時間は少し遡る。
異空間へ逃げたカグヤ達を追ってナルトが消えた頃...
「ヒナタ...しっかりして...」
「クソッ!傷口が塞がらん...あの黒ゼツってやつの言う通りなのか?」
サクラと綱手により、ヒナタの懸命な治療が行われていた。
そして、ダンゾウに操られたヒアシは、他の忍たちによって取り押さえられている。
「ヒアシさんへの指示がどの程度かわからん...このまま放置するわけにはいかないな...」
イタチは、一匹のカラスを口寄せした。
そして取り押さえられ、もがいているヒアシに向かわせる。
そのカラスが、ヒアシの目を覗く。
『別天神』
カラスの目に仕込まれていた『うちはシスイ』の目の力が発動した。
ーお前にかけられた全ての幻術を打ち消せー
「別天神による幻術を打ち破るには、同じ別天神を使うしかない...(許せ...シスイ...木の葉を守るために使うよう託された目だが、今ここで使わせてもらった。)」
「私は何を...」
イタチの別天神によって、その効果が打ち消されたヒアシは、呆然と呟く。
別天神によって操作されていた記憶が甦ってくる
「あ...ああ...私は...なんて事を...ヒナタ!」
甦った記憶。
ダンゾウに操られ魔像の封印を解いた。そして、この戦争中には黒ゼツに操られ、ヒナタを不意討ちで気絶させた。
その結果ヒナタは...
自分が操られ、行った行為の結果に、うちひしがれそうになるのを懸命にこらえ、ヒナタのもとへと向かうヒアシ。
「綱手様!ヒナタは...」
「傷が塞がらん...あの黒ゼツってヤツの言う通り、魂そのものに傷がつけられているのかも知れん...その影響が肉体にも影響しているのだとしたら...私たちでは手の施しようがない...」
綱手は苦しそうに答える。
「そんな...っ!?...ヒナタ...私のせいだ...」
思わず膝を付くヒアシ...その顔は後悔に歪んでいた。
自分の目標を見つけ、幸せそうだったヒナタ...
まだまだこれからだというのに...
ヒアシの目からは、いつの間にか涙が溢れていた。
「グォォォォォォォ!」
その時、ナルトがこの空間に戻ってきた。
ナルトは、黒ゼツを捕まえるとその身体を少しずつ消滅させていく。
「嫌だ...死にたくない...死にたくない...」
黒ゼツは、死の恐怖から恐慌状態にあった。
そして...
完全に消滅する黒ゼツ。
敵の大将であるダンゾウと黒ゼツの死により、この戦争は忍連合の勝ち...
本来はそうなるのだが...
「グルァァァァァァァ!!!!!!」
ナルトは、元に戻る事なくいっそう唸り声を上げる。
そのナルトが大きな求道玉を作りだし、近くの山に向かって発射した。
ドォォォォォォォン!!!!
一瞬にして山が消滅してしまった。
その後も、近くの湖や森...辺りの景色を悉く消し飛ばすナルト。
「な...なんでナルトは元に戻らないんだ...」
サスケが独り言のように呟く...
「.........ナルトがああなる前...ナルトが発した言葉を覚えているか?」
イタチはすぐに察したようだ...
ーこんな世界...消えちまえー
「あのナルトにとって、この世界そのものが憎悪の対象なのだろう...もはやこの世の全てを破壊するまで止まることはないだろう...」
「そんな...」
イタチの言葉に、苦しそうな顔をするサスケ。
「いや...まだだ...ナルトは...アイツはまだ完全に憎しみに支配されてしまった訳ではない。」
イタチの言葉に反論するように、立ち上がったのは我愛羅。
「何故そう言える?お前たちもアイツの言葉は聞いていたハズだ。何よりも、お前たちの力を奪ったのは、あのナルトだろう?」
イタチは、しかし冷静に事実を告げる。
「俺たちが生きている。それが証拠だ。お前が言うように、あの時ナルトは俺たちから尾獣チャクラを奪った...俺たち人柱力は尾獣を抜かれれば死ぬ...だがアイツは、完全に尾獣チャクラを奪うことをしなかった...アイツは...ナルトはまだ、あの憎悪の中で抵抗しているのだ。」
我愛羅は、イタチを真っ直ぐに見ながら言った。
「何よりも、ナルトは周りの山や湖を消し飛ばしてるが、俺たちを標的にしていない。まあ、こちらから攻撃すれば別なんだろうがな...」
ウタカタが、後を引き継ぐ。
「だったら、私たちがするべき事は決まっている。...ナルトを取り戻す!」
ユギトが続く。
「ナルトは言ってたッス。自分達は、人柱力だろうと忍だろうと、その前に人間だって。」
フーが言った。
「ナルトは、今、破壊の獣と化している。アイツがワシたちに道を示しめくれたように今度は...」
老紫が言葉を引き継ぎ、
「オレたちがナルトを助ける番だZE!」
最後にビーが言った。
「遅くなって済まぬ。忍連合...ここに集結じゃぜ。」
発言したのはオオノキ。
いつの間にか、他里の忍が集まっていた。
黒ゼツが倒れ、コントロールを失った白ゼツの部隊を退けて、この戦場にたどり着いたのだ。
「どうやら、想定とは違う状況になっているようね。」
戦場の様子を見たメイは、暴れるナルトに目を止め呟いた。
「ふん...戦争で予想外の事が起きるなど、珍しくも無いわい。」
エーは相変わらず憎まれ口を叩く...が...
「だが、今はナルトを止める手立てを考えるべきだな。」
ナルトを止めると言う事には賛同していた。
「なかなか、難しそうじゃん...」
ナルトの巨大なチャクラに冷や汗をカンクロウだったが、他の影たちに反対はしない。
「兄さん...俺もアイツを止めたい...」
皆の意見を聞いたサスケも、自分の意思を告げた。
「俺は、ずっと兄さんを憎んできた...そんな俺を変えてくれたのはアイツなんだ。憎しみに囚われた姿がどれだけ哀れなのか、今のナルトを見ると良くわかる...今度は、俺があいつを助けてやる番なんだ。」
イタチの目をしっかりと見つめ、自らの意見を口にするサスケ。
「ふっ...今のナルトを止めるのは、生半可な力では足りないぞ?」
頑固な所は誰に似たのか...イタチは苦笑しながらも、サスケに頷いた。
「意見は纏まったな。ナルトを取り戻す...行くぞ!皆の者。」
エーが、ナルトの代わりにこの場に集った仲間たちに号令を掛けるのだった。
今回、逆行したナルトの物語は完結です。他にpixivに幾つか投稿してる作品があるのですが、投稿を希望させるかどうか聞かせて下さい。
-
希望する
-
希望しない