逆行したナルトの物語 完結   作:アーク1

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合流

ナルトとヒナタが木の葉から出て、一月が経った。

 

ナルトたちは今、のんびりと観光をしながらあちこちを旅していた。

 

資金は、木の葉からの違約金がある為まだまだ余裕があった。

 

尾獣を内に秘めたナルトと、白眼と言う特異な血継限界を持つヒナタ...

 

木の葉の守りを失った二人は、各里にとって格好の獲物であり、すぐにでも襲撃があるかに思えたが、その旅路は至って平穏であった。

 

拠点を持たず、数日で移動をしてしまうナルトたちを捕捉するのは、なかなかに難しく各里とも、連絡を取っている内に逃がしてしまっていた。

 

もっとも、ナルトやヒナタを所詮は子供と侮っていた事も要因にはあるのだが...

 

ともかく、ナルトとヒナタは平和な日常を満喫していた。

 

そして、現在いる宿場町...

ナルトはヒナタと共に町中を歩いていた。

 

「気付いてるか?ヒナタ...」

 

「うん...宿屋からずっと尾けられてるね...」

 

ナルトたちは、現在尾行を受けていた。

 

「人数は解るか?」

 

仙人モードやチャクラモードを発動すれば感知も正確に出来るナルトだったが、仙人モードは動きながらではなれず、チャクラモードは目立つ...

 

平時の状態では、感知に関してはヒナタの方が上な為、ナルトはヒナタに聞いた。

 

ヒナタは、既に白眼を発動し尾行者を把握していた。

 

「二人だね。大人の男性...と私たち位の子供...」

 

「うーむ...こうもあからさまに気配を出してる所を見ると...大した敵じゃないのか...それともわざと気付かせようとしてるのか...」

 

ナルトが考えていると、

 

「あ、でも大した敵じゃないって言うのは考え辛いかも...二人ともかなり強力なチャクラを持ってる...それこそ上忍クラス並みかも...」

 

ヒナタが補足する。

 

「うーん..相手の動きが読めないってばよ...ちょっと誘い出してみるか...」

 

ナルトはそう言うと、ヒナタを伴い町外れに向かい歩き出した。

 

そして、人気が無くなった頃...

 

「この辺で良いだろ...さて...そろそろ出てきたらどうだ?」

 

ナルトが大声で尾行者に向かって叫ぶ...

 

すると、急に辺りに霧が立ち込める。

 

そして目視がほとんど不可能な程に霧が辺りを覆った頃、ナルト目掛けて尾行者の二人が襲い掛かった。

 

一人は身の丈を超える大剣をナルト目掛けて降り下ろす。

 

『八卦空掌!』

 

その大剣の横っ面目掛けてヒナタが空掌を放つ。

 

その衝撃で狙いがそれた大剣は、ナルトの身体から半歩程ズレた地面を抉る。

 

それと同時にナルトの蹴りが、降り下ろした男の身体に当たり...かけたがその蹴りは、もう一人の少年が作り出した氷の盾によって防がれる。

 

ナルトは、氷の盾を蹴った反動を利用して、距離を取る。

 

「ナルト君!」

 

ヒナタがナルトの横に並んだ。

 

「...挨拶はこの辺で良いだろ?」

 

その時、ナルトが襲撃者に向かって声をかけた。

 

「腕は鈍ってねえようだな...ナルト...」

 

「あれから一年も経ってませんしね...」

 

霧が晴れていき、襲撃者たちの姿があらわになる。

 

その二人は波の国で戦い、のちに協力を約束した再不斬と白であった。

 

「お久しぶりですね、ナルト君。」

 

「全く...相変わらず憎たらしい面だな...ナルト。」

 

二人がそれぞれ、らしい挨拶をする。

 

「ハハ...久しぶりだってばよ。二人とも。元気だったか?」

 

ナルトは、再不斬の憎まれ口はスルーして白と会話を続ける。

 

「はい。ナルト君も相変わらずのようですね。噂は聞いています。とうとう、木の葉を抜けた...と。」

 

「しかも、上層部に認めさせた上で抜けるとはな...上手くやったもんだ...」

 

「まあ、こっちには先の事件を知ってるって有利な状況があったしな...」

 

ナルトは、挨拶もそこそこに本題に入る。

 

「それで?二人とも、まさか偶然ここに来たって訳じゃねえんだろ?」

 

白は一度再不斬を見て頷くと、話し始めた。

 

「もちろんです。実は、僕たちはあれからも幾つか依頼をこなしていたんですが、そこである噂話を聞いたんです。」

 

「木の葉の少年が、ある大きな功績を挙げ、表彰式で里抜けを願ったって...僕たちはすぐに君の事だと気づきました。これは以前あなたが提案した事の始まりなんだと直感した僕たちは、あなたの手助けをするためにここにやって来たって訳です。」

 

「まあ、俺たちの居場所を作るってんだ...他人に全てを任せるなんて、俺のガラじゃねえしな...」

 

白の説明に、再不斬が付け足す。

 

「今度はこっちから良いですか?」

 

白はそう言うとヒナタの方を見て、

 

「この子は誰ですか?」

 

ヒナタについて質問する。

 

「お前のコレか?」

 

再不斬は、ナルトをからかおうとして、小指を立ててニヤケながら指摘する。

 

「その通りだってばよ。こいつは日向ヒナタ。俺の一番大切な人だってばよ。」

 

しかしナルトは照れる事もせず、当たり前の様に答えた為、肩透かしを喰らった再不斬は、仕方なく話を続ける。

 

「『日向』って事は、ソイツは白眼の使い手か?道理であの霧の中で正確に動けた訳だ...まあ、お前が見初める程のヤツなら強くて当然か...」

 

再不斬は先程の戦闘を思い出し、言った。

 

「それは違うってばよ...」

 

しかし、ナルトは再不斬の言葉を否定する。

 

「あぁ!?」

 

思わず威嚇するように睨む再不斬。

 

「俺がヒナタを好きになったのは、ヒナタが強かったからじゃねぇってばよ。俺にとってはヒナタが、強くても弱くても...子供でも大人でも...全然関係無ぇんだ。ただ、ヒナタがヒナタであれば、俺が惚れるには十分だ...」

 

「ちっ...クセェ台詞をぬけぬけと...ベタ惚れじゃねえか...」

 

再不斬が呆れた様に言う。

 

「当然だろ?」

 

ナルトは、この言葉にも当然のことの様に答えた。

 

それから、四人は改めて自己紹介をする。

 

「そう言えば、ここに来る途中、木の葉の噂を聞いたんだが...」

 

再不斬が、その途中で木の葉の話題を口にする。

 

「ん?なんかあったのか?」

 

ナルトが聴くと、白が答える。

 

「なんでも、木の葉の重要な戦力が抜けた事が他里につつ抜けになってるとかで、他里が結構強引に木の葉への依頼を横取りしてるらしいですよ?木の葉も強く言えないみたいで、少しずつですが、住民の暮らしにも影響してきてるそうです。」

 

「ああ...なるほどな。」

 

ナルトは、予想していたのか特に驚いた様子は無かった。

 

「まあ、木の葉の事は、木の葉に任せるとして、折角合流してくれたんだし、これからの事について話をしようってばよ。」

 

ナルトは、そう言うと今後の目的と手段について説明を始めるのだった。

今回、逆行したナルトの物語は完結です。他にpixivに幾つか投稿してる作品があるのですが、投稿を希望させるかどうか聞かせて下さい。

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