逆行したナルトの物語 完結   作:アーク1

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残り一話で完結です。


未来へ

木の葉隠れの里との戦争は、忍連合の勝利で幕を閉じた。

 

戦争が終結してすぐ、大蛇丸は穢土転生の解除を条件に、自分たちを見逃すよう交渉した。

 

忍たちも、ほとんど消耗しておりやむ無く五影はこれを了承した。

 

解除の間際、ナルトはミナトとクシナの二人に近付き、

 

「父ちゃん...母ちゃん...俺を助けるために力を尽くしてくれてありがとな...」

 

照れ臭そうに、そう言ったナルト。

 

二人は、自分たちを『親』と言ってくれたナルトの言葉に涙を流しながら、自分たちがナルトを助ける力になれたことを実感し、ヒナタにナルトを託すと静かにあの世へと帰っていった。

 

"いつまでもナルトを見守っている"と言葉を残して...

 

その後、ヒナタから、今のヒナタが前世のヒナタの魂と融合したことを説明されたナルトは、泣きながらヒナタを抱き締めると、守れなかったことを何度も謝った。

 

ヒナタも、ナルトは悪くないとナルトが落ち着くまでずっと、ナルトを宥め続けるのだった。

 

 

 

一月後...

 

カカシを中心に、木の葉への帰還を希望する者たちが、光の里の門に集結していた。

 

「本当に行くのか?カカシ先生...このままこの里に残ってくれても良いんだってばよ?」

 

ナルトは、居候な身分を気にしているのではないかと考え、カカシにそう言ったが、

 

「いや...俺は別にこの里に迷惑をかけたくないからとか、そんな理由で帰るわけじゃないんだ。」

 

「え?」

 

「今や木の葉隠れの里は、俺たちの様に...あの時、他の里に亡命した人間達を除いて全滅した...」

 

「.........」

 

黒ゼツの策謀...それにより木の葉に残った人間たちは、その魂ごと魔像への生け贄となった。

 

ナルト自身は、木の葉に残った者達に思い入れは無い...

彼らは、最後まで上の人間による情報操作の結果である『ナルト=化け物』を信じ、ナルトを憎み続けてきた者達だ。

 

もちろん、中には何も知らないだろう、その者たちの子供もいるが、親が悪く言う者に好感が持てるハズも無い。

 

いずれ敵になる可能性を考えれば、この結果はナルトにとってはそれほど悲嘆すべき事ではなかった。

 

とは言え、一つの里の人間が全滅した...

 

そして、それはカカシを始め、自分の仲間たちの故郷であり、自分にとっては生まれた場所でもある。

 

見限り、里を抜けたナルトではあったが、木の葉と言う故郷を思えば、複雑な心境だった。

 

「お前にとって木の葉は、あまり良い想い出は無いんだろうな。」

 

カカシの話は続く。

 

「.........。」

 

「だが、それでも俺にとっては、木の葉は大事な場所なんだ。父さんやリンが命を懸けて守り、オビトが俺に託してくれたな...その里が消滅の危機にあって、じっとしている訳にはいかないんだ。」

 

「そっか...」

 

カカシの話を聞いたナルトは笑ってカカシに頷いた。

 

「お前には感謝してるよ。お前が俺たちを受け入れてくれたから、俺たちは生き延びることができた。木の葉の里をやり直す機会を得られたんだ。」

 

「お互い様だってばよ。この間の戦争では、木の葉の亡命者たちにも助けられた。何より憎しみに囚われた俺を呼び覚ますのに協力してくれたんだしな。」

 

「ふっ...そうかも知れないな...だが、俺はお前に感謝してるよ...」

 

「気持ちは受け取って置くってばよ。」

 

二人は握手を交わした。

 

次にネジがナルトの元を訪れる。

 

「ナルト...俺も木の葉に戻ろうと思う。」

 

「なんでだ?」

 

「俺はお前との約束を忘れてはいない。火影になって木の葉を変える...幸い過去の風習に囚われた者たちは、先の戦いで皆消えた。なら後は俺が火影になり、新しい木の葉を作る。」

 

ネジは、ナルトの目をしっかりと見ながら断言した。

 

「...ヒアシさんやハナビは、こっちに残るんだぞ?」

 

ヒアシは、そのまま光の里に残る事を決めていた。当然ハナビも残る。

 

「構わない。これは俺の誇りの問題だからな。」

 

「そうか...じゃ、期待してるってばよ。」

 

ナルトはニカッと笑うとネジと拳を合わせた。

 

「ネジよ...私からも言うことがある。」

 

その時、ヒアシが前に進み出る。

ヒアシはネジの額に手を当て、話す。

 

「もはや、我らに分家も宗家も無い。お前は木の葉の日向として、皆を引っ張り支えてくれ。」

 

「ヒアシ様...」

 

「叔父さんで良い。お前に呪印はもはや必要あるまい。」

 

ヒアシはそう言うと、ネジの額に刻まれた呪印を消した。

 

「ネジ...お前が火影になれることを祈っている。」

 

「はい。」

 

ヒアシの激励にネジはしっかりと頷いた。

 

サスケは光の里に残ることを希望した。

敬愛する兄がいるのだ...是非もない...

 

サスケが残るのなら、当然サクラも残る事になる。

 

他にも、犬塚家や奈良家、山中家や秋道家のような旧家を中心に、木の葉へ戻ることを決めた者達...

 

しかし、そこにヒルゼンはいなかった。

 

「良いのか?じいちゃん。」

 

ナルトは見送る側のヒルゼンに声をかける。

 

「何がじゃ?」

 

「カカシ先生の言ったことは、むしろじいちゃんの方が当て嵌まるんじゃないか?歴代の火影の中でも、最も長く火影として里を治めて来たんだ。それこそ、身を削る思いで、里のために頑張って来たんだろ?木の葉への想いは、一番強いと思うんだけど...」

 

ナルトの言葉にヒルゼンは頷きながら、

 

「良いんじゃよ...確かにお主の言う通り...木の葉への想いは強い...じゃが...ワシは、ダンゾウのやり方を一部肯定してきた者じゃ...先代たちも含め、これまでの木の葉は、仲間の為に命を懸けられる素晴らしい者たちの集まりではあったが、その癖、里の為、何も知らぬ赤子に罪を背負わせることを良しとしてきた...」

 

「.........。」

 

「ワシらのように、旧き悪しき風習に慣れた者達はこれからの新しき木の葉には必要無い。これからはお主らのように若い者たちの力こそが必要なのじゃ...この里に来て...その在り方を見てそう思ったんじゃ...」

 

「.........そっか...でも、木の葉丸も行っちまうんだぞ?」

 

そう、ヒルゼンの孫である木の葉丸もまた、木の葉への帰還のメンバーに入っていた。

 

「何...木の葉丸ももう一人前の忍じゃ...あやつが自分で決めた事に口出しする気は無い。気掛かりだった大蛇丸の事も自来也に託したし、余生はここで静かに暮らすとするわい。」

 

「...わかった...じいちゃんがそう言うなら、俺はもう何も言わないってばよ。」

 

ナルトは笑いながら頷いた。

 

二人のやり取りを見ていた綱手は、カカシに近づくと、

 

「三代目はああ言ったが、いきなり全てを若いヤツラに任せる程薄情でも無い。当面は私と自来也が暫定の代表をやってやるさ。火の国の大名連中も文句は言わんだろう。ただし...私たちはあくまでも『当面』の代表だ。新しい木の葉の里...その火影にはカカシ...お前がなるんだ。」

 

そう言ってカカシの肩をたたく。

 

「...わかってます。」

 

カカシは、少し引きながらも頷いた。

 

「よし、期限は一年...みっちりしごいてやるから、覚悟しな?」

 

「ハハハ...お手柔らかにお願いします...」

 

良い笑顔でカカシに笑いかける綱手に、今度こそ冷や汗をかくカカシだった。

 

「さて、そろそろ行くかね。」

 

「そうですね。」

 

綱手の言葉に同意するカカシ。

しかし、綱手は予想外の言葉を口にする。

 

「何を言ってる...お前が号令をかけるんだよ。」

 

「は?」

 

「この帰還者の集まりはお前を中心に始まったんだろ?なら号令もお前が掛けるんだ。まあ、未来の予行演習だとでも思えば良い。」

 

「うっ...わかりました。」

 

覚悟を決めたカカシは、集まった者達に向かい合う。

 

「皆...俺の呼び掛けによく集まってくれた。これから、俺たちは木の葉に戻る...せっかく慣れたこの里を出て、敢えて苦難の道を進む事になるが...俺は故郷を放っておく事は出来ない。家族が...仲間達が命を懸けて守ってきたあの場所を...もう一度作り直したいんだ。だから力を貸して欲しい。」

 

「「「「「おおおおおおおおおおおおおおお」」」」」

 

カカシの言葉に歓声が起きる。

 

「では、出発する。」

 

そうしてカカシたちは木の葉へと戻っていった。

 

「寂しくなるね...」

 

ヒナタがナルトの隣に立って声をかけた。

 

「そんな事ないさ...皆それぞれの道を歩み始めた...でも、それは決して二度と会えないって事じゃ無い。なにせ、前世で死んだ俺たちがこうして再会できた...あの世界のボルトは、世界を越えて俺たちを助けに来てくれた...それを思えば、同じ世界の皆に会いに行くのなんて、簡単だってばよ。」

 

ナルトはヒナタの肩を抱くと、自分の方に抱き寄せる。

 

「ふふ...そうだね。それに、寂しがってる暇なんて無いか...早くヒマワリやボルトを産んであげなきゃいけないし...」

 

「そうだな...懸案だった黒ゼツやカグヤの件は片付いた。トネリの方は、ヒナタが正式に転生眼を継いだ事でなんとかなると思う。モモシキ達の件は、弱点さえ知ってればそれほど苦戦する相手じゃない。だから...」

 

「だから?」

 

ヒナタはナルトの言葉を待つ。

 

「結婚しよう。ヒナタ。」

 

「はい。」

 

ヒナタは幸せそうに頷いた。

今回、逆行したナルトの物語は完結です。他にpixivに幾つか投稿してる作品があるのですが、投稿を希望させるかどうか聞かせて下さい。

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