ベルの兄は異世界人   作:ごーたろんす

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クノッソス侵攻の最終戦です。

多分この話で終わらないです。終わるとしてもとんでもなく長くなる模様。

とりあえず今日中にクノッソス侵攻は終わらせます。(終わらせたい)


最終決戦!!戦闘開始?いえ恋バナ開始です。

クノッソス侵攻においてフィンは部隊を大きく2つに分けた。フィンのいる撹乱させる部隊に戦闘主力メンバーを置く。ロキファミリアが誇るレベル6集団にサポーターとしてラウル、アキ、エリシアなどのレベル4組にアミッドだ。

 

一方でクノッソスの主とも呼べるバルカ・ペルディクスの暗殺又は拘束する部隊のアスフィ率いるヘルメスファミリアに疾風と呼ばれたリュー。そこにロキファミリアの別動隊のベートとレフィーヤ。それにディオニュソスファミリアの面々に我らが誇るユウ・クラネルだ。

 

 

本来、入り口は3個あったが1つをどこぞの兄弟が粉々にしてしまったので使えるのは2つだ。そして全ての階層をマッピングしており、鍵を2つ追加で持ち帰ったブラシスコンのおかげでかなり楽になった。最短ルートを吟味して頭に叩き込んでいるアスフィ達は地上からハデスヘッドを被り姿を消す予定だ。

 

 

「よう。フィルヴィスにレフィーヤ。お前らだけはお兄ちゃんが絶対守ってやるから安心しとけ!」

 

「お兄ちゃん!!お兄ちゃんも一緒の部隊なんですね!私もフィルヴィスさんも頑張りますよー!!」

 

「兄上のおかげでレベルもアビリティも技術も格段に上がった。私も必ず兄上の力になろう!」

 

3人で喋っていると棘のある声が聞こえてくる。

 

「ディオニュソス様の護衛ですか…。すっかりあの方の右腕気取りですね。それにヒューマンを兄上などと。27階層での不幸を我が事のように嘆き、同情を引いて、寵愛を独占しただけのくせに。」

 

なんかエロい格好をしたエルフが言ってきた。

 

「フィルヴィスこいつ誰?レベルいくつ?」

 

「アウラ・モーリエルと申しますわ。ディオニュソスファミリアの副団長でレベルは2です。」

 

「ふーん。よろしく。んで俺の妹に嫉妬しまくってるアウラさんは何が言いたいの?つか27階層の事俺も聞いたけどフィルヴィスが悪いの?お前らんとこの奴が力足りなくて死んだんだろ?罠も喰い千切る力があれば死んでねーよ。それに運も必要。でもよ、仲間が目の前で死ぬとこを見たフィルヴィスがショックを受けるのがおかしいか?その時お前は何してたんだよ。」

 

アウラは言葉に詰まる。

 

「ですが彼女だけが生き残って死の妖精と呼ばれているのは事実です。私はその時力及ばず参加してませんでしたが。」

 

ユウは鼻で笑う。

 

「くだらねぇ。俺とレフィーヤはフィルヴィスと何度もダンジョンに潜っているが何の問題も無かったが?つかさそんなに怖いならダンジョンに潜るなよ。自分が弱いから他に攻撃できそうなところに攻撃するんだろ?つかディオニュソス様?なんでこいつら連れて来てるの?」

 

「すまないね。ユウ君。この子達も事情は知っている。それに仲間の無念を晴らしたいみたいなんだ。もちろん俺もね」

 

「ふーん。でも俺言ったよね?自殺志願者は助けないって。ディオニュソス様はロキ様の要請もあるしフィルヴィスの主神様だから守るけどそいつらは守らないから。はっきり言っとくよ?ディオニュソス様がこいつらを殺すんだ。他でもない主神様がね。それくらいの相手だと伝えたはずだけど?」

 

「貴様!ディオニュソス様にむかっ「この程度の動きに対応できず、目でも追えない雑魚が粋がるな。」ッッッ」

 

アウラの背後に回り首に刀を添える。アウラは目を見開いて固まる。

 

「ユウたん?何してんの?つかその子誰や?」

 

ロキ様に全て伝えるとロキ様はキレる。

 

「なぁディオニュソス。あんたうちらの事ナメとんか??ウチは子供達を死なせとうないからあんだけ作戦を練りに練って考えてんぞ?ユウたんにまで負担かけてやぞ?それをあんた1人のワガママでめちゃくちゃにするつもりなんか!?言うてみぃ!!」

 

「す、すまない。だがうちの子供達も邪魔にはなら「いやだからなりますって。あの程度の速度について来れないやつとか必要ないですから。実際フィルヴィスとレフィーヤは余裕で目で追っていましたよ?」だが私の子供達の無念を晴らしたいというのはその子達も同じだ。」

 

「言い方悪いですけど死んでる奴らの無念と今生きてるやつらの命どっちが大切なんですか?まぁ良いですよそこまで言うならそこの弱っちいエルフとか連れて行っても。でも俺の推測聞いてましたよね?あれが本当に起こっても俺はフィルヴィス以外のディオニュソスファミリアは誰一人助けません。助けれる状況でも助けません。それくらい覚悟するならついて来ればいい。」

 

それだけ言って背を向ける。これは最後通牒だ。これでも引かないなら後はしらん。俺は全ての人を助ける英雄になりたいんじゃない。俺が助けたいと思う人を助けるだけだ。フィルヴィスの頭を撫でてやる。フィルヴィスは抱きついて少し泣いていた。

少ししてロキ様がこちらに来た。

 

「すまんなユウたん。あの子らユウたんの言うてる意味も分からず意固地になっとるわ。うちももう知らん。正直こっちが協力要請したんならともかく勝手について来て助けてくれ言われても知らんやろ。実力が1ミリも足りてへんのも言うたけど来るらしいわ。ユウたん。自分が危険になるくらいなら見捨ててええ。ユウたんはなんやかんや優しいから心配やわ」

 

ユウは頭をボリボリ掻いて無言でロキに頭をさげる。ロキも笑いながらええよええよと言ってくれる。

 

 

 

2つの扉の前に部隊が別れて突入準備をする。リューさんを見つけたので話かける。

 

「よ!我が弟子よ。弟子も参加するんですね」

 

「配慮感謝します。師匠。ヘルメスファミリアからの要請ですね。闇派閥は私も少しありまして。」

 

「ああ。18階層で水浴び見た時の話ですか。」

 

「み、水浴びは、忘れてくださぃ…。コホン。そうです。あの一件の関係者が残ってるかもしれないので。」

 

「ふむふむ。まぁ弟子の強さなら問題ないでしょう。ですが1つだけお節介です。復讐に囚われすぎて周りが見えなくなることに気をつけましょう。」

 

リューは微笑んでユウにお礼を言い、ヘルメスファミリアに合流していった。ベートさんもえらいやる気のようで獰猛な笑みを浮かべていた。

 

フィンさんから声がかかる。

 

「総員。準備はいいな?ユウ君。やってくれ。」

 

ユウは頷き特大の荷電粒子砲を構える。

 

「喰らいやがれぇぇぇぇ!!」

 

クノッソスに撃ち込むと中の壁やオリハルコンの扉、配置されたモンスターなどが全て消滅していた。あまりの威力にリヴェリアさんは固まりディオニュソスファミリアのエルフ達は涙目だ。

 

「フィン隊長!宣戦布告完了したであります!ちなみに二階への階段はあそこであります!号令をどうぞ!!」

 

「総員突撃!!」

 

全員が走る。走りながらフィンさんから部隊を2つに分けた意味なかったじゃないか!と文句を言われたが知らんがな。

 

2階層に着いたて足の速いレベル6組は先に行き、ヘルメスファミリアとも別れた。

俺の部隊はロキ様、無念馬鹿、レフィーヤ、フィルヴィスと無念馬鹿ファミリアの連中だ。

ロキ様がいるので電磁波を広げて索敵をする。指示をしてレフィーヤのアルクスレイでチュドーンが作戦だ。

 

「レフィーヤ右後方12メートルに1発。前半の曲がり角に2人いるから2発曲げてくれ。」

 

こんな指示でもレフィーヤの魔法ならお釣りが出る。普通にサクサク進んでいく。フィルヴィスにはレフィーヤのマインドの管理を頼んでいる。

何もすることがない、レベルが高すぎて何も出来ないアウラ達は唇を噛んでいた。

 

 

 

ーフィンサイドー

 

「しかしアミッド。君が戦場に出るなんて珍しいね。」

 

「ユウさんがいたので。ディアンケヒト様があれほどまでに心をお許しになった下界の子を私は知りませんでした。初めてユウさんをお見かけした時は驚きました。ディアンケヒト様の、その、お腹を突いておいでだったので。」

 

「ああ。簡単に想像できるよ…」

 

「ですが彼は私に気づくと笑顔で挨拶をしてくれました。それから何度か交流していきましたがロキファミリアを助けたいといつも笑顔のユウさんが真剣な表情をされて頼みに来ました。ディアンケヒト様も私も知っていますが、ユウさんが真剣になるのはいつでも人の為ですので。ならばその助けになればと思いディアンケヒト様と話をして参加することにしました。」

 

「ユウ君は本当にすごいね。アミッドが嬉しそうな顔をして男の話をするなんて思ってなかったよ。」

 

アミッドは少し頬を染めて話を変える。

 

「闇派閥が持っているカースの武器も私には意味がありませんので。私の魔法は全てを癒します。カースで切られようとどうなろうとも即座に治せます。それを作戦に組み込んでおいてください。」

 

フィンはその言葉を聞いてアイテムの類は一切いらないと言うのはこういうことかと納得する。

そう。この少女、戦場の聖女は治癒魔法の最上である。リヴェリアだろうがリューだろうが治癒魔法だけを取れば誰も追随を許さない。

 

フィンはある程度してから向こうからの攻勢が大人しくなったのを感じ取る。

ここからが本番かな?

 

「敵部隊の攻勢も落ち着いて来た。今からは迎撃じゃなく進行をメインに切り替える。だが油断だけはするな。僕についてこい。」

 

フィンは意識を切り替え、前に進んでいく。

 

 

ーユウサイドー

 

電磁波を広げて周りの戦況を確認しつつ進んでいく。モンスターも闇派閥の奴らも感知できなくなる。

 

「ユウたん。モンスターとかは来てないん??なんか落ち着いたなー」

 

「おそらくですがフィンさん達の進行速度が想像以上に早いからそちらに向かっているのでは?それに扉が意味を成していないのも相手からすれば予想外だったのでしょう。」

 

「なるほどなぁ。ユウたんこのまま上手いこといくと思うか?神の勘ほどあてにならんもんは無いけどなんか嫌な予感すんねん。」

 

ユウはロキのその言葉に黙る。ロキの勘。それはおそらく当たる。だがそれを妹達に言って不安にさせるのを躊躇ったからだ。

 

「大丈夫ですよ。ロキ様の子供達は俺の友達であり、俺も信頼してる人達です。特にフィンさんがいますから。あの人はこの前の一件から1つ殻を破りましたから。」

 

ロキはそっか。と言い前を向く。細い目を少し開いて睨みつける様に。ロキからすればよくわからない相手の目的にいきなり我が子が巻き込まれている話だ。愛情深いロキには許せない事なのだろう。

 

それからは全員何も言わず前に進む。

 

 

ー闇派閥サイドー

 

「ダメです!相手の進行速度が早すぎます!!扉の鍵も奪われている為戦線を維持できません!!それに一切迷わずまっすぐに進行しています!!」

 

 

タナトスは額に手を置き、天を見上げる。

 

「これってあれだよね?完全に前1人で来てた雷帝に全フロアマッピングされてるよね?うわーこれはキツイ。ほぼ詰んでるじゃん。」

 

バルカは己のダンジョンを軽く乗り越えようとしているロキファミリアを見て固まっている。何より何年もの月日をかけて作ったダンジョンを何かしらの魔法。おそらく雷帝の魔法で1階層部分を更地にされた事も固まる要因だ。

 

「タナトス…。我々一族が積み上げて来たものが更地にされ、乗り越えられようとしている。ロキファミリアに投降した方が良いのではないか?」

 

イケロスが口を開く。

 

「ひひっバルカちゃん。あっちには雷帝がいる。あいつは弟や妹に手を出したやつは皆殺しらしいぜ?神すらも殺すと本気で言ってたからなぁ。俺はもうあいつとツラを合わせて話もしたくねぇよ。もうここまで来たら捕まらないように全力で交戦するしかねぇと思うけど?」

 

バルカは黙り、タナトスも笑いながらも黙る。タナトスは死神だ。だが雷帝の方が死神っぽくない?と思ったり思わなかったり。

 

「わかった…。この一族の執念、いや呪いと言えるものを奴らに見せよう。」

 

バルカはそっと胸に隠している白い刀身の短剣を撫でる。これを使えば自分はどうなるかわからないがそれでもこの一族の呪いの為、相手を道連れにするつもりだ。

台座に腰掛け足をプラプラさせるタナトス。伝令に来た兵はタナトスのいつもと変わらない姿に困惑する。

 

 

「とりあえずだけど鍵は向こうに4つ。持ってる部隊は勇者、炎雷狼、怒蛇、重傑の4つだ。それに雷帝には扉意味ないしね。その4つの部隊に足止め兵を用意しつつって感じかなー。そもそもマッピングが完了してるのに少数精鋭で来る意味がわからない。なんで物量作戦に出なかったんだろ?」

 

タナトスは気づかない。味方だと思っている奴らの目的を、手段を知らないからだ。逆にロキファミリアはそこまでを読み切っての作戦だからこと少数精鋭なのだ。

 

「んー気になるけど今はいいか。まぁバルカちゃん。扉の操作とかは任せるよ。より良い死が混沌とする世界に早く戻したいなぁ。」

 

タナトスは薄く笑ってその部屋から出ていった。

 

 

ーアイズ、リヴェリアサイドー

 

 

「アイズ!来るぞ!!」

 

風のようにクノッソス内を駆け抜けていたアイズの後ろをついていき、魔法陣を展開していたリヴェリアが何かに気づきアイズに警告する。

しばらくしてやって来たのはお馴染みの怪人レヴィスだ。

 

「アリア。いやアイズだったか。ユウの妹になったそうだな…それとエルフか。」

 

「ユウさんも、私のお兄ちゃんだけど、ベートお兄ちゃんが私のお兄ちゃん!!」

 

ドヤ顔で言い切るアイズ。リヴェリアは知らなかったのか唖然とし、レヴィスはふっと笑う。

 

「そうか…。私について何かユウに聞いているか?」

 

アイズは首を横に振る。が、何かに気づきそわそわし始める。リヴェリアは疑問になり敵前だがアイズに聞いてしまう。いや聞いてしまった。

 

「あの、その、胸が大きいと肩コリが大変なのは本当?ユウさんが、レヴィスはあんな暗いとこで、胸のせいで、肩コリと戦ってるって…」

 

リヴェリアは口から魂を出している。まさか戦場でそんな事を我が子のように育ててきた娘の口から聞くとは思ってもいなかっただろう。

 

「ななな何を言ってる!!ユ、ユウはそんなに胸が好きなのか!?毎回会う度に胸の事を弄ってくるんだ…」

 

焦って思い出して落ち込むレヴィスの姿があった。ああ。この怪人が今回は問題ないとフィンが言っていた意味がわかった。完全にユウが絡んでいる。この怪人の反応。ユウに惚れてるな。

遠い目をしながらそんな事を思うリヴェリアだったが聞くべき事があったので戦闘も起こってないので問いかけてみる。

 

「すまない。レヴィスと言ったな?私はフィンから今回は問題ないと聞いている。戦闘する意思はあるのか?おい。少し落ち着け。ユウに惚れているのはわかるが落ち着いてくれ。」

 

悲しいかな。この王族エルフ。残念ながらここまで純潔を守っている恋愛お子様なのだ。そんな言葉を今のレヴィスにかければこうなるのは目に見えていた。

 

「な、な、何を!ほ、惚れている!?私がか!?た、たしかにユウはこんな私を抱きしめてくれたり頭を撫でてくれたりするが…。ユウにご飯誘われてるし…」

 

途中から言っちゃダメな事をバンバン呟くレヴィス。レヴィスの言葉を聞いてアイズが頬を膨らませる。

 

「ずるい!私は撫でてもらった事はあるけど、抱きしめてもらってないっ!!レフィーヤもフィルヴィスも、それに、ベルも。ベルも。ベルも抱きしめてもらってるの見たのに…」

 

嫉妬全開の駄々っ子である。ベルの部分には別の何かを感じるが。

 

「ん?ベル?ユウの弟のベル・クラネルか?まさかアイズ貴様。ユウの妹だと言っていたが…」

 

「私は、ベルのお嫁さんになるってユウさんが言ってた。それにデートもお揃いのネックレスも買った」

 

ふんす!とドヤ顔をするアイズ。レヴィスはその言葉に衝撃を受けて固まる。リヴェリアはなんだコイツら。敵対してるのに普通に話をしているぞ。とか思ったり。

 

「と、とにかくだ。私にもやるべき事がある。それに監視されているから戦いながら私の方についてこい。」

 

リヴェリアとアイズは頷き戦闘を開始する。

 

 

ーアスフィサイドー

 

「えー!?アスフィ!あの助っ人エルフどっか行っちまったぞ!?どーするんだよ!!」

 

「構いません。彼女の事情はユウから聞いています。ユウももしかしたらこうなると言っていました。我々のすることは変わりないです。ユウのマップならそろそろ相手の本城に着きますから気合いを入れなさい。」

 

ユウはここまで読んでたのかよと全員が驚愕しつつも納得し、意識を切り替える。透明になっているアスフィがまず入る。そしてバルカの背後からナイフを振る。咄嗟に避けたバルカ。ちっと舌打ちをするアスフィ。アスフィは透明なままユウに教わった合気でバルカを床に叩きつけ、拘束する。

 

「万能者だとっ!?な、何故貴様達がここにいる!?」

 

「簡単な話ですよ。ロキファミリア、雷帝は私達があなたを抑えるまでの隠れ蓑に過ぎません。このような大掛かりなダンジョンを作った一族です。ならば崩壊させる装置なども設置しているはず。だからこそ我々が別動隊であなたを拘束する役目を承っていたんですよ。」

 

そう。フィンが考えた作戦には神を殺して崩壊させるシナリオと別にクノッソスを作った一族が崩壊させるシナリオも組み込んでいた。

 

バルカは愕然とし、唇を噛む。

 

「勇者。バルカを拘束しました。場所はユウの印の場所そのままです。」

 

交信の魔道具を使いフィンに伝える。

 

 

ー全部隊ー

 

 

フィンはその知らせに拳を握る。そして魔道具で全部隊に伝える。

 

「全部隊に通達。ヘルメスファミリアが主格を拘束した。扉の操作はこれで出来ない。場所は9階層だ。全員向かえ!!」

 

フィンの指示に応える全部隊。ベートは獰猛な笑みを浮かべ、ガレスは勇敢に笑い、ティオナ、ティオネも獲物を捕らえた笑みを作り走る。我らがリーダーの元へ。

 

ディオニュソスもフィンの言葉を聞いて大きく吠える。

 

「我が子達よ!わかっているな!勇者が相手を捉えた!仲間の無念をはらすぞ!決して遅れるな!!」

 

「わかっております!」

 

アウラなどが、士気の上昇の波にのる。それを冷めた目でみるユウ。

 

「ロキ様。弱い奴らがあんなに感情に振り回されるの見ると最悪の結果にしかならないと思うんだけど。」

 

「まぁそう言うたんなや。自分らもここまで一緒についてこれたんやーって勘違いしとんねん。可愛いもんやろ。」

 

ユウはため息を吐きながらその光景を見つめる。別に復讐は悪いことなんて言うつもりはない。その人その人の心の中なんてどうなっているかわからない。でも死んでいった人達は仲間に危険を犯してまで復讐してもらうのを望んでいるのだろうか?

自分自身、ベルやレフィーヤ、フィルヴィス、ウィーネが殺されたら怒り狂うだろう。それでも自分自身の危険を度外視するわけではない。あくまでも出来る範囲でしかやらない。仮にベルが殺されてもベルはユウに死の危険を犯してまでの復讐を決して望みはしないからだ。

 

「フィンさん。9階層の出入口をベートさん、ガレスさん、ヒリュテ姉妹で押さえて。フィンさんはアミッドさんとアスフィのところに。イケロスとタナトスだけは逃しちゃいけない。」

 

「全部隊聞いたな?ユウ君の指示に従え!番号が振ってあるところに向かえ!」

 

「俺は1に行く。すぐ着く。」

 

「儂は2じゃの。」

 

「私達は3ね。了解。」

 

全員即座に反応し速やかに行動に移す。全員ここを逃すのはマズイことを理解している証拠だ。

 

 

 

ーフィンサイドー

 

「君がバルカ・ペルディクスだね。王手だよ。神タナトス、神イケロスはその後ろの部屋かな?」

 

バルカは口を噤んだまま何も話さない。

 

「君たちは利用されていただけだ。エニュオと言う者にね。その証拠に誰も来ない。」

 

さて。これで終わりかなと思うとバルカがいきなり暴れ、アスフィの拘束から抜け出す。

 

「利用されていようとも、我々一族には悲願がある。いや呪いと言うべきかな。ここが私の終焉か…」

 

バルカは短刀を取り出し、自らの胸に刺した。

 

「なっ!?」

 

全員が驚愕する中カースの付いた武器を何度も何度も己の身に刺す。

フィンとアミッドですら固まり動けない。

 

「貴様らの言う通り闇派閥はここで潰えるのだろう。だがクノッソスは潰れん!!」

 

比喩抜きでドス黒い血を流しながらバルカは叫ぶ。

バルカは緑色の宝玉を取り出す。そう穢れた精霊の胎児だ。

 

「我が一族の執念を見せてくれよう。1人でも多く道連れにしてくれる!!」

 

その宝玉を自分の胸に押し当てる。

 

「ぐっ、げぇあ、あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「アァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

男と胎児の声が二重に響いてくる。モンスターではなく人間との融合。ダンジョンに寄生したりモンスターに寄生できるのなら人間にも寄生できるのを考えるべきだった。目の前の光景に目を奪われて全員が思考と行動を放棄する。

 

 

「フィンさん!固まってる場合じゃねぇって!早く指示を!聞いてた範囲と強い電磁波が現れたので理解した!アスフィ達はアスフィ以外退却しろ!!フィンさんとアミッドさん!そいつの能力はおそらくカースに特化してるはずだ!攻撃も魔法も返り血でさえも食らうな!」

 

フィンはユウの通信でハッと我に返る。アミッドとアスフィと頷き合い行動を開始する。

 

「ヘルメスファミリアは万能者を除き退却しろ。戦闘では役に立たない!ユウ君の推測通りなら人を増やしても無駄だ!足手まといが増えるだけだ!アミッド…頼りにさせてもらうよ?」

 

「ユウさんが私も残るように言ってくれましたからね。あの方の信頼に応えず何が聖女でしょうか。」

 

「私は飛び道具を持ってきているのでそれで牽制、様子見をしましょう。」

 

かつてない最悪の状況に各派閥の団長が相手を討伐せんと手を組む。

フィン、アミッド、アスフィはこれから冒険をする。

 

ーユウサイドー

 

「ユウたん!これほんまにヤバない!?ユウたんを増援…いやうちらのせいであかんか。」

 

「大丈夫です。フィンさんが落ち着きを取り戻しましたしアスフィもいます。何より対カースにおいては誰よりも頼りになるアミッドさんがいます。あの人の魔法マジで頭おかしいっすから。神様より神みたいな魔法っすよ。」

 

ロキはユウのアミッドへの信頼に口を開けて固まる。

その間にも電磁波を広げてイケロス、タナトスの場所を探る。

 

「ロキ様。イケロス、タナトスの場所を特定しました。行きましょう。あいつらだけは逃がさない。それにこちらで保護してしまえば最悪の推測は回避できます。」

 

ロキは頷く。

 

「ここからは部隊を分ける。神がうろついてる場所だ。モンスターは放し飼いされていない筈だ。いても闇派閥の兵隊くらいだ。それならレフィーヤとフィルヴィスで対応可能な筈だ。ディオニュソス様はレフィーヤとフィルヴィス、それにファミリアの人達といてください。どっちがイケロスかタナトスかわからないのでレフィーヤとフィルヴィス部隊には一方の神を捉えてもらう。もう一方は俺とロキ様2人で捉える。近くに強い電磁波は居ないが気をつけろ。」

 

レフィーヤもフィルヴィスも頷き、ディオニュソス様もディオニュソスファミリアの連中も頷く。

 

この分けるを選択したのがマズイことになるとは思わずに…

 




やっぱ終わらんかった。

遅くなり申し訳ありません。午前中の仕事の量がおかしかったんだよぉ〜!!!

できれば今日更新したいですが明日になったらすみません!!
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