逆行したナルトの物語 完結   作:アーク1

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終結

「俺の負けだな...」

 

素直に負けを認めた我愛羅...

 

それを確認したナルトは、我愛羅の首に向けていたクナイを納める。

 

「ナルト君!」

 

その時、ナルトたちの元にテマリを背負ったヒナタが姿を見せた。

 

「テマリ!?」

 

全く動く気配を見せないテマリを心配する我愛羅。

 

「あ、大丈夫だよ?我愛羅君。休止の点穴を突いて気絶させただけだから...ただ...今日一日は、目を覚まさないと思うけど。」

 

テマリを降ろしたヒナタは、慌てて、テマリの状態を説明する。

 

「そ...そうなのか?...すまない...気を使わせたようだな...それで...」

 

「あ...こうして話すのは初めてだよね...」

 

「ああ...どうやら、お前もナルトの事情を知る者のようだな...」

 

「うん。」

 

頷くヒナタ。

 

「我愛羅には、改めて紹介しておく。この子は日向ヒナタ...そして、俺の未来の嫁さんだ。」

 

そのヒナタの肩に手を乗せたナルトが、後を続ける。

 

「ナ、ナルト君!」

 

その説明に真っ赤になって俯くヒナタ。

 

実際、この歳でそんな紹介をされたら恥ずかしいだろう...

 

だが、未来の記憶を見ている我愛羅は、特に気にした様子は無い。

 

せいぜい、そう言えば...と思い出す程度だった。

 

「お前の計画に、この女は噛んでいるのか?」

 

「勿論だってばよ。むしろ、俺にとってはヒナタの為の計画だからな。」

 

「そうか...」

 

その時...

 

「我愛羅...テマリ...大丈夫か!」

 

カンクロウが猛スピードで駆けつけると、我愛羅とテマリを庇うように後ろにやった。

 

「カンクロウ...もう戦いは終わりだ...テマリも気を失っているだけで無事だ。」

 

「え?そ、そうなのか?」

 

ナルトとヒナタを見るカンクロウ...

ナルト達から敵意は伝わって来なかった...

 

「フゥ...無事で良かったじゃん...」

 

ようやく落ち着いたカンクロウ。

 

「カンクロウ...テマリを背負ってくれ。」

 

「あ、ああ...でも、そんな隙を見せたら、コイツらが襲ってくるかも知れないじゃん?」

 

まだ、ナルト達を信用していないカンクロウは、警戒するように言った。

 

「コイツらが、その気ならとっくに俺たちは死んでいるさ...俺はナルトに完敗したし、テマリにしても、いつでも殺すチャンスはあったのだからな...」

 

「まさか!」

 

てっきり、我愛羅が力を見せて場を収めたとばかり思っていたカンクロウは、盛大に驚いた。

 

我愛羅は、そんなカンクロウを華麗にスルーすると、ナルトに向き直り告げる。

 

「ナルト...俺たちは、一度砂に戻る。これからの事をカンクロウやテマリと相談してみるつもりだ。」

 

ナルトは、我愛羅の言葉に頷くと、

 

「わかった...じっくり話して...ちゃんと方針を決めたら、守鶴を通して連絡してくれ。今の俺なら、守鶴を通して会話が出来るからな。」

 

そう言って、我愛羅の意思を尊重した。

 

「ああ...その時は頼む。カンクロウ...いつまで呆けている...行くぞ?」

 

「ちょっ...待つじゃん?これでも、俺...結構あちこちガタが来てるんだって...」

 

「急がねば、他の木の葉の連中が来るかも知れないんだ...もたもたしてる暇はない。ナルトは見逃してくれても、他の木の葉の連中が見逃してくれる保証など無いんだぞ?」

 

「わ、わかってるじゃん...」

 

我愛羅の言葉に押され渋々頷くカンクロウはテマリを背負う。

それを見た我愛羅は、先に立って走り出した。

遠ざかる我愛羅たち...

 

「ナルト...」

 

それと、入れ替わるようにサクラと、サクラに肩を貸されながらサスケが近づいてくる。

 

「よお。サスケ...無事で良かったってばよ...」

 

「...まあな...」

 

ナルトの言葉に一瞬悔しそうな表情を見せるサスケ。

 

ゲンマに言われて我愛羅を追ったサスケ。

 

しかし、結局自分の力では我愛羅には敵わず、ナルトに全てを任せることになった...

 

いつまで経っても、自分はナルトには追い付けないのか...

これでは、イタチを超える事など...

 

そんな暗い感情がサスケを支配する。

 

だが、その考えを振り払うサスケ。

 

今は、他に聞くべきことがある...

 

「ナルト...お前は...お前の身体には、九尾が封印されているんだな?」

 

「...ああ...」

 

「ナルト...その...大丈夫なのよね?...ナルトは木の葉を襲ったりしないわよね?」

 

サクラは、震えている...

ナルトが...正確にはナルトの中の九尾が恐ろしかったのだ。

 

あんな巨大な狐が、自分たちに牙を向けたら、一溜まりもないだろう事は、想像に難くない。

 

「サクラ...ナルトはそんな事しないだろ...やるならとっくにやってるハズだ。木の葉がナルトにしてきたことを思えば...な...これが理由だったんだな。」

 

「ああ...そうだってばよ...」

 

そして、ナルトは語り出す。

教科書には載らない...木の葉隠れの里が秘匿した事件の全容を...

 

突如、現れた九尾...

しかし、それはもともと木の葉が所有していた尾獣であった。

 

その人柱力たるナルトの母...うずまきクシナは、出産の折り封印が弱まってしまう。

 

そこを突かれて、うちはマダラを名乗る仮面の男がクシナから九尾を解放...そして操り、里を襲わせた...

 

うずまきクシナの伴侶...つまり、ナルトの父親である四代目火影...波風ミナトは、ナルトを庇い命を落とす寸前に、九尾を半分に分けその半分を生まれたばかりのナルトに封印した...

 

ヒナタは、六道仙人から全てを見せて貰っていたため、驚きこそ無いが悲しかった。

 

ナルトを命懸けで救いながらも、ナルトに過酷な運命を背負わせたミナト...

 

他にやり方は無かったのかと、どうしても思ってしまう。

 

サクラは、ナルトが四代目の息子であることに驚いたが、ナルトが生まれてすぐに両親を亡くしている事に今更ながらに気付き、涙を流す。

自分は、なんて心無い言葉をナルトに言ってきたのだろう...後悔していた。

 

「.........そこだけ聞くと、お前が疎まれる理由が無いように思えるんだが...」

 

サスケはナルトが迫害を受ける理由がイマイチ理解出来なかった...

 

今の話を聞く限り、ナルトが迫害される理由が思い付かなかった...

 

むしろ里のために自らの身体を提供した、ある意味人身御供のような真似をしているのだ...

 

普通であれば、ナルトが称賛される事はあっても、迫害されるはずが無かった...

 

「そこは、俺にもわかんねぇってばよ...憶測で良いなら...一度封印が解けた事で、また封印が解けて自分達を襲うんじゃねえかと、疑心暗鬼になったとか考えられる事はあるんだけど...多分、里の上層部の方で俺と九喇嘛...九尾を同一視するような情報を流してたんじゃねぇかって思うんだってばよ。なにしろ、里の人達は俺を見て化け物とか、化け狐とか言ってたからな...」

 

「な...なんでそんな事するのよ!」

 

ナルトの言葉に驚くサクラ...

 

「さあな...まあ、これも幾つか考えられる事はあるけども...結局全て憶測だってばよ...重要なのは、里の人間が俺を疎んでいるって事だけだ...」

 

「あ...でも、今回火影様を助けたんだし、里も救ったんだから、ナルトを見る目も変わるんじゃない?」

 

サクラは、楽観的にそう言うが、

 

「さて...どうだろうな...」

 

ナルトは、そう言って試験場の方に顔を向ける。

 

「とりあえず戻るってばよ...なんにしても任務の報告をしなきゃならねぇし...」

 

「?...う、うん...」

 

いまいち、腑に落ちない顔をしながらも、言ってることは正論なので頷くサクラ...

 

ナルトは、ヒナタ、サクラ、サスケを伴って試験場に向かった。

 

ザワ...ザワ...ザワ...

 

試験場は、未だ騒然としていた...

 

しかし...

 

「!?」

 

ナルトが試験場に入ると、静寂が辺りを支配する...

 

辺りを見渡すと、シカマルを発見するナルト。

アスマが、連れ帰っていたようだ...

 

「おお...よく戻ったのぉ...ナルト。」

 

そんな中、ヒルゼンがナルトを、歓迎した。

 

「じいちゃん...これで木の葉崩しは全て終結したってばよ。」

 

「おお...そうか...ナルト...よくやったのぉ。」

 

ヒルゼンはナルトを手放しに褒める。

 

「.........。」

 

ナルトの反応は無かった。

 

ヒルゼンは、構わずに続ける。

次に、ヒルゼンは会場の全てに聞こえるように大声で、

 

「木の葉隠れの下忍...うずまきナルト...この大事件を収め、ワシを救出ならびに里を救った功績を称え、お前を表彰したいと思う。」

 

そう宣言するのだった。

 

今回、逆行したナルトの物語は完結です。他にpixivに幾つか投稿してる作品があるのですが、投稿を希望させるかどうか聞かせて下さい。

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