ベルの兄は異世界人   作:ごーたろんす

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ついにオラリオから出ます。

アストレア様を探しす→見つける→ユウの村→ゼウス様って感じかなー?


とりあえずどうぞ!


あー!アストレア様見っけ!次はアストレア様が鬼な!

朝にちょっとした騒動があったもののとりあえずは落ち着いた。レヴィスは特にやることもないみたいなので俺らが里帰りするまではヘスティアファミリアに泊まることになった。

 

アスフィに聞いたオラリオの外に出る場合の手続きがあるみたいなのでベルと一緒にリューを拾ってギルドに向かう。

 

「そーいやリューはその手続きやったことあんの?」

 

「いえ。私はそもそも外に出たのは短期間だったので。出てすぐに帰って来ましたよ。バレないように…」

 

「お兄ちゃん!とりあえずエイナさんに聞いてみようよ!僕いつもエイナさんと会ってるから僕が聞くね!」

 

なんかやる気に満ち溢れてる可愛い弟がいるので全面的に任せることにした。ついでにランクアップの報告もしとこう。

ギルドに着き、3人でエイナさんのところに行く。

 

「エイナさぁぁぁん!!今日はお兄ちゃんとリューさんと一緒に来たよ!!」

 

「あら。ベル君。いらっしゃい。ふふ。相変わらずお兄ちゃんが大好きね。ユウさんもお久しぶりです。あなたはいつも来ないんだから!たまに来たと思ったら神々を連れて来たり…ほんと勘弁してよ。リュー・リオン氏もお久しぶりです。ブラックリストの件はギルドが本当に申し訳ありません。」

 

「いえ。気にしないでいただきたい。私もあの頃はかなりギルドに迷惑をかけた。当然でしょう。」

 

お互い軽く挨拶をして椅子に座る。

 

「んでエイナさん。2つ報告があってね。1つ目はヘルメスとかに聞いてるかもだけどこの3人で里帰りするから外に出る手続き。面倒ならあのクソジジイに直接言うから大丈夫だよ。」

 

「え?里帰り?リュー・リオン氏も連れて?どういうこと??」

 

「あー。リューは途中までが本当の目的。アストレア様に会いに行くんだよ。んでそのついでに俺らの村にも行くってこと。」

 

「あ、なるほど。うん。わかった。手続きはそんなに難しくないからウラノス様にだけは行かないで。私の担当冒険者になってるから毎回止めるように言われるんだからね!

それじゃあ所属ファミリアと氏名と期間だけ書いてもらえる?」

 

紙を三枚渡されたので各々が空欄部分に記入していく。それをエイナさんが確認してオッケーをもらった。

 

「あ、それと俺レベル5になったからまた神会の資料作りよろしくね?あの資料わかりやすいし。できれば備考のとこにそいつのイメージとかを書いてくれると命名式の時楽になるよ?」

 

「は?はぁぁぁぁぁぁぁ!?!?もう!?レベル5ですってぇぇぇぇぇ!?なんなのよクラネル兄弟は!!!」

 

「エイナさん!僕はまだですよ!!もうちょっとかかります!!でもすぐにランクアップしてお兄ちゃんと同じになります!」

 

「ベルさん。普通は早々にランクアップしないものです。そういえばもう私のレベルに追いつき、追い越されましたね。あなた方はやはりおかしい。」

 

「おかしいレベルじゃないでしょ!!恩恵貰ってまだ半年くらいでしょ!?なんでそんなにレベル上がるのよ!!」

 

「実力と才能と運。それ以外に無いでしょ。ランクアップには神々が認める偉業を成し遂げるしかないんでしょ?

そしたらレベルにとらわれない実力があればジャイアントキリングしやすいわけじゃん。

俺ら恩恵無くてもレベル3くらいの冒険者なら倒せるんだよ?

そりゃレベル低くても強いモンスター倒せるわ。ほら偉業。そゆこと。逆ギレしたり叫んで人の情報ぶちまけないで落ち着いてよ。」

 

エイナさんはハッとして席に座り謝ってくる。だが他の冒険者はああ。雷帝か。ならあのギルド嬢の気持ちわかるわ。と憐れみの目でエイナさんを見ていた。

 

「ご、ごめんね?あまりにも想像してないことだったから。わかった!私がちゃんと書いておくね。

それと里帰りだけど気をつけてね。また帰って来たら顔見せに来て。」

 

3人は頷く。うん。エイナさんって本当に良い人だな。お土産持って行こうなとベルと話をする。

そこからリューとベルと別れる。ベルは爺ちゃんに買うお土産をアイズと選びに行くそうだ。リューは店に戻るらしい。

 

俺はバベルの塔に向かう。

 

「フレイヤちゃーん?ニート駄女神様ー?ユウ君だよー?」

 

「もう慣れたわよ!今日はどうしたの?」

 

「帰る日時決まったから報告。それとミア母さんにレシピと調味料は渡して、材料買う金は渡しといたから俺居ない間はミア母さんのところに行ってね?」

 

「あら。ありがとう。お金は払うわよ?そこまでしてくれなくても大丈夫なのに。」

 

「いや魔導書の件はさすがに貰いすぎだったからね。これくらいはさせてよ。それにあの魔導書のおかげで春姫ちゃん、ランクアップブースト7人まで使えるし15分だったのが1人だけに使うと最長で105分になったからね。」

 

フレイヤはその破格の魔法を聞いて唖然としてしまう。何その最終兵器みたいな魔法。ヘスティアとは仲良くしましょう。そうしましょう。

 

「あ、あとオッタルさんにアドバイスを。醤油と豚骨スープ混ぜるとめっちゃ美味いよ?豚骨醤油っていってね。俺が一番好きな味。」

 

「と、豚骨醤油だと!?盲点だった。混ぜる発想は無かったぞ。感謝するぞユウ!フレイヤ様。このオッタルお腹が痛くなったのでホームに戻ります!!」

 

「待ちなさいオッタル!!そんな嘘に騙されるわけ無いでしょう!!あなたの仕事は何!?」

 

「至高の一品を作ることです。」

 

「オッタルゥゥゥゥゥゥ!!違うでしょ!!私の警護でしょ!!」

 

「え?介護?まー確かにフレイヤちゃんババアだもんね。」

 

「け・い・ご!!誰が介護必要なババアよ!!ってオッタルゥゥゥゥゥゥ!!なんでもう居ないのよ!!」

 

ハァハァと肩で息をするフレイヤを大爆笑で見ているユウ。フレイヤはため息を吐いてユウに手紙を渡す。

 

「これゼウスへの手紙よ。渡しておいてちょうだい。」

 

 

「ん。了解。オッタルさんも居なくなっちゃったしあの人多分全部の味試すだろうから帰って来ないよねぇ。

仕方ない。フレイヤちゃん今からアレン君のところに寄って一緒に母さんとこ行こっか。母さんに作り方教えに行く予定だったし。」

 

手を出して握ってくるユウ。フレイヤは下心も打算もそして呪いともいえる魅了もされてないユウを眩しそうに眺める。

 

「あ、惚れたとかやめてね?銀髪のババアはマジで無理。」

 

「凄く格好良く見えたけど勘違いだったわ。あなたいつかぶっ飛ばすわよ?」

 

笑いながら手を強めに握るフレイヤだった。

 

 

フレイヤファミリアのホームに着いてアレン君をすぐに見つける。縮地で背後を取り頭を撫で撫でする。

 

「アレン君今日も可愛いねぇ〜!毛並みもいいし。フレイヤちゃんこの猫ちょうだい?ウチのペットに欲しい。」

 

「にゃ、なんで!!ユウと…フレイヤ様?なぜここに?オッタルは?」

 

「今にゃって言ったよね?フレイヤちゃん聞いた?いや笑いすぎだから。

あ、オッタルさん?ラーメン作るからってフレイヤちゃん放ってホームに帰ったからいるんじゃない?」

 

「あ、あの野郎…!!せめて誰かと交代してこいよ!!んでフレイヤ様を送ってくれたのか?礼を言うぜ。」

 

その言葉を無視してアレン君を脇に抱える。

 

「さてフレイヤちゃん。猫も1匹確保したし行こうか。」

 

またフレイヤは嬉しそうにユウと手を繋ぐ。脇に抱えられたアレンは暴れていたがフレイヤの姿を見て大人しくなる。

 

「母さん!試食会しようぜ!ほらオマケも攫ってきたから!こっちが美のニート駄女神のフレイヤちゃんでこっちのバカ猫がそこのバカ猫のお兄ちゃんのアレン君な!」

 

 

「二人共知ってるよ。フレイヤ様はお久しぶりです。アーニャ!!お兄ちゃん来たから休憩入りな!」

 

兄様〜とアーニャが来るのでアレン君を下ろしてあげた。兄妹が仲が良いのは見てても気持ちがいいね!

 

それから母さんと厨房に入って教えながら一緒にご飯を作る。やっぱミア母さんは手際もいいしコツを掴むのも早かった。試食でフレイヤちゃんもアレン君も美味しいと言いながら食べていた。

 

「あ、アレン君。俺が居ない間母さんに飯頼んでるからフレイヤちゃんと一緒に食べに来なよ。アーニャも嬉しそうだし。」

 

「え!兄様来てくれるのかニャ!?母ちゃんその時はミャーも休憩欲しいニャ!!」

 

母さんも許可をしたのでアレン君も来るみたいだ。アレン君にフレイヤちゃんのことを任せて俺はホームに帰る。

 

ホームでは庭でミコっちゃんがレヴィスと手合わせをしていた。さすがにアビリティが違い過ぎるので指導みたいになっていたが。

 

夕飯の時に決まった日時を全員に伝える。それからはレヴィスもヘスティアファミリアの一員みたいになって、特にアイシャさん、春姫ちゃん、ミコっちゃんと良く話をしたり手合わせをしたりしていた。

リリはリリでフィンさんと一緒に色々話をしたり戦術についても討論したりしてたみたいだ。

 

 

そして里帰り当日オラリオの門の前にヘルメス、アスフィ、ユウ、ベル、リューは集まっていた。

そのまま門の外に出てアストレア様のいる村に向かう事にした。

 

「つかこんだけ首突っ込んどいて今更なんだけどさ。アストレア様ってどんな神なの?

俺が知ってんのは正義を司る神で、スッゲェ真面目そうってことなんだけど。」

 

「概ねその通りです。我々アストレアファミリアは正義を執行するファミリアでしたので。アストレア様は正義そのものでした。」

 

「別にリューの尊敬する主神を貶してるわけじゃないんだけどさー。俺は正義を司るの意味がわかんないんだよね。」

 

リューは固まり、ヘルメスがどういことか聞いてくる。

 

「んー。あくまでも俺の持論だから気にしないで欲しいんだけどさ。だって正義ってあやふや過ぎない?

ヘルメスは旅人とか商人の守護神なわけじゃん?なら旅人の旅が上手くいくとか商人の話し合いが上手くいくとか下界の子供でもわかりやすいわけよ。

んでも正義って何?秩序を守る。そりゃ正義だわ。でもなぁ。例えばだけど国同士の戦争って自国には自国なりの正義があって他国にも他国なりの正義があんだろ?

だから正義ってあやふやなもんを司るってのがイマイチピンとこないっつーかなんつーか。」

 

「お兄ちゃん!僕わかるよ!正義って常に正しくないといけないんだよ!だから強いやつの事だよ!」

 

「ん?ベルどう言う事?」

 

「さっきのお兄ちゃんの話だけど戦争は正義の元にやるんじゃなくて勝った方が正義なの!

だから自分達が正しいんだ!って思える強い心を持つ人と絶対勝てる強い人の事だよ!英雄も正義なんじゃないかなーって思うよ!」

 

なるほど。たしかにそうだ。うんアストレア様に聞いてみよ。強い=正義って解釈でも大丈夫か。

リューは俺とベルの話で何か思うことがあるのか考えながら無言で歩く。

 

「お喋りも良いけどもうそろそろアストレアが居るって聞いてる村に着くよ!っと見えてきたね。あの村だよ。」

 

全員少し歩く速度を速め、村に入る。小さな集落のようだ。歩いている村人にアストレア様の事を尋ねる。

小さな広場にいるようだったのでそちらに向かう。

 

子供達と一緒に遊んでいる女神様が居た。リューはその女神を見て涙を流す。女神もこちらを見て驚いているがすぐに微笑んだ。

 

「あら、久しぶりねヘルメス。それに…私の可愛い子。リュー。元気にしてたかしら?」

 

リューは泣きながら頷く。アストレア様は自分の住んでいる家に俺らを案内してくれた。

 

「久しぶりに見た顔も、はじめて見る方もいるのね。改めて正義を司る神、アストレアです。よろしくね?」

 

「はじめまして。アストレア様。私はヘスティアファミリアのユウ・クラネルです。よろしくお願いします。」

 

 

「はじめまして!僕はヘスティアファミリアのベル・クラネルです!ユウお兄ちゃんの弟です!!よろしくお願いします!」

 

ユウとベルの自己紹介を聞いてアストレアは驚く。

 

「え?ヘスティア?あの子下界に来てたの??驚いたわ。天界に居た時からあの子とは仲が良かったのよ。」

 

懐かしそうに微笑むアストレア様。そしてリューが口を開く。

 

「アストレア様…。私は色々と話す事があります。あの忌まわしい過去の事、それからのこと、そして今からのことです。」

 

リューが話す事はあまり聞かれたくないだろうとリューを残して全員外に出る。

 

 

「皆さんに気を使わせてしまいましたね。それでリュー。話したい事とは?」

 

 

「はい。あの時アストレア様に正義を捨てなさいと言われても私は止まれませんでした。闇派閥を壊滅させ、神も4柱送還させる事になりました。そんな事アストレア様は望んでおられなかったのに。

本当に申し訳ありませんでした!!」

 

アストレアは黙って話を聞く。

 

「それからは己の身体も省みずに戦ったので傷だらけで路地に倒れました。ここが私の最後かと…。ですがある少女が助けてくれました。

今住込みで働かさせてくれているお店のウエイトレスの少女です。それからはその店でずっと働いていました。

そしてあの2人に半年ほど前に出会いました。そう。クラネル兄弟です。

ユウさんは最初、ロキファミリアが酒の肴にベルさんがされているのを聞いて当時レベル1だったにも関わらず、己の信念に従い神ロキや勇者に直接文句を言いに行きました。

私はその姿を見て、彼の中にも正義があり、その正義に従い巨悪を討つように見えて。そう。眩しかったんです。

それから何かとあの兄弟と交流する事が多くなりました。」

 

「ちょ、ちょっとリュー?ユウさんってあの子でしょ?レベル1でロキファミリア全員に喧嘩売りに行ったの!?」

 

「はい。まだ序の口です。私はユウさんに料理を教わりたく、指導をお願いしました。アストレア様。私も料理が出来るようになりました。

ベルさんがダンジョンでパスパレードされて取り残されたと聞いてユウさんと探しに行きましたが18階層で無事でした。

そ、そこで、その。アリーゼ達の墓参りのついでに水浴びをしていたらユウさんが普通に話かけて来まして…。私はそんなに魅力が無いのでしょうか…。」

 

アストレアはピーンとくる。ははーん。リューったらユウ君に惚れてるわね??よぉし!お母さんにまっかせなさいっ!!

 

「リューが裸を見られて怒らないなんて珍しいわね。」

 

「な、何故かユウさんとベルさんには手を握られても不快感が無く気にならないのです。ああ、話が逸れましたね。

それから共闘する出来事もありながらユウさんとベルさんの常識外の動きをずっと見てきました。

そしてアストレア様と会おうと思ったきっかけとなる出来事が起こりました。

闇派閥の奴等の生き残りがいたのです。私は我を忘れてそいつらを追いかけました。そしてダンジョンで罠にかけられ、あのモンスター。

アリーゼ達を皆殺しにしたモンスターが現れました。その時にベルさんが来て、震える私を庇いながら戦ってくれましたが一度ベルさんはやられてしまいます。

私も戦おうとしますがどうしてもあのモンスターには勝てません。ベルさんがそのあと力を振り絞って半身を消しとばしてくれましたが。

それからイレギュラーがあり私とベルさんは37階層でボロボロの状態で彷徨う事になりました。

私は。自分自身を犠牲にしてでもベルさんを地上に帰そうと決意していました。正規ルートに出る為に闘技場を横断しなければならなかったので2人でモンスターの皮を被って横断しようとしました。

するとユウさんが救援で現れて闘技場にいたモンスターを一瞬で殲滅し、37階層の誰も知らないセーフティゾーンに連れて行ってくれました。」

 

「ちょちょちょっと待ちなさい。ええ。リュー。落ち着きなさい。ユウ君はレベル1でしょ!?ベル君も!なんで深層に行けるのよ!!」

 

リューは納得したように頷く。

 

「ああ。アストレア様はご存知ありませんでしたね。あの兄弟のランクアップ速度は異常です。今ユウさんはレベル5、ベルさんはレベル4です。それも半年でですよ。ユウさんに至ってはレベル2の時に既に私より強かったです。」

 

その言葉にアストレアは言葉を失う。アストレアは正義を掲げるファミリアでオラリオでも一目置かれていた立場の主神だった。

そんなにレベルが簡単に上がらない事は良く分かっていた。半年で第一級冒険者にまでなっている?なんの冗談だ。

 

「セーフティゾーンで休息を取り、ユウさんとベルさんと話をしました。あのトラウマとも言えるモンスターはあの兄弟からすればサンドバッグらしいです…。

ベルさんは蜘蛛が嫌いらしく近接戦をしたくなくて魔法を使い反射されたのではじめはやられただけらしいです。その証拠に追いかけてきたモンスターを一瞬で粉々にしていましたし…。

それから戦い方を教わることになり、闘技場で鍛錬することに…。あれは死んだと思いましたね…。」

 

ウチの子はどんな生活をオラリオでしてるんだろう。オラリオに戻ろうかなと良いお母さんのアストレアはそう思う。

 

「これが今までの出来事です。ここからは私のアストレア様に伝えたい話です。

私は正義とはなんなのか考えてきました。ユウさんに正義とはあやふやなものだと言われました。

国同士の戦争でも、人の喧嘩でもお互いがお互いの正義を持っていると。どっちが正しい正義だなんて断言は出来ないと。

私の復讐もそうです。あれは正義でもなんでもなかった。そう思ってアリーゼ達やアストレア様の正義を肯定したかった。ですが違うんですね。己の行動1つ1つに正義がある。それを否定しながら行動する事こそが正義ではなくなってしまう。

だからアストレア様は私に正義を捨てろとおっしゃった。」

 

アストレアは自分の子の気持ちを聞いて嬉しくなる。ようやく過去と決着をつけれて未来に走りだそうとしている。

 

「そうね。リュー。貴女は私の誇りよ。これからも己の正義を大切にしなさい?」

 

リューはその言葉を聞いて涙する。母親に正義を認めてもらえた気がしたからだ。

 

「それより話を聞いてて思ったのだけれどリューはあの兄弟のどっちが好きなの??お母さんに言ってみなさいよ!」

 

「え、ええ??わ、私みたいな生真面目エルフにす、す、好かれてもユウさんは困ってしまう。」

 

「ふーん。リューはユウ君が好きなのねぇ。ふふ。良い事聞いちゃった!」

 

それだけを言い、外にみんなを呼びに行くアストレア。ああ。アストレア様の悪い癖が…と遠い目のリュー。

それからみんなと話をする。他愛ない話だ。

 

「ユウ君は彼女とかいるの??なんだかモテそうだなぁって思ってさ。」

 

「いませんよ?でもアスフィともう1人に告白されてるので好きって気持ちがまだわからないので保留してます。」

 

「ならチャンスはまだあるわけだ…。リュー!!私もオラリオに戻るわよ!!」

 

「え?ほ、本当ですか!?あ、しかし館は解体されてしまいましたよ?」

 

「んじゃウチくる?部屋もかなり余ってるし。別にリューなら問題ないでしょ。ベル達とダンジョン潜って金稼げば?母さんに説明はしなきゃだけど。アストレア様も良いですよ?ヘスティアといーちゃ、イシュタルもいますしね。」

 

「え?いいの!?ありがたいわぁ。ん?イシュタル?なんで??」

 

イシュタルとの喧嘩を伝えるとドン引きしていたが。

 

「とりあえず俺ら爺ちゃんのとこに里帰りする途中なんですよね。アストレア様も一緒に来ます?」

 

アストレアは首を横に振る。身辺整理をしないといけないので帰りにまた寄ってほしいとの事だ。

一旦アストレア様と別れて村を出る。それから爺ちゃんに会いに行く。

 

歩いている途中にリューの話を聞いたりヘルメスをゴブリンに木の棒を持って突っ込ませたりしたが特に何もなかった。

 

「「爺ちゃん!!ただいま!!」」

 

「おお!ユウにベル!お帰り。少しみないうちに大きくなったのぉ!!」

 

2人して爺ちゃんに抱き着く。

そんな2人の姿を微笑ましげに見る他の3人。

家の中に入り、リューの自己紹介をしてお茶をすることにした。

 

「それでオラリオはどうじゃ??儂の孫じゃしそりゃ楽しくやっとるんじゃろ?ジジイに色々聞かせてくれ。」

 

「おう!俺はレベル5になってベルはレベル4だな!すっげー楽しいよ!」

 

お茶を吹き出すゼウス。レベル2くらいになってたら凄いなぁと思ってた。どんなスピードで第一級冒険者になっとるんじゃ!!

 

「ぜ、お爺さん。ユウ君の話は本当ですよ。俺らはもう慣れちゃったから。うん。」

 

遠い目をするヘルメスを見て冷や汗を流すゼウス。

 

「あ、それと親友と妹ができたんだ!ベートさんって人が親友でレフィーヤとフィルヴィスのエルフとウィーネっていうヴィーヴルが妹。」

 

ん?ヴィーヴル??あれモンスターじゃろ?頭痛くなってきたわい。こやつらオラリオでどんなことしとるんじゃ!

 

「あ、あと手紙にも書いたけどロキ様とフレイヤちゃんと仲良くなったよ。フレイヤちゃんは1日1回弄らないとダメなくらいに魅了されたわー。」

 

「フレイヤ様に粘着ババアとかババアとかババアとか言ってて何が魅了だい?しかも最近は猛者と一緒にニートババアって言ってるみたいじゃないか。」

 

「んでもよーヘルメス。フレイヤちゃんバベルの塔に引きこもってるんだぜ?前いーちゃんの屋台に放り出したけどお好み焼きもひっくり返せないとか使えなさすぎでしょ。」

 

ゼウス、ヘルメスは顔を引きつらせている。まさかあの美の女神がこんな扱いだとは思いもしなかっただろう。

それからはベルはベルの冒険を嬉しそうに爺ちゃんに話ていく。アスフィもリューも俺とベルとの交流を話す。その間に魔法を使って食材を出し、色々料理を作っていく。

 

晩御飯の準備が出来たので全員で食べる。

 

「ほう。これがユウの言っとった魔法かの?おお。そうじゃ!あのせんべい?は美味かったぞ。また送ってくれい。ベルもマフラーと手袋ありがとのぉ。」

 

「あーあれ?魔法で出したやつだからなんぼでも置いていけるよ?ほら。これってヴァリス入れないと出ないんだけど37階の闘技場で毎回稼がせて貰ってるしフレイヤちゃんから結構な金額貰ってるから今4000万くらい入ってるんだよね。爺ちゃんが欲しいもの言ってくれればなんでも出すよ!!」

 

その馬鹿みたいな金額に一同驚く。ベルですらも驚く。

 

「ち、ちなみになんだけど…ユウ君って合計でどのくらい資産あるの??」

 

「んー。いーちゃんに渡した屋台の売上と神会で使う資料の紙をギルドに下ろしてるのと金庫にぶち込んでる金合わせたらこんくらい?」

 

指を5本立てる。

 

「え、マジ?そんなに?とんでもないよね?半年でしょ??」

 

「まぁベルに質素な生活させたくなかったからなっ!!お兄ちゃんすげー頑張ったよ!」

 

ブラコンここに極まれり。弟の為にそんなに稼ぐ馬鹿はこいつくらいだろう。

それからご飯も終わったのでみんな風呂に入る。シャンプーとトリートメントを置いておくと爺ちゃんが興奮していた。

 

低反発マットレスと布団があったので全員買っておく。みんな低反発に驚いていたけど。

 

リューとアスフィに俺らが使ってた部屋を譲ってベルと俺は居間に布団を敷く。そしてゆっくりと眠ろうとするがフレイヤちゃんから預かってた手紙を渡していないことに気づく。

 

「爺ちゃーん?ヘルメス?まだ起きてる?」

 

2人の返事があるので中に入る。フレイヤちゃんから。とだけ言って爺ちゃんに手紙を渡す。

 

「ゼウス。久しぶりね。ユウに貴方が祖父だと聞いて手紙を書いたわ。あなたの義孫は2人ともすごいわよ。私もユウには特に世話になってるわ。でもね貴方どんな教育したのよ!!私なんて美の女神なのに初対面で粘着ババア女神って言われたのよ!?

ま、まぁそれはいいわ。オラリオから追放したこと申し訳なく思ってるわ。もっと他のやり方があったんじゃないかとも今なら思うわ。

だから絶対にユウを私達と敵対させる様な事言わないでよ!?あの子のファミリア頭おかしい子ばかりなんだから!それにユウのご飯とかシャンプーとかも無くなるの嫌よ!

追放しといてなんだけどギルドもユウが脅しに行けば追放を撤回してくれるでしょうしオラリオに戻ってきたら?

いくらゼウスでもユウとベルを悲しませたら潰しに行くからね。それだけよ。手紙の返事はユウに持たせてくれたらいいわ。」

 

「フレイヤちゃんってほんとツンデレで残念女神だよなぁ。なんだよ飯とシャンプーって。」

 

「はは。ユウ君にかかればフレイヤ様もこうなっちゃうね。」

 

「儂の知っとるフレイヤと違うんじゃが。まぁなんじゃ?儂ここの生活気に入っとるしオラリオには戻らんよ。ユウ達の活躍を楽しみに待っとくわい。」

 

3人は笑う。そしてフレイヤちゃんエピソードを話すとゼウスとヘルメスは大爆笑していた。

夜も更けてきたのでこの辺で眠ることにする。

 

まだまだ話すことがたくさんある。大好きな爺ちゃんと過ごせる残りの時間を大切にしようと思うユウだった。




遅くなってすみませんm(_ _)m

今日はこれだけで許してください!!

つかこの後の話も考えないと…。オリジナルって難しいよね。でも頑張るぞい!

爺ちゃんと過ごすクラネル兄弟。
楽しい時間はあっという間に過ぎていく。
別れの時はすぐに来る。アストレア様と合流してオラリオに戻る。
その時オラリオでは…
次回 波乱万丈!!テメェ等に今日を生きる資格はねぇ!


※次回予告は全く関係ありません。完全にノリです。名言 アニメで北斗の拳のセリフがあったので使いたかっただけですww

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