ナルトがハゴロモとの邂逅を果たしていた頃...
サスケを追跡する命を受けた分身ナルト、ヒナタ、シカマル、サクラの四人...
「ナルト君...こっちにも追っ手が来てるみたい。」
白眼で、追跡者の存在を確認したヒナタがナルトに報告する。
「ああ...結構な数だってばよ...」
ナルトも仙人モードで探知をしていた為、特に驚きはない。
「どうするの?ナルト...」
サクラが不安そうにナルトに聞いた。
「.........。」
ナルトは暫し考える。
サスケを探知するために、自分が残るわけにはいかない。
かといって、サクラはまだ力不足...
ヒナタには九喇嘛の力を渡しているとは言え、敵の力が不明な以上、不安が残る。
シカマルは、足止めには向いているが、決定力が無かった。
前世においては、シカマルが残り危ないところをアスマに救われたとの事だったが、今回も同じ様に助けられるとは限らない...
(どうする...向こうは我愛羅が上手くやってくれると信じて、全員で当たるか?)
ナルトが考えていると...
「俺が残る...」
シカマルが、自分から残る事を提案した。
「シカマル?」
シカマルの目は、普段のシカマルからは考えられない強い意思を持っていた。
「わかった。頼むってばよ。」
その目をみたナルトは、何も聞かずシカマルに任せることにした。
「その代わり約束してくれってばよ...絶対に生き残るって...」
だが、これだけはどうしても言っておきたかった。
「ああ...こんな所で死ぬ気はねぇよ...生き恥を晒してでも生き残ってやる...」
ナルトの目を見て、強く誓うシカマル。
ナルトは、ヒナタとサクラに頷くとシカマルを残して先に進んだ。
「ナルト...本当に良かったの?」
サクラが不安そうな声で、ナルトに聞いた。
「ああ...きっと...これが最善の手だってばよ。(シカマルには、今日木の葉崩しがあることを伝えてあった。きっと何か対策を取ってるハズだってばよ...信じてるからな...シカマル...)」
シカマルを信じ、先に進むナルト達...
と、その時ヒナタに異変が起こる。
「あ...」
ヒナタの意識が、急に無くなったのだ。
「ヒナタ!」
慌てて抱き抱えるナルト。
「一体何があったの?」
サクラも心配そうに見る。
「!?...これは...」
ヒナタから、六道の力を感じたナルト...
「ヒナタは、大丈夫だ...じきに目を覚ますってばよ。」
「本当に大丈夫なの?」
サクラは更に尋ねる。
「大丈夫だってばよ...それよりも、早くサスケに追い付かねぇと...ヒナタは、このまま抱き抱えて先に進む...。時間稼ぎをしてくれてるシカマルの為にも、俺達は前に進まなきゃならねぇってばよ...」
その言葉に、現状を思い出したサクラは無言で頷いた。
一方、その頃ヒナタの意識はハゴロモの元にあった。
「ここは...ナルト君やサクラさんはどこ?」
突然景色が代わり、ナルトもサクラも姿が見えなくなったことに混乱するヒナタ。
「落ち着け、ヒナタよ...ここはお主の精神世界だ。」
「誰?何故、私の名前を...」
突然話しかけられ、警戒しながらその人物を探るヒナタ。
「ふむ...この状況での質問としては的確ではあるが...まずはワシの話を聞いてもらう。ワシの名はハゴロモ...お主達に分かりやすく言うなら、六道仙人と呼ばれているものだ。」
その名に聞き覚えがあったヒナタは、驚きながら確認する。
「六道仙人!?それって...未来でナルト君を助けて、この時代に送ってくれたって言う、忍の開祖の六道仙人ですか?」
「ほう...ナルトから話を聞いているようだな...それなら話は早い。ワシは、その六道仙人で間違いない。」
「そうですか...でも、そんな方が私に何の用があって呼んだのですか?」
ここに自分を呼んだのは、目の前の六道仙人で間違いないようだ。
だが、それなら何故自分を呼んだのか...理由が解らなかった。
「うむ...ナルトと違って話が早くて助かるのぉ。まず確認だが、ナルトからワシの事をどこまで聞いておる?」
「えっと...確か第4次忍界大戦の時に、うちはマダラに対抗する為に、ナルト君とサスケ君に力を貸してくれた忍の開祖で、その目的は心を無くしてしまい世界の破壊者になりかねない、カグヤ...自分の母親を封印してもらうことだった...って...」
ヒナタは、ナルトから聞いていた話を思い出しながら、ハゴロモに答える。
「ふむ...まあ概ね合ってはおるな...それに関しては後で説明するとして、お主を呼んだ理由だが...ナルトから推薦されたのだ...この時代で...ワシの力を託すに足る人物として...お主をな...」
「ナルト君が?それって、私が六道仙人の力を受け継ぐって事ですよね...その...サスケ君じゃなくて、私で大丈夫なのでしょうか...」
ナルトの事は信じているが、それでも自分がそんな大きな力を扱えるだろうか...不安になるヒナタ。
「それを確かめる為に、こうして会いに来たのだ。もちろん、『適正』を言うならサスケの方がはるかに高い。もともと、この力はワシの息子であるインドラとアシュラ...その転生者に渡すように調整してあるからな。」
「ナルトやサスケは、この力を授ければその時点で、この力の使い方を理解し、使いこなすことが出来る。もちろん、お主に適正が無いとなれば、ナルトに陰と陽...二つの力を託す事も可能じゃ。」
「やっぱりそうですか...それなら...」
ヒナタが、やはり辞退しようと声をあげようとするが、ハゴロモはそれを遮り続ける。
「じゃが、それでもナルトはお主を推した。ワシの力を渡すに足るとな。」
「ナルト君...」
ナルトは、こんな自分を信じてくれている...
自分自身は、自分の事をいまだに信じきれていないと言うのに...
それでも、ナルトが信じてくれているなら...
(信じてみよう...ナルト君が信じる私を...)
ヒナタの目が変わったのを見届けたハゴロモは、一つ頷くと、
「それでは、これからお主の適正を調べる。ワシの手の上に、自分の手を合わせなさい。」
そう言って、掌をヒナタに向ける。
ヒナタは、頷くとその手に自分の手を合わせた。
ハゴロモは、目を瞑りヒナタのチャクラを感じる...
「これは...まさか!...そうか...そう言うことか...ふっはははははは...」
その時、ハゴロモは予想外の事に驚き、次に納得すると笑い出した。
「あの...」
ヒナタは、突然笑い出したハゴロモに困惑する。
「それで、六道仙人様...私は適正があったのでしょうか?」
ヒナタは、勇気を出してハゴロモに尋ねる。
「む?スマンな...少々予想外の事に驚き、取り乱してしまったようだ...。」
平静を取り戻したハゴロモは、ヒナタの質問に答えた。
「お主の適正は驚くほどに高い。或いはナルトやサスケを超えるかも知れぬ程にな...」
「え!?」
その評価に今度はヒナタが驚いた。
「もちろん、ナルト達の様に直ぐにこの力を使いこなす事は出来まい...そう言う意味ではあの二人より適正は低いのだが...」
「それなら、一体...」
「お主はな...ワシの弟...ハムラのチャクラを色濃く受け継いでいるようだ...」
「六道仙人様の...弟...ですか?」
「弟のハムラは、ワシの輪廻眼と対をなす、転生眼を開眼させた者じゃ...お主が生まれ持つ白眼...それにワシの力を授ければ...或いはお主も、転生眼を得るかも知れぬな...」
「ワシが授ける力...それはナルト達に授けてもそのまま使えるようになるだけだが...お主はそれを変化し別の力へと昇華させることが出来るやも知れぬ...そう言う意味で、お主はあの二人を超える適正があるとも言える...」
「私が...」
ハゴロモの言葉に呆然とするヒナタ。
「さて...お主の適正は充分過ぎる位だとわかった...後は、お主次第じゃ...ワシの力を受け継ぐ意思はあるかの?」
ハゴロモが、ヒナタに改めて問う。
「私は...」
言葉に詰まりそうになるヒナタ...
それでも...
(私はナルト君と、同じ歩幅で歩きたい...ナルト君を支えたい...だから...)
「はい...六道仙人様の力...私に授けて下さい。」
ナルトのため...そして自分の為に、受け継ぐ覚悟を決めた。
その目を見たハゴロモは、フッと笑う。
「そうか...陰陽道において、お主にこれから託す陰の力とは月を表す。そしてナルトに託すのは陽の力...これは太陽を表す。...知っておるか?月の輝きは、太陽の光を受けて輝いているのだと...」
「ヒナタ...
「ヒナタよ...ナルトは、これからも命懸けでお主を守るだろう...あやつはそう言う男だ...お主はそんなナルトを支え、癒してやって欲しい。お主らが笑って暮らせる世界...それがこの世界にとっても、幸せになると願っている。」
ハゴロモはそう言って、ヒナタに力を託した。
「はい。ナルト君は、私が支えていきます。六道仙人様...どうか見ていて下さい。」
ヒナタはそう言ってハゴロモに誓いをたてると、意識を現実へと戻すのだった。
今回、逆行したナルトの物語は完結です。他にpixivに幾つか投稿してる作品があるのですが、投稿を希望させるかどうか聞かせて下さい。
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希望する
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希望しない