今日も歌い、生きて行く   作:猫舌

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第9話

刹那サイド

 

 

こころが泣き止んでから少しして、僕の前に黒服さんが見た事も無いような料理を運んで来た。しかも大量の食器が並ぶ。え、これどう使えと?

黒服さんに教えてもらいながら、コース料理を味わう。美味しい・・・美味しいんだけど、味が複雑すぎてよく分からない。僕はドの付くレベルの貧乏舌だったらしい。

母さんがあまり外食を好まない人だった為に僕はちーちゃんとかおちゃんの家以外で外に出ての食事は殆ど無い。ファミレスなんて入った事も無い。ファストフード店やラーメン屋なんかもだ。母さんの作った食事以外は未知の料理だ。今井さんの作ってくれたものは全て母さんが作った事があるのでなんとかなったが、あれ以外が出たら間違いなく固まっていただろう。

 

 

「ああ、緊張した」

 

 

人生でそう無いであろう体験をした僕は、溜息を吐きながら柔らかいベッドに沈み込む。こころは一度お風呂に入りに本邸に戻って行った。一人天井を見上げる僕に黒服さんが近付いた。

 

 

「夕陽様。体の方を拭かせて頂きたいのですが」

 

「えっ」

 

「ここ数日、夕陽様が意識を戻しておりませんでしたので我々がお世話をさせて頂きました」

 

「あの、じゃあ全部見られてたんですか・・・?」

 

「ご安心を。夕陽様のお身体に不調等は見られず、傷の方も幾つか跡は残る事にはなりますが、基本的には目立たなくなり始めておりました。それと、大変御立派でした」

 

「いっそ殺せぇ!」

 

どうやら全身くまなく見られたらしい。再びフリーズした僕はされるがままに体を拭かれた。拝啓、天国の母上様と妹へ。僕、もうお婿に行けない・・・。

それから少しして、パジャマに着替えたこころが部屋に入ってきた。可愛らしい黄色のパジャマの彼女は僕の隣へと乗り込んで来る。

 

 

「さあ、寝る時間まで何をしましょうか!」

 

「こころさんステイ。一回待とうか」

 

「?」

 

「いや、首を傾げたいのはこっちだよ。自分の部屋に戻らないの?」

 

「あたし、刹那が退院するまで一緒の部屋に居る事にしたの!」

 

「ファッ!?」

 

 

何を言ってるんだこのお嬢様は。脳の処理が追い付かない僕はこころを見て呆然としていた。

いやいやいやいやロップイヤー。本当に何考えてやがりますかこの子は。

 

 

「あのね、こころ。僕は男。そして君は女の子だ。それもとびきりの美少女ね」

 

「び、美少女だなんて・・・ちょっと照れくさいわ。でも、刹那の方がもっと素敵よ!」

 

「はいはい社交辞令ドーモ。話戻すよ」

 

「嘘じゃないのに・・・」

 

 

どこか不貞腐れた様子のこころに僕は懐かしい感じがした。確か、小さい頃にこんな雰囲気の会話を何処かでした気がする様な・・・んな訳無いな(軌道修正)

改めてこころを説得する。

 

 

「良いかいこころ。君は自分が思ってるより魅力的なんだ。僕は自分でもそこまで下種ではないとは思いたいけどもしもの事だって有り得る。だからそう軽々しく男の隣に寄って来たり、一緒に居るなんてダメだよ」

 

 

それとさっきからシャンプーなのか元からなのかメッチャ良い匂いする。ホームレス生活じゃまずない香りだよね。金持ちだからきっとそういうのも高級品なんだろうなぁ・・・。

今井さんとかも良い匂いするよね。こころはなんかこう、元気ハツラツ!って感じで、今井さんは何処か落ち着く匂いと言うか・・・。

思考の海に沈みそうになったが、何とか持ち直して会話を続けた。

 

 

「それに、ずっと見られなきゃいけない程僕は子供じゃない」

 

「でも一人はきっと寂しいわ!それにあたしも刹那と一緒にいた方が一人よりも楽しいもの!」

 

「忘れてた。この子話通じないんだったー」

 

「あたし、日本語以外も話せるわよ?」

 

「いや、そういう意味ではなくて・・・てか黒服さん止めろよ」

 

「皆、分かったって言ってくれたわ!」

 

「え、これおかしいのって僕なの?」

 

 

前から思ってたけど皆僕に対する警戒心薄すぎない?いくらそこそこの付き合いがあるとはいえ、唯一の異性がブチ込まれた環境で何故あそこまで警戒なしに過ごせるんだ?僕だったら間違いなくほぼ一生警戒するね。いや、まあ若干の人間不信が入ってるからアレなんだけどさ。

 

 

「いや、もう寝ようよ。今日は色々あって疲れちゃったし」

 

「そうだったの?気が付かなくてごめんなさい。それじゃあ、寝ましょう!」

 

「はい、こころさんストップ。一旦入り込もうとしている僕のベッドから離れようか」

 

「でもこうしなきゃ寝れないわ」

 

「このままじゃ僕も眠れないから。色んな意味で」

 

 

主にドキドキでね。まあ、そんな事を聞いてくれるはずもなく。こころは笑顔で僕の隣に入り込み、僕の頭を抱える様に抱きしめる。当然、彼女の胸の位置に顔面が来るわけで。柔らかな感触と良い匂いに頭がクラクラし始める。だが、数秒もすれば落ち着いた。想像以上に疲労が溜まっていたらしい。緊張が解けたら、一気に眠気が襲って来る。

それと何処か懐かしい感覚を覚えた。それは遥か昔の記憶。今は居ない母がよくしてくれた事と酷似していた。ああ、これは駄目だ。数年間人肌に真面に触れていなかった僕には温か過ぎる。この温もりが消えてしまうのが怖くなる。戻らなきゃいけないのに・・・。

そんな僕の心境を察するかの様に、こころは僕の頭を撫でながら先程とはまるで違う優しい声音で囁く様に言った。

 

 

「大丈夫。どんな事があっても、あたし達は刹那の側にいるわ。貴方が寂しいと思ったらいつでもこうしてあげるから。もう、誰も貴方の手を離す気なんて無いんだから。だから今はゆっくり眠りましょう?」

 

「・・・ぅん」

 

「ふふっ。おやすみなさい、刹那」

 

「おやすみ・・・こころ」

 

 

こころの声を聞きながら僕はストンと眠りに落ちていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜翌朝〜

 

 

「・・・朝か」

 

「せつなぁ・・・」

 

「ん。ありがと、こころ」

 

 

いつも通りの時間に目を覚ました僕はホールドされた頭を何とか抜いて、未だ夢の世界にでも居るのか幸せそうな顔で寝言を呟くこころに小声で礼を言った。窓辺まで歩いてカーテンを少し開ける。外は晴れわたっており、朝日が輝いていた。日差しを浴びて軽く伸びをする。腹部に違和感を感じるが、大分楽になった。

それから暫く、備え付けの冷蔵庫に入っていたカルピスを窓際の椅子に座って飲んでいると、ベッドの方で布が擦れる音が聞こえた。どうやらお嬢様のお目覚めらしい。

こころは少し寝ぼけた様子で此方を見て来たので挨拶する。

 

 

「おはよう、こころ」

 

「・・・」

 

「こころ?」

 

「・・・おは、よう」

 

 

僕を見てこころは固まりながら片言の様に言葉を紡いだ。何故か少し顔も紅い。そして顔をシーツで隠してしまった。・・・何で?

 

 

「・・・?」

 

「(あ、朝からあんな笑顔ずるいわ・・・!)」

 

 

昨日から何処か挙動不審な所がある少女に疑問を感じながらも時は過ぎ去り、朝食を終えた僕達はそれぞれの用事を済ませる為の支度をする。僕は朝の定期検診の為にベッドへ戻り、こころは本邸に戻って、制服に着替えて来た。

 

 

「やっぱり刹那が心配だわ。やっぱり今日は学校を休んで・・・」

 

「こころ。さっきも言ったけど、学校にはちゃんと行くんだ。僕は黒服さん達が居るから大丈夫」

 

「・・・学校が終わったらすぐに戻って来るから!友希那達も連れて来るわね!」

 

「ん。のんびり待ってるよ。いってらっしゃい」

 

「いってきます!」

 

 

元気に笑うと、こころは走って部屋を出て行った。相変わらず台風みたいな子だ。さてと、僕も動きますか。体を軽く起こして、こころが去って行った廊下を見つめる。そこには・・・。

 

 

「夕陽様。本日から、入浴しても問題ないそうなので浴場へのご案内を。お身体を洗う際は、我々にお任せを」

 

「此処からが本当の地獄だ・・・!」

 

 

手をワキワキさせながら、医師の後ろでスタンばってる黒服さんA〜Cに恐怖を覚えながら、僕の男の尊厳を掛けた戦いが始まった。

 

 

※勝てませんでした(敗因:三対一)

 

 

・・・失ったものは大きかったが、こころが帰ってくる前に身綺麗になった僕は黒服さんに電話を借りる。連絡先は、橋に下にいる家族だ。向こうの方にも黒服さん達が手を回してくれたらしい。数コール後に相手が出てくれた。数日ぶりに聞く声に涙腺が緩む。

 

 

『刹那!無事なんだな!?』

 

「ゲンさん・・・僕、生きてるよ!迷惑掛けてごめんね」

 

『良いんだ。お前が生きててくれたんだからな。あ、ちょっ、おい!?』

 

 

電話に向こうで、ゲンさんの声が遠くなり、別の声が響いた。

 

 

『無事か刹那ぁ!?』

 

「だ、大丈夫だから声抑えてユウさん』

 

『で、でもよ・・・お前が帰って来ないなんて初めてだったし、知らない黒服集団に話しかけられるしでもう寝てもいられねえよ』

 

「・・・ごめん」

 

『謝るなよ。事情は聞いた。自分を犠牲にする姿勢は好きじゃないが、お前は確かに誰かの命を救ったんだ。やっぱり凄えよ、刹那は』

 

「は、恥ずかしいって。あ!ハタさんはいる?」

 

『おう。ちょっと待ってろ。ほれ、ご指名だぞ』

 

 

ユウさんからハタさんへと電話相手が変わった。受話器からは、優しい聞き慣れた声音が響く。

 

 

『無事で何よりです。また随分と無茶をしたみたいですね』

 

「・・・返す言葉も御座いません。心配掛けてごめんなさい」

 

『そう思うのなら、ゆっくり休んで元気な姿で戻って来てください。私も二人もずっと待ってますから』

 

「うん!絶対に帰るから!」

 

『まずは傷を癒してからですよ?明らかに今すぐ戻りそうな勢いの声になってるのですが・・・』

 

「・・・ワカッテルヨ」

 

『はぁ・・・兎に角、ちゃんと休んでください』

 

 

そう言ってハタさんは電話を切った。

黒服さんに電話を返して僕は一人、喜びに浸る。そっか、皆待っててくれてるんだ。だったら、ちゃんと戻らないとね!

その後、ベッドに寝転びながら暇潰しに部屋にあったルービックキューブを弄る。手で揃えるのは飽きたので今は目を瞑って足で揃える。・・・よし、10秒切った。

 

 

「刹那!・・・何してるの?」

 

「あ、お、お帰りこころ・・・」

 

「ただいま!」

 

 

うん、良い返事だ。帰って来るタイミングは最悪だったが。そう思っていると、こころの後ろからヒョコっと顔を出す我らがポンコツ歌姫様のお姿が。

 

 

「思ったよりも具合は良さそうね」

 

「お陰様で。ご迷惑お掛けしました」

 

「本当よ。でも、貴方が無事で本当に良かった」

 

「湊さん・・・」

 

「良い雰囲気の所悪いけど、アタシ達の事忘れてない?お姉さん悲しいぞ☆」

 

「いや、湊さんが入り口に立ったままなので話し掛けようにも、ね?」

 

 

湊さんが塞いでいる入り口の隙間から今井さんが顔を出した。そして湊さんが体を動かした瞬間、今井さんが飛び込んで僕を抱きしめる。なんか最近ホントに抱きしめられる事が増えた気がする・・・。

 

 

「良かったぁ・・・良かったよぉ・・・!」

 

「・・・ごめんなさい」

 

「ううん。事情はこころから聞いたから。頑張ったね。偉いぞ」

 

「偉いだなんてそん「でも・・・」はい?」

 

「無茶しすぎ!泳げないのに川に落ちるとか!」

 

「うっ・・・今井さんが虐める」

 

「虐めてません。自分の事を勘定に入れない悪い子にお説教してるだけです」

 

 

そうこうしてると、Roseliaの皆さんが入って来た。その表情は安堵、怒り、不安等の様々な感情が見え隠れしていた。その中でも特に安堵の表情が大きい氷川さんが近付いて来た。そして僕の頬に手を触れた。温かくて、優しい手。その手が僕の体温を捉えたのを確認した氷川さんは大きく息を吐いてその場にしゃがみ込んだ。

 

 

「ひ、氷川さん・・・?」

 

「本当に、本当に良かった・・・もうあのまま目覚めないんじゃないかって、ずっと不安だったんです」

 

 

涙声になりながらも氷川さんは続けた。予想外の反応に湊さん達に目を向けるが、こうなっても当たり前だろうとでもばかりに頷く。えぇ・・・?

 

 

「話を聞いて、後悔してたんです。もし私があの時スタジオを飛び出さなければ貴方がこんな怪我をする事も、弦巻さんが危険な事にならなかったのでは無いかと・・・」

 

「氷川さん、それは違います」

 

 

そこは本気で否定させてもらう。

 

 

「あの日じゃなくてもどうせ強制的に追い掛け回されるのできっと似た様な事は有り得ますし、今回の件だって湊さんがもうちょっと素直なら多少は円滑に事が運んだ筈ですから」

 

「あら、まるで私が全て悪いとでも言いたい様な口ぶりね」

 

「湊さん、こんな時に意地悪言わないでください」

 

「何の事かしら」

 

 

僕の声に湊さんは微笑んでわざとらしく顔を反らす。氷川さんは僕と湊さんを交互に見て、ポカンとなる。

 

 

「紗夜、今回の事は偶然起きた事よ。彼の言う通り、もし誰かに責任があるのならそれは紛れもなく私よ。それは最初から自覚してるわ」

 

「ですが湊さんは・・・」

 

「たとえ父の事があったとしてもあの時の私の態度は間違いなく不適切だった。それも感情的になって誰かに理解されてもらう事すら拒んだ。私を主犯と言わずしてどうするの?」

 

「友希那、紗夜も。その事は、この前ちゃんと話し合ったでしょ?」

 

「そうね・・・」

 

「すみません。取り乱しました・・・」

 

「紗夜?責任感があるのは良いけど、行き過ぎると潰れちゃうよ?それに本人が良いって言ってるんだしさ。それ以上は逆にゴーストが困っちゃうよ?」

 

「・・・分かりました。でも、約束してください。これからは絶対に無理はしないと」

 

「はい。分かりました」

 

 

ごめんなさい。多分、似た状況になった時はやっちゃうと思います。

僕の思考が読まれているのか、全員から白い目で見られる。こころ、君までもか。

そして宇田川さんと白金さんが待ってましたとばかりに口を開いた。

 

 

「じゃあ、次はあこ達が怒る番ですね!・・・みんな言われちゃったけど」

 

「そうだね・・・でも、ちょっと怒り足りません」

 

 

怒りの感情が最も強かったのが以外にも白金さんだった。失礼な言い方だが、この中で一番関わりが薄い人物だった為に余計以外に感じた。段々と増えて行く怒りの感情に隣の大魔王様は怯え始めた。僕を抱きしめたままの今井さんの力が増し、氷川さんも僕の手を掴む。湊さんと、廊下から様子を伺っているこころですら汗を流すレベルの事態である。

 

 

「夕陽さん・・・わたし、凄く怒ってます」

 

「あの、僕の事はゴー「夕陽さん?」おーけーおーけー、まいねーむいずせつなゆうひ」

 

 

怖っ!?後ろに般若が見える。思わず語彙力が崩壊してしまった。僕の恐怖心も露知らず、白銀さんはハイライトがオフなさった目で僕を見下ろした。だから怖いんだって。宇田川さんなんてもうノックアウト寸前のボクサーみたいな足になってるし。

 

 

「わたし、このバンドに入れてもらってから本当に楽しかったんです。ずっと内気だった自分も少しは変われて、色んな人達と関われて。だからこそ、Roseliaの皆さんには笑っていてほしいんです。それには、夕陽さんだって含まれてるんですよ?」

 

「僕なんて、ただコーチを頼まれた隠し事しか無いただのガキですよ」

 

「そんな事は、ないです。だって貴方がいなければきっとわたし達の問題はこんなに早く解決なんて出来なかった筈ですから」

 

「そう、なんでしょうか?」

 

「そうです。・・・夕陽さんは、自己評価が低過ぎです。わたしよりも・・・」

 

「あこもそう思う!」

 

「私もよ」

 

「アタシも」

 

「それには私も同意せざるを得ません」

 

「あたしもよ!」

 

 

コイツ等、寄ってたかって・・・!

でもよく考えてみてほしい。片や青春真っ盛りの仲間がいっぱいの幸せな学生。片や、妹一人守れずにみみっちく生き残ってホームレス生活送ってるクソガキ。劣等感感じるなってのがまず土台無理な話である。

 

 

「・・・夕陽さんは、もっと自分を大切にしてください。わたしとも、約束です」

 

「はい」

 

 

まあ、これ以上下手な事言ったらどうなるかも分からないので取り合えず素直に返事をしておく。

 

 

「本当はまだ、言い足りないけど・・・反省してますよね?」

 

「勿論ですとも!」

 

「じゃあ、次はあこちゃん」

 

「あ、うん。あこはもう良いかな・・・りんりんこわい」

 

 

分かるよ、怖かったよね。見ろ、湊さんなんて涙目だ。

なんとかこれ以上の説教を逃れた僕は強制的に別の話に持って行く事にする。

 

 

「そ、そういえば今週末でしたよね、フェス!」

 

「え、ええ。日曜日よ」

 

「最後まで練習に参加できなくてすみません」

 

「気にしなくても良いわ。その代わりに貴方は弦巻さんの命を救ったのだから。胸を張りなさい」

 

「いや、でもこんな最後は嫌だなと・・・」

 

「最後って?」

 

 

僕を抱きしめながら撫でる事を止めない今井さんに苦笑しながら答える。

 

 

「だってフェスが終わったら僕の契約期間終了じゃないですか。コーチも終わりですよ」

 

 

その言葉に部屋の空気が完全に凍り付いた。今井さんの手も止まる。湊さんは大量の汗を流し始めた。この人達、完全に忘れてたな。

 

 

「まあ、正直な話皆さんのレベル高過ぎるんで僕もういらないと思うんですけどね」

 

「そんな事無いよ。ねえ、本当に辞めちゃうの?」

 

「そういう契約ですから。だから抱きしめる力強めないで」

 

「・・・もう少し居てくれても良いんですよ」

 

「僕もゴーストの本業に専念したいんですよね。なのでさっきから指を絡めるその手を放してもらえると・・・」

 

「ゴーストさん、居なくなっちゃうんですか?」

 

「悲しい、です・・・」

 

「いやそんな事言われても・・・」

 

「じゃあ、あたし達と一緒にバンドをしましょう!」

 

「君に至っては話を聞けよ」

 

 

その後、僕の契約期間を延長するかどうかの話はフェスで優勝したら継続となった。彼女達のやる気が凄すぎて反対も何も出来なかったのは言うまでも無いだろう・・・。

 

 

刹那サイド終了

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