第九試合
我愛羅vsロック・リー
リーと相対する我愛羅は、ナルトから頼まれた事を思い出していた。
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「そうだ、我愛羅...お前に頼んでおきたいことがあったんだってばよ。」
精神世界で、ナルトからおおよその話を聞いた我愛羅に、ナルトが突然言い出した。
「頼みだと?...なんだ?それは...言っておくが、いくらお前の頼みでも任務の放棄は出来んぞ?」
「いや...そんなんじゃ無くて...第三の試験...その予選の相手についてなんだってばよ。」
「確か...ロック・リーとか言うやつだったな...」
守鶴から見せられた映像を思い出す我愛羅。
「ソイツがどうかしたのか?」
「ああ...」
ナルトは少し言いにくそうにしながらも、頼みを口にした。
「出来れば、リーが八門遁甲を発動する前に決着を着けて欲しいんだってばよ...」
「なぜだ?」
理由が分からず、説明を求める我愛羅。
「あの技は、使い手の身体を酷使する...いわば禁じ手みたいな技なんだ。最後の八門を使えば使用者は死ぬ...でも、その前の段階でもそれに耐えられるだけの肉体が無ければ、当然身体を壊し、場合によっては...再起不能になるんだってばよ...」
「.........。」
「今のリーは、五門まで開けるみたいだけど...それを使える事と、使いこなせる事はイコールじゃない。実際、前世でのリーは、お前との試合の後、二度と忍として立つことは出来ないと宣告されていたらしいからな。」
「だが、リーは第四次忍界大戦にも参加していたし、その後も現役として戦っていたぞ?」
守鶴の見せた記憶ではそうだった。
「それは、その後に綱手のばあちゃんが火影になるのを了承して、木の葉に戻ってくれたからだってばよ...綱手のばあちゃんは、忍界で最も医療忍術を極めた医療忍術のスペシャリストだ...でも...この今回、俺達の計画が実行された場合...もしかしたら綱手のばあちゃんは、火影の就任要請を断る可能性があるんだよな。」
ナルトは思い出す。初めて会ったときの綱手は、『火影になるヤツはクソだ』と言って頑なに断っていた事を...
そんな綱手が火影になる事を了承したのは、他ならぬナルトが、自身の可能性を示して見せたからだ。
ひた向きに努力を続け、結果を出したナルトが綱手を変えた...
昔、七代目の就任祝いの席で、酔った綱手が口にしていた事だった...
今回、自分はその場にいないかもしれない...
もちろん、他の誰かが綱手を説得できる可能性はあるが、万が一を考えれば、リーの為にも八門遁甲を使わせる訳にはいかなかった...
「わかった...他ならぬお前の頼みだ...確約は出来んが、なんとかその前に決着を着けよう...」
「頼むな?我愛羅...(悪いな...ゲジマユ...)」
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我愛羅が、思い出していたのはほんの数瞬...
そして...
「では、第九回戦...始めてください。」
ハヤテの合図で試合が始まった。
『木の葉旋風!』
試合開始と同時にリーが仕掛ける。
だが、その強力な蹴りは、我愛羅の砂により止められていた。
驚くリーだが、それも一瞬。
連続で攻撃を仕掛け、砂の盾の穴を探す...
だがどれだけ速く動いても、あらゆる方向から攻撃を仕掛けても、まるで攻撃が当たる様子は無かった。
体力の消耗により、息を切らし始めるリー。
そこに、ガイから指示が入った。
「リー、外せー!」
「で、でもガイ先生...それは、大切な人を複数名守る場合の時じゃなければダメだって...」
「構わーん!俺が許す。」
ガイの許可により、リーは足に巻いていた重りを外した。
その重さは、想像を絶する程だった。
「よーし!これでもっと速く動けるぞ!」
重りを外したリーは、確かに速かった。
カカシですら、速いと感じる程に...
当然、下忍では見切れるのは、ネジとナルト位のものだろう。
サスケは写輪眼のおかげで見ることは出来ているが、自分がその動きに対応出来るかと言えば、今は無理だと考えるしかなかった...
実際、重りを外す前のリーに負けているのだ...
少なくとも、今の自分では勝負にならないだろう...
それを認められる位には、今のサスケは精神的に成長していた。
リーに相対する我愛羅は、当然リーの動きを把握出来てはいない...
砂のガードも間に合わず、リーの攻撃が我愛羅にヒットする...ハズだった...
「な!?」
重りを外し、さらに速くなった攻撃にも、我愛羅のオートガードは対応していた。
驚くリー。
確かにリーの攻撃するスピードは、我愛羅の砂のオートガードの守りの早さを超えていた...
だが、実際にガードされている...
それは、我愛羅の砂のオートガード能力に守鶴が協力していたからだ。
リーの攻撃が当たる間際、守鶴は我愛羅の砂に力を与えた。
その力により、砂は今までよりも速く集まり、より正確に、より強固に我愛羅を守った。
「流石だな...守鶴よ...」
我愛羅は、守鶴が力を貸してくれた事に直ぐに気付く。
『ケッ...俺様に地味な役を押し付けやがって...』
「そう言うな...お前のお陰で、砂の制御力も上がっているし、チャクラの心配も無い。本当に助かっている。」
『お前が感謝なんて、気持ち悪ぃ...そんなことよりも、さっさと俺様の力を使いこなせる様になるんだな。俺様の力を制御出来れば、磁遁忍術も使えるようになる。戦いの幅も拡がるハズだ。』
「ああ...だが今は...」
『さっさと、この試合を終わらすぜ。』
「そんな...」
砂の攻撃で吹っ飛ばはれたリーは、そのまま壁に激突した。
なおも、立ち上がろうともがくリーだが、両手足を砂で拘束されてしまう。
「くっ」
もがくリーだが、砂の拘束はなかなか外れない。
それを見たハヤテは、試合続行不可能と判断し、我愛羅の勝利を宣言した。
実際には、八門遁甲...リーの現在の限界である五門まで開けば、その拘束を引き剥がすのは容易だ。そのまま試合の続行は可能だったのだが、その前の試合内容があまりにも一方的であったため、ハヤテは通常よりも早く、判断してしまったのだった。
我愛羅は、ナルトに目を向けると、互いに頷き合った。
(これで良いのだろう?ナルト)
(ありがとな...我愛羅...)
一方、全力を尽くすことも出来ずに負けたリーは、酷く落ち込んでいた。
ガイが、リーを慰める。
その慰め方に、周りは引いていたが...
そして最後の試合となる。
第10試合
チョウジvsドス
原作と変わり無いため、割愛。
全ての試合が消化された。
ヒルゼンから、第三の試験本戦について説明されるナルト達。
さらにくじ引きがなされ、ナルトはいきなりネジと当たることになった。
本戦は一ヶ月後と、話があり解散となる。
解散後、ナルトはヒナタを送っていた。
「ナルト君...もうすぐだね...」
「ああ...あと一月...もうすぐだ...」
何が...とは言わない...二人とも分かっている事だ。
少しの間、無言になる二人...
「私はナルト君と一緒だよ?」
「俺はヒナタを守るってばよ!」
お互い同時に口に出し、そして...互いに笑った。
「ヒナタ...俺はヒナタを愛してる。」
「私も...ナルト君が大好きです。」
二人はお互いに見つめ合うと、どちらからともなく口づけを交わした。
今回、逆行したナルトの物語は完結です。他にpixivに幾つか投稿してる作品があるのですが、投稿を希望させるかどうか聞かせて下さい。
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希望する
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希望しない