逆行したナルトの物語 完結   作:アーク1

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決着

「サスケ...選手交代だってばよ。」

 

狐の頭を模したチャクラの壁を展開しながら、ナルトはサスケに言い放った。

 

「ふ...ふざけるな...俺はまだ、負けてねえ...」

 

ナルトの言葉にサスケは反発した。

 

「負けだってばよ...」

 

だが、ナルトは取り合おうとはしない。

 

さっきの白の攻撃で、ナルトが助けに入らなければ、サスケは死んでいたのだ。

 

今さら、口で何を言おうとサスケの完敗だった。

 

「ぐっ...うぉぉぉぉ。」

 

何とか立ち上がろうと試みるサスケ...

 

しかし、足に突き刺さった複数の千本による痛みに、なかなか立ち上がれない。

 

「サスケ...この勝負は既に着いてるってばよ...お前の...負けだ...」

 

「俺は...俺はまだ...負けっ(ガッ)!?」

 

サスケが言い終わるより前に、サスケは意識を失った。

 

ナルトが強制的に気絶させたのだった。

 

(サスケ...悪ぃけど...お前を死なせたくは無いんだってばよ...例え...お前に恨まれる事になってもな...)

 

「ナルト君...良いんですか?」

 

その様子を見守っていた白は遠慮がちに聞いた。

 

「自分の負けを認められない状態で、このまま俺たちの戦いに参加してたら、余計な事をしそうだったからな...」

 

「そうですか...でも、彼が意識を無くしている以上、僕は彼を狙いますよ?」

 

白は当然、弱点となる所を狙うと告げた。

 

「別に構わないってばよ?お前の攻撃力じゃ、この壁は突破出来ないからな...」

 

「言ってくれますね...だったら...試させて貰います。」

 

白は宣言すると、再び魔鏡氷晶の中に入る。

全方位から、千本手裏剣がナルトたち目掛けて殺到する。

 

しかし、その攻撃はナルトが作った狐の頭の壁に全て弾かれてしまう...

 

「くっ...だったら...」

 

千本では突破出来ないと判断した白は、

 

『秘術 千殺水翔!』

 

術を使い、突破を試みる。しかし...

 

その攻撃も、まるで効いている様子は見られなかった...

 

「.........確かに、かなり固いみたいですね...ですが...」

 

白は、この技の弱点を推測した。

 

「そんな膨大なチャクラをいつまでも維持できるハズがありません...その壁が崩れるときを狙わせて貰います。」

 

だが、それは白の常識から考え出された予測に過ぎない...

 

「確かに、人間のチャクラでこの壁を維持しようとするなら、例え上忍クラスでも数分で力尽きるってばよ?だけど...」

 

「これは、九喇嘛...尾獣のチャクラを使ってる...そう簡単に崩れるとは思わない方が良いってばよ?それに...」

 

ナルトは、白の推測した弱点を否定すると、更に一度切ってから...

 

「こっちから攻撃しないとも言ってないってばよ?」

 

そう言うと、狐の頭が突如、巨大化し始めた。

 

「これは!?まさか!」

 

すぐにナルトの意図に気付いた白。

 

ナルトは巨大化させた狐の頭の圧力で、魔鏡氷晶を内側から破壊しようとしているのだ。

 

「くっ!」

 

白は、なんとか術を維持しようと試みる。

しかし...

 

「ダメだ...この力...押さえきれない...」

 

バァン...

 

一瞬にして、全ての鏡が破壊されてしまった...

 

その勢いで、吹き飛ばされる白。

 

ナルトは、その隙に影分身を一体作り、サスケをサクラの元に運んだ。

 

「サスケ君!」

 

「大丈夫。気絶してるだけだってばよ。」

 

「サスケ君...良かった...ナルト...本当にありがとう。」

 

素直にお礼を言うサクラ。

 

「サクラちゃん...ここは任せたってばよ?」

 

ナルトの真剣な表情に、頷くサクラ。

 

その場をサクラに託すと、分身を解くナルト。

 

そして、白に近づくと、

 

「気は済んだか?白...」

 

ナルトは、特に気負った様子も無く、静かに問いかけた...

 

「くっ...まだです...」

 

白は、術がダメならと...肉弾戦を敢行する。

白の戦闘術は、再不斬によって仕込まれたもの...当然白とて自信はあった。

 

しかし...白は知らない...ナルトが一番得意としているのが近接戦闘であると言う事を。

 

ナルトは、ニヤリと笑うと、

 

「来いってばよ!」

 

白の攻撃を受けて立つのだった。

 

 

一方、カカシと再不斬の戦いも佳境に差し掛かっていた。

 

(!?このチャクラ...ナルトが参戦したか...フゥ...ヒヤヒヤさせてくれるね...全く...サスケも無事みたいだな...)

 

「ナルトが、参戦した以上...向こうは安心だな...再不斬...俺たちも、そろそろ決着を付けないか?お前の流儀には反するだろうが...楽しむのは止めにして、次で白黒付けるってのはどうだ?」

 

カカシは、巻物を取り出すと、再不斬に切りつけられて出血した場所に触れる。そして巻物に自分の血を塗り付けた。

 

「フン...面白い...この状況でお前に何が出来るのか...見せてもらおう。」

 

再不斬は自信に満ちた声で、カカシの提案に乗った。

 

霧で、視界をゼロにし、カカシの写輪眼を封じると共に、自分の有利な状況を作り出したが故の自信だった。

 

事実、カカシは先程から再不斬に防戦一方な上、何度も斬り付けられて出血している。

 

カカシは印を結ぶと、術を発動した。

 

『忍法 口寄せ!土遁追牙の術』

 

カカシの術により召喚された忍犬が、再不斬についたカカシの血の臭いで再不斬の場所を探知...再不斬に襲いかかる。

 

カカシの写輪眼を警戒し、目を瞑り、音を頼りにカカシと戦っていた再不斬は、その攻撃を躱すことが出来ず、拘束されてしまった。

 

カカシは、再不斬に止めを刺すために、自身の最強の技、『雷切』を発動した。

 

その攻撃が、再不斬を貫こうとした...その瞬間...

 

「なに!?」

 

カカシにとって予想外の出来事が起こった。

 

 

視点は再び戻り、ナルトと白の戦い...

 

白は、近接戦を仕掛けて、何度もナルトに向かって攻撃を繰り出す。

 

しかし、仙人モードと九尾チャクラモードを同時に発動した今のナルトには、まるで攻撃が当たらなかった。

 

逆にナルトの攻撃は、何度も自分にヒットしている。

 

それでも、白が立っているのはナルトが手加減しているからに他ならない。

 

白は、ナルトと自分の力に大人と子供程の差を感じた。

 

(いや...それ以上かも知れませんね...)

 

「まだ、やるのか?白...」

 

再び、問いかけるナルト。

 

「...そうですね...君の力は十分に分かりました...僕の...」

 

白が、自らの敗北を告げようとしたその時、再不斬が、カカシに止めを刺されようとする所を見てしまう。

 

「再不斬さん!」

 

急いで再不斬を助けようとする白...

 

(僕の体を盾にしてでも...)

 

「動くな...白...」

 

だが、白がその場所に向かう事は出来なかった。

 

ナルトが立ち塞がっていたからだ。

 

「ナルト君...退いてください。」

 

白が大声で退くように言うが、

 

「大丈夫だ...カカシ先生は、俺の影分身が止めた。」

 

「え?」

 

見ると、カカシの雷切が再不斬に当たる直前、カカシの腕をナルトの分身が横から掴んでいた。

 

「どういうつもりだ...ナルト。」

 

カカシはナルトを問い質した。

もう少しで再不斬を仕留められたのだから当然だろう。

 

「悪いけど先生...時間切れだってばよ...」

 

「なに?」

 

ナルトの言っている意味がわからず、思わず聞き返してしまうカカシ。

 

その問いに、ナルトは湖の方を指差すと、

 

「向こうから、かなりの人数の気配を感じる。それも一般人じゃない気配だってばよ。」

 

「!?」

 

言われてカカシも気付いた。

 

船が近付いてきていた。その船の上にはガトーと、ガトーが雇った傭兵たちが大勢乗っていた。

 

「増援か!」

 

カカシは戦慄した...

再不斬との戦いで、カカシ自身かなりの消耗をしている。

この上、あの人数を相手にする余力は無かった。

 

「いや...違うな...」

 

だが、それを否定したのは、意外にも再不斬だった。

 

「ガトーの野郎は、俺達ごと襲撃する気なのさ。」

 

「なに?」

 

再不斬の言葉に思わず聞き返すカカシ。

 

「どうも、あの野郎とは相性が悪かったが...俺達に払う報酬が惜しくなったって所か?どうせ抜け忍の俺達を庇うやつらもいないしな...」

 

「その通り...よく解っているじゃないか?再不斬。」

 

再不斬の言葉を肯定したのは、上陸したガトーだった。

 

「正規の忍を里から雇えば、やたらと金がかかる上に、裏切れば面倒だ...そこで後々処理しやすいお前たちのような抜け忍を雇ったのだ...他流忍者同士の殺し合いで弱った所を、数でもろとも攻め殺す...金のかからん良い手だろ?」

 

ガトーは自らの計画を自慢気に語った。

 

「それにしても...ボロボロだなぁ再不斬...唯一の作戦ミスはお前だ...再不斬...霧隠れの鬼人が聞いて呆れるわ...私から言わせりゃ、お前はただの...かわいい小鬼ちゃんって所だなぁ...」

 

(ナルトの話通りか...しかし...知っていても胸糞悪いぜ...こいつは...)

 

「カカシ...すまないな...戦いはここまでだ...俺にタズナを襲う理由が無くなった以上...お前と戦う理由も無くなった。」

 

「ああ。」

 

カカシとしても、この人数を相手にするには、再不斬たちの戦力は有難かった。

 

「小鬼ちゃんかどうか...試して見るか?」

 

再不斬の背後に鬼の形をした気が立ち込める。

 

「ひっ!お前たち。さっさと片付けろ。」

 

再不斬の気に恐れを抱いたガトーは、部下たちに指示を出した。

 

その時、ガトーの足元にボーガンの矢が突き刺さった。

 

「ナルト兄ちゃん...応援に来たよ。」

 

その矢を放ったのはイナリだった。

 

イナリは、町の人達を奮い立たせ、増援に駆け付けたのだった。

 

その姿を見たナルトは、笑った。

そして...

 

「再不斬...悪いけど、ガトーは俺がやるってばよ...」

 

「なに?」

 

「依頼なんだ...イナリから俺に...ガトーと...ガトーコーポレーションを倒してくれってな...」

 

ナルトは、再不斬を制止すると、自分が戦うと告げる...

 

「.........フン...ならやってみな?」

 

白を倒したのは理解したが、結局この戦いでナルトの力を見ていない再不斬は、この機会に見極めようとした。

 

「やれるのか?ナルト。」

 

カカシは少し心配そうに問いかける。

 

「ああ、問題ないってばよ。」

 

「わかった。」

 

カカシも引き下がった。

 

ナルトは、イナリに向き直る。そして...

 

「イナリ...お前の依頼...今、果たすってばよ...」

 

高らかに宣言したのだった。

 

「ガキのクセに生意気な...お前たち...殺ってしまえ!」

 

ガトーは、ナルトをターゲットに変更した。

 

『多重影分身の術』

 

ナルトは、同数の影分身を作る...

 

数的な優位が一気に無くなってしまったガトー陣営...

更に一人一人の戦闘能力は、ナルトの分身体よりも遥かに劣っていた。

 

あっと言う間に制圧されてしまったガトーと部下たち。

 

「ナルト兄ちゃん...すげぇー。」

 

イナリは英雄を見る目でナルトを見ていた。

 

「さて...イナリの依頼を果たすってばよ...まずは...会社だ...」

 

だが、依頼はまだ果たされていない。

 

「え?」

 

ナルトの本体は、混戦の最中戦線を離れていた。

その理由は...

 

「行くぞ?九喇嘛...」

 

『良いんだな?』

 

ナルトは尾獣化した。尾獣化を見られないように、一人離れたのだった。

 

そして、尾獣玉を作ると、ガトーの屋敷目掛けて撃ち出した。

 

ナルトは、この一週間の間タズナの護衛とは別に、影分身を使ってガトーの屋敷を探し当てていたのだった。

 

ドォォォォォォォォォォンンン!!!!

 

ガトーの屋敷には、会社の重要書類や金などが多く保管されていた...

 

それらが跡形も無く吹き飛んだのだ...

 

「な、なな、なな、な、」

 

ガトーは、爆発が起こった方角に何があるか察して、顔面を蒼白に染めていた。

 

ガトーコーポレーションは終わった...

 

「次は...お前の番だってばよ?」

 

放心しているガトーに、分身ナルトが冷たい目をして告げるのだった。

今回、逆行したナルトの物語は完結です。他にpixivに幾つか投稿してる作品があるのですが、投稿を希望させるかどうか聞かせて下さい。

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