ベルの兄は異世界人   作:ごーたろんす

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18階層でロキファミリアとの邂逅です。

黒いゴライアス戦は次回かな?

またユウ君が暴れる模様。


脳筋天然娘、マナイーター、百合エロフ。ロキファミリアろくなのいねぇ!!

ユウ、リューが前衛を組みダンジョンを一気に駆けていた。アスフィとヘルメス以外の面々はユウの強さに言葉を失っていた。

確かに自分でロキファミリアの凶狼と同じくらい強いと言っていたがレベルは2。特に桜花と命は同じレベルなのでそこまで変わらないと思っていた。

ポップするモンスターを縮地を使いサーチアンドデストロイを敢行するユウ。縮地のせいで一瞬消えたと思いきやモンスターが魔石に早変わりするのをみて驚き言葉が出てこない。

 

「相変わらずあなたの縮地はとんでもない技術ですね。それにランクアップして更に強くなってますね。これ私達本当に要らなかったんじゃないでしょうか。」

 

「ばっかだなアスフィ。アスフィと遺憾ながらヘルメスもベルを心配で探しに来たって言えばベルが喜ぶんだから必要だろ!つかヘルメスもいるからなー。こんなんでも一応神だしなんかあったら困るからモンスター片っ端から殲滅してんだよ。そうじゃなきゃこんなに縮地使わないよ」

 

「ユウさん。あなたは本当にレベル2ですか?動きのキレが異常すぎる。下手をしなくても私より実力が上なのでは?」

 

「んーそっすねぇ。ちょうどモンスターもいないですし桜花とミコっちゃんとちーちゃんに少しレクチャーしてやるか。リューさん。神の恩恵を冒険者は等しくもらってるわけですが同じレベルでも優劣はあります。それは何故?」

 

桜花、命、千草も一緒に考える。リューは思いついたのかすぐに答える。

 

「個人個人の資質に合わせて戦い方や得意不得意があるからではないでしょうか?」

 

「そうですね。そもそも神の恩恵ってのはそいつ自身がもってる才能を数値化して神に近づける器を作ること・・だよね?ヘルメス?」

 

ヘルメスは頷く。ヘルメスもヘルメスでユウが何を教えようとしているか気になるので黙って聞く。

 

「ってことは同じレベルで同じような戦闘スタイルの奴らでもそもそもの才能の違いが出るわけだ。はい!ここで戦闘要員の桜花とミコっちゃんに問題!全く同じアビリティで戦闘スタイルも全く同じ人物がいますが2人には実力差があります。それは何故でしょう?」

 

リューさんとアスフィはすぐに質問の意図に気づいたみたいだ。リューさんはジッと俺をみてアスフィはウインクしてくる。アスフィ可愛い。ベルと一緒に抱きしめたい←ブラコンはブレない。

 

「そいつが恩恵を刻まれる前の実力が上乗せされているからか??」

他の2人もコクコクと頷く。

 

 

「あちゃーそっちに行っちゃったか。それも間違いなく正解だよ。でもそれ以前にお前らが思いつかなきゃいけないのは技だよ。身体の動かし方。武器の使い方。お前らの主神は武神と呼ばれるタケミカヅチ様だろ?俺だって他のファミリアじゃなかったら指導受けたいもん。もちろん相手が人型とモンスターは違う。でも技ってのは弱者が強者を倒す為に使うもんだ。でけぇモンスターに技で何もさせずに倒してみろ。それは快感となり、自分の成長が良くわかる。」

 

ユウの言葉はリュー、アスフィには非常に良くわかる。自分達もランクアップする為に、強くなる為にまずやったことはがむしゃらに戦うのではなく技術の向上だったのだ。

一方桜花、命、千草はなるほどと思う。この一件が終わったら今まで以上にタケミカヅチ様にご指導してもらおうと考え、ベルの救出に微力でも力になろうと誓う。

 

「とりあえずこれがレクチャーね。んでその続きだけと俺とベルは村がど田舎で同年代もいなかったのもあるが、ずっと暇があれば鍛錬してたからな。周りと比べようがないから異常だったみたいだけど。」

 

「そうですね。私とヘルメス様がたまたまユウの村に寄った時も鍛錬してましたし。目を疑いましたよ。恩恵のないヒューマンがレベル3くらいの速度に見える技を使ってるんですから。それに私はレベル4ですが恩恵のないユウに負けましたしね」

 

アスフィの言葉に冒険者組はうっそだろおい状態になる。ヘルメスは大爆笑だ。

 

「その下地もあるから俺とベルはレベルにとらわれない強さがあんだよ。ほらもうそろそろ17階層に行くからヘルメスとタケミカヅチファミリアの3人と護衛にアスフィは俺とリューさんでゴライアスがいたら止めとくから走って18階層いけよ」

 

そう指示しつつ通路をみるとゴライアスがいたのですぐに攻撃を仕掛ける。リューがゴライアスの膝裏を強打し、体勢が崩れたところにユウが魔法で雷のハンマーを顔面に叩きつける。

ゴライアスが転び頭から壁に突っ込んだので戦闘をやめ2人も18階層に行くのだった。

 

 

18階層の入口で全員集まる。とりあえずリヴィアの街に行くかどうするかを話し合いしていると突然ユウがある方向をジッと見る。

 

「俺のベルレーダーがあっちにベルがいると訴えてきやがるぜ!!ベルゥゥゥ!待ってろよぉぉぉ!!お兄ちゃんが今いくぞぉぉぉ!!」

 

わけのわからないことを叫びながらダッシュで走っていく。残された面々は唖然とし見送ることになった。

アスフィがため息を吐き、あのブラコンの行った方向におそらくベルもいるでしょうから行きましょう。そう呟く。ブラコンって凄いんだなとタケミカヅチファミリアは思った。

 

「ベルゥゥゥ!!どこだぁぁぁ!!お兄ちゃんが来たぞォォォォォ!!む!あのキャンプ地にベルの気配がある!あ、そーいやロキファミリアに保護されてるんだっけ?いやどうでもいい!早くベルにあって抱きしめなければ!!」

 

フィンとリヴェリアとガレスは全員で食事を取っていた。すると何やら騒がしくなってきた。揉めているようだ。そちらに向かうとラウルが胸ぐらを掴まれてぐわんぐわんされていた。

しかもしているのが何かと縁のあるユウ・クラネルだった。

 

「何をしているのだユウ君は。いやベル君を探しにきているのだろう。それはわかるがラウルが死ぬぞ。」

 

リヴェリアの発言通りだと思う。ガレスは爆笑してないで止めにいくよ?まったく。彼は見てて飽きないなぁ。フィンはもう考えるのをやめた。

 

フィンさんとリヴェリアさんとガレスさんが止めにきて話をするとベルを保護してくれてたみたいだ。丁重にお礼を言い、御三方には作ってきたクッキーを渡した。遠征で疲れてるだろうし疲れてる時は甘い物ですよ!と言っておいた。

 

「ベルゥゥゥ!!おまっ無事だったか!!いや無事だろーなー。リリとヴェルフが怪我したのかなーとか思ってたけどベルが無事なら良い!!」

 

「兄ちゃん!!心配かけてごめんなさい。ヴェルフが崩落で足やっちゃったから上まで行けないと思って18階層に避難してたんだ!兄ちゃんなら来てくれると思ってたし!」

 

胸板にモフモフと白い頭を擦り付けるベル。可愛すぎてヤバい。あぁここが天界か。神様も粋なことするぜ。

冗談はおいといてヴェルフとリリの怪我の状況を聞く。

 

「お前ベル頼むぞっつったのになんでベルに助けられてんだよ。ああん?ヴェルフグラッチェくぅーん??」

 

「だ、だれがグラッチェだ!いやほんとすまん。ユウにも迷惑かけたみたいだな。」

 

「まぁベルの方が強いから冗談なんだけどね。ベルは純粋だから心の方をよろしく頼むわ。これディアンケヒトのハイポーションな。リヴェリアさんに治癒魔法かけてもらったとはいえ一応飲んどけ。リリも飲んどきな。お前ら全員無事でよかったよ。」

 

リリとヴェルフにディアンケヒトに脅し、ゲフンお願いしてもらったハイポーションを渡す。ベルにはエリクサーを用意していたが使わなかった。

食事時だったみたいでベルのところに参加させてもらった。しかーし!食い物があまりにもお粗末な物だったのでリュックにたくさん入れてきたカレー粉と野菜類を使ってキャンプの定番☆カレーを作ることにした。

 

「フィンさんフィンさん。ちょっといいですか?飯作ろうと思うんですけどロキファミリアんとこの物資って何残ってます?」

 

「恥ずかしながら僕らもギリギリでね。パンが1人1つ行き渡るくらいなんだよ。」

 

「把握です。今回ベル達を助けてもらった恩を返すってことで俺が持って来た材料使うんでスープとか作るデカイ鍋だけ貸してください。」

 

許可を得て、気になるのかフィンさんとリヴェリアさんに見られながらユウ君クッキングが始まる。ユウの手際に驚いている2人だったが。

カレーの良い匂いが周りに漂い始める。

 

「なにー?この良い匂い!あ、ユウ君だ!ユウ君が作ったの!?」

 

「なによ。あんた料理とかできるの?」

 

「この人がユウ・クラネルですか。」

 

「腹を空かせた野獣が来たな。マナイーターとヤンデレと脳筋天然娘は久しぶりー!そこのエルフ少女ははじめまして。今ベル達を助けてくれたお礼に飯作ってっから待ってろ。あ、フィンさん、リヴェリアさん味見お願いしまーす。」

 

とんだあだ名をつけ、マイペースに行動するユウ。するとエルフが文句を言ってくる。

 

「あなた!態度が大きいですしアイズさん達に変なあだ名をつけるのをやめなさい!!」

 

リヴェリアさんとフィンさんは頭を抱えるがカレーが美味しかったらしくすでに皿にいっぱい入れていた。

 

「んだよこいつ。百合エロフかよ。ロキファミリアの幹部ベートさん以外ロクなの居ねーじゃん。ちょっとフィンさんどーなってんの。リヴェリアさんも無視してカレー食べてないでこの百合エロフどうにかしてくださいよ。」

 

「な、な、なんですか!百合エロフって!!失礼にも程がありますよ!このヒューマン!!」

 

「いやはじめましてって挨拶も返さないで初対面で怒鳴り散らす相手に丁寧な対応する必要ある?百合エロフちゃんはそんなやつに丁寧に対応するの?」

 

「そ、それは。で、でもあなたがアイズさん達に変なあだ名をつけるからでしょう!?」

 

「ティオナさんマナイーター、まな板。ティオネさんヤンデレ、フィンさんが他の女性と話してるだけでブチ切れる女。アイズさん脳筋天然娘、これ神会で言ったらロキ様も確かにって言いながら笑ってたけど?おたくの大好きな先輩方の事実を言ってるだけなんだけど?」

 

レフィーヤは目に涙を溜めつつも何も言えなくなる。その姿を見て言いすぎたかと反省する。ユウは生粋のブラコンである。なので歳下には弱いのだ。

レフィーヤの頭に手を置いてポンポンとする。

 

「えっと君がファミリアを大切にしてるのはわかったよ。俺も言いすぎた。ごめんね。ほら仲直りにご飯一緒に食べよう。遠征で疲れてるだろうし食べて元気になりな。」

 

レフィーヤは涙を溜めつつ頷く。レフィーヤの手を取り一緒にカレーを持ってベルのところに歩いていく。

女性陣は唖然とする。気難しく、アイズを神聖化させているレフィーヤが手を繋いで男と一緒に歩いているのだ。

 

「うん。ユウ君は歳下の扱いが上手いみたいだね。ベル君もそうだしレフィーヤも。それにしてもこの料理美味しいね。」

 

「あの2人が歩いている姿は何故だか恋人というより兄妹にしか見えんな。しかしレフィーヤはあんなに簡単な子だったか?」

 

そんな話をしながらカレーを食べる2人。他の面々もカレーを食べ始める。カレーの評判はかなり良かったです。

 

レフィーヤの名前を聞き、ベルを呼んで紹介する。

 

「こちらがロキファミリアのレフィーヤちゃん。ベルより1つ年上でレベル3な。んでこっちが俺の最愛の弟ベル。俺と一緒のレベル2な。」

 

「は、はじめまして!ベル・クラネルです!よろしくお願いします!」

 

「はじめまして。ロキファミリアのレフィーヤ・ウィリディスです。レフィーヤで構いません。よろしくお願いしますね?ベル。」

 

うんうんと頷くユウ。レベルやファミリアは違えど同年代なんだから仲良くしろよ?と伝えアスフィ達のことを忘れていたので探しにいく。

 

ーベルとレフィーヤー

 

「兄ちゃん行っちゃった。レフィーヤさんすみません。兄ちゃん自由人で・・でもダンジョンで兄ちゃんのご飯食べれるとは思ってなかったなぁ。」

 

「いえ。私もユウさんに失礼な事言っちゃいまして。嫌われてませんかね??それにこのご飯とても美味しいです!」

 

「兄ちゃんは歳下の子にはすっごく甘いんです!だから嫌ったり怒ったりはしてないと思いますよ?レフィーヤさんも今度ウチのホームにご飯食べに来てくださいよ!ベートさんも毎日来るんで大丈夫だと思いますよ!」

 

「ベートさんもいるんですか!?私今回の遠征でも足引っ張っちゃってベートさんに助けてもらったんです。お礼も言いたいですがベートさん怖くて言えてなくて・・」

 

「それじゃみんなでご飯食べる時に言いましょうよ!それにベートさんは僕の師匠ですし本当はすっごく優しいんですよ!作戦会議しましょう!どうやって謝るか!」

 

素直なこの2人は良いコンビなのかもしれない。真剣な顔をして仲良く話し合っていた。

 

 

 

「おーいアスフィ!ベルに会えると思うと止まれませんでしたごめんなさい。」

 

声をかけると冷たい目でアスフィに見られたユウは流れるように謝った。ヘルメスは爆笑していたが。

 

「まぁ良いじゃないかアスフィ。アスフィもベル君と楽しそうに話してたじゃないか。ところでユウ君これからの予定は?」

 

「一応明日解毒剤持ってベートさんが帰ってくるらしい。それから地上に帰るんだと。ゴライアスはロキファミリアが倒すらしいから俺らはそれについて行く感じかな?」

 

「なるほどね。そしたら今日はフリーなわけだ!リヴィアの街行ったことないから行ってみないかい?」

 

「あーあのぼったくりんとこか。そだな。久しぶりにボールスのおっさんいびりにいくか。」

 

それから女性陣は水浴びに行くことになる。ヘルメスがニヤニヤしながらベルとユウに話しかける。

 

「ユウ君、ベル君。これはあれだよね。行くしかないよね?あのお爺ちゃんに育てられてるんだ。意味はわかるよね?」

 

「ふっ。ヘルメス愚問だな。だがテメェは甘い。コソコソ覗くつもりだろ?俺は正面突破だぜ?」

 

「ええ!?ダメだよヘルメス様も兄ちゃんも!!ヘルメス様バレたらお姉ちゃんにまたボコボコにされちゃうよ?」

 

「「ベル(君)。バレなきゃ犯罪じゃない(ねーん)だよ」」

 

ベルを担ぎユウとヘルメスは湖に突撃する。ヘルメスは正面突破は厳しいのか木の上に。ユウと担がれているベルは正面からいく。

 

「おーいアスフィ!水浴びしてんだって!?いい物持ってきてやったぞ!」

 

水浴びしている過半数の人が水に首から下をつける。アマゾネス姉妹はそのままだ。

 

「あーユウ君とベル君だ!2人とも水浴び来たの??いい物って何?」

 

「コソコソしないで正面から来るのは好感が持てるわね。んで何持ってきたのよ?」

 

ユウはベルを下ろして袋からシャンプーとリンスを取り出す。原作のこんなくだらないとこばっかり覚えているアホである。

 

「ベートさん最近いい匂いしてるだろ?これ使ってんだよ。使い方はアスフィとリリに教えてもらいな。あ、ついでに俺見てるだけとか意味わかんないから直接来たの。ベルもそろそろ大人になって貰おうと連れてきちゃった☆」

 

アスフィは額に手を置いてため息を吐く。だがユウが好きだしベルも家族として可愛いから問題はない。しかしヘルメスは別だ。今のユウの発言で覗こうとしているやつがいたのに気づき木の上を見る。

ヘルメスは何故バレた!?と焦って木から落ち着水する。

その後ヘルメスは簀巻きにされて木にぶら下げられていた。

 

「ではユウ。シャンプーとリンスを置いてそこの大きなゴミを持って戻りなさい。私だけならまだしも他の人もいるのですから。」

 

「まぁ面白そうだから来たけどぶっちゃけ興味ないし帰るわ。お邪魔しました〜。あ、そのシャンプーとかそんなに量ないから地上戻っても欲しいって言ってこないでね?」

 

そう言って固まってるベルとボコボコのヘルメスを抱えてテントに戻る。途中レフィーヤちゃんが見張りをしていたのでベルにヘルメスをテントに持って行って欲しいと伝え暇つぶしに話をする。

 

「レフィーヤちゃんは水浴びしないの?もしするならこれ使いな?髪洗う時に使うとすごくいい匂いになるから。」

 

「あ、ありがとうございます!あ、あの、そのぅ。ベルと話しててこんなお兄ちゃんが居たらって思っちゃって。ユウお兄ちゃんって呼んでもいいですか??」

 

あぁ神よ。ここにエデンの園はあったぞ。ベルとレフィーヤがユウお兄ちゃんって言ってくる。想像しただけで血吐いて天に召される。

 

「おー可愛いやつめ!レフィーヤは可愛いなあ!よしよしよしよし!」

 

ここに子供から大人になりかけているはっきりいってロリエルフを抱きしめて頭を蕩けた笑顔で撫でまくる変態がいた。控えめに見ても事案発生している。

撫でられているエルフがすごく嬉しそうなので目を閉じよう。

 

そのあとレフィーヤも水浴びに行くことになったのであまり見回っていない森の中をうろついてみる。パシャっと音がする方向に行ってみると水浴びをしているリューさんがいた。

 

「あれ?リューさんじゃん。1人で水浴びしてんの?ならシャンプーとリンス使う?」

 

この男。アホである。普通に話しかけやがった。リューはいつも通りに話しかけてくるユウをみて固まる。エルフは身持ちが固いと有名だがユウに見られても不快感が無かった事も逆上しなかった理由の1つだが。

 

「ユウさん。そ、その流石に恥ずかしい。何故ダンジョンにシャンプーとリンスを持って来ているのかはおいておき是非お借りしたい。」

 

「ああ、そうっすね。あまりに綺麗だったんで見惚れてた。そんじゃこれ置いとくね!」

 

「き、綺麗。少し話がしたいので待っていてもらえませんか?」

 

リューさんの水浴びが終わるまで待つ。リューさんが来て一緒に墓参りをする事になった。原作では多少書かれていたが直接会ったことがないのでどんな人達だったのか気になる。

リューさんは楽しそうに仲間の事を語るがふと暗くなっていく。復讐として己がやったこと。正義について。いろんな葛藤があるのだろう。

全ての話を聞いて口を開く。

 

「俺はその時のリューさんの気持ちをわかるなんて口が裂けても言えないですね。その時の気持ちはリューさんだけの物ですし。でも1つわかるのは正義ってその人の信じる道じゃないですか。弱き者の為にって動いてたリューさんも正義ですし言い方悪いけど闇派閥のやつらがリューさんの仲間を殺したのもあいつらからすれば自分達の正義の為にー!ってことでしょ?んで正義と正義がぶつかってこうなったってわけじゃないっすか。だから一概にどれが正解?って言われても答えでないでしょ?」

 

リューさんは眉をしかめつつも言っている意味は理解できるのか頷く。

 

「だからアストレア様はリューさんに過去に囚われるんじゃなくて今現在リューさんは考えて己に確固とした正義があるか?って言いたかったんじゃないっすか?それに気づいて欲しいから離れたんじゃないかなって思います。」

 

リューさんはハッとなり何かを考えている。考えがまとまるまで黙って待つ。

 

「ユウさん。貴重な意見をありがとうございます。やはり貴方は尊敬に値するヒューマンだ。」

 

リューさんが笑った。クララが立ったとナレーションが頭をよぎる俺は末期だと思う。

 

 

ロキファミリアの野営地に着くと何やら怒鳴り声が聞こえてきた。なんじゃいなんじゃいとやじ馬根性丸出しで行くとベートさんが桜花、ミコっちゃん、ちーちゃんに怒鳴っていた。

 

「あれ?ベートさんじゃん。おかえりー。なんでそんなに怒ってんのさ。桜花もミコっちゃんもちーちゃんも泣きそうになってんじゃん。」

 

「あぁん!?ってユウか。地上戻った時についでにヘスティアファミリアに寄ったんだよ。そしたらよぉヘスティアからベルがパスパレードにあってユウが探しに行ってるって聞いて急いでここまで戻ってきたらパスパレードしたやつらもいやがるからキレてた。」

 

「ふむふむ。はい解散!ベートさん怒ってくれてありがとう。でもタケミカヅチ様の眷属もう既に俺にボロクソにされてるんだよね。これ以上は精神的にヤバいから。」

 

「お、おう。ユウがやった後だったか。そうか。あーなんだ雑魚ども。次んな事すんなよ。」

 

「共通語で訳すとお前らパスパレードしなくていい実力をつけて雑魚から冒険者になれよ だって。はい解散!」

 

ベートさんと一緒にフィンさん達のテントに向かう。ベートさんはどうも鍛錬の成果がかなり出たようで遠征でも前以上に動けたらしい。そんな話をしてたらテントに着く。

フィンさんに今後の予定を説明され、先程の騒ぎとベートさんの実力の向上を話す。

 

「なるほど。あのベートが人の為に怒るとはね。いい方向に向かってるみたいで僕も嬉しいよ。それに今回の遠征ではかなり助けられたからね。」

 

「正直ベートさんって天才肌なんですよね。俺の技術ことごとく盗んでいきますし。最初の手合わせは単純で癖だらけだったから楽だったのに今は魔法無しなら五分五分ですからね。」

 

「いやレベル5でもはっきり言えばトップのベートと余力を残して五分五分なユウ君の方が天才だと思うんだが。」

 

「けっ。何言ってやがるババァ。もちろん才能はそこらのやつとは比べもんになんねーけどよユウの動きは何千何万と繰り返した動きだ。それを天才なんて言葉で終わらすんじゃねえよ。」

 

ベートの言葉に驚くフィン、リヴェリア、ガレス、ユウ。ユウ自身才能はある方だと思っていたがこの世界に来てベートと手合わせをしていると明らかに才能は劣っていると思っていた。だが弱者はそれを天才、才能と妬みその言葉だけで終わらす。それに慣れていたし実の祖父にもそう言われていたので諦めていた。だがベートは違った。きっちり現状を把握し、ユウの実力も努力も認めていた。ユウにとってこんな嬉しいことはない。

フィン、リヴェリア、ガレスはユウの戦ってる姿をそれこそ後衛職のリヴェリアが少し、それ以外は見た事が無いのでわからないのは無理ないが。

 

「む。それはすまない。私もまだまだのようだ。ベート。礼を言う。ユウ君もすまなかったな。」

 

「いえ。ベートさん以外ほぼ戦闘に関しては見てないのでわからないのは仕方ないかと。それに信頼できる友達がわかってくれていればそれで満足ですので。」

 

その後他愛のない話をして解散した。ベル達はユウが話をしている間にリヴィアの街に行っていたようだ。ベルとリリを見つけて何やら因縁をつけてきたやつらがいたようだが天然娘が一緒にいたので何も無かったらしい。

 

次の日帰る前にリリがいなくなった。紙が残され、攫われたのがわかったので指定されている広場に向かう。

 

「よーう!愛狂兄貴に炎雷兎。テメェらレベル2になったばっかなのに俺をバカにしやがって。目に物を見せてやる!」

 

「あん?お前誰だよ。どっかで会ったことあるか?ベル知ってるやつ?」

 

「んーどっかで見たことがあるような・・あっ!兄ちゃんあの人だよ!いきなり僕とリリに文句言ってきてアイズさん見て逃げた人!」

 

この兄弟酒場で会ったことは記憶の片隅にも残っていない模様。哀れモルド君。

 

「テメェらほんとにふざけやがってぇぇぇぇぇぇ!!豊穣の女主人で愛狂兄貴にやられたやつだよ!!」

 

ベルとユウ。流石兄弟と言うべきか。同じタイミング同じ方向に首をかしげる。

 

「まぁいいや。リリ返せや。つかボールスのオッさんこれ知ってんの?知ってるなら説教しに行かなきゃいけないんだけど。」

 

何人かは気づいたようだ。ちょっと前にソロで来てボールスをボコボコにして街の中心部で土下座させていた悪魔のレベル1に。

そいつがレベル2になっただって?そいつと戦うだって?冗談じゃねぇ!!

気づいたやつらは早々に街に逃げ出す。

 

「とりあえずお前はボコボコにする。」

 

その一言を発した後すぐさま縮地でモルドの懐に入る。右腕を魔力で覆い鎧の上からおもいっきり殴る。

ドゴォォォォン!!

モルドは弾丸になり木をへし折りながらぶっ飛ぶ。

更に追撃しようとするがダンジョンの異変に気付く。夜になっているのだ。あれぇ?ヘスティアもいないから神威も無いし黒いゴライアス戦回避できたと思ってたんだけど??

モルドが飛んだ方をみるとヘルメスが巻き込まれて木から落ちていた。

 

「てめぇぇぇぇぇ!ヘルメスゥゥゥ!!なんでんなとこにいるんだよ!おまっ!神威漏れてっから!ほらぁダンジョン気づいちゃったじゃん。もー最悪。」

 

そう神威を抑えていたヘルメスが木から落ちる時にうっかり神威を漏らしてしまったのだ。

そんなこんなで黒いゴライアス戦が開戦されることとなった。

 




ユウ君はしゃぎ過ぎだろ。なんだよ女性の水浴びに正面から行くって。

レフィーヤが妹になりました!ユウ君はロリコンじゃないヨ?ブラシスコンだよ?

ヘスティア置いてきちゃったしヘルメスも暗躍しないからどないしよと思ってたのでちょっとヘルメスをギャグ要員にして黒いゴライアスを出しましたw

次回は黒いゴライアス戦です。戦闘描写苦手なのにこの作品に手を出したのに後悔してるw

最後にこの拙い文章を読んで感想をくださる皆様本当にありがとうございます。
全ての感想に返信をするつもりですので気軽に書いていただけると作者は喜びます。

闇の皇帝様、誤字脱字報告ありがとうございました!

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