ぶっちゃけ個人的に神回()
ちなみに例のごとく甘やかされ要素は一切ありません!!
「秋人くん、そろそろおしっこに行きたいんだけど……一緒に来て?」
「うん、1人で行ってきたらどうかな?」
彩ちゃんに何度目か分からないおねだりをされる。
さてと、一体この状況をどうしたものか。僕が女の子の尿意に興奮できる性癖異常者だったらこの状況を楽しめたと思うけど、生憎ながら僕は正常性癖の持ち主である。そのため目の前で美少女がお漏らししそうになっていても何も感じない。感じない……と思いたい。
「秋人くん、彩ちゃんとのトイレが終わったら私とも一緒に行ってくれる? 寝ぼけてウトウトして、ちゃんと拭き拭きできないかもだから……」
「花音ちゃん僕よりお姉さんなんだから、自分の下の世話くらい1人でしなさい」
「秋人くん、あなたの選択肢は2つに1つよ。私たちのおしっこを手伝うか、それともこのまま自分の部屋に乙女の聖水が漏れ出すのを指を咥えて見ているか。どっちが賢い選択かしらね」
「千聖ちゃん本当に寝惚けてる? それにどうして頼み込む立場なのに上から目線なの……」
黒服さんたちが言うには、今部屋に充満しているアロマは女性限定でお寝惚け状態にし、無意味に尿意を刺激させて興奮させる代物らしい。だが彩ちゃんたちの様子、特に千聖ちゃんはいつもと雰囲気が変わらないような気がするんだけど気のせい?? まぁ『おしっこ』なんて下品な言葉を使っている時点で、彼女たちは平常ではないってことくらい分かってるけどね……。
「ね~秋人くん一緒に来てよ~ねぇねぇ~」
「ちょっ、彩ちゃん力強いって! パジャマ引きちぎれそうなんだけど!?」
「もうっ、女の子に力が強いとかデリカシーないよ!」
「おしっこ発言の方がデリカシーないでしょ……」
「だってしたいんだもん」
「したいと言われても……。分かった、行けばいいんでしょ行けば」
このままだとみんなに服を引っ張り破かれて裸になりかねないので、仕方なくトイレに着いて行くことにする。本当に垂れ流されても困るし、夢見心地状態だからやり兼ねないのが怖いところだ。それにみんなはニートの僕とは違って明日も予定があるだろうから、こんな真夜中に興奮してしまい眠れなくなるという事態だけは避けたいからね。
~※~
「秋人くんも一緒に中に入る?」
「入らないから!?」
なんやかんやあってトイレの前に来たのだが、どうやらみんなはトイレの中まで僕を引きずり込む気が満々らしい。未だに彩ちゃんからは手を繋がれ、千聖ちゃんには腕を絡められ、花音ちゃんに後ろから抱きしめられている。トイレの前でこの構図、どう考えてもお姉さんたちにトイレに連れてきてもらったショタの図だけど、現実は立場が全くの逆。おねショタを期待するだけ無駄なんだよね……。僕にそんな趣味はないけどさ。
「男性のおしっこは残尿すると聞くわ。男性器の構造上おしっこが性器の中に溜まってしまい、赤く腫れあがる。最悪の場合は病気になる可能性があるらしいの」
「どうして千聖ちゃんが男性器にそこまで詳しいの……。エレガントな女優のイメージが現在進行形で崩れ去ってるんだけど……」
「千聖ちゃんを責めないであげて秋人くん。千聖ちゃんはいつか秋人くんの下のお世話をするのが夢で、そのために勉強を頑張ってる途中なの」
「夢が汚い!! もっと女優として輝かしい夢とかないの!?」
「好きな相手なら何でもしてあげるのが私よ。それが例え下のお世話であっても一切の妥協は許さないわ」
「千聖ちゃんのストイックさが変な方向に……」
ダメだコイツ、早くなんとかしないと――とは今の千聖ちゃんのためにある言葉だと思う。テレビではあんなに可憐で華があるのに、僕の家に来た時だけはこうなるもんなぁ……。アロマの効果ってのもあるけど、僕と一緒にいる時は普段から割とこんな感じだ。それでも下品な言葉を連発するあたり、やはり弦巻財閥の悪知恵を集結させたあのアロマの効果は凄まじい。
「私たちがあなたの下のお世話をしてあげる。だからあなたも私たちの下のお世話をする。当然の等価よね」
「いやいや、僕は頼んでないんですけど??」
「秋人くんは私たちのお世話をするの……イヤ?」
「イヤっていうか、そのぉ……倫理的、社会的、その他諸々がマズいっていうか……」
花音ちゃんのしょんぼりとした顔を見ていると物凄く罪悪感が湧いて来る。こっちが正論を言っているのにも関わらず、何故かこっちがイジメてるみたいな感覚に陥ってしまう。
正直に言ってしまうと別にイヤって訳じゃないけど、ここでみんなの性器を目の当たりにしてしまうと正気を保っていられる自信がない。見るだけなら最悪まだしも、おしっこさせた後に紙で拭う作業までやるとなるとその時の自分がどうなってしまうか想像もつかない。性欲が暴走してしまうか、あまりの恥ずかしさに気絶してしまうか。何にせよ平静を保っていられないことは確かだ。
「というわけで、最初は私と入ろ?」
「彩ちゃん……。女の子としてその誘いはどうかと……今更だけどさ」
「一緒に用が足せるなんて一石二鳥だね」
「それは利益が得られる時に使う言葉であって、少なくとも連れションの時に使う言葉じゃないよ」
「ほら、早く入るよ」
「聞いてないし……」
彩ちゃんに無理矢理手を引かれ、そのままトイレの中へと侵入する。
遂にトイレの個室で女の子と2人きりになってしまった。こんなシチュエーションは薄い本やAVでしか見たことがないため、いざ自分がその立場になってみると緊張する。まだ一緒に入っただけなのにここまで心が乱れてるとか、この先僕の理性が保てるか不安なんだけど……。
「とりあえず僕は耳を塞いで後ろ向いてるから、終わったら教えてね」
「えぇ~見ててくれないと私、上手くおしっこできないよぉ~」
「むしろ見てないと用を足せないとか痴女じゃん……。とにかく、一緒に入ってはあげたんだからそれくらいは我慢して」
「む~仕方ないなぁ~」
相変わらず何故僕が妥協される側になっているのか分からないけど、ここで下手に駄々をこねられないで良かったよ。自分は押しに強くないと自覚しているから、あまり粘られるとこっちが折れてトイレ中の彩ちゃんと対面しちゃってたかも……。
彩ちゃんに背を向け目を瞑り耳も塞いでいるので、今の僕は無我の境地に立っている。それなのにも関わらず、背後からパジャマの脱ぐ音が薄っすらと聞こえてくる。彼女が僕をここに連れ込んでトイレをするってのは冗談なんかじゃない。本気で僕がいる前で用を足そうとしている。アイドルの女の子が男と2人きりの個室でおしっこ。もうこの文章の響きだけでも背徳感が半端なく、そこはかとなく興奮しちゃうね。
そんなこんなでしばらく時間が経った。もう彩ちゃんのトイレは終わっただろうか? しかし確認もせずに下手に振り向いてしまうと、下半身のみ生まれたばかりの彩ちゃんと真っ向から対面しかねない。幸いなことに用を足している時の音は耳を全力で塞いでいるおかげでシャットアウトできている(と思う)ので、放尿音による刺激的欲求を揺さぶられることはなかった。そうそう、僕は変態かもしれないけど決して偏屈趣味ではない。確かにそういうのを嗜むことはあるけど、あくまで正常な人間なんだ。
そう自分に言い聞かせて勝手に安堵した僕。そのせいで少し気が緩んでしまったのか、耳を抑えつける手の力が弱まっていることに気付かなかった。
「あっ、んっ……」
ちょっ、何さっきの声!? 気持ちよくなった時に発せられる吐息にしか聞こえなかったんだけど!? トイレを我慢し過ぎて放尿時に思わず淫猥な声が漏れ出してしまったのか、それとも僕がいるのにも関わらずイケナイことをやっているのか……。
僕は咄嗟に耳を塞ぐ手に力を入れるも、脳内では彩ちゃんのさっきの甘い声が響き渡る。そのせいで雑念を振り払おうにも余計に意識してしまい、彼女のトイレシーンが勝手に脳内再生されてしまう。事故も事件もなく穏便に事が済みそうだったのに、まさか女の子の吐息1つでここまでドキドキさせられるなんて……。
「秋人くん、秋人くん」
「な、なに……?」
僕の名前を呼ぶ声が薄っすらと聞こえたため反応したが、ここで勢い余って振り向かなかったのは英断だったと思う。これまで必死に理性を保ってきたのに、下半身が生まれたままの彩ちゃんと対面したら理性の「り」の字が残るかも怪しいから……。
「拭いて」
「無理」
「え~そういう約束だったのに」
「僕の任務はトイレについて行くことであって、下の世話は契約外だから」
「お金ならたくさん出すから! 事務所に頼み込んでギャラの前借りするから!!」
「アイドルがギャラとか生々しい言葉使っちゃダメでしょ!? ていうかお金払って下の世話をしてもらうとか恥ずかしくないの!?」
「恥ずかしかったら一緒にトイレに入ってないよ」
「急に冷静になるのやめてよ……。本当に寝惚けてる?」
「ふぁ~」
「取ってつけたような欠伸!?」
よく考えてみれば例のアロマは僕の部屋に置いてあるわけで、トイレにまで効果は行き届いてないんじゃないだろうか? あの弦巻財閥の考案したものだから想像以上の威力なのかもしれないけど、僕との会話に普通に受け答えできているところを見るとお寝惚け状態ってのも疑わざるを得ない。
その時、トイレのドアがノックする音が聞こえた。同時に外から千聖ちゃんと花音ちゃんが中にいる僕たちに話しかけてくる。
『ちょっと秋人くん、彩ちゃん、いつまでおしっこしてるの? まさか私たちを除け者にして、2人でエッチなことをしているのではないでしょうね?』
『ええっ!? 彩ちゃんだけ拭いてもらってズルいよ! 私だって秋人くんに拭き拭きして欲しいのに……』
「いや何もしてないから!! どうして何かやらかしてる前提なの!?」
『ということは秋人くん、彩ちゃんのあそこを見て襲うどころか興奮もしてないってこと? むしろ健全な思春期男子としてどうかと思うわ……』
「千聖ちゃんの中での健全のレベルが高すぎるでしょ……」
もしかして僕がニートだから知らないだけで、この世の陽キャ高校生たちは女の子とそういうプレイをするのが普通だったりするのかな……? 自分たちが未成年であることを盾にすれば、多少行き過ぎたプレイをしようが名前も公表されず社会的に消されることはない。もしかして僕もその領域に足を踏み入れようとしているのかも……。いやいや、僕は正常僕は正常僕は正常僕は正常僕は正常僕は正常僕は正常僕は正常僕は正常僕は正常僕は正常――――――
「秋人くん、早く拭いてくれないとトイレから出られないんだけど……」
「なんでさも僕が拭いて当然の雰囲気になってるの……?」
「じゃあ拭く代わりに飲んでいいよ。まだ少し垂れてるから」
「拭いて!! 早く拭いて!! 聞こえなかったフリしてあげるから!!」
「飲むのが抵抗あるなら舐めてもいいよ?」
「結局最後には僕の体内におしっこが入ってきちゃうよねそれ!?」
「今日の秋人くんワガママばっかり。私たちの手料理を笑顔で美味しいって言って食べてくれる純粋な秋人くんはどこに……」
「むしろおしっこを美味しいって言って飲んでる方が気持ち悪いでしょ……」
彩ちゃんたちの中の僕って、堂々と変態行為を実行するような変質者なのかな……? でも笑顔で飲尿プレイなんて催眠モノのAVじゃないんだから、そんなの悦ぶ人はいないだろう。いない……よね?
『秋人くん、いい加減に出てこないと私たちのおしっこをあなたに飲ませるわよ』
「また飲尿させようとしてる!? そんなことしても誰にも何のメリットもないでしょ!?」
『私たちは秋人くんを使って尿意も性欲もスッキリできる。秋人くんは女性のおしっこに興奮して情欲を発散できる。まさにwin-winね』
「お互いに賢者モードになる前提じゃん!! どれだけ性に飢えてるの!?」
『高校生なら誰でも抱く当然の欲求だと思うのだけれど……』
どうやら僕と千聖ちゃんは住んでいる世界もその世界の常識も違うようだ。元々ニートの僕と女優の彼女では天と地ほどの世界の差があるんだけど、やはり陽キャが性に関して抵抗が薄いというオタク知識は当たりなのかもしれない。
『秋人くん、御託はいいから早く出てこないと花音が風邪を引いてしまうわ』
「えっ、なに? 外で何が起こってるの!?」
『もうね、おしっこが我慢できないの……』
「まさかとは思うけど脱いでるの!? 百歩譲って脱ぐのはいいけど垂れ流さないでね!?」
『じゃあ秋人くんが手で受け止めてくれる?』
「また新しいプレイが……。絶対にしないけど、垂れ流しもしないでね」
『うぅ、でももう……』
「秋人くん、このままだと花音ちゃんが辱めを受けちゃうよ? お漏らししたことが黒歴史として一生記憶に残るんだよ? だから早くトイレを変わってあげた方がいいよね? だったらすぐにでも私のここを拭いた方がいいよ?」
「その脅しはズルいでしょ!? それにニートに下のお世話をされるのは黒歴史じゃないの!?」
「一生の思い出にするよ♪」
ここで彩ちゃんを説得すれば花音ちゃんがお漏らしをし、かと言って花音ちゃんを止めようと外に出るためには彩ちゃんの下のお世話をしなければならない。どちらにしても八方塞り、まさに背水の陣で究極の2択を迫られている。どの選択肢を選ぼうとも女の子の痴態を拝むエロルートに進むのは確定なのがまたね……。エロゲーなら両分岐のCG回収のためにいったんここでセーブを挟むところだけど、残念ながらここは現実。しかもCGではなく生で拝まなければならない。
だけど現実だからこそ、レールに乗って進むだけのゲームとは違って第3の選択肢を取ることもできるはず。考えろ……これまで培ってきたギャルゲーやエロゲーの知識をフル動員してこの状況を切り抜けるんだ!!
「分かった、拭いてあげるよ」
「ホントに!?」
「ただし僕からは拭かない。僕は目を閉じてトイレットペーパーを持つから、彩ちゃんは僕の手首を掴んで自分で拭いてね。この妥協案なら拭いてあげてもいいよ」
「う~ん……仕方ない、秋人くんがOKしてくれるならそれで!」
「だけど約束。絶対に僕の手を自分の下半身に触らせないこと。密着させるのはトイレットペーパーだけね」
「分かってる分かってる♪」
この笑顔、本当に分かってるのか裏切る気満々なのか……。どちらにせよ選択肢のどちらを選んでもR-18ルートの危険は回避できたけど、第三の選択肢も結局は彩ちゃん次第だ。
僕はトイレットペーパーを適当に巻き取り目を瞑る。するとすぐさま彩ちゃんは僕の手首を掴んだ。そして、僕の手が徐々に引っ張られていくのが分かる。段々と彼女の下半身に近づいているのだろう。目を瞑って何も見えないけど今日一番の緊張が襲い掛かってくる。
もうすぐ、もうすぐ触れる。
自分の手が直接触れる訳じゃないのに、本当にこんなことをしていいのかと自問自答してしまうくらいには謎の罪悪感に襲われる。でもここまで来てしまった以上もう引き返せない。無心となって腹を括るしかないか……。
僕の心は無。何も聞こえないし何も感じない。
今の僕は心頭滅却の状態。雑念なんてあるはずが――――――
そして―――――
「あっ……んふぅ……」
………………
………………
………………
………………。
~※~
「あら、やっと出てきたわね――――って、秋人くんどうしたのかしら?」
「顔を赤くして目を瞑ったまま喋らないね。もしかして寝ちゃったの?」
「そうなんだよね、さっきからずっとこの状態なの。なんでかなぁ?」
僕が目を覚ましたのは翌朝だった。当時のことはあまり覚えていない。
唯一脳裏に刻み込まれているのは、人差し指にほんのり感じた……いや、これ以上はやめておこう。僕の記憶の片隅も片隅に仕舞い込んでおいた方が良さそうだから……。
千聖と花音のトイレ描写はないのかよと文句を垂れたくなる気持ちは分かりますが、圧倒的に尺が足りませんでした(笑) 本当は1話に3人分詰め込む予定だったのですが、ちょっと彩ちゃんにヒートアップしてしまった……
そういえばもうすぐこの小説が一周年となります。1年で20話しか更新していない亀速度ですが、これからもお暇な時に覗きに来てくださると幸いです。