いろいろ悩んだり最近忙しく気がつくとかなり間が空いてしまいました。
さて第15話。
今日はタイトルの通り将来の夢がテーマです。
どうぞ‼︎
輝の風邪が完治し数日が過ぎた。
11月下旬に行われたかるた大会個人戦でも輝、静矢、七海の3人は好成績を納めた。部活が終わり夜、静矢は輝と喋っていた。内容は進路のことについてだ。ちなみに今日、七海は家の用事で部活には来なかった。
「輝は、卒業したらどうするの? 」
「俺? 進学するに決まってるだろ」
「そうじゃなくて。進路相談もうすぐだろ? 将来なりたい物とかないのか? お前」
「あぁ…そういうことか」
なりたい物…。今まであまり深く考えたことなかったな。そっかそろそろ将来のこと考えなきゃなのか…。
「静矢は何かあるのか? 」
「俺か? 俺は、将来医者になりたいんだ。父さんが医者でさ、父さんみたいに人の役に立つことがしたいんだ。その為にも桜ヶ丘高校に行きたい」
「すごいな…。静矢、もうそんなことまで考えてんた」
輝は、静矢が大きく見えた。将来の夢がない自分との差が広がった気がして俺は言葉が出なかった。
しばらく二人で夜の道を歩いていると空から雪が降ってき出した。
「雪降ってきたな。輝」
「本当だ」
俺は左手の掌の上に雪が落ちてきたのを見た。
「来年の今頃は受験生か」
「みんなそれぞれ別の道を歩んでいくんだよな、きっと」
静矢がそう言い出した瞬間、輝の頭にふと梨子の顔が浮かんだ。
梨子とも別の道を進むことになるんだろうな…。
(いや…。何しんみりした感じになってるんだよ、俺‼︎ 今、こんなこと考えたって仕方ないだろ‼︎ )
そう思いながら夜空を見上げていた。
別れ際、離れた距離から静矢は輝にあることを言った。
「輝! 俺だってなりたい物を見つけられたんだ! 輝だってきっと見つかるよ‼︎ お前のなりたい物‼︎ 」
静矢にそう言われいても立ってもいられず家に着いて輝は、自分の部屋で直ぐにノートパソコンを開きすぐにどんな種類の仕事があるのか検索してみた。
(すげえ…。世の中ってこんなにたくさんの仕事があるのか)
マウスのホイールを指で回しながら画面を見ていく。片っ端から仕事の欄をクリックして内容を見たりして30分くらいが経過した。
(駄目だ…。何したいのかわからない…)
自分の机の上で頭を抱え込むこと数分経過した。
(待てよ。そもそもいきなりパソコン開き出したのが間違いじゃないかよ。もっと冷静に考えないと)
(そう言えば、前に七海は母親がデザインの仕事してて将来は絵に関わる仕事に就きたいって言ってたっけ。静矢は、医者で…。二人とも将来の夢いつの間にか考えてたんだなあ。じゃあ、俺は?)
そう思った輝は自分を見つめてみることにした。
(競技かるたは、好きだしずっと続けてたい。だけどそれと進路は別物だよね。じゃあ家の喫茶店を継ぐ? 家の店は嫌いじゃない、けど…継いでその先はどうしたらいいんだ? 俺)
気がつくと輝は机にあったメモ紙にぐちゃぐちゃとシャーペンで落書きをしてしまっていた。
「お兄、入るよー」
しばらく考え込んでると舞が入ってきた。
「お兄、辞書貸してー」
「どうしたらいいんだろう…。俺…」
輝は、舞の声が全く耳に入ってないような様子だった。その様子をみた舞は、大きい声で輝を呼んだ。
「お兄‼︎ 」
「わぁ⁈ 舞‼︎ いたの? 」
「さっきからずっといるってば…。何悩んでるの? 」
「舞に関係ないよ。14歳にはいろいろと悩み事があるの‼︎ 」
「ふーん。ねぇそれより国語の辞書貸して」
「あーこれでいいか? はい」
輝は、自分の棚から国語辞書を取り出し舞に渡した。
「ありがとう。お兄」
舞は輝から国語辞書を受け取ると輝の部屋を出て行った。
その日の夜の夕飯、輝の母は輝に進路の話を持ちかけてきた。
「輝。もうそろそろ進路相談近いんじゃない? 早めに決めとかないと3年生になってから焦ることになるわよ? 」
「うん。わかってる」
そう言い輝は箸の持った手を一瞬止めそう母に返した。輝は、母の言葉に少しだけ気が重くなった感じがした。
次の日、昼間、店の手伝いもない。輝はベッドで寝転びながら進路の事をいろいろ考えていた。
(……。あー、もう‼︎ 全然何したいのかわからない‼︎ 何科に進んで何がしたいんだよ! 俺は‼︎ )
頭の中のモヤモヤが晴れず輝は、青色のパーカーを羽織って気晴らしに外に一人、散歩にでることにした。
「輝、どこか行くの? 」
輝の2階から降りる足音に気づいた輝の母が輝に聞いてきた。
「どこだっていいだろ。ちょっと散歩」
「あまり夜遅くならないでよ。早めに帰ってきてよ」
「わかってる」
そう言い靴を履き変えた俺は、玄関のドアを開け外に出た。
外に出た俺は、どこをどう歩いているのか自分にもわからず街をさまよっていた。
(静矢も七海も自分の将来に向かって歩こうとしている。じゃあ俺は? 俺も何か見つけないと…)
そう思いながら頭を掻きむしっていると誰かが俺を呼ぶ声がどこかからか聞こえた。
「……る君? 」
目の前を見るとそこには普段着に身を包んだ梨子の姿があった。どこか行くのだろうか…。
「り…梨子? 」
「輝君? どうしたの? 」
輝の様子がいつもと違うことに梨子は気づいているようだった。
「あーいや、ちょっと散歩。梨子は? 」
「私は、ちょっとショッピングモールの中にある本屋に。輝君も一緒に行く? 」
「あー…。じゃあ一緒に行こうかな…」
このまま一人で散歩していてもただ行く宛なく彷徨い続けるだけだろう。そう思って輝は、梨子に着いて行くことにした。
ショッピングモールは電車で片道15分のところにある。梨子は、輝に何かあったの?等いろいろ聞こうとはしたが輝の元気がなさそうな様子を見てあまり聞くことができなかった。
「そういえば、梨子。何の本買うの? 」
「ちょっと秘密」
それから駅を降り駅から5分くらいついてショッピングモールに着きすぐに本屋に向かった。本屋に入ってからは別行動になり輝は、小説のコーナーでいろいろと本を立ち読みしていた。
立ち読みしていることかなり時間が経った。小説のコーナーで立ち読みしてる俺に梨子が声を掛けてきた。 梨子は、本が入った紙袋を持っている。どうやら終わったみたいだ。結局俺は何も買わなかった。
ショッピングモールを出るとあたりはもう夕方になってしまっていた。出て駅に向かってしばらく歩いたところで梨子は輝にあることを提案してきた。
「ねぇ。ちょっと時間ある? 行きたいところがあるんだけど」
「? 構わないけど」
それから俺と梨子が桜ヶ丘の方を登っていくこと数分が経つ。俺はどこに行くのだろう? そう思い梨子に聞いてみることにした。
「なぁ! どこ行くんだよ? 」
「いいから着いて来て」
「? 」
いったいどこに向かうのかそれが全くわからないまま梨子に着られ桜ヶ丘の方を登っていくこと30分近くが経つ。ようやく目的地に着いた。
「あっ…」
着いた場所は丘の上にある桜ヶ丘公園だった。空を見上げるともう夕焼けになっており桜ヶ丘公園からみる夕焼けは絶景だった。
「輝君、こっち座って」
輝がぼんやりと夕焼けを見上げていると梨子がこっちに座ってと公園にあるベンチに輝を誘ってきて輝は、梨子の隣に座った。座ってしばらくして梨子から喋り出した。
「私ね。悩んだり、モヤモヤした時はよくこの桜ヶ丘公園に来るんだ」
「そう…なんだ…」
輝は、俯きながらそう言った。
「輝君…何かあった? 」
「え…なんで? 」
「何かずっと元気なさそうで悩んでる様子だったから…」
「まぁ…いろいろあってな…」
「舞ちゃんと喧嘩した? 」
「いや…。そういうわけじゃない…かな」
「じゃあ、何? 」
梨子は、すごく問い詰めてくる。輝は、隠そうにも隠しきれそうになく、「はぁ…」と目を瞑りながら空を見上げながら話そうか少し悩み全て話した。
「そうなんだ…」
「うん。静矢も七海も将来のしたい事をもう見つけていて俺も何か見つけなきゃいけないって思ってもなかなかみつからなくてさ…悩んでたんだ…。何かこのままだと二人に置いてかれる気がしてさ…」
「慌てなくても…いいんじゃないかな? 」
「え…」
「まずは自分にできることから始めていくべきなんじゃない? 」
「え…? 」
「慌てて見つけることは無いと思うよ、輝君。まずは自分にできることから一個一個やっていく。自分のやりたいことってそうやって見つけてけばいいんじゃないかな? 」
(自分に出来ることから…。そうか‼︎ それでいいんだ‼︎ 俺は、二人を見て自分も何か見つけなきゃって焦っていたんだ… )
「梨子、ありがとう‼︎ 」
俺は、梨子の言葉を聞いて答えが見えたような気がしてベンチから立ち上がった。
「輝君…」
元気が出たみたいで良かった…。そう思い梨子は、なんだかホッとした様子だった。
「何だか自分の中のモヤモヤが吹っ切れた気がする。梨子、ありがとう。そろそろ帰ろう 」
それから二人は帰りの電車に乗り輝は梨子と別れた。梨子と別れた後、輝は駅前の本屋である本を買った。
(ありがとう。梨子。俺、自分にできることからまず始めて将来の夢を見つけてみせるよ)
果たして輝君は、本屋で何の本を買ったんでしょうか?
自分の将来の夢に悩む輝君をうまく描けたでしょうか? もしうまく描けたなら嬉しいです。
この小説もあと僅かになってきた気がする…。
では、また。