...ト...ルト...ナルト...
「いい加減起きろ。ナルト。授業中だぞ。」
「はっ!?」
イルカの大声に、ナルトは目を覚ました。
「イ...ル...カ...先生...」
ナルトは目の前のイルカを見て驚愕する。
(俺は確か...死んだハズ。なんで生きてるんだってばよ...それにイルカ先生がすげぇ若くなってる。一体何がどうなってるんだってばよ...)
ナルトは状況を確認しようと辺りを見回す。
(ここは...忍者アカデミー?それに...サスケやサクラちゃん...シカマル...皆子供の姿だってばよ...まさか...幻術か?それとも時を...)
「!?」
(ヒナタ...)
ヒナタを見つけたナルトは、自分が見たヒナタの最後の姿を思い出した。毒を受けて動けないヒナタ...そして...
「クソッ...一体何が、どうなってるんだってばよ...」
思わずナルトは叫んでいた。
「ナルト?どうした...」
そんなナルトの様子にイルカは、心配して声をかけた。
「.........いや...なんでも無いってばよ...」
一瞬口をつぐんだナルト...だが直ぐに何でもないと告げて笑った。
「そうか...だったら、居眠りの罰として廊下に立っていてもらおうか。」
「えぇ...そりゃねぇってばよ...」
「「「「「アハハハハハハハ」」」」」
いつもと違うナルトの様子に、訝しんでいた生徒たちだったが、二人の会話が普段通りになると、落ち着きを取り戻し、いつものようにナルトの様子を笑うのだった。
たった一人を除いて...
(...ナルト君?)
一方、廊下に出たナルトは幻術返しを試していた。
しかしその効果は無く、現状を知っている可能性が一番高いと思われる自身の相棒の九喇嘛に話を聞くため、自らの精神世界に意識を向けていた。
「ようやく来たかナルト。」
「九喇嘛。これは一体どうなってるんだってばよ?って言うかなんでお前、また封印されてるんだ?」
そこには、巨大な檻に封じられた九喇嘛がいた。
「お前も薄々は気づいてるんだろ?」
「...やっぱり...ここは過去なんだな?」
九喇嘛の言葉に、ナルトは現状を理解した。
「詳しい話は後でしてやる。とりあえず、ワシをここから出してくれ。窮屈でかなわん。」
「いやいや、ここが本当に過去なら俺ってば、この時はまだ鍵をもってないから出せねぇってばよ。」
「良いからやってみろ。」
ナルトは九喇嘛の指示に従い、封印の解除を試みる。
すると...
九喇嘛を封じていた檻の鍵が開いていき、やがて扉が開いた。
「どう言うことだってばよ...」
「まあ、落ち着け。ちゃんと説明してやる。」
九喇嘛はそう言うと話始めた。
「まず、お前も察してるだろうが、ここは過去の世界だ。あの時、お前の生命活動は停止した。その時だ、お前の精神世界に六道のじじいの残留思念が出てきやがった...それから...」
九喇嘛に経緯を聞いたナルトは、九喇嘛に礼を告げる。
「そうか...六道のじいちゃんが...それに九喇嘛も...俺の為に...サンキューな。」
「勘違いするんじゃねぇ。ワシがあんな結末に納得できなかっただけだ。お前の為じゃねぇよ。」
相変わらず素直じゃない九喇嘛の返答に苦笑するナルト。
「それから、封印の鍵の方だがな、大したことはねぇ。鍵が渡された時、お前のチャクラに記憶されていたのさ。そもそも封印術自体チャクラによる封印なんだ。その封印を解く鍵とてチャクラによって形作られておる。今のお前は未来のお前のチャクラと、この時代のお前が融合した状態なんだ。当然鍵も持っているって事だな。」
「よくわかんねぇけど、今の俺は八卦封印の鍵を持ってるってことなんだな?」
「............まあ...そうだな...(ワシの説明が役に立ってねぇな...)それと、未来のお前のチャクラが追加されてる分、お前のチャクラ量も増えとるぞ?」
「そうなのか?」
「お前の方は精神エネルギーのみだがな。ワシに至っては、この時代の半身分が加わって単純に1.5倍に増えてるな。」
「そりゃあ凄えな。なんにしても強さは必要だからな。そう言えば、結局今は正確にはいつ頃なんだってばよ?」
「言っただろ?この時代のお前と融合していると。落ち着いて自分で考えてみろ?」
「.........どうやら、あと一月で卒業試験になるみたいだってばよ。ってことは、俺がミズキに唆されて禁術の巻物を盗む事件が起こる前だな。」
「話は終わりだ。それでナルト...お前はこれからどうする?」
九喇嘛は説明を終えると、真剣な表情をしてナルトにこれからの事を聞いた。
「あいつらに復讐するってんなら付き合うぞ?」
「...そんな気はねぇってばよ...」
「ふんっ...相変わらずお人好しなヤツだ。だったらどうする?また火影を目指すのか?」
「火影...か...」
ナルトは九喇嘛の言葉を受けて考える。
「いや...火影を目指さねぇ。今になって思うんだ。俺が火影を目指したのは、ただ皆に認められたかったからだったって...その為の手段として火影を目指した。」
「その過程で里の皆に認められて、ずっと欲しかった家族も得られた。でも...火影になってからは、家族との時間も満足に取れなかった...里の為にと頑張ってきたけど...結局、里の人間に裏切られて...俺は...火影になるべきじゃなかったんだってばよ。」
「じゃあ、どうするんだ?復讐はしねぇ。火影にもならねぇ。だったらお前はこれから何をするんだ?」
「...少し...考えさせてくれってばよ...なにしろ、俺ってば、火影になるために頑張ってきて、火影になってからは里の為に頑張ってきた。それ以外の生き方を知らないんだってばよ...」
「ふんっ。だったら一週間時間をやる。それで決めろ。」
「ああ。わかったってばよ。」
九喇嘛と約束したナルトは、精神世界から出て、現実へと戻るのだった。
今回、逆行したナルトの物語は完結です。他にpixivに幾つか投稿してる作品があるのですが、投稿を希望させるかどうか聞かせて下さい。
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希望する
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希望しない