逆行したナルトの物語 完結   作:アーク1

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それぞれの決意

ヒナタとヒアシが和解して翌日の話...

 

ヒナタは、ヒアシに許可を貰った事を報告しようとナルトの元へと向かっていた。

 

現在、ナルトはアパートに住んではいない。

 

何故なら、ナルトの力を木の葉のほとんどの人間が、知ってしまったからだ。

 

ナルトに恐怖を抱いた木の葉の人々は、ナルトを見ればすぐに逃げ出してしまう...

 

そんな状況では、買い物すら満足に行う事ができない...

 

ナルトは、やむを得ず死の森への立ち入り許可を取り、そこで生活することにした。

 

ここは、危険な生物こそいるが、食べ物には困らず、肝心の危険な生物も、ナルトが有する強大なチャクラを感じとり、自分から近付こうとする者などいなかった。

 

ナルトにとっては、それなりに過ごしやすい環境だったのだ。

 

ちなみに、ナルトの昇格の話は見送られることになった。

当然だろう。これから里を抜けると宣言している人間を昇格させるなど、常識的にありえない。

 

もちろん、ナルトも気にしていなかった。

 

ヒナタは、そのナルトに会うため死の森へと足を踏み入れていた。

 

普通なら、広大な死の森でナルトを探すのは難しいだろう。

 

しかし、ヒナタの歩みに迷いはない...

真っ直ぐにナルトのいる場所へと向かっていた...

 

それは、ナルトとヒナタが六道の力で繋がっているため...

二人はお互いのチャクラを感じとることが出来る...

 

まだ、サスケのように輪廻眼による時空間移動は行えないため、徒歩での移動ではあるが...

 

「ナルト君!」

 

「お!ヒナタか?」

 

ナルトは、ちょうど修行を終えて、寝倉にしている洞窟へと向かっているところだった。

 

「お弁当持ってきたよ。」

 

「サンキュー、ヒナタ...」

 

二人は、連れ立ってナルトの寝倉へと向かう。

 

そこで仲睦まじく、一緒にお弁当を食べながら、昨日の話をしていた。

 

「そっか...ヒアシさんが...良かったな...ヒナタ...」

 

「うん。これで、私はいつでもナルト君と一緒に行けるよ?」

 

ヒナタは嬉しそうに話した。

 

「そうだな。ただ...三代目が辞任したみたいでな...すぐに出るのは難しいみたいだってばよ。」

 

「うん...お父さんも、そう言ってたよ。私はそれまでの間、お父さんに稽古を付けて貰うことになったんだ。」

 

「そっか...頑張れよ...ヒナタ。」

 

(そもそも、お義父さんは結構家族想いな人だったからな...色々誤解されがちだけど...仲直り出来て良かったってばよ。)

 

「.........。」

 

「どうしたの?ナルト君...」

 

突然黙りこんだナルトに、ヒナタが心配そうに声をかける。

 

「いや...折角仲直り出来たのに、二人を俺の都合で離ればなれにしちまうって考えたら...な...」

 

「...ナルト君が気にすることはないよ...何も、二度と会えないって決まった訳じゃないし...お父さんは、ちゃんと納得してくれたよ。それに...」

 

「それに?」

 

「お父さん...ナルト君に会って話がしてみたいって言ってくれたんだよ?」

 

ヒナタは笑いながら言った。

 

「そっか...わかった。俺はいつでも大丈夫だからヒアシさんの都合に合わせて、近い内に伺わせて貰うって伝えといて貰えるか?」

 

「うん。」

 

話が一段落した所で...

 

ナルトは、外の方に視線を向ける。

 

「さて...そろそろ出てきたらどうだ?」

 

ビクッ...

 

「来ないなら...こっちから行くってばよ?」

 

ナルトが立ち上がろうとした時...

 

「わああああ...ち、違うわよ...敵じゃないから...私たちよナルト...」

 

出てきたのは、いのを始めナルトの同期の者たちだった。

 

ちなみに、サスケとサクラはいない。

 

ナルトの宣言時...その場に同じ班員としていた二人は、式典が終わるとすぐにナルトに詰め寄った。

 

ナルトは今の状況を説明し、既に木の葉に自分の居場所は無い事を伝えた。

 

それでも納得出来ないサスケは、ナルトに苛立ちをぶつけ、逃げるようにその場から立ち去ってしまう。

 

ナルトは、苦笑するとサクラにサスケの事を頼んだ。

 

サクラは、本当にどうにもならないのか...ナルトに聞きたかったが、それでも頼みを聞いて頷いた。

 

それ以来、二人には会っていない。まだ、式典からそれほど時間が経ったわけでもない。

 

サスケもサクラも、まだ己の感情に整理をつけられないのだろう。

 

そんな事を考えていると、訪問者の一人...犬塚キバが突っ込んで来た。

 

「ナルトォ!てめぇ...なんなんだ、あの宣言は...問い質そうとしても、お前はアパートにはいねぇし、他のやつらも知らねぇ。俺ら同期でお前を探してたら、ヒナタが一人来ねぇと思ったら、いのが怪しいって騒ぎ出して、後を付ける事になって...」

 

「キバ...ちょっと落ち着けってばよ。」

 

興奮して捲し立てるキバを宥めつつ、イノに説明を求める。

 

「つまりね...あんたの宣言に、納得してなかった私たちは、あんたを探してた訳。サクラとサスケ君も誘ったんだけど、断られて他の同期で探してたんだけど...」

 

「ヒナタまで、断ってきてね...あのヒナタが断るなんておかしいと思ったのよ。そしたら、たまたま出掛けたヒナタを見つけてね...しかも行き先が死の森...これは怪しいと思った私たちは後を付けたって訳。」

 

いのの説明を聞き、次にシカマルを見ると...

 

「ま...概ねその通りだな...俺はいのに強引に連れ出されただけだけど...」

 

「なによ!シカマル...あんただって、アカデミーではナルトとそれなりに仲良かったんだし、気になってたでしょ?」

 

二人のやり取りを聞きながら、改めて皆を見るナルト。

 

「取り敢えず...皆俺の為に集まってくれたって事か...ありがとな。」

 

「そんなことより、あの宣言はどういうことなのか説明しろナルト!」

 

ナルトの感謝の言葉に、照れ隠しなのか大声で捲し立てるキバ...

 

「あ、あとヒナタとの関係も知りたいわね。」

 

便乗するようにいのも聞いた。

二人の仲睦まじい姿を目撃していたのだ。

 

それは気になるだろう。

 

ナルトは、逆行した事を除き全てを語った。

九尾の事件から今までの事を。

 

それを聞いた一同は、自分の故郷である木の葉の有り様に、憤りを感じた。

 

ナルトは、こんな目にあってきても復讐ではなく、里から出ていく事を選んだ。

 

そんな人間を迫害してきた木の葉が、とても醜い場所に思えてしまう。

 

ナルトの話を聞き...しばし沈黙がその場を支配する。

 

すると、キバが立ち上がり宣言した。

 

「俺は決めたぞナルト!」

 

「キバ?」

 

「俺は火影になる。そんで、木の葉を変えてやる。誰もお前を差別しない...そんな里に...」

 

「キバ...」

 

キバの宣言...それを受けた他の者たちも、自分の心を決めた。

 

「俺も...火影を目指す...何故なら自分の故郷がそんな醜いなど...納得いかないからだ...」

 

「シノ...」

 

「私も...火影を目指す...ナルトがそんな目に遭ってきたなんて...私、知らなかった...同じ木の葉の人間として、そんなの許せない...私たちの誰かが火影になって、木の葉を変える。だから、それまで待ってなさいナルト。」

 

「いのまで...」

 

「僕は、火影にはなれないと思うから、皆のサポートをするよ。皆の誰かが火影になれば、きっとナルトの為になるよね。」

 

「チョウジ...」

 

残りはシカマルのみ...

 

「俺は...」

 

シカマルだけは、迷っていた。

ナルトの事をヒナタを除けば一番理解しているのはシカマルだ。

 

木の葉を変える...確かにそれは必要な事だろう...

 

そのために自分達の誰かが火影になるのは有効な手とも言える。

 

だが、それだけで全てを変えられるとは思えない...

 

「わりぃ...俺にはまだ決断できそうにねぇわ...取り敢えずチョウジと同じように皆のサポートに回るわ...」

 

「皆...俺の為に...本当にありがとうな...」

 

全員の決意を聞いたナルトは、自分のために火影を目指すと言ってくれた仲間たちの言葉に、笑顔で感謝の言葉を述べた。とても綺麗な笑顔だった。

 

「良かったね...ナルト君...」

 

ヒナタも、涙を流しながら喜んだ...

 

六道仙人から、ナルトの記憶を見せて貰ったヒナタは、ナルトがどれだけ苦しんできたか、誰よりも理解していた。

 

だから、今のナルトがどれ程喜んでいるかもわかっていた...

 

「それでナルト...」

 

「ん?」

 

いのがナルトに声をかける。

 

「まだ、肝心なことを聞いてないんだけど...結局ヒナタとはどういう関係なの?」

 

いのにとっては、こっちの方が重要な様だ...

 

「そうだそうだ!」

 

キバが便乗する...

 

「ああ、俺とヒナタはつき合ってるんだってばよ。もちろん、俺の里抜けにも付いてきてくれる事になってる。近々、ヒナタの親父さんに挨拶に行く予定だ。」

 

ナルトは照れもせずに、さらりと口にした...

 

「「「「えええええええええええええええ!」」」」

 

その言葉は、ナルトの真実よりも一同にとって衝撃的だったようだ...

 

そのリアクションを見て、シカマルは一つ嘆息するのだった。

今回、逆行したナルトの物語は完結です。他にpixivに幾つか投稿してる作品があるのですが、投稿を希望させるかどうか聞かせて下さい。

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