ダンゾウの屋敷が破壊されるという事件から、数ヵ月が経過した。
あれ以来、ナルトやその周辺はいたって平和に過ごしている。
ナルトの一日は、任務がある日は朝起きて、カカシが待ち合わせの場所に来るのを班で待ち、任務をこなした後はヒナタと修行をして、ヒナタの手作りの弁当を貰って帰り、弁当を食べてから入浴、就寝...
任務が無い日は、木の葉丸達の相手をしたり、ヒナタと出掛けたりした後、修行、以下同じと言ったサイクルを繰り返していた。
そして、今日も任務をこなして帰路に就いていた。
その道すがら、カカシは空を飛ぶ鳥を見ると、解散を告げた。
「なら、帰るぜ?」
サスケはその言葉でさっさと踵を返してしまう。
それを見たサクラは、サスケに声をかけた。
「ねぇ、サスケ君。待ってぇ。これから私と二人でチームワークを深めるっていうのは......」
「うるさい。」
サクラが、言い終わる前にサスケはサクラを拒否する。
「俺に構う暇があったら、術の一つでも練習するんだな。はっきり言って、お前は足手まといだ。」
(俺は強くならなきゃいけないんだ。外には俺より強いやつがゴロゴロいやがるってのに、こんな任務ばかりちんたらと...いや、それ以前にナルトにすら追い付けてねぇ。クソ...なんで、あいつがあそこまで強いんだ...)
サスケの様子を見たカカシは、サスケの焦りが手に取るようにわかった。
もともと、名門の『うちは』の出。アカデミーでは常にトップの成績を出していたサスケはプライドが高すぎるのだ。
もちろん、自身より強い存在がいることは認めているが、同年代ではほとんどいないと自負していたに違いない。
それが、アカデミーを卒業した途端、ナルト、白と同年代に負け続けている...
波の国の戦いで、不完全ながら写輪眼を開眼し成長はしているのだが、いかんせん比べる相手がナルトでは、分が悪すぎた。
自分ですら戦闘能力ではナルトには勝てそうに無いのだ。今のサスケでは相手になるハズがない。
(...なんて言った所でサスケには慰めにもならないか...ましてやサスケの目標も遥かな高みにいる存在なんだし...)
一方、サスケに拒否された挙げ句、足手まといとまで言われたサクラは、落ち込んでいた。
「そう...だよね...私...いつも良い所なしだもんね...ハハ...ゴメンナサイ...」
サクラは、泣きそうだった。
好きな人に辛辣に当たられる事ほど堪えるものも無い。
「サスケ...今のは流石に言い過ぎだってばよ。」
見かねたナルトが制止に入る。
「フン...ちょっと俺より強いからってリーダー気取りかよ?」
だが、サスケは聞く耳を持たないばかりか、ナルトにまで当たる始末だった。
「はあ?なんでそうなるんだってばよ?」
ナルトが思わず聞き返すが、サスケ自身八つ当たりと理解しているため、ばつが悪そうな顔をして、瞬身の術を使い消えてしまった。
「サクラちゃん。サスケの言うことは気にしなくて良いってばよ。ちょっと虫の居所が悪かっただけだってばよ。」
ナルトの慰めの言葉に、
「私...サスケ君に...嫌われ...ちゃったの...か...な...」
サクラは、涙を流しながら呟いた。
「ナルト...サクラの事は任せるね!」
カカシはさらっとその場を後にした。
集合時間に遅れないためだろう...きっと...
「ああ...ずりぃぞカカシ先生...」
最もナルトはそう受け取らなかったが。
未だ泣き続けるサクラに、ナルトは一つ嘆息すると、ある提案をした。
「サクラちゃん。もしその気があるんだったら、俺たちと修行してみるか?」
「え?」
その提案に驚いてナルトを見るサクラ。
「俺は任務の後、毎日ヒナタと修行をしてるんだってばよ。それに加わる気はないか?」
「で、でも...」
「サスケの言い方はともかく、サクラちゃんが実力不足なのは、間違ってないってばよ?それはサクラちゃんも自覚してるんだろ?」
「.........うん。」
それは、サクラ自身理解していた。どの任務でも、いつも良いところが無かった。
ナルトと...それに対抗しようとするサスケの二人がいれば事足りていたのだ。
「今のサスケは強くなりたいって焦りから、サクラちゃんを気にする余裕が無いんだと思う。少なくとも、サクラちゃん自身が強くなってサスケに一目置かれる位でないと、話にならないってばよ。」
「私に...できるかな?」
不安そうに呟くサクラ。
だがナルトは、それには答えず逆に聞き返した。
「だったら...サスケの事は諦めるのか?」
その問いにサクラは、
「私...私は...諦めたくない。」
サクラの答えに、ナルトは頷くと、
「だったら、まずはやってみることだってばよ。やらないで後悔するのが一番ダメだからな。」
そう言ってニッコリと笑った。
サクラを伴い、ヒナタとの待ち合わせ場所に向かうナルト。
その後ろを、付ける者達がいた。
「ハァ...木の葉丸、モエギにウドンも...何か用か?」
「流石俺の憧れた男。一発で見破るなんてやるなぁコレ...」
(そんな真四角で適度な穴が空いてる岩で擬態してたら忍者じゃなくてもわかるってばよ...)
「それで?用事はなんだってばよ?」
ナルトが改めて理由を聞く。
「今日はヱビス先生が休みだから、またナルト兄ちゃんとヒナタ姉ちゃんの修行を見学したいんだコレ。」
木の葉丸は、ヱビスの個人指導が休みの日は、決まってナルト達の修行を見学していた。
正直三人が見たところで、何をやっているか理解は出来ないだろうが、少なくとも体術に関しては見とり稽古として役にたっていた。
「あんまし構ってやれねぇぞ?今日はもう一人修行に参加するから。」
ナルトはそう言ってサクラを紹介する。
「なんか...怖そうな姉ちゃんだなコレ...」
「ヒナタ姉ちゃんの方が優しそうだよね...」
「なんですってぇ!」
コソコソ話す木の葉丸とウドンの言葉に、落ち込んでいたハズのサクラがキレて追い回す。
「「ギャアアアアアアアア」」
その時、逃げる木の葉丸が誰かの体に当たった。
「痛ぇじゃん...」
今回、逆行したナルトの物語は完結です。他にpixivに幾つか投稿してる作品があるのですが、投稿を希望させるかどうか聞かせて下さい。
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希望しない