ベルの兄は異世界人   作:ごーたろんす

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前回に引き続きちょっとした日常を入れます。

少し話を進めるかもしれない。いや進むかなぁ?

進まなかったらごめんなさい!!


クノッソス侵攻の話し合い?いやお見合い?

リリの話を聞いてベートさんと一緒にフィンさんを攫ってきた。今日の昼に会ってたから気まずいと騒ぐフィンさんの耳元で囁く。

 

「あれ?ウチのリリちゃんはベルのパーティの頭脳だぞ?クノッソス侵攻に俺が行くことを伝えてどんな作戦を勇者が立てるか勉強しろって呼び出したりできるぞぉ?」

 

「リリは頭が切れるからな。あいつがいると俺らが見てない視点からの意見を貰えるかも知れねぇなー。まぁ俺の所属するファミリアの団長様が嫌って言うなら仕方ないけどなー。「今日のリリさんの話を聞いて頭が切れることを十分理解した。僕はリリさんを認めているから参加してくれ。」とか言われたらリリのやつ喜ぶだろうなぁー」

 

腐れシスコンの馬鹿二匹の言葉がフィンの脳に入り込む。フィンは思った。リリさんは昼間僕の言葉を一生の宝にすると言った。そこで僕が認めているからと言えば?喜んでくれるかもしれない!!

 

「よし。二人共。すぐにヘスティアファミリアに行くよ。リリさんの睡眠時間を削っては申し訳ない。あ、あとやっぱり少し恥ずかしいからロキも連れて行こう。うん。主神もこの話し合いには必要だよね。」

 

「「なんでそこでヘタれるかなぁ?このヘタレアラフォー。」」

 

「う、うるさいよ!!君達だって女の子とデートとかしたことないだろう!!」

 

「アスフィ。リューさん。」

 

「レナ。リーネ」

 

フィンさんはうなだれた。え?てかリーネさんとデートしたの??

おう。なんかガレスと戦った後ケーキ屋行ったぞ?

 

「フィンさん。とりあえず行きましょう。これ以上傷を増やさなくていいでしょう。」

 

うなだれているフィンさんをベートさんが抱えてロキ様を呼びに行く。ロキ様に説明すると笑いながらフィンの為に行ったるわと言いついてきてくれた。

 

ヘスティアファミリアのホームに着くとヘスティア、いーちゃんをまず俺の部屋に呼ぶ。つかフィンさんそわそわし過ぎてて鬱陶しいわ!!

 

それからリリの部屋に1人でいく。

 

「おいリリいるかー?」

 

「はい?ユウ様どうかしたんですか??」

 

「うん。俺がロキファミリアと今一緒に闇派閥をボコってんの知ってるだろ?それでちと詳しい事をベルのパーティの頭脳のお前にだけ伝えとこうと思ってな。俺が助けに行けるのとハナから行けないってわかってるとお前らのパーティの作戦も変わってくるだろ?んで今フィンさんとロキ様も俺の部屋にいるから一緒に聞いとけ。」

 

「たしかに何かあって救援要請する時にユウ様がいないと考えれるのは大きいですね。わかりました。そ、その着替えて行くのでちょっと待ってもらってもいいですか?フィン様もロキ様もおられるようですしやっぱり神様の前では綺麗にした方がいいですしね!」

 

はいはい。部屋で待ってるわーと言いダッシュで部屋に戻る。

 

「クククク。はぁーはっはっは!!フィンさん。リリルカさんはお着替え中です。フィン様とロキ様がいるのなら綺麗にした方がいいらしいですぅ〜!!いつもこ汚えフード被ってんのにな!!買い替えてやるって言ってんの……フィンさんフードあいつに買ってプレゼントすれば?この前はありがとうとかテキトーに言って。」

 

「え?え?本当に言ってるのかい??」

 

「フィン。ベルはアイズとペアネックレス買ってたぞ。それにどこでも勇気を出せねーで何が勇者だよ。そこでヘタれる団長なんて俺は認めねぇ。」

 

フィンさんはあたふたして神様連中と俺たちが笑いを堪えているのに気づかない。この人恋愛関係ポンコツすぎるww

 

「ユウ様?リリです。入ってもよろしいですか?」

 

入室を許可すると可愛らしい服を着たリリだった。

 

「おーリリ可愛いじゃん。この前買いに行ってたやつか?似合ってんぞ。ね?フィンさん。」

 

見惚れて固まっているフィンさんの足を軽く蹴る。

 

「う、うん。すごく可愛らしいし似合ってると思うよ。僕はあまり服について詳しくないけどその服はリリさんに良く合ってる。うん。」

 

「あ、ありがとうございます。そう言っていただけると。いやリリは今までこんなファッションとかした事無かったので不安でしたが良かったです。」

 

「うわー甘いわぁ。このコーヒー甘いわぁ。砂糖の量間違えたかな?」

 

「本当にな。このコーヒーはミスだろ。ユウがミスするなんて珍しいな。あ、このコーヒーブラックじゃねーか。」

 

さすがのシスコン馬鹿二匹。ブレない。空気を壊すのが得意である。次の神会で二つ名は「空気破壊(エアクラッシャー)」に間違いない。

 

軌道修正してクノッソスについて一次と二次をリリに説明する。リリは頷き黙っている。

 

「リリさん。僕は君の頭脳も君自身も認めている。レベルとか過去とか関係ない。それに僕はもう迷わない。まっすぐ進むからそれでも足りない部分を教えてほしい。」

 

リリは頷き口を開く。

 

「侵攻についてはリリは力になれません。リリの今までの立場からすれば攻めるというのは埒外の方法でしたので。ですが攻められる方。この場合闇派閥とその怪人の立場、目線からなら少しは力になれるかもしれません。」

 

俺自身ここからは原作を知らないのでわからない。どんな情報でも欲しい。それが結果を変えることになるかもしれないからだ。リリの今言った目線は俺もそしてフィンさんも盲点だったはずだ。

 

「そもそも闇派閥は何度も侵攻されているのにクノッソスに立て籠もっているのは何故でしょうか?」

 

「そらリリたん。あいつらのホームグラウンドやからやろ?罠でもなんでも仕掛け放題や。」

 

ロキ様の言葉に全員が頷く。

 

「ああ。そういうことか。リリお前やっぱすごいわ。ベルを任せて良かったよ。」

 

「ユウ様はお気づきになりましたか。流石ですね。そうです。今ロキ様が言った前提はもうユウ様と鍵を奪われた時点で破綻してるんですよ。」

 

「そうか!!なんでこんな事にも気づかなかったんだ僕は!!」

 

どういうことか神様連中がフィンさんに尋ねる。

 

「ロキの言ったホームグラウンドで罠を仕掛け放題というのは扉やマッピングされていない状態で罠が機能しやすいことが前提なんだ。でもユウ君にオリハルコンの扉はチリにされる。ユウ君がいないところで下ろしてもこちらには鍵がある。そしてこの前の侵攻でマッピングもしているしユウ君の様子を確認しているなら魔法で道が全てわかるのも認識しているはずだ。」

 

ロキ、ヘスティアはユウ1人で戦況がぐちゃぐちゃにされているのが分かり引きつった顔をしている。

 

「確認は大丈夫ですかね?何故闇派閥はもう既に何の優位性もないクノッソスに立て籠もっているのでしょうか?まずそこを考えました。リリは基本的に臆病なので他人に使われていると思っています。その怪人も誰かの遣いのようですし。闇派閥においてはオラリオから追われているから匿ってくれるその黒幕に恩を感じたか同じ目的だったかで協力者という名の駒にされてるのではないかなと思います。」

 

かなり的を得た意見だと思う。あくまで推測だから全てを鵜呑みにするわけにはいかないが頭にはいれておく。

 

「リリの推測は頭に入れておく。それくらいの重要性がある話だ。リリ。推測でいい。闇派閥の背後にいるやつの正体はどーせ分かりゃしねえ。だからそいつの考えを追うことはできるか?クノッソスの利用目的だけでいい。」

 

リリは考える。

 

「リリはその怪人や闇派閥と直接戦闘や会話をしたわけでは無いので癖や発言の意図は掴みかねますが…。クノッソス自体に意味は無いのでは?と、いうより、うーん。」

 

「どうした?」

 

「あまりに突飛な考えなんですが、オラリオ崩壊を考えてるんですよね?闇派閥とその怪人の黒幕は。」

 

ロキ様、フィンさん、俺が頷く。

 

「それで穢れた精霊を使ってると。うーん。やっぱりクノッソスはロキファミリアを嵌めるための大きな罠って思っちゃうんですよね。」

 

「ん?どういうことなん?リリたんの言いたいことが良く分からへんねんけど。」

 

「いえ。リリも自分で変なこと言ってるなとは思っているので。ですが前提を間違えていない限りクノッソスにロキファミリアを引き込んで全滅させれるシナリオがある気がしまして。そうでなければクノッソスを放棄してダンジョンに籠もればいい話ですし。」

 

リリの言葉で悪寒が走る。全滅させれる何がある?オラリオ崩壊のシナリオにロキファミリアの全滅も組み込まれているとしたら??

 

「リリ。ちょっと待ってもらえるか?ロキ様。ヘスティア、いーちゃん、フィンさん。アダマンタイトとオリハルコンぶっ壊せる魔法とか魔道具とか聞いたことある?」

 

全員首を横に振る。あんたの魔法くらいしかウチは知らんとロキ様は笑うがそんな場合じゃない。何かが引っかかる。

 

「すまん。何かが引っかかってるんだ。それさえ紐解ければリリの推測がより信憑性を増す。」

 

今までダンまちの世界に来てすごい威力だったものを思い返す。恩恵が無い時は…うん特にねぇな。オラリオに来てからはえーと、俺の魔法以外ならレフィーヤの魔法にベートさんとベルの技。ベルの18階層の一撃くらいか。うーん。何に引っかかってんだろう。でも何かすげー攻撃とか魔道具が無いとなー。魔道具かー。あ!フェルズに聞いてみよ。

みんなに許可を取ってフェルズに連絡する。

 

「フェルズ?いきなり悪いね。フェルズって800年生きてるんだろ?骨だけど。その800年でさエゲツない威力の魔法とか魔道具って思い浮かぶ?」

 

「質問の意図が見えないが…そうだな。ユウ君が言っているのは膨大なエネルギー総量ってことでいいのかな?それなら私が1番すごいと感じたのは神の送還の時の光の柱だね。」

 

ユウはカチリと考えが噛み合ったのがわかった。

 

「そっか。フェルズありがとう。あとでまた連絡する。」

 

ユウは黒幕の考えを読み切り舌打ちをする。なんて胸糞悪い考えだ。穢れた精霊。精霊の分身とは良く言ったものだ。

 

「リリ。お前やっぱすごいわ。俺もリリのおかげでこの考えに行き着いた。フィンさんは?」

 

「いや。悪いけどまだ考えは纏まってないね。」

 

「みんな悪いけど俺の考えもある意味ぶっ飛んでるかもしれない。でも一考はするべきだと思う。フィンさんは絶対にたどり着かないしたどり着いた俺がおかしい。あいつらの目的はリリの言った通りロキファミリアの主力をクノッソスに集めることだ。そしてリリが推測した闇派閥が利用されている場合だ。闇派閥のイケロスとタナトスがクノッソスの最深部にいると仮定する。そしてロキファミリアが追い詰めたとしよう。そこでイケロスとタナトスをその黒幕の手下かなんかが殺したとしたら?」

 

全員が唖然とする。

 

「そう。さっきのフェルズとの会話に繋がる。神の送還とか見たことねーから知らんけどフェルズが800年生きてて1番のエネルギー総量っていうくらいだ。俺の魔法とは比べ物にならないだろう。地上から光の柱が逃げようの無いクノッソスに突き刺さる。アダマンタイトとオリハルコンとか豆腐と変わらんだろう。んで追い詰めてるロキファミリアのメンバーは?巻き込まれるよそりゃ。これが俺の推測。フィンさんみたいにどんなクソ神でも捕らえるだけの人は絶対にたどり着かない。」

 

「ちょっと待ってくれや。ユウたん。闇派閥の神ゆーても神は神やで?あのエニュオってやつ相手でも腹の探り合いやったらそれくらい気づくんちゃう?」

 

「ロキ様。そいつは本当に存在してるのか?誰も姿を見ていないのに?仮にイケロス、タナトスが間に人を挟んでたらどうです?正面きって顔も合わせてないのに腹の探り合いなんてできません。そう。これもリリの言っていた駒という状況ですよ。」

 

神々は愕然とする。たしかにその通りだ。そこまで徹底してやられるとどうしようもない。

 

「俺はリリの推測を聞いて悪寒が走りました。フィンさんの親指と一緒でこの感覚は外れたことがありません。なので一考した方がいい。」

 

「そうだね。ユウ君の考えは余りにも突飛だがそれ以上に話の辻褄がキッチリと合ってしまう。」

 

「それとフィンさん。まだ最悪の想定があります。仮に光の柱でロキファミリアが全滅を免れた場合です。俺なら全滅させるまで攻撃をやめません。何故ならクノッソスという餌場を失うからです。相手にとっても最初で最後の一網打尽チャンスですからね。そこで出てくるのが穢れた精霊、精霊の分身です。元は精霊ですよね?しかもダンジョンの栄養吸っちゃうタイプの。それ細工して神のエネルギー吸えるように出来たらヤバくないですか?」

 

ベートさんもフィンさんも少し身体を震わせる。

 

「おいユウ。1回ヘルメスファミリアを助けにダンジョンに行った時ダンジョンの壁が肉壁になってたんだがそれをクノッソスでそのエネルギーを使って生き埋めにするくらいキモい感じに肉壁になるとか仮説的にどうだ?」

 

「うん。それあるね。それかとんでもないバケモンが生まれるかの二択だと思いますよ。俺はバケモンに一票。バケモンなら倒せるけど肉壁はキモいから嫌。でも肉壁が迫ってくるが本線。だってどこにいるかわからない残党見つけるよりまとめて生き埋めにした方が効率いいから。」

 

ユウとベートの会話を聞いてドン引きする神々とリリ。フィンは何かを考えている。

とりあえず話しすぎたのでみんなに飲み物のおかわりを入れる。リリは緊張していたのかホッとしている。

 

「まぁあくまで推測だ。鵜呑みにする必要はないですけど悪寒が走ったので神殺しは視野に入れていると考えて良いかと。」

 

「いや、リリさんとユウ君の考えはかなり役に立ったよ。あとヘルメスファミリアにも手伝ってもらうつもりだからこの話はヘルメスファミリアにも伝えとくよ。」

 

「え?アスフィも?ああなるなる。ハデスヘッドね。確かに透明になれりゃ動きやすいわ。しかしどーするかね。光の柱対策なんてやりようねーぞ。あ、フィンさん俺アスフィとデートもしたいし明日伝えとくよ?」

 

フィンはデートと聞いて身体を揺らすが任せると言う。とりあえず今日はお開きにして明日はアスフィ達も加えて話し合いをすることにした。

 

ユウは次の日すぐにヘルメスファミリアに向かう。ヘルメスの執務室に行くとアスフィも呼んでもらい、昨日のフィン達との話し合いの結果を伝える。

 

「なるほどね。それが推測じゃなく本当になった場合最悪の状況になる。しかし神を犠牲にする作戦か…」

 

「ヘルメス。あくまで俺の推測だ。そのエニュオってのが何者かもわかってないからな。とにかく今日の夕飯はウチで食ってくれ。その後にロキファミリアに向かう。デュオニュソス様とフィルヴィスも合流する予定だ。それまでアスフィ借りるぞ?アスフィは俺とデートしよ!」

 

「え?でででデートですか!?わかりました。着替えてくるので待っててくださいっ!」

 

アスフィはすごい勢いで部屋から出ていった。

 

「おや?ユウ君はアスフィと付き合ってるのかい?」

 

「いや?でも俺はアスフィが好きだよ。でもそれが家族愛なのか恋愛での意味なのかわからんからデートとかして確認してるとこ。」

 

ヘルメスはため息を吐き、アスフィとうまくいくことを願う。アスフィが戻ってくると綺麗なワンピースを着ていた。正直なところすごい似合ってた。

 

「それじゃお姫様。一緒にお出かけと行きますか!」

 

手を差し出して繋ぐ。アスフィは嬉しいのかニコニコしている。一緒に商店街に向かう。

 

「おやおやユウちゃん!昨日はベルちゃんがデートしてたけど今日はユウちゃんかい?」

 

「おー!おばちゃん!こいつアスフィってんだ。昔からの知り合いだよ。美人だろ!?あまりお互い時間も取れなかったからね。今日は羽を広げてデートタイムさ!」

 

「アスフィ・アンドロメダといいます。ユウとベルがお世話になっているのは聞いていました。これからも2人の事よろしくお願いしますね。」

 

 

「あら。良い子じゃない。ユウちゃん!アスフィちゃんを逃しちゃダメよ!!みんな!ユウちゃんのお嫁さんが来てるわよー!!」

 

ユウちゃんの嫁さんだと!?ユウちゃんに相応しいか俺が見てやる!!

おじちゃん連中がゾロゾロとやってくる。

 

「よし!ウチの果物食って行きな!ユウちゃんの嫁さんかぁ。ベルちゃんもアイズちゃんと仲良くしてたしおじさんは2人が大きくなって嬉しいよ…」

 

「何言ってんだおっちゃん。おっちゃん達と出会ってまだ半年も経ってないでしょ!そんなすぐに俺もベルも大きくなんねーよ!!」

 

「何言ってんでい!オラリオに来た時から2人を見てんだ!ユウちゃんとベルちゃんはこの商店街みんなの息子だ!その息子が嫁さん連れてんだ!こんな嬉しい事はねぇよ!!」

 

アスフィは顔を真っ赤にし、ユウはおじちゃんの言葉に感動し声が出せない。

商店街のおじちゃんおばちゃん連中が集まって声をかけてくれる。みんな優しい言葉をかけてくれるのでかなり嬉しい。

 

アスフィを紹介しつつまだ付き合っていない事、今恋愛的な意味で好きなのかを考えているとこだと伝えるとみんな笑って見守ると言ってくれた。アスフィはおばちゃんに連れて行かれたが。アスフィを待ってる間、おじちゃんと果物を食べながらどういう冒険をしたかなどの話をしている。

 

「アスフィちゃん。アスフィちゃんはユウちゃんの事をどう思っているんだい?」

 

「先程ユウが説明した通り私とユウ、ベルはその、家族の様に一時期過ごしていました。期間は短いでしょうが家族として過ごし、お互い楽しんでいましたしオラリオに来てくれたのも私がいるからという点も間違いではないです。ですが私はユウの事が大好きなんです。これは家族でもなく異性としてです。」

 

おばちゃん連中はおお!と声をあげる。

 

「アスフィちゃんは家族として過ごしてきたと言ってるから分かってると思うけどユウちゃんは人の恋愛事情は大好物ですぐに手を出すくせに自分の事はてんで駄目だよ。女の方が強いんだ。ガツガツアピールしないとあんだけ良い男なんだ。取られちゃうよ!ベルちゃんは…あの子は純粋過ぎてそれはそれで心配なのよねぇ。」

 

 

「こ、この前デートをした時に想いは伝えて、その、キ、キスを私からしました…。」

 

えええー!!とみんなが驚く。

 

「その時真剣に考えて答えるから待ってほしいと言われたので待ってるとこです。ユウもベルも私の大切な家族です。それにユウは最愛の人です。これからもよろしくお願いします。」

 

「なんだいなんだい。アスフィちゃんは本当に良い子だね。アスフィちゃんも私らの子供さ!またいつでもおいで?時間有り余ってる爺さんと婆さんでよければなんでも相談にのるからね?ほらあんまり待たせると悪いしユウちゃんのところに行ってあげな?」

 

アスフィはおばちゃんに頭を下げお礼を言ってユウのところに向かう。まさかオラリオの商店街で恋愛相談にのってもらえるとは思ってもいなかった。だがお互いに今のクノッソスという問題を残している中時間を取れなかったのも事実だ。久しぶりに清々しい気分になった。

 

「おーアスフィ。おばちゃんとの話は終わった?この後ウィーネが働いてるから屋台見に行こうと思ってるんだけど大丈夫か?」

 

アスフィはユウの腕に抱きついて頷く。ユウはびっくりしながらも平静を装う。え?アスフィのアスフィが俺の腕に当たってるよ?アスフィーーーー!!心の中はパニクり過ぎてまともな事考えていないが。

 

 

そのまま2人はウサギお好み焼きを覗いてみる。が、とんでもない行列が出来ていた。また神様連中か…と思うと冒険者や一般人も大勢いた。

 

「は?どーなってんだ?これ。」

 

「わ、わかりません。とにかく見てみましょう。」

 

屋台の中を覗くと完全にテキ屋のねーちゃん状態でお好み焼きを焼くいーちゃんとその横で頑張ってお好み焼きを焼いているウィーネがいた。

 

「おう!雷帝!久しぶりだな!あん?万能者??お前ら兄弟美人捕まえすぎだろ!!少しは俺らにも分けてくれよ!!」

 

「ん?モルドさんじゃないっすか。いや知らねーよ。モルドさんの顔が厳ついからモテないんだよ。つかモルドさんなんでこんなに行列なの?」

 

「うるせーよ!!ああ、最初は普通にイシュタル様がお好み焼き焼いてたんだけどな。神様連中がウィーネちゃんの作ったお好み焼きが食べたい!金は倍払う!って言い始めてなー。ウィーネちゃんのお好み焼き食べたいやつはこっちに並んでて他はあっちに並んでんだ。」

 

ユウとアスフィはため息を吐く。モルドに礼を言って屋台に向かう。

 

「ウィーネ!頑張ってるな!お好み焼き焼いてる姿も可愛いぞ!!」

 

「あー!ユウお兄ちゃんだ!ウィーネね、神様が食べたいって言ってくれるから頑張って作ってるの!いーちゃんも教えてくれたから!あ、できたよ!神様!買ってくれてありがとう!!」

 

満面の笑みを浮かべてお好み焼きを渡すウィーネを見てデレデレの気持ち悪い顔になる男神様。うん。気持ち悪い。もうどーでもいいやと思い、どら焼きなどを屋台に置いてライ達の頭を撫でてからアスフィとのデートに戻ろうとするとウィーネの行列に見知った神様がいたので声をかける。

 

「おい小太りジジイ。何やってんのさ。」

 

「む?ユウか。いやなんじゃ。ユウのとこのお好み焼きが食べたくてな。アミッド達の分も買って帰ってやろうと思って並んでるのだ。それにお前が可愛いと言っていたウィーネちゃんも気になったしの。」

 

「ふーん。つか小太りジジイ、ウィーネのお好み焼き食いたいんじゃねーなら横の列に並べよ。いーちゃんの方が早いぞ?」

 

「何ぃ!?そーいう事か!!儂昼休みにここに来とるから進まなくて諦めるとこだったわ!!」

 

こーいうとこ抜けてんだよなーと思いながらも一次クノッソス侵攻で世話になったのでいーちゃんのところに行って10枚別で焼いて渡してあげる。

 

「ほれ小太りジジイ。前は世話になった。この後行こうとしてたから丁度良いわ。持って帰ってアミッドさん達と食ってくれ。金はいらねーよ。」

 

「何言っとるんじゃお前は。あれは儂らがやりたくてやったんじゃ。だがお好み焼きは貰う。そうじゃ儂らも今日の話し合い参加するからよろしくの。」

 

そう言って小太りな身体をポヨンポヨンさせながら走って帰っていった。

 

その後アスフィとペアリングとチェーンを買って首にかけた。ベルとアイズのお揃いに対抗しましたまる。

 

夜、ロキファミリアにみんなが集まる。ロキファミリアからはフィン、リヴェリア、ガレス、ベート。ヘスティアファミリアからはユウ、リリ。あとはアスフィ、フィルヴィス、それにアミッドさんが参加した。

ロキ様とフィンさんが昨日の話し合いの結果出てきた推測を話す。聞いていなかった人達はかなり驚いていたが。

 

「そこでユウ君の推測の頭に入れた上での策を話す。まず考えなければならないのはクノッソス侵攻に使える人員だ。レベル3以下は余程の特殊技巧が無い限り今回の作戦には組み込まない。ユウ君の推測が有り得ないと言えない以上撤退する事も考えてのことだ。それに戦闘ではベートが言っていた事ではないが今回の相手では役に立たない。無駄死にをさせるくらいなら最初から置いていく。

次にマップだがユウ君。悪いが作戦前に1人でクノッソス全体のマッピングを頼んでいいかい?そのマッピングが出来次第作戦を開始する予定だ。」

 

「勇者!それは危険すぎます!!あなたはユウをなんだと思っているんですか!!ユウを切り捨てるつもりなら貴方をどんな手を使っても殺しますよ?」

 

アスフィがブチ切れた。こ、怖いよぉ〜ふぇぇぇぇ。フィンさんも頬引きつってんじゃん。声を出そうとすると別の人が声を出す。

 

「アスフィ様。落ち着いてください。フィン様が言っているのは合理的ですよ?1つずつ説明するのでそんな睨まないでくださいよ。怖いですって。まずユウ様は電磁波を広げてその場から動かずとも地形と敵の位置が把握ができます。それに3階層までは終わっています。

次に相手ですが、怪人も1人で撤退させる実力があります。最後に雷を纏って縮地をお使いになられるとベート様でも反応すら出来ない速度が出せるので撤退する時にお一人ですと他を気にせず最短で逃げれます。それにオリハルコンの扉も壊せますし。」

 

全員リリの説明を聞いてドン引きしてやがる。おかしいだろ?そこは褒めろよ!!フィルヴィスが流石です!兄上!とさすおにをくれたので我慢しよう。

 

「そ、うですね。リリ。ありがとうございます。少し冷静さを失っていたようです。勇者。申し訳ありません。」

 

「いや、うん。気持ちはわかるから問題ないよ。ユウ君申し訳無いけどよろしく頼むよ。侵攻にあたってだがカース武器が厄介だ。そこはディアンケヒトファミリア、アミッドに頼る他ない。」

 

「勇者。任せておけ。解呪薬はもちろん作成するがアミッドの魔法は回復系最強だ。アミッドも連れていけ。ユウがおるなら問題ないだろうしな。」

 

ディアンケヒトの言葉にロキとフィンは驚愕する。まさかアミッド本人を連れて行く許可を貰えるとは思ってもいなかった。アミッド本人も参加するつもりだった。

 

「そんじゃフィルヴィスはレフィーヤと共に行動させてくれ。妹2人は一緒にしとくと俺とベルみたいに共鳴して死ぬほど強くなるから。んじゃ俺マッピングしてくるわ。ついでに相手戦力の把握も出来る範囲でしてくるからそれからもう一度集まろう。」

 

ユウの言葉に全員頷いて解散となった。アスフィとフィルヴィスに死ぬほど心配されたが期待されてるので頑張ろうと思いましたまる。

 

明日さっそくクノッソスに突っ込むぞー!!




はい。ユウ君個人行動に出ます。

完全に原作崩壊してやがる。タグに原作崩壊入れた方がいいかな?

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