ガールズバンドの子たちに甘やかされる日常【完結】   作:薮椿

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 あけましておめでとうございます!
 今年もまったりと更新していきますが、新年早々こんなネタで大丈夫なのだろうか……?


閑話02:巨乳貧乳大戦争

 

 今日も今日とてガールズバンドの子たちが僕の家に遊びに来ている。とは言っても部屋掃除をしてくれたり料理を作ってくれたりと、相も変わらずお世話をされているだけなんだけどね……。

 みんながせっせと家事に勤しんでいる中、僕は部屋に落ちていたとあるモノに集中力を削がれていた。

 

 

「どうして女の子の下着がここに……」

 

 

 僕は部屋に転がっていた水色の下着を摘まみ上げる。一般の女子高校生のサイズに比べれば一回り大きい気もするけど、ガールズバンドの中には巨乳の子が何人もいるので誰のかは検討が付かない。これがいつから落ちているのかも分からないし、僕の部屋は連日みんなが出たり入ったりしてるから、持ち主を特定することは不可能だ。

 

 この前のスク水の件といい、どうしてみんなは女の子として見られて恥ずかしいモノを忘れるのだろうか。今回の件はスク水の件とは違って、学校に届ける必要がないのは救いだけどね。このブラジャーもみんなの見える位置に置いておけば、わざわざ僕から声をかけなくても誰かが持ち主に届けてくれるだろう。スク水の件で学んだ、僕は余計なことをしない方が良いと。羽丘の時のように辱めを受けるのだけはゴメンだからね。

 

 

「なんだお前、私のブラに興味あるのか? 言ってくれればいくらでもあげるのに」

「えっ、これ有咲ちゃんのだったの!? って、いつの間に!?」

「そりゃ部屋の真ん中で男が女の下着摘まんでれば目立つだろ……」

「ぼ、僕は家主として部屋に落ちている得体の知れないモノの正体を確かめようと……」

「お前最近大胆になってきてるよな。聞いたぞ、女のスク水を片手に羽丘に乗り込んだって話。変態かよ~」

「事実を捻じ曲げすぎでしょ!? !!」

 

 

 有咲ちゃんはニヤつきながら僕をからかってくる。

 変態なのはそうかもしれないけど、僕は忘れ物のスク水を届けてあげただけだ。つまり善行であり、自分で変態って言うのはいいけど他人に言われる筋合いはない。役得な状況が多々あったことは事実だけどさ……。

 

 そんなことよりもこのブラジャーのサイズ、かなり大きいな。これが有咲ちゃんのってことは、僕が思っている以上に彼女の胸が大きいってことだ。確かに小柄な体型に対してこのおっぱいのボリュームは、誰の目から見ても巨乳に見えるよね。

 

 

「どうした私のおっぱいをジロジロ見て。そんなに触りたいのなら触ってみるか?」

「ホントに!? い、いや、そんなことは……」

「やっぱりお前も男だから、おっぱいが大きい女が好きなんだよな。いやいいんだぞ。男としてなら当然の欲望だから」

「僕がおっぱい魔人みたいな言い方しないでよ……」

 

 

 違う、僕はおっぱい魔人だ。甲斐甲斐しくニートの僕のお世話をしてくれるガールズバンドのみんなに対し、並々ならぬ劣情を抱いたことは何度もある。僕も健全な思春期男子だから、同じ年代の女の子のおっぱいに目が行っちゃうのは仕方のないことなんだよ。それは思春期男子の本能であり、決して矯正することはできない欲求だ。だから悔い改めることはない……はず。

 

 なんてことは、口が裂けてもこの場で言えないけどね。言った瞬間にまたからかわれるのがオチだろうから……。

 

 

「秋人くん、やっぱり大きいおっぱいの方が好きなんだね……」

「りみちゃん!? そ、そういうのじゃないから……」

「そうだぞ。いつも秋人からの卑しい目線が私のおっぱいに集中してるから」

「え゛っ、どうして知ってるの!?」

「なんだ、やっぱりそうだったのか」

「もしかして、騙された……?」

「秋人くん……」

「りみちゃんはどうして物悲しそうな顔してるの!?」

 

 

 僕の変態的行動に落胆したのか、それともりみちゃん自身が貧乳だからコンプレックスを抱いているのか……。

 それにしても女の子って、本当に男の下劣な目線を感じ取ることができるんだね。単に噂話かと思ってたけど、欲情を抱いている男が淫らったらしいオーラを放っているからかもしれない。そりゃ鼻の下を伸ばして気持ち悪い顔をしてる奴が近くにいたら気付くか。

 

 

「秋人は巨乳好きだからなぁ。残念ながらりみのおっぱいじゃ無理だ」

「何が無理なの!? 絶対に僕を辱める想像したでしょ!?」

「無理じゃないもん! 私だって秋人くんのを挟めるもん! 多分……」

「は、挟むってそんな……」

「こう見えてりみはむっつりだからな。清純なイメージは捨てておいた方がいいぞ」

「ち、違うの! ただ秋人くんに何をやってあげたら気持ちよくなってくれるかを考えてただけだから!」

「それがむっつりだって言ってんだよ……」

 

 

 僕が有咲ちゃんをエロい目で見ているように、りみちゃんも僕のことをエロい目で見てたんだね。

 うん、それってちょっとだけ興奮する……!! さっき有咲ちゃんも言った通り、りみちゃんはガールズバンドの中でもトップクラスに純粋無垢で清純なイメージが強い。そんな子に劣情を向けられるなんて、思春期男子としては快感にしかならないだろう。これは僕だけじゃないはず。僕だけじゃない……よね?

 

 

「巨乳は敵。全面戦争も辞さない」

「おたえ……お前急に入ってきて物騒なこと言うなよな」

「女の子はおっぱいだけじゃない。例えおっぱいだけだとしても、大きさなんて関係ない。そうだよね秋人?」

「いや僕に聞かれても……」

 

 

 突然会話に乱入してきたたえちゃんだが、何故か好戦的だ。いつもは澄ました顔で我関せずな発言をする彼女なので、ここまで臨戦態勢なのは珍しい。どうしてそこまでやる気に満ち溢れてるのかは知らないけど、そもそも脳内お花畑ちゃんの彼女の発言意図を知ろうとするだけ時間の無駄かもしれない。

 

 そういやよく見てみれば、たえちゃんもりみちゃんと同じく胸は慎ましやかな方だよね。なるほど、だから巨乳の有咲ちゃんに対して戦争を仕掛けようとしているのか。ていうか、貧乳ちゃんって巨乳ちゃんを目の敵にすることが良くあるよね。やっぱり女の子の象徴が慎ましやかだと、多少なりとも気にしたりはするのだろうか。うん、女の子って複雑だ。それでいて迂闊に足を踏み入れない方が良い話題かもしれない。

 

 

「秋人くんは大きい方が好き? それとも小さい方が好き?」

「りみちゃんまでそんなことを……。でも、その質問って安直に答えちゃダメな気がするんだけど」

「大丈夫、ポピパはおっぱい不祥事でグループ解散になったりしない」

「さっき有咲ちゃんに戦争を仕掛けようとしてなかったっけ……?」

「有咲が羨ましかっただけ。金髪ツインテールのロリ巨乳とか、男子の妄想の性奴隷でしかないそのキャラに」

「おい、それ褒めてねぇだろ! そんなこと言われても全然嬉しくないからな!?」

 

 

 そりゃ一般の男子高校生だったら、同年代の胸が大きい子をオナネタにして自慰をするなんて日常茶飯事だろう。最近の子は発育もいいので、もし僕が学校に通っていたら毎日のオナニーが止まらなくなっていたかもしれない。そこに有咲ちゃんがいればなおのこと……。

 

 ちなみに言っておくけど、僕はガールズバンドのみんなをネタに1人でしたことはないからね? 彼女たちによく似たキャラが登場している同人誌は何冊か持ってるけど、それとこれとは話が別だから!!

 

 

「有咲の身体って犯罪臭が凄いよね。一緒にお風呂に入った時に見入っちゃったもん、私変態じゃないのに」

「いやお前は十分変態だぞ。それに人の身体をジロジロ見んなよ」

「でも有咲ちゃんの身体ってとても綺麗だと思うよ。肌も白いし髪も綺麗だし、おっぱいは大きいしお尻は小ぶりだし」

「真顔で人の身体を解説すんな! 分かった、これから私の身体を見る時は金取ってやるからな」

「むしろお金を払えば見せてくれるんだね……」

「なんだ、私と一緒に風呂入りたいのか? お前とだったら特別にタダで一緒に入ってやるよ」

「タダで……?」

「やっぱりおっぱいか……」

「秋人くん、おっぱいに負けたんだね……」

「違う、そういう意味じゃない!」

 

 

 もはやどう答えたらこの場を宥められるのか分からない。でも男ならおっぱいに負けてしまうのは当然の欲望だと思うけど、それをはっきりと公言したら本当に負けた気になるのでやめておこう。

 

 

「そういえばお風呂の準備できたから、秋人一緒に入ろ?」

「えっ、たえちゃんと?」

「ちょっと待て。私が先に予約してたんだけど?」

「私たちに内緒での予約は無効」

「それは僕も聞いてない……」

「だったら、今お買い物に行ってる香澄ちゃんと沙綾ちゃんが帰ってきたらみんなで入ればいいんじゃないかな?」

「それは流石に窮屈だと思う……」

 

 

 以前は僕を含めて5人でお風呂に入ったことがあったが、案の定まともに動けるような状況ではなかった。まぁあの時はみんなに抱き着かれていたし、その意味でも湯船から出られなかったんだけど……。風呂場のどこを見渡しても女の子の裸ばかりで、左右からおっぱいを押し付けられ、目の前では身体を洗う女の子が――――今思えば異常だけど楽園だったな……。

 

 

「みんなで湯船に浸かるとなると、どれだけお湯を入れても溢れるから無駄そうだな。水道代の節約にはなるかもしれないけどさ」

「その場合、有咲がおっぱいをもっと削ればいい。おっぱいが無駄に大きいからお湯が溢れちゃうんだよ」

「はぁ? おっぱいの分だけかさ増しされてんだよ。巨乳の私に感謝するんだな」

「私たちなら湯船が窮屈じゃない。つまり私とりみが秋人とお風呂に行くべき」

「なにこの平行線……」

 

 

 しょーもないことで争っているポピパ勢。それほどまでにおっぱいの大小は女の子にとって重要ってことなのかな? 男が自分の局部の大きさでマウントを取り合うのと同じことなのかもしれない。どちらにせよ醜い争いなことには変わりないけどさ……。

 

 

「逆におたえとりみが湯船に入っても入らなくても、お湯の量は大して変わらなそうだよな」

「良く言えばスレンダーボディとロリボディだもんね。特に他意はないけど……」

「悪く言えばすっかすかだってことだろ」

「せっかく秋人くんがオブラートに包んでくれたのに、どうして言い直したの!?」

「りみ、これが乳肥やしの本性だよ」

「あぁん? 私のおっぱいには秋人の夢がたっぷり詰まってんだよ」

「サラッと僕を争いに巻き込むのやめてくれないかな……」

 

 

 そりゃね、ロリ巨乳のおっぱいを触ってみたいと問われれば頷く自信がある。思春期だろうがそうでなかろうが、男ならおっぱいの大きい子がいたら触りたくなる衝動に駆られるだろう。それこそ有咲ちゃんが言うように一種の夢のようなものだ。あの双丘を摘まんでみたい、揉んでみたい、挟まれてみたい、鷲掴みにしたいetc……男の夢は止まらない。その欲望を素直に曝け出せれば今頃極楽浄土の世界に浸れていたのかもしれないが、未だに羞恥心があるあたり僕もまだ男としては未熟なのかもしれない。

 

 

「結局、秋人は巨乳派なのか貧乳派なのかどっちなんだよ? お前の選択次第でこの戦争は終結するんだぞ」

「僕にそんな重大な決定権があっただなんて……」

「秋人の決定でこの世の貧乳が救われるか、巨乳が余計に無駄口を叩けるようになるか、どちらかが決まるよ」

「まさかの世界規模!? なおさら選びにくいよ!!」

 

 

 何番煎じかも分からないおっぱい騒動だと思っていたけど、いつの間にか国際問題になるまで発展していたらしい。逆におっぱいの話題だけで暇つぶしできるんだから平和なのかもしれない。

 そもそも、巨乳と貧乳の境界ってどこなんだろう……? 女性の年代ごとに平均バストが公開されているので、それを基準にしているのだろうか。それとも自分の所属するコミュニティの中で大きさを競っているのか。うん、考えるのはやめよう。女性たちの闇が垣間見えそうだから……。

 

 

「秋人くん、おっぱいが小さくて悲しんでいる女の子ってたくさんいると思うんだ。だからね、私を選んでくれると嬉しいな」

「り、りみちゃん近い……!!」

「おいりみ、情で訴えかけずに正々堂々胸で勝負しろ。それに自分だけ抜け駆けすんな」

「抜け駆けはダメだよりみ。それに胸だったらりみより私の方が小さいはず。だから秋人、私を選んで」

「おたえちゃんよりは私の方が小さい……はず」

「さっきまでおっぱいが小さいことを悔やんでなかったっけ!? どうしてこうなったの!?」

 

 

 胸の大きさでマウントを取る戦争かと思ったら、今度は急に小ささでマウントを取り始めた2人。もうこの戦争の結末をどこに着陸させればいいのか分からなくなってきた。まぁ最初から結果なんてどうでもいいような争いなんだけどさ。

 

 

「それじゃあ質問の仕方を変えて、秋人的にはちっぱいの女の子はアリ? なし?」

「どうありなのかを聞きたいけど、僕はいちいち気にしないよ。それにちっぱいに興奮してたら、あこちゃんの目の前で平静を保っていられないでしょ」

「良かった、秋人がロリコンじゃなくて。でもロリ巨乳の有咲には興奮するんだよね?」

「ちょっと待って! この流れはマズい」

「秋人、お前やっぱロリコンだったのか。それでいて胸が大きい子に欲情するなんて……変態」

「そう来ると思ったけど、違うからね」

「私も背は有咲ちゃんと同じくらいだよ! 私はどう??」

「りみちゃん今日ちょっとおかしいよ。落ち着こうね」

 

 

 僕が幼児体型好きとあらぬ汚名を着せられる展開になるのは読めていたから、至って冷静にツッコむことができた。さっきまでやいのやいの争っていたのに、急に結託して僕のことをロリコン扱いしてくるんだもんなぁ……。女の子たちの同調圧力って怖い。それとも争うほどに仲が良いと安心するべきなのか。

 

 

「僕は別に女の子を身体で見たりはしないよ。当たり前のことかもしれないけど、それだけは絶対だから」

「「「…………」」」

「えっ、なに!? 僕なんか変なこと言った!?」

「いや、意外だなぁと思ってさ。この前風呂に入った時はおっぱいに埋もれて嬉しそうにしてたから」

「あれは恥ずかしがってただけだって! そりゃあれだけのおっぱいに挟まれたら誰でも恥ずかしいでしょ!」

「でも秋人のおかげで、ちっぱいでも頑張れるんだって分かったから自信出てきた」

「そうだね、私たちでもお風呂に入れば秋人くんを興奮させられるんだって」

「ちょっといい話になりかけてたのに、どうしてそっち方面に行くかなぁ!?」

 

 

 この戦争を平和的に終結させるいいセリフだと思ったのに……。なんかもう僕よりもみんなの方が性欲も欲望も強い気がする。普段からみんなに『オナニーするな自分たちをオカズに使え』だの文句を言われてるけど、僕よりも情欲が強い子たちにそんなことを言われる筋合いはないんじゃないかな……。

 

 

「ということで秋人、お風呂行こ」

「ということってどういうこと!? また一緒にお風呂入るの!?」

「もしかしてお前、おっぱいの話題のせいで意識してるのかぁ?」

「そ、そりゃするに決まってるでしょ!」

「私、前よりも大きくなったもん! だから秋人くんに見られても恥ずかしくないよ!」

「いや見ないから! そこまで下心はないからね!?」

「とか言いながら毎回下半身抑えて悶えてるくせに。ほら、ワガママ言ってないで行くぞ」

「有咲ちゃん腕絡めないで!? ちょっとぉおおおおおおおおおおおおおっ!?」

 

 

 僕はみんなに引き摺られて無理矢理お風呂場に連行された。おっぱい尽くしのあんな話題があった後で混浴だなんて、僕の目線がどこへ向くかなんて火を見るよりも明らかだ。正直巨乳だろうがちっぱいだろうがおっぱいはおっぱい。こんな可愛い子たちのおっぱいだったら大きくても小さくても興奮が湧き上がるのは確実。もはや欲情と恥辱の熱で全身が干上がってしまってもおかしくない。僕、生きて帰って来られるのかな……?

 

 ちなみにその直後に香澄ちゃんと沙綾ちゃんが買い物から帰ってきて、一緒に混浴することになったことでお風呂場が僕の想像していた未来以上の肌色空間になったのは別の話。

 そして、僕がどうなったのかも別の話……。

 

 




 もうすぐバンドリのアニメ3期が始まりますね。
 私が一番怖いのは、この小説からバンドリを知ってアニメを見始めた人がキャラの違いに驚いてしまうことです(笑) 当たり前ですがこんなに下ネタが横行するアニメではないので安心してください。

 私のラブライブ小説の方で前科があるので、一応懸念してたりします(笑)

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