桜色の君とともに   作:如月 蓮

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こんにちは、如月 蓮です。
この作品は、梨子ちゃんの中学時代を描きたいという思いから生まれました。
第1話は、筆者視点で行きます。
では、どうぞ‼︎


#1 桜咲き誇る春 新しいスタート

 

 

 

「んん〜っ」

朝、1人の少年が目を覚ましてベッドから出て大きく背伸びをする。

 

(ピピッ、ピピッ…)

 

「もう起きてるよ」

そう言いながら、少年は、ベッドの近くに置かれているお気に入りの目覚まし時計のアラームのスイッチを強く押して止める。

 

(ひかる)〜。そろそろ起きて〜」

 

「もう、起きてるよ。母さん」

彼の名前は、神崎 輝(かんざき ひかる)。この物語の主人公である。真面目で温和な性格だ。

 

輝は、クローゼットから制服のブレザー、ズボン、ワイシャツ、ネクタイを出してベッドに置いた。それから鏡の前でワイシャツを着てズボンを履きネクタイを締めてブレザーを着て身支度を整えた。今日から輝は、2年生。今日は、市立桜ヶ丘中学校の始業式なのだ。制服に着替え終えたら輝は、すぐさま1階へと降りた。

 

「母さん、おはよう」

 

「あら、輝。おはよう。お母さん、すぐお店開かなきゃだから(まい)と一緒にご飯早く食べちゃって」

お店というのは、煇の家は、神崎喫茶(かんざききっさ)という喫茶店を経営している。毎朝、輝の母は、開店準備をしたり朝ごはんを作ったりと大忙しなのだ。

 

「わかった」

 

「おはよう、舞」

輝は、朝ごはんを食べ終えた妹の舞に挨拶をした。

 

「お兄ぃ、おはよう。そこ邪魔だからどいて」

 

「あ、うん…」

輝には、舞という小学校3年生の妹がいる。兄である煇に対して口が悪い。何とかならないものかと輝は、困っている。

 

ご飯を食べ終わった後、食器をキッチンに下げて歯を磨いた後、輝は、カバンを持って家を出て学校へと向かった。

 

外は、とても暖かく空気が美味しい。学校に向かう途中、偶然輝は、桜の木を見かけた。桜は、美しく咲いており今日の始業式を祝福しているかのようだった。輝は誰と一緒のクラスになるのだろうか、期待に胸を膨らませながら学校まで駆け足で向かった。

 

 

__________

 

 

(げっ…。なんじゃこりゃ…)

 

学校に着くと煇は、校門の前で立ち止まった。

何故なら昇降口の前がクラス替えの発表を見ている大勢の生徒で溢れかえっているのだ。

とにかく輝は、クラス替えの用紙を見まいと人混みの中に入り込んだ。しかし遠すぎてよくクラス替えの用紙が見えない。

 

(これじゃ、新しいクラスの名簿見れない)

どうしたらいいものかと困り果てていた時だった。

 

「おーい、輝〜」

誰かが輝を呼んでいる声がどこからか聞こえた。

 

辺りを見回して輝は、自分を呼ぶ声の主を探すがどこにも見当たらない。

 

「おはよう、輝」

後ろから2人の男子と女子が輝の前に現れた。

 

「静矢、七海! 」

 

輝の友達の風早 静矢(かぜはや せいや)相沢 七海(あいざわ ななみ)だった。

 

「おはよう。輝」

 

「おはよう、静矢、七海。春休みの部活以来だよな。今来たところ? 」

部活というのは、輝、静矢、七海の3人は競技かるた部に入部しており1年生の時からずっと共に活動をしていた。

 

「そうなんだけど、来てみたら昇降口の前がこの状態で。なんとか人混みの中に入り込んで前の方に行こうとしてたら輝見かけてさ」

 

「偶然、輝の後姿見かけたから声かけたってこと! 」

 

(そうだったんだ…)

 

「とりあえず良かった。知ってる奴見かけて安心したよ」

 

「ハハ…」

 

「あ、ねぇ。輝、静矢、こっちの方からならクラス表見れるよ! 」

七海が上手く見れる場所を確保したらしく、こっちこっちと輝と静矢に手で示した。

 

「あ、ウチ2組だ! 」

七海は、自分の名前を見つけた。

 

「俺もだ」

と静矢が言う。

 

「俺の名前どこだ…」

静矢と七海は、自分のクラスを見つけたみたいだ。輝は、急いで自分の名前を探した。

 

「あ、あった。俺も2組だ! 」

 

「やった! ウチら同じクラスじゃん‼︎ これからよろしくね! 静矢、輝 」

 

「よろしく、七海」

 

「さて、他に誰か知っている奴いるかみてみるか」

煇は、クラス名簿を上から一つずつ目で追っていき他に誰がいるか見てみることにした。途中、一つ見覚えのある名前を見つけた。

 

(梨子…)

桜内 梨子(さくらうち りこ)。輝と小学校が一緒で低学年の3年間同じクラスだった。けれど4年生のクラス替えで別々のクラスになってしまい中学に入学してからも別々のクラスで体育などの合同授業でも関わることが全くなかった。

 

 

 

「輝〜。誰か知ってる人いたの? 」

七海が複雑な表情を浮かべている輝に声をかける。

 

「え? いや、別に」

 

「ふ〜ん。早く教室行こう! 」

 

輝、静矢、七海の3人が、教室に入ると既に生徒が何人か入っていた。

その中に梨子もいた。

 

(梨子…)

 

 

「おーい、神崎! こっち来いよー」

 

「あぁ! 今行く」

同じクラスの男子に声を掛けられた。

輝は、同じクラスの男子とちょっとしたおしゃべりをしていた。会話の途中、輝はふと梨子の方に視線を向けた。梨子は、同じクラスの女子と楽しそうに喋っていた。

 

(あっ…)

梨子が輝の視線に気づいたのだろうか、梨子が、輝に向かって小さく手を振ってきた。輝も梨子に手を振って返した。

 

「輝。どうしたんだよ? 」

 

「いや、なんでもないよ? 」

 

「今、手振ってたじゃん。誰に手振ってたんだよ? なぁ」

周りから「女子か? 」という言葉がとぶ。

 

「いや、何もないって。それより先生そろそろ来るから席着こう」

 

それから始業式は、体育館で校長先生、教頭先生の話の後、教室に戻り担任の先生から来週からの予定と簡単な話を聞いて終わった。

 

________

 

 

「ただいま〜」

夕方、家に帰って来た輝は、家の玄関から2階にある自分の部屋に入っていった。

 

(あっ…)

輝は、机の上に置いてあった写真立てに目がいきそれを手に取った。

そこには、小学校2年生の頃の親子ピクニックで梨子と梨子の母、母さんと一緒に撮った写真が入れられていた。

 

「懐かしいな…この写真」

 

「部屋の空気入れ換えるか」

輝は、写真立てを机に置き部屋の空気を入れ換える為に窓を開けた。

 

(わっ…)

窓を開けると春の匂いがする暖かい風が部屋に優しく入り込んできた。まるで新しいスタートを祝福するかのようだった。

 

「輝。ちょっと手伝って」

1階のお店から母が輝を呼んでいる。輝は、制服を脱いで私服に着替えてすぐ1階へと降りた。

 

(まさか中学2年になって同じクラスになるとは、思わなかった。4年生から別々のクラスになりもう関わることがないと思っていたのに…。同じクラスってことは、学校行事を共にしていくのだろう)

輝は、1階に降りていく途中、ふとそんなことを思った。

 

 




いかがだったでしょうか?
第1話は、オリ主の家族、人間関係を中心に描いていきました。

梨子ちゃんの設定は、ピアノが得意、恥ずかしがり屋という原作通りの設定です。
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