「サスケ...選手交代だってばよ。」
狐の頭を模したチャクラの壁を展開しながら、ナルトはサスケに言い放った。
「ふ...ふざけるな...俺はまだ、負けてねえ...」
ナルトの言葉にサスケは反発した。
「負けだってばよ...」
だが、ナルトは取り合おうとはしない。
さっきの白の攻撃で、ナルトが助けに入らなければ、サスケは死んでいたのだ。
今さら、口で何を言おうとサスケの完敗だった。
「ぐっ...うぉぉぉぉ。」
何とか立ち上がろうと試みるサスケ...
しかし、足に突き刺さった複数の千本による痛みに、なかなか立ち上がれない。
「サスケ...この勝負は既に着いてるってばよ...お前の...負けだ...」
「俺は...俺はまだ...負けっ(ガッ)!?」
サスケが言い終わるより前に、サスケは意識を失った。
ナルトが強制的に気絶させたのだった。
(サスケ...悪ぃけど...お前を死なせたくは無いんだってばよ...例え...お前に恨まれる事になってもな...)
「ナルト君...良いんですか?」
その様子を見守っていた白は遠慮がちに聞いた。
「自分の負けを認められない状態で、このまま俺たちの戦いに参加してたら、余計な事をしそうだったからな...」
「そうですか...でも、彼が意識を無くしている以上、僕は彼を狙いますよ?」
白は当然、弱点となる所を狙うと告げた。
「別に構わないってばよ?お前の攻撃力じゃ、この壁は突破出来ないからな...」
「言ってくれますね...だったら...試させて貰います。」
白は宣言すると、再び魔鏡氷晶の中に入る。
全方位から、千本手裏剣がナルトたち目掛けて殺到する。
しかし、その攻撃はナルトが作った狐の頭の壁に全て弾かれてしまう...
「くっ...だったら...」
千本では突破出来ないと判断した白は、
『秘術 千殺水翔!』
術を使い、突破を試みる。しかし...
その攻撃も、まるで効いている様子は見られなかった...
「.........確かに、かなり固いみたいですね...ですが...」
白は、この技の弱点を推測した。
「そんな膨大なチャクラをいつまでも維持できるハズがありません...その壁が崩れるときを狙わせて貰います。」
だが、それは白の常識から考え出された予測に過ぎない...
「確かに、人間のチャクラでこの壁を維持しようとするなら、例え上忍クラスでも数分で力尽きるってばよ?だけど...」
「これは、九喇嘛...尾獣のチャクラを使ってる...そう簡単に崩れるとは思わない方が良いってばよ?それに...」
ナルトは、白の推測した弱点を否定すると、更に一度切ってから...
「こっちから攻撃しないとも言ってないってばよ?」
そう言うと、狐の頭が突如、巨大化し始めた。
「これは!?まさか!」
すぐにナルトの意図に気付いた白。
ナルトは巨大化させた狐の頭の圧力で、魔鏡氷晶を内側から破壊しようとしているのだ。
「くっ!」
白は、なんとか術を維持しようと試みる。
しかし...
「ダメだ...この力...押さえきれない...」
バァン...
一瞬にして、全ての鏡が破壊されてしまった...
その勢いで、吹き飛ばされる白。
ナルトは、その隙に影分身を一体作り、サスケをサクラの元に運んだ。
「サスケ君!」
「大丈夫。気絶してるだけだってばよ。」
「サスケ君...良かった...ナルト...本当にありがとう。」
素直にお礼を言うサクラ。
「サクラちゃん...ここは任せたってばよ?」
ナルトの真剣な表情に、頷くサクラ。
その場をサクラに託すと、分身を解くナルト。
そして、白に近づくと、
「気は済んだか?白...」
ナルトは、特に気負った様子も無く、静かに問いかけた...
「くっ...まだです...」
白は、術がダメならと...肉弾戦を敢行する。
白の戦闘術は、再不斬によって仕込まれたもの...当然白とて自信はあった。
しかし...白は知らない...ナルトが一番得意としているのが近接戦闘であると言う事を。
ナルトは、ニヤリと笑うと、
「来いってばよ!」
白の攻撃を受けて立つのだった。
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一方、カカシと再不斬の戦いも佳境に差し掛かっていた。
(!?このチャクラ...ナルトが参戦したか...フゥ...ヒヤヒヤさせてくれるね...全く...サスケも無事みたいだな...)
「ナルトが、参戦した以上...向こうは安心だな...再不斬...俺たちも、そろそろ決着を付けないか?お前の流儀には反するだろうが...楽しむのは止めにして、次で白黒付けるってのはどうだ?」
カカシは、巻物を取り出すと、再不斬に切りつけられて出血した場所に触れる。そして巻物に自分の血を塗り付けた。
「フン...面白い...この状況でお前に何が出来るのか...見せてもらおう。」
再不斬は自信に満ちた声で、カカシの提案に乗った。
霧で、視界をゼロにし、カカシの写輪眼を封じると共に、自分の有利な状況を作り出したが故の自信だった。
事実、カカシは先程から再不斬に防戦一方な上、何度も斬り付けられて出血している。
カカシは印を結ぶと、術を発動した。
『忍法 口寄せ!土遁追牙の術』
カカシの術により召喚された忍犬が、再不斬についたカカシの血の臭いで再不斬の場所を探知...再不斬に襲いかかる。
カカシの写輪眼を警戒し、目を瞑り、音を頼りにカカシと戦っていた再不斬は、その攻撃を躱すことが出来ず、拘束されてしまった。
カカシは、再不斬に止めを刺すために、自身の最強の技、『雷切』を発動した。
その攻撃が、再不斬を貫こうとした...その瞬間...
「なに!?」
カカシにとって予想外の出来事が起こった。
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視点は再び戻り、ナルトと白の戦い...
白は、近接戦を仕掛けて、何度もナルトに向かって攻撃を繰り出す。
しかし、仙人モードと九尾チャクラモードを同時に発動した今のナルトには、まるで攻撃が当たらなかった。
逆にナルトの攻撃は、何度も自分にヒットしている。
それでも、白が立っているのはナルトが手加減しているからに他ならない。
白は、ナルトと自分の力に大人と子供程の差を感じた。
(いや...それ以上かも知れませんね...)
「まだ、やるのか?白...」
再び、問いかけるナルト。
「...そうですね...君の力は十分に分かりました...僕の...」
白が、自らの敗北を告げようとしたその時、再不斬が、カカシに止めを刺されようとする所を見てしまう。
「再不斬さん!」
急いで再不斬を助けようとする白...
(僕の体を盾にしてでも...)
「動くな...白...」
だが、白がその場所に向かう事は出来なかった。
ナルトが立ち塞がっていたからだ。
「ナルト君...退いてください。」
白が大声で退くように言うが、
「大丈夫だ...カカシ先生は、俺の影分身が止めた。」
「え?」
見ると、カカシの雷切が再不斬に当たる直前、カカシの腕をナルトの分身が横から掴んでいた。
「どういうつもりだ...ナルト。」
カカシはナルトを問い質した。
もう少しで再不斬を仕留められたのだから当然だろう。
「悪いけど先生...時間切れだってばよ...」
「なに?」
ナルトの言っている意味がわからず、思わず聞き返してしまうカカシ。
その問いに、ナルトは湖の方を指差すと、
「向こうから、かなりの人数の気配を感じる。それも一般人じゃない気配だってばよ。」
「!?」
言われてカカシも気付いた。
船が近付いてきていた。その船の上にはガトーと、ガトーが雇った傭兵たちが大勢乗っていた。
「増援か!」
カカシは戦慄した...
再不斬との戦いで、カカシ自身かなりの消耗をしている。
この上、あの人数を相手にする余力は無かった。
「いや...違うな...」
だが、それを否定したのは、意外にも再不斬だった。
「ガトーの野郎は、俺達ごと襲撃する気なのさ。」
「なに?」
再不斬の言葉に思わず聞き返すカカシ。
「どうも、あの野郎とは相性が悪かったが...俺達に払う報酬が惜しくなったって所か?どうせ抜け忍の俺達を庇うやつらもいないしな...」
「その通り...よく解っているじゃないか?再不斬。」
再不斬の言葉を肯定したのは、上陸したガトーだった。
「正規の忍を里から雇えば、やたらと金がかかる上に、裏切れば面倒だ...そこで後々処理しやすいお前たちのような抜け忍を雇ったのだ...他流忍者同士の殺し合いで弱った所を、数でもろとも攻め殺す...金のかからん良い手だろ?」
ガトーは自らの計画を自慢気に語った。
「それにしても...ボロボロだなぁ再不斬...唯一の作戦ミスはお前だ...再不斬...霧隠れの鬼人が聞いて呆れるわ...私から言わせりゃ、お前はただの...かわいい小鬼ちゃんって所だなぁ...」
(ナルトの話通りか...しかし...知っていても胸糞悪いぜ...こいつは...)
「カカシ...すまないな...戦いはここまでだ...俺にタズナを襲う理由が無くなった以上...お前と戦う理由も無くなった。」
「ああ。」
カカシとしても、この人数を相手にするには、再不斬たちの戦力は有難かった。
「小鬼ちゃんかどうか...試して見るか?」
再不斬の背後に鬼の形をした気が立ち込める。
「ひっ!お前たち。さっさと片付けろ。」
再不斬の気に恐れを抱いたガトーは、部下たちに指示を出した。
その時、ガトーの足元にボーガンの矢が突き刺さった。
「ナルト兄ちゃん...応援に来たよ。」
その矢を放ったのはイナリだった。
イナリは、町の人達を奮い立たせ、増援に駆け付けたのだった。
その姿を見たナルトは、笑った。
そして...
「再不斬...悪いけど、ガトーは俺がやるってばよ...」
「なに?」
「依頼なんだ...イナリから俺に...ガトーと...ガトーコーポレーションを倒してくれってな...」
ナルトは、再不斬を制止すると、自分が戦うと告げる...
「.........フン...ならやってみな?」
白を倒したのは理解したが、結局この戦いでナルトの力を見ていない再不斬は、この機会に見極めようとした。
「やれるのか?ナルト。」
カカシは少し心配そうに問いかける。
「ああ、問題ないってばよ。」
「わかった。」
カカシも引き下がった。
ナルトは、イナリに向き直る。そして...
「イナリ...お前の依頼...今、果たすってばよ...」
高らかに宣言したのだった。
「ガキのクセに生意気な...お前たち...殺ってしまえ!」
ガトーは、ナルトをターゲットに変更した。
『多重影分身の術』
ナルトは、同数の影分身を作る...
数的な優位が一気に無くなってしまったガトー陣営...
更に一人一人の戦闘能力は、ナルトの分身体よりも遥かに劣っていた。
あっと言う間に制圧されてしまったガトーと部下たち。
「ナルト兄ちゃん...すげぇー。」
イナリは英雄を見る目でナルトを見ていた。
「さて...イナリの依頼を果たすってばよ...まずは...会社だ...」
だが、依頼はまだ果たされていない。
「え?」
ナルトの本体は、混戦の最中戦線を離れていた。
その理由は...
「行くぞ?九喇嘛...」
『良いんだな?』
ナルトは尾獣化した。尾獣化を見られないように、一人離れたのだった。
そして、尾獣玉を作ると、ガトーの屋敷目掛けて撃ち出した。
ナルトは、この一週間の間タズナの護衛とは別に、影分身を使ってガトーの屋敷を探し当てていたのだった。
ドォォォォォォォォォォンンン!!!!
ガトーの屋敷には、会社の重要書類や金などが多く保管されていた...
それらが跡形も無く吹き飛んだのだ...
「な、なな、なな、な、」
ガトーは、爆発が起こった方角に何があるか察して、顔面を蒼白に染めていた。
ガトーコーポレーションは終わった...
「次は...お前の番だってばよ?」
放心しているガトーに、分身ナルトが冷たい目をして告げるのだった。
今回、逆行したナルトの物語は完結です。他にpixivに幾つか投稿してる作品があるのですが、投稿を希望させるかどうか聞かせて下さい。
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希望する
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希望しない