「「「「「「おおおおおおおおおお!!!!」」」」」」
戦いが始まった。
互いの戦力が激突する。
「ナルトよ...大蛇丸はワシに任せてくれ。アヤツを殺せなかったワシの甘さ...今度こそ断ち切ってみせる。」
ヒルゼンが自身の決意を告げる。
火影を退陣し、綱手の補佐が一段落したヒルゼンは、木の葉丸の相手をする傍ら、自身の修行をしていた。
木の葉崩しの折りに、自分の力不足を痛感していたのだ。
大蛇丸は、老いを原因としていたが、老いたなら、老いたなりの戦いをすれば良いだけの事...
確かに身体能力は落ちている。身体のあちこちに老いによるガタが来ている。
それは認めよう。だが、それなら最小限の労力で最大の結果を出せる戦い方を見つければ良い。
自分はプロフェッサーとまで呼ばれた男...
使える術は多岐に渡る。戦い方の幅は、膨大だ...
(若い頃が全盛期など、誰が決めた!)
ヒルゼンは、今の自分が若い頃に負けていないと確信していた。
しかし、逸るヒルゼンに待ったをかける人物がいた。
「待ってくれ。三代目...大蛇丸の事は、ワシに任せてもらいてぇのぉ...」
自来也だった。それも当然だ。彼はその生涯の多くを、大蛇丸を止めるために費やしていたのだ。
彼は、忍の...術を覚える才能では大蛇丸程高くはない。
それでも、五行封印を簡単に解除し、時には禁術を扱う程に長けるようになった...全ては大蛇丸を止める為に...
かつて同じ班に所属し、ライバルとして...自身の目標として大蛇丸はいた...
前世のナルトとサスケの関係...それが自来也と大蛇丸の関係に近い。
ナルトが悪に堕ちかけたサスケを最後まで諦めなかったように、自来也もまた大蛇丸を止めることを諦めていなかった。
「それは、ならぬ...自来也よ...ワシはかつての師として、弟子の不始末を正さねばならぬ。」
「だが、三代目は大蛇丸を殺すつもりなのだろぉ?ワシは、あんたにそんなことをさせたくは無いのだ...アヤツを止める...それはかつての宿敵(とも)であるワシの役目だ...」
互いに譲らない両者...
「じいちゃん...今回はエロ仙人に譲ってやってくれ...じいちゃんは木の葉崩しの時に、一度チャンスはあったんだから。」
仕方なくナルトが助け船を出した。
ナルトには、自来也の気持ちが痛いほど理解出来る。
「アヤツを逃がしたのは、ナルト...お前じゃろうが...」
木の葉崩しの折り、ナルトは大蛇丸を見逃した...
その事に文句を言うヒルゼンだったが、
「俺が来るまでに仕留められなかったんだから、チャンスを不意にしたって意味じゃ一緒だろ?」
「ぐっ...」
あの時、劣勢に追い込まれていたのは、確か...
何も言えなくなってしまう。
「大蛇丸の事だから、今回も先代の火影たちを護衛に回してると思う。じいちゃんは、エロ仙人が大蛇丸との戦いに集中できるように、協力してやってくれってばよ。」
「.........仕方ないか...お主はワシらの総大将じゃからな...その命令...拝命するぞ。」
気持ちを切り替えたヒルゼンは、自来也と共に大蛇丸を目指す。
「ナルト...俺はダンゾウを狙う。文句は無いな...」
今度は、サスケがナルトに言った。
「ダメだ...」
間髪入れずにナルトがそれを拒否する。
「なっ!?何でだ...アイツは一族の仇だ。そして俺たち兄弟にあんな運命を背負わせた張本人なんだぞ。」
断られると思っていなかったサスケは、驚きナルトに食って掛かる。
「お前じゃ、ダンゾウには勝てねえってばよ。三代目のじいちゃんからダンゾウの力は聞いた。戦闘力は三代目と良い勝負だったらしい。その上、アイツにはイザナギがある。今のお前に、ダンゾウを何度も殺す実力は無ぇってばよ...」
ナルトはサスケに現実を突きつける。
。
今のサスケの実力はわからないが、少なくとも前世の...第4次忍界大戦時にも及ばないだろうと見ている。
あの頃のサスケは、三忍の大蛇丸に師事し、多くの戦闘技能を身に付けていた。
イタチと同じ黒い炎を操り、スサノオまで使いこなして見せた。
最も、その時...サスケはイタチの眼を移植していたが為に使えていたという事までは、ナルトも知らなかったが...
実際、今のサスケは万華鏡写輪眼は使えない。
それは、万華鏡を得る条件...大事な人を殺す...或いはその覚悟を持つ...その経験が無いからだ。
無論、カカシの元で修行を続けていた。
天才と言われる才能があるサスケだ。当然、通常の写輪眼しかない今のサスケでも、その実力は相当に高い。
ダンゾウに比肩するだけの力はあるだろう...
しかし、それもイザナギと言う術を持つダンゾウが相手では足りない。
自分の死すら超越する術を持つダンゾウを殺すには、互角では足りないのだ。
ダンゾウを圧倒し、術の効力が切れるまで何度でも殺す...それが出来なければ、ダンゾウに勝つことは出来ない。
「くっ...それでも俺は...」
悔しがるサスケ...
「なら、俺がサポートに入ろう...」
そのサスケに助け船を出したのは...
「な!イタチ...どうしてここに...お前と長門は、里での待機を命じていただろ!」
そう、サスケの兄であるイタチだった...
イタチと長門は、戦いに参加できる身体ではない。
綱手の診療で、持ち直しては来たが、そもそもあのままでは、数年と保たずに死んでいた。
今でも、安静が必要な身に変わりはない。
イタチに至っては、その眼を封じる必要があったほどだ。
しかし...
「ナルト...口でどれだけ言っても、コイツは勝手にダンゾウの元に向かう...誰に似たのか相当の頑固者だからな...」
「そんなことより、兄さん...俺のサポートをするって...兄さんは戦える身体じゃ無いだろ。」
イタチの軽口には付き合わず、サスケが慌てたように反論する。
そう...今もまだ、イタチは眼を特別な術法を刻んだ包帯で覆っている。それは写輪眼を封じるもの。
イタチは、過酷な半生に自らの意思で写輪眼のオンオフが出来なくなっていた。
それが、イタチの身体を蝕み、その寿命を極端に減らしていた。
その解決策が、眼そのものの封印。
まだ、若いと言っても良い年齢のイタチだ。
そのまま安静にしてさえいれば、自然治癒力によって失った寿命を少しでも回復できる。
しかし...
「ふっ...ここで負ければ、どのみち生きてはいられん...それに...」
イタチはフッと笑うと、眼を覆っていた包帯に手を掛けた。
「ヤツに借りがあるのは俺も一緒だ!」
イタチがその眼を開く。その強烈な眼光...
その決意を込めた瞳に、サスケはイタチを止めるのは不可能だと感じた。
何よりも、ダンゾウを自分の手で倒したい。その気持ちは理解できた。
二人の会話を聞いたナルトは二人を止める事は諦めた。代わりに、
「わかった...なら、ダンゾウは二人に任せる...正し、約束してくれ...絶対に死なないって。」
ナルトは、それを言うのが精一杯だった。
「ああ...約束は守る。必ず生きて戻る。サスケと共にな...」
イタチは、すぐに頷いた。
「サスケ、お前もだぞ?お前が死んだらサクラちゃんが悲しむってばよ?」
「ああ、わかってるさ。俺は...俺たちは生きて帰る。」
サスケも決意を改たにする。刺し違えても...
イタチが参戦をすると言い出す前は、そう考えていた。
しかし、今は違う。尊敬する兄と、一族の仇をとる。
そして愛する人の元に帰る。
(イタチの参戦は、正解なのかも知れないな。)
そんなサスケを見たナルトは、そう考えた。
「行くぞ、サスケ。」
「ああ。必ずアイツに報いを受けさせてやる。」
二人は、ダンゾウの元へと向かった。
「サスケ君...」
サクラは、そんな二人を心配そうに見送る。
「呆けている場合では無いぞ、サクラ。私たちには私たちの役目がある。」
既に百豪の印を解放している綱手がサクラを叱咤する。
「はい、綱手様。」
綱手の言葉を受けたサクラも百豪の印を解放した。
「良いかサクラ。これから二人でカツユを口寄せする。そして、我らの足場を立っているだけで回復する回復エリアとするのだ。敵はこちらよりも人数が多い上に、痛覚もない...不死身の兵団だ。我らの力がこの戦いの鍵を握ると思え!」
「はい!」
既に戦いは始まっている。白ゼツの兵団にしろ、穢土転生体にしろ、倒すのは普通の忍よりも大きな労力がいる。
こちらも、怪我を自動で治せるほどのイカサマレベルの能力があって初めて対等と呼べる。
戦力において、勝っていても死なない兵団は厄介だった...
苦々しい顔をしながら、綱手は戦況を見守る。
その内の一つを気にかけながら...
(死ぬなよ...自来也...帰ってきたら...格好つけなくしてやる...今度こそ...)
カカシが率いている部隊の所でも戦いが始まっていた。
「ふぅ...死なないってのは...面倒だねぇ...」
白ゼツたちを既に何十人と動けなくしながら、ぼやく。
「ぐぁ...」
そんな時、カカシの部隊の一人が敵に攻撃を受けた。
「大丈夫か!」
「はい...でもアイツ...強い...隊長...気をつけて下さい。」
「ああ...お前の相手は俺だ...」
敵は穢土転生体...服装から見て元暁のメンバーだろう...
カカシは全力で戦う必要があると感じ、額宛を上げる。
しかし、その相手の顔に驚愕した。
「お、お前は...」
カカシとは逆の眼に写輪眼を持った男...
記憶にあるその少年を大人にすれば、こんな感じか...
「オビト...なのか...」
「久しぶりだな...カカシ...」
男が口を開いた。
二人の因縁が交錯する...
今回、逆行したナルトの物語は完結です。他にpixivに幾つか投稿してる作品があるのですが、投稿を希望させるかどうか聞かせて下さい。
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希望する
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希望しない