや漫画で良くあるお嬢様学校のように警備員が目を光らせているわけではないみたいだが、やはり場違い感が半端ない。ただ忘れ物を届けに来ただけなんだけど、僕にとってはここがRPGのラストダンジョンかのように緊張が止まらなかった。

 

 

「こういうときって、まずは職員室に行けばいいのかな……? いや、いきなり男が入ったら通報されるかも……。来客用の入口とかあるのかな……。うぅ、ニートだから学校の内に何があるかなんて分からないよ……」

 

 

 こうなるなら事前に訪問時にどこへ行くのかくらい調べてくれば良かったよ。

 ちょっと手間だけど、一旦ここから離れて落ち着こう。こんなところでウロウロしている方がよっぽど怪しく見えるしね。

 

 

「あなた、こんなところで何してるの?」

「うわぁああああっ!? ゴメンなさいゴメンなさい怪しい者じゃないんです!! 女子高を目の前にして淫らなことなんて考えていませんから!!」

「いや、そこまで考えてなかったけど……」

 

 

 女の子に挨拶をしただけで通報される理不尽なご時世、女性に声を掛けられた瞬間に人生の終わりを感じてしまった。咄嗟に振り向いて謝ってしまったが、思い返せば余計なことを口走りすぎてそれこそ逮捕一直線なのでは……? あぁ、男の人生って儚いよ……。

 

 

「ちょっとちょっと、何この世の終わりみたいな顔してるの? 君、この学校に用があるんじゃないの?」

「えっ、あっ、そ、そうですけど……」

 

 

 意外や意外、下手なことを口走ってしまった僕に対し、この女性はまだ僕に生きるチャンスをくれるようだ。

 さっきまで慌てふためいてよく見てなかったけど、この人とっても綺麗だな……。綺麗な短い黒髪、スタイルもいいし、雰囲気も穏やかで人当たりが良さそうだ。こんな人がお姉ちゃんにいてくれたらいいのにと、一目見ただけでそう思ってしまった。

 

 

「はぁ~ん、さては誰かの忘れ物を届けに来たけど、女子高だから入りづらかったんでしょ?」

「えっ、どうしてそれを……?」

「だって君が持ってる手提げ袋のデザイン、明らかに女の子っぽいもん。流石に男の子が持つには……と思ったけど、君可愛いからありえるかもね♪」

「そ、そんなことないですって……」

 

 

 ガールズバンドのみんなからもよく『可愛い』って言われるんだけど、これでも僕も一応男だ。そりゃカッコよくもなければイケメンでもないけど、可愛いなんて言われるとなんか恥ずかしい。だってみんなの方が圧倒的に綺麗で可愛いのに……。

 

 

「そういえば君、学校は? 今日は平日なのに……」

「え゛っ……!? あ、そ、そのぉ……」

「あっ、もしかして君――――」

「ゴ、ゴメンなさい!! クソチビニートでゴメン――――」

「学校の創立記念日とか?」

「えっ……? あっ、そ、そう、です……」

「いいよねぇ創立記念日。他のみんなが学校や仕事に行ってるのに、自分だけ悠々としていられる優越感がさ――――ん? そういえばさっき何て言いかけたの?」

「な、なんでもないですハイ……」

 

 

 もう完全にニートって言っちゃったけど、会話の流れによって掻き消されたおかげで助かったよ。自分がヒキオタクソチビニートだってことは自覚してるけど、なるべくなら誰かに知られたくない。相手にとってもニートが知り合いだなんてマイナス要素を抱えたくないだろうしね。

 

 

「事情は分かったよ。それじゃあ行こっか」

「行くって、お姉さんもここに用事ですか?」

「うん。文化祭をウチの店と合同で行うようになってね、今日はその打ち合わせに来たの。だから、君もついでにどうかと思ってね」

「ありがとうございます。助かります」

「うんうん。そういや、君の名前をまだ聞いてなかったね」

「あっ、申し遅れました、那須原(なすはら) 秋人(あきと)です」

「え……?」

 

 

 あれ、聞こえてなかったかな……? 一般的なニートは引き籠りの性質上、声を出す機会がないから声量が自然と小さくなるらしい。でも僕は毎日ガールズバンドの子たちに対して大量のツッコミを入れているせいか、一般のニートどころかそこらの人よりも声がハキハキしている自信がある。これぞ俗に言われる無駄じゃないけど無駄なスキルだよね……。

 

 お姉さんはさっきから僕の顔を眺めながら黙ったままだ。さっきみたいにニートだのクソチビだの爆弾発言もしていないし、この間は一体なんだろう……。

 

 

「なるほど、君がねぇ……」

「な、なんですか……?」

「うぅん、別に何でも。私は月島まりな、よろしくね」

「あっ、よろしくお願いします……」

「それじゃあ行こっか」

 

 

 お姉さん――まりなさんは優しく微笑むと、僕を先導するように歩き始めた。

 少し雰囲気が変わったけど、もしかしてニートってことがバレてたり!? 誰かから僕のことを聞いて、ようやく弄り甲斐のある人間の底辺に会えて嬉しくなった……とか!? まりなさん、なんだかからかい上手っぽいし、これからどんな弄りが待っているのか……こ、怖い。

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

「はいこれ。この入館証を首からかけていれば、少なくとも変質者に間違われることはないから」

「だ、だから変質者でも何でもないですって! 確かに最初にそう口走ったのは僕ですけど……」

「あはは、ゴメンゴメン。君可愛いからついつい弄りたくなっちゃうんだよね♪」

 

 

 こんな感じで早速弄ばれながらも、何とか来客用の窓口から入館証を手に入れることができた。まりなさんがいなかったら、今頃僕は警備員に取り押さえられていただろう。

 

 

「私はこれから打ち合わせだけど、秋人くんはどうする――――って、そんなにおどおどしてたら怪しく見えちゃうよ?」

「だ、だって女子高ってだけで緊張しちゃって……」

「それなら打ち合わせが終わるまで待合室で待ってる? 終わったら一緒に忘れ物の持ち主を探してあげるから」

「そうしてもらえると助かります」

「了解。待合室はこの廊下の突き当りにあるから、そこで待っててね。それじゃあまた後で」

 

 

 まりなさんはウインクをして打ち合わせ室に入っていった。

 なんかまりなさんってコミュ力の塊すぎて、ド陰キャの僕は会話について行くだけでも精いっぱいだ。ただ言われたことに対して返答を行っているだけってところがとても陰キャらしい。一応ガールズバンドのみんなとは普通に話せているけど、逆に言えばみんな以外の人とは全然話さないからそのせいだろう。せっかく最近外出の許可を貰ったのに、このままのコミュ力だと結局外出が億劫になるかもしれないな……。

 

 そんなことを考えながら、僕は待合室へと向かう。ここでこの学校の先生や生徒に出会ったらどうしようかとビクビクしながら歩いているため、周りから見たら僕は紛うことなき不審者だった。

 

 

 するとその時、突然視界が真っ暗になる。

 何が起こったのかとあたふたしていると、耳元に綺麗な声で囁かれた。

 

 

「動かないで」

 

 

 僕は女性の手で視界を遮られているようだ。しかも足を絡められ、身体と身体も密着しており、完全に身動きを封じられていた。

 も、もしかして不審者だと思われてる!? 確かに女子高にいる年頃の男なんて下心を持っていてもおかしくない。首にかけている入館証を見せれば危機は脱出できるかもしれないが、既に捕獲されているこの状況では文字通り手も足も出なかった。

 

 あれ……? この声どこかで聞いたことがあるような……。

 

 

「もしかして……友希那ちゃん?」

「こっちに振り向いてはダメよ。私、今全裸だから」

「なんで!? ここ学校だよ!?」

 

 

 ま、まさか、この女子高……何者かに操られてたりするの!? ほら、エロ同人ではよくあるじゃん。催眠を使って学校中の美女美少女を操り、奴隷を躾けるが如くエッチなことをしまくる展開が。女の子が校内で全裸になるとか、まさにそのようなシチュエーションでしかありえない。僕はただ忘れ物を届けに来ただけなのに、こんな大変なことに巻き込まれるなんて……。でもちょっと興奮しちゃうのは内緒だ。

 

 

「とりあえずそこの空き教室に行くわよ。そう、あなたが他の女子の目に晒される前にね……」

「えっ、う、うん……」

 

 

 僕は視界を遮られたまま、友希那ちゃんに誘導される形で歩を進める。

 女子高の空き教室と言えば、エロい同人や小説ではヤリ部屋と化している場合が多い。もしかしたらそこに催眠術師がいて、この学校の女の子を食っている光景を見せつけられるのかもしれない。そして無様に勃起した僕は女の子たちに弄りに弄られ、はしたなく精を放出させられるんだ……。あぁ、想像するだけでも恐ろしいけど興奮する。自分は決してMではないけど、こういった妄想で性欲が滾ってしまうあたり多少マゾ属性も持ち合わせてるのかも? 認めたくないけど……。

 

 空き教室の扉が空き、その瞬間に友希那ちゃんの手が僕の目から離れる。

 覚悟はできてないけど、どんな酒池肉林の光景が広がってるんだ……? もう展開は分かり切ってるんだ、絶対に驚かないぞ――――――

 

 

「……あ、あれ? リサちゃん?」

「やっほ~秋人。まさか本当にいるとはねぇ~」

「ほら、私が言った通りだったでしょう」

「『秋人の匂い』がするなんて半信半疑だったけど、やっぱり友希那の嗅覚は本物だったか……」

「えっ、え、どういうこと??」

 

 

 空き教室は本当に空き教室で、友希那ちゃんとリサちゃん以外には誰もいなかった。当然ながら、催眠術師による乱交現場になってもいない。それどころか、友希那ちゃんはしっかりと制服を着こなしている。もはや何が何だかさっぱりなんだけど……。

 

 

「何が起こったのか分からないって顔をしてるけど、私たちからしてみればどうしてあなたがここにいるのかが分からないわ。まさか、とうとう性欲が我慢できなくなって女子高に侵入、トイレや更衣室にカメラを仕掛け盗撮するつもりだったとか? そんなリスクを背負わなくても、私たちの排尿や着替えの映像ならいくらでも提供してあげるというのに。もちろん盗撮モノっぽく魅せるために、小型カメラで僅かな隙間から撮影したものをお届けするわ」

「話が飛躍し過ぎだよ!? そりゃ興味がない訳じゃないけど、今日はみんなに用事があってここに来たの!!」

「アタシたちに? それなら携帯で連絡してくれればいいのに。授業中でもトイレの途中でも飛んで行くよ」

「携帯の充電がなくて充電器も壊れちゃってるから直接ここにきたんだよ。それにどうしてさっきからトイレ推しなの……」

「あなたの要望なら、盗撮風でなくとも生でトイレシーンを堪能させてあげてもいいわよ。その代わり、そこで溜まった性欲は全部私たちで発散するという約束で」

「いやいや、流石にアブノーマル過ぎるのはストライクゾーンから外れてるんで……」

「なるほどねぇ、秋人は生よりも盗撮映像の方が興奮できるタイプかぁ~。背徳感が性欲を助長させるってやつ?」

「もうっ、そろそろトイレの話題から離れようよ!!」

 

 

 下手に肯定してしまうと、この子たちのことだから本気でそのような映像を送り付けられかねない。オナネタとしてはそれだけで1週間くらいは食べていけると思うけど、みんなが便乗して排尿映像を送り付けてくる可能性もある。その場合、もう僕は女の子の盗撮風放尿映像でしか自身の性欲を満たせなくなるだろう。それを危惧すると、性欲が偏る前に未然に防いでおくべきだ。

 

 

「それで、秋人の用事というのは何かしら?」

「じ、実はこれなんだけど、僕の家に置きっぱなしになってたんだ。今朝誰かが持ってきて、学校に行く時に忘れたんだと思うけど……」

「なるほどねぇ。でも今日アタシは忘れ物してないなぁ、友希那は?」

「特に思い当たる節はないわ。ちなみに、その手提げ袋の中には何が入っているのかしら?」

「水着だよ。スクール水着」

「「スクール水着……?」」

 

 

 なんかマズった気がする。もしかして安直にスク水なんて言わない方が良かった? 確かに男がスク水を持ち歩いているだけで大問題だし、やっぱり何も知らないふりをしておく方が正解だったかも……? 

 

 

「なるほど、それじゃあその中には秋人が使用したスクール水着が入っているのね」

「ちょっ、どうして使用した前提なの!? 中身は確認したけど、それ以外のことは何もしてないから!!」

「でも秋人、ロリっ子がスクール水着を着ている同人ゲームをやってたよね。ほら、秋人のパソコンにインストールしてあるじゃん?」

「なんで知ってるの!? 部屋の掃除はしてもらっても、パソコンの中身だけは絶対に覗かせないようにしてるのに!?」

「通い妻たるもの、主人の性癖を理解しておくのは当然だからね♪」

「そんな理解のために脳にメモリを割くなら、もっと有意義なことを覚えようよ……」

 

 

 僕のパソコンにはそれ以外にもたくさんのR-18指定のゲームが入っている。ということは、ロリ水着以外の性癖もみんなにバレちゃってるってこと……?? もう僕の私生活はみんなに赤裸々公開されてるけど、今まさにプライベートというプライベートを骨の髄まで搾り取られた感じがするよ……。

 

 

「そこまでスクール水着が好きなのね。だったら私がいくらでも着てあげるわ。AVのようなヤラセではなく、本物のスク水女子をその目で拝めるのよ」

「やめて! AVは男のロマンなんだ! いくらヤラセっぽいくても、ヤラセじゃないと思って見れば興奮は無限大なんだよ!!」

「おぉ、珍しく秋人がテンション高く熱弁してるね。まぁどのみちアタシたちでは秋人のロリ系水着趣味には応えられないかもね、身体の大きさ的な意味で。こうなったら、あこにスク水を着てもらうようにお願いしてみようか?」

「あこちゃんの……スク水!?」

 

 

 見たい……物凄く見たい!! 以前からスクール水着を着させてみたいという欲望はあったけど、流石に犯罪的すぎてそんなことを頼めるわけがなかった。彼女は僕に懐いているため必死に頼み込めば着てもらえるかもしれないが、自分から淫らな欲を晒すのはなんか負けた気がするからやりたくない。だからみんなで海に行った時に少し期待していたのだが、やはりプライベートのためか彼女はスク水ではなかった。まぁ可愛い水着だったからそれはそれで眼福だったんだけどね。

 

 

「あこのスク水姿で勃起するなんて、なんて嘆かわしいこと……」

「えっ、嘘!?」

「嘘よ。でもその反応を見るに、スク水に並々ならぬ執着があるようね。これは秋人の家でスク水パーティを開くしかないかしら。女子は全員スク水着用、あなたは全裸でね」

「どうして僕だけ裸なの!? せめて水着くらい着させてよ!?」

「どうせすぐに勃起して私たちが処理をしてあげる展開になるんだから、水着を着るだけ無駄でしょう。それにあなたの下半身が丸出しではなかったら、いつでもどこでもスク水女子にぶっ掛けられないじゃない」

「いやいやそんな下半身でものを考えてるみたいな言い方しないでよ!! リ、リサちゃんからも何か言ってあげて……」

「今グループチャットでパーティの連絡をしようとしてるから、ちょっと待って」

「待って欲しいのはこっちだよ!!」

 

 

 リサちゃんは相変わらず行動力の塊で、危うく僕の性欲が枯れ果ててしまいそうなパーティを実行に移されるところだった。流石はイマドキギャルと言うべきだけど、行動が早く情報の拡散も早いのは時には困りものだよ。

 

 

「とりあえず、もうすぐ休み時間も終わるからそっちの処理だけはやっておいてあげるよ」

「そっちって……どっち?」

「もう、分かってるくせに~。スク水の女の子の姿を妄想して卑しく大きくなっちゃってる、秋人のココだよ♪」

「うわぁああああっ!?」

「むっ、どうして逃げるの?」

「そりゃいきなりセクハラされそうになったら誰でも逃げるでしょ!?」

「普段私たちのあられもない姿をオカズにしてオナニーしてるあなたがよく言えたわね」

「ぐっ……。妄想は人の自由だから……」

 

 

 ダメだ、友希那ちゃんもリサちゃんも野生の眼光を放っている。このままではスク水を持って女子高に忍び込んだ変態という汚名だけでなく、女子高の空き教室で女の子たちに無様に拘束されてイカされたというブラックエピソードまで付属してしまう。ただでさえニートでチビで人間の最底辺なのに、これ以上余計な黒歴史は増やしたくない。いや、ロリ+スク水のゲームを嗜んでいることがバレた時点で下がるところ下がり切った気もするけど……。

 

 とにかく、早くこの忘れ物を持ち主に渡して帰ろう。そうと決まれば――――――

 

 

「ゴメン、今日のところは勘弁をぉおおおおおおおおおおおおおおお!!」

「ちょっ、秋人!? あぁ、少し刺激が強すぎちゃったかぁ……」

 

 

 僕は空き教室を飛び出した。

 このまま下半身をハンターに狩られていたら、間違いなくここで果ててしまい忘れ物を届けるミッションは達成できなくなっていただろうから……。

 

 

「これは困ったことになりそうね」

「えっ、どうして?」

「秋人が校内を彷徨う。それはすなわち――――」

「あぁなるほど、他の子たちが黙っちゃいないかぁ……。秋人可愛いから、この学校の女の子たちに揉みくちゃにされちゃうかもねぇ~。どうなるのかなぁ……」

 

 

 どうやら僕に降りかかる試練は、むしろここからが本番らしい……。

 

 

 

 

To Be Continued……

 




 これは私だけかもしれないですが、淫乱と化した友希那とリサが小説のネタとして非常に扱いやすいので、1話から通して出番が多くなっているのはそのせいです。流石に25人+αを均等に出演させることはできないので、多少の偏りがあるのはご了承ください。



この小説が気に入られましたら、是非お気に入り、感想、評価をよろしくお願いします! 
小説を執筆するモチベーションに繋がります!


新たに☆9以上をくださった or 評価の数値を上げてくださった(過去2話分)

ぺい×2さん、慶滋保胤さん、Pureピークさん、feruzenさん、ファントムベースさん、バリスターズさん、病み美少女の操り人形さん、ワド団長さん、青ガメラさん、
ハラーラさん

ありがとうございました!

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