逆行したナルトの物語 完結   作:アーク1

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暗躍

ヒナタを送り、一人家路を歩くナルト...

 

と、そこに三人の忍が立ち塞がる。

 

「何の用だってばよ?」

 

ナルトが用件を尋ねる。

 

「化けキツネめ...とうとう正体を現したな?」

 

「中忍試験の戦いを見せてもらった...」

 

「ずっと落ちこぼれを演じ...一体何を企んでいる。」

 

三人の忍は額当てをしておらず、顔をマフラー等で覆っている為、周りから見ればどこの忍かは不明だ...

 

「なるほど...木の葉の連中か...じいちゃん...三代目は、この事を知ってるのか?」

 

ナルトのことを『化けキツネ』と呼ぶのは、木の葉の忍に限られている。

 

特定は容易だった...

 

「ふん...許可など後から得れば良い...」

 

「化けキツネ等を容認する三代目様が奇特なのだ。三代目様は尊敬に値するが、これだけは昔から納得いかなかった。」

 

「お前は、中忍試験の帰りに、他里の忍の襲撃を受けて死ぬ...それで終わりだ...」

 

木の葉の忍達は、各々勝手な事を言って、自分を正当化している。

 

ナルトは一つため息を吐くと、思考を切り換えた...

 

「まあ...アイツに会うのに手土産が出来たと思えば良いか...」

 

その日...木の葉の忍から三名が行方不明となった。

 

それから、少し時間が経って...

火影室...

 

「よ!じいちゃん...」

 

「な、なんじゃ...ナルトか!驚かすでない...」

 

突然ナルトが訪ねてきて驚くヒルゼン。

 

「まあ、あんまし駆け引きなんてしたくねぇから、単刀直入に言うってばよ?今日、中忍試験の帰りに三人の忍の襲撃を受けた。俺を『化けキツネ』って呼んでたから、まず間違いなく木の葉の忍だってばよ?」

 

「なっ...なんじゃと!」

 

ナルトの言葉に驚くヒルゼン。

 

「やっぱり、そいつらの独断だったみてぇだな...」

 

「もちろんじゃ、ワシはそんな指示は出しておらん。」

 

全力で否定するヒルゼン。

 

「まあ、それなら今回の事は大目に見とくってばよ?ただ、そいつら身分とか解るような物を持ってなかったからな...死体はこっちで処理しといたから、行方不明扱いになると思う...そっちの方は頼むな?一応、遺留品の一部は返しておくけど...」

 

そう言って、忍達の所持品の一部をヒルゼンに渡すナルト。

 

「そうか...出来れば遺体も返して欲しいのじゃが...」

 

「いや、もう始末しちまったから無理だってばよ?」

 

なんとか遺体も返して欲しいと頼むヒルゼンだが、そもそも契約を違反しているのは木の葉の方。

 

ナルトに強く出られない為、既に始末してしまったと言われてはどうしようも無かった。

 

「わかった。とりあえず、そちらの方はなんとかしておこう...」

 

「サンキュー、じいちゃん。じゃ、よろしく頼むってばよ。」

 

そう言ったナルトは、次の瞬間には消えていた。

 

どうやら、影分身だったようだ...

 

「ふぅ...困ったのぉ...恐らく中忍試験でのナルトの力を見てしまった試験官の誰かが独断で動いたのじゃろうが...なんとかナルトの印象を変えねば、今後も同じような事件が起こりかねん...そうなれば、犠牲者も増えるじゃろうし...何よりも、ナルトが木の葉を見限ってしまうかも知れん...それだけは何としても阻止せねば...」

 

人柱力とは、休戦時には他里からの侵略に対する抑止力であり、戦時中には最大の戦略兵器でもある。

 

人柱力が抜けると言うことは、里にとって大きな打撃であった。

 

それだけは何としても防がなければならないと、ヒルゼンは対策を考える。

 

しかし、ヒルゼンは知らない...

 

ナルトは当の昔に、木の葉を見限っていることを...

 

今さら何を言ったところで、ナルトの考えは変わらない...

 

木の葉がナルトにしてきた仕打ちは、そこまでナルトに決意させていた事を...

 

一方、本体のナルトはと言うと、仙人モードを使い、ある人間のチャクラを探していた。

 

「見つけた...」

 

ナルトは目当てのチャクラを見つけると、その人間の元へと向かった。

 

 

場所は変わって、木の葉のとある一角...

 

そこでは、大蛇丸がカブトと話をしていた。

 

「カブト...『うずまきナルト』君の情報を、もう一度教えてくれないかしら?」

 

「ナルト君ですか?」

 

何故、ナルトの事を聞くのか、疑問を持つカブトだが、言われた通り情報を伝える。

 

「ナルト君は、アカデミーで典型的な落ちこぼれだったようです。現在の班員と同じ年齢ですが、アカデミーには三期早く入学しています。」

 

「授業態度は悪く、イタズラ好きで、お調子者...卒業試験には三回連続で落ちてますが...今期は、ミズキの事件を『海野イルカ』と共同で解決。その功により卒業できたようです。」

 

「アカデミー時代の成績は、座学はダントツのビリ。忍術も不得意。体術はそこそこと言った感じですかね。総合では万年ドベ...卒業後は、別段変わった任務はこなしていません...ほとんどがDランクと...Cランクを一つこなしています。」

 

「これがナルト君の情報になりますが、ナルト君がどうかされたのですか?」

 

ナルトの情報を伝えたカブトだったが、何故大蛇丸がナルトを気にするのか理解できず、逆に大蛇丸に聞き返した。

 

「そうね...その子...私より強いわよ?」

 

「はっ?」

 

大蛇丸が言った言葉を、一瞬理解できなかったカブトは、思わず間の抜けた声をあげてしまう。

 

「第二の試験で、彼と戦う機会があったのよ...まあ、サスケ君と同じ班だから当然なんだけど...見事に返り討ちにあったわ...お陰でサスケ君に呪印を施せなかったし...」

 

「まさか!」

 

今度はしっかり理解した。だが、驚きの方が勝る。

 

伝説の三忍の一人...大蛇丸より強いアカデミーを卒業したばかりの下忍...まるで、冗談のような存在だ...

 

『うちはイタチ』のように、大蛇丸をして勝てないと言わしめる存在がいることは理解するが、それとてその才能を持ち、多くの戦闘を経験したからこそ、大蛇丸より強くなれたのだ...

 

イタチがナルト位の時から、大蛇丸を超える程の力があったとは、到底思えない。

 

「カブト...貴方はもう一度、ナルト君について調べ直して頂戴...あれは、この後の計画の邪魔になるかもしれないわ...」

 

「わかりました...」

 

大蛇丸の指示を受けたカブトは、早速ナルトを調べるためにその場を後にした。

 

一人になった大蛇丸...

その時、自分の後ろに気配を感じた...

 

「あら...今、ちょうど貴方の話をしていた所よ?...ナルト君...」

 

「流石だな...気配は消してたつもりだったけど...」

 

ナルトが、探していたのは大蛇丸だった...

 

「ふふ...嘘おっしゃいな...あれだけ強い気配を放っていたら、バカでも気付くわよ...」

 

「まあ、良いってばよ。それより、用件に入らせてもらえっか?」

 

ナルトは、そこには言及せずさっさと、本題に入った。

 

「良いでしょう...」

 

大蛇丸は警戒をしながらも、ナルトの話を聞くことにした。

 

「っとその前に、まずは土産があるんだってばよ...受け取ってくれ。」

 

そう言ってナルトが差し出した物に困惑する大蛇丸。

 

「これは?」

 

「これから、お前が行おうとしてる計画に必要だろ?」

 

ナルトが大蛇丸に差し出したのは、ナルトを襲撃した三人の忍たちだった。どうやら気を失っているようだ。

 

「...ふふっ...そういう事...ナルト君...貴方は時を逆行したのね?」

 

たったそれだけの事で、大蛇丸はナルトの事情を理解した。

 

「どうして、そう思うんだってばよ...」

 

「まず、貴方の戦闘力...あれは、異常だわ...どれだけ才能があっても、経験が無ければ成長は無い...でも、貴方の動きはかなり戦闘経験のある忍の動き...とてもアカデミーを卒業したばかりのルーキーが出来るものではないわ...そして、私のこれからの計画を知っていた...まあ、うちの里か、もしくは砂に裏切り者がいれば別だけど...決定的なのは、あなたは私が穢土転生をしようとしている事を知っていた事ね。何を召喚するつもりなのかもね...このお土産は、そのための器に使えということなのでしょう?」

 

「それに、時を渡る術は、幻とは言え時空間忍術の一種として記されているのだからね...」

 

大蛇丸は、そう言って笑う。

 

「当たりだ。俺は今から20年以上先の世界から、魂だけ戻ってきた存在だってばよ。」

 

大蛇丸の推測を肯定するナルト。

 

「それで?何をしに私の所に来たのかしら?わざわざ手土産まで用意して...」

 

大蛇丸の問いに、ナルトは薄く笑う。

 

「ちょっと提案があってな...」

 

「提案?どんな提案かしら...」

 

ナルトの言葉に動じる事なく、大蛇丸は先を促す。

 

「木の葉崩しは、結局中途半端に終わるってばよ...三代目のじいちゃんは命を落とすが、じいちゃんの命をかけた死鬼封尽で、おまえは腕を封じられて術の行使が出来なくなる...」

 

それを聞いた大蛇丸は、実に嫌そうな顔をした。大蛇丸にとって、術とは忍である自分の存在意義そのもの。それが使えなくなると言われれば、当然だろう。

 

「だから、木の葉崩しは止めろと言うつもりかしら?」

 

「いや...実は木の葉崩しの時、お前は四代目の召喚に失敗してるみたいなんだが...俺は四代目に用があってな...俺の参戦の許可と、四代目の召喚を頼みたいんだってばよ...」

 

「四代目...貴方のお父様ね...何故、私は失敗したのかしら...」

 

ナルトの話を聞いた大蛇丸は、失敗した理由を考える。

 

すると、ナルトが大蛇丸にあるものを投げて寄越した。

 

それは、うずまき一族の能面堂にあった死神の面。

 

ナルトは契約の条件にある、ナルトの願いを三回のみ聞くと言う条件を使い、うずまき一族の能面堂一帯の土地を貰っていた。

 

「これは?」

 

ナルトの寄越した面の意味が解らない大蛇丸...

 

「死鬼封尽に封印された者を解放するのに必要なものだってばよ。」

 

その言葉で、四代目の魂が死鬼封尽により、死神に封印されていることを知る大蛇丸。

 

ナルトは、穢土転生については、それなりに詳しかった。

 

死んだ人間を自分の手駒として操り、しかも、召喚された人間は無限のチャクラと再生能力を持った兵器となる。

 

そんな非道で恐ろしい術を放置しておく訳にはいかなかった為、カブトを木の葉で受け入れる条件として、穢土転生の詳細な情報を得ていた。

 

「なるほどね...貴方は四代目に用があるから、穢土転生を使える私に接触したって訳ね...」

 

ナルトの目的を知った大蛇丸は、薄ら笑いを浮かべた。

 

「でも、私が素直に貴方の言うことを聞くと思う?」

 

大蛇丸は、ナルトを挑発する。

 

「お前は、必ず四代目を呼ぼうとするってばよ...」

 

だが、その挑発に乗ることはなく断言するナルト。

 

「あら...どうしてかしら?」

 

「俺が、木の葉崩しの結末を言ったからな...」

 

「......。」

 

「お前は、木の葉崩しという事件を起こすことが、目的じゃない...誰もしたことがないこと、予測できないことがしたいだけだってばよ...」

 

「俺から結果を聞いてしまったお前は、同じ事をしたいとは、到底考えない...持てる戦力を増やし、改変を図る...違うか?」

 

ナルトはそう問いかけた。

 

「フフ...私の事も良く調べている事...正解よ...術を封じられるのも、もちろん嫌だけれど...それよりも、結果がわかっている事をするのは、なによりも苦痛で仕方がないわ...良いでしょう。貴方の提案に乗ってあげるわ。」

 

大蛇丸は、ナルトの提案に乗ることにした。

自らの楽しみのため、その場にナルトが参戦すること、四代目を召喚することを了承した。 

 

「この三体の遺体と、死神の面、そして情報の対価としては十分だしね...貴方と言うイレギュラーが、どんな改変を起こすことになるのか...楽しませてもらいましょうか...」

 

二人はお互いに笑い、そして別れた。

 

ナルトがこの世界に来て数ヵ月...

 

ナルトの前世の歴史から、世界は大きく変わろうとしていた...

今回、逆行したナルトの物語は完結です。他にpixivに幾つか投稿してる作品があるのですが、投稿を希望させるかどうか聞かせて下さい。

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