えーリクエストをいただいていたのでベートとリーネたんのデート回にしたいと思います。
甘々な話にしたかったけどこれが作者のレベルでは限界だ!!許してくれ!!
黄昏の館。館というか城みたいになっているロキファミリアのホーム。中庭で1匹の狼がボケーっと空を見上げていた。
この狼。親友とも悪友とも兄友とも呼べるユウ・クラネルが実家に帰っているので暇で仕方がなかった。もちろんいつも通りにヘスティアファミリアにはレフィーヤと一緒に行くのだが弟子もおらず、親友もおらず、飯も無いのでヴェルフ達と鍛錬をして昼過ぎにホームに戻っていたのだ。
もうすぐ阿鼻叫喚に巻き込まれるとも知らずに。
やることもないので身体を休める為にボケーっと空を見上げていたら人の気配がする。
我が愛しの妹アイズかと思って近づいてくるまで放っておくことにした。
「あ、あの。ベートさん。今お話ってよろしいでしょうか…?」
ん?アイズじゃない?レフィーヤはフィルヴィスと遊んでるし誰だ?
そんなことを思いながら声のした方を見るとメガネっ娘のリーネがいた。
「お、おう。リーネか。なんだ?どうした?」
リーネは深呼吸を繰り返してベートの目を見て口を開く。
「わ、私とデートしてもらえませんかっ??」
顔を真っ赤にしてデートとはっきり言いきったリーネをマヌケな面をしてベートはボケーっとして見ている。
「あ、おう。あれか?この前行ったケーキでも食いに行くのか?ユウもベルもいねーし暇だからいいぞ?」
フィンを煽る為にもこのデートは成功ささねーと!!それにアイズにアドバイス出来る兄貴になったらカッコいいしな!
内心はゴミ野郎だった。この駄犬ユウに毒されすぎて脳内の基本が愉悦とブラシスコンになってやがる。
おっとりとして内気で真面目なリーネは憧れというか好きな人に勇気を出してデートに誘い、了承を得れてそれこそ天にも登る嬉しさでいっぱいだった。
時間指定をして街で会うことにする。ホームから一緒だとめんどくさいやつらが多いからだ。
ユウがアスフィに女の子を待たせたらダメだと説教されているのを思い出して早めに待ち合わせ場所に行くベート。
この狼も口は悪いが根は真面目なのだ。
ユウとファッションショーといって遊びで似合いそうな服を着てお互いに文句を言いあったりしていたので服には自信がある。
なんせあのユウが「ベートさんって無駄にスタイル良くて無駄にタイトな服似合うから爆発すれば良いと思う。」と言ったくらいなのだから。
似合ってるからという理由で貰ったジーンズとブーツ。それに白のワイシャツとネックレスをして待っているベート。
顔も整っているので爽やかなイケメン狼にしか見えない。ユウがオラリオにいたら殴られているレベルでイケメンだ。
リーネは影からベートを見つけてカッコいい服を着ているので自分は横に立てるか不安になって何度も店のガラスで自分の格好を見る。
私って地味だし弱いからベートさんの横は似合わないよね…。うん。今回のデートを宝物にしてそっと見守ろう。
リーネは落ち込みながらも楽しもうとベートのところに小走りでかけていく。
「お、おまたせして申し訳ありません!!」
「ん?いやあれだろ?女ってのは用意に時間かかるんだろ?別に構いやしねぇよ。そ、それとその服似合ってんぞ。リーネっぽい大人しめの服だな。」
これでいいんだよな!?文句を言わない!服を褒めてやるだよなっ!?
ユウとアスフィとの話を必死で思い出しながらベート君は奮闘する。どんだけフィンに自慢したいのだろうか。
一方リーネは似合ってると言われて真っ赤になりながらもお礼を言う。ベートさんもいつも以上にカッコいいと伝えるのがギリギリだった。
「そんじゃどっか行くか。リーネはどっか行きてぇとこあんのか?ないなら俺が決めるけど。ユウとかと結構遊びに行ったりもするからな。」
「は、はい。私が誘ったのにどこに行くか考えてなくてすみません…。」
「あー謝るな謝るな。デートってのは男がリードするもんだ!…らしい。すまん俺もあんまり良くわかってねぇわ。とりあえずゆっくり商店街でも歩くか。」
リーネはベートの不器用ながらの気遣いに心があったまっていく。笑顔ではいっ!と返事をしてベートの後をついていく。
商店街を歩いているとベートはみんなから声をかけられる。
「あらあら次はベートちゃんかい?ベルちゃんもユウちゃんもデートしてたわよ?全くあんたらは商店街でデートなんかしちゃって。
女の子もべっぴんさんばかりなんだからもっとオシャレなカフェとかに行きなさいよ。」
「お、おばちゃん。うるせぇよ!!ここもオラリオなんだからいいんだよ!……カフェは後で行く。」
おばちゃんもおじちゃんもゲラゲラ笑っている。ベートは頬を染めつつも笑いながら話をする。
リーネは昔からベートが好きだった。口は悪いがいつも周りのこと、ファミリアの家族を大切にしていたのが良くわかったからだ。
誰にも理解されずにいたベートさんがこんなにたくさんの人に理解されて仲良くしてるのを見ると嬉しくて笑顔になってしまう。
「そこのお嬢ちゃんちょっとおいで!あの捻くれ者のベートちゃんのどこが好きになったんだい?」
「え、えっと、あの、ベートさんは昔から理解されないだけで優しかったので…。ずっと好きでした。
でも私は弱いですし地味なので今回のデートを宝物にして諦めるつもりなんです。」
おばちゃんはリーネの言葉にびっくりしてしまう。
「何言ってるんだい。ベートちゃんが一緒に歩くんだから気に入られてるんだろう?安心しな。お嬢ちゃんだってべっぴんさんだよ。諦めるのは早すぎるんじゃないかい?
なんかあったらおばちゃんに相談しにおいでっ!いつでもここにいるからね!家族に言いづらいこともおばちゃんなら話せるだろ?」
リーネはおばちゃんの優しさに感謝する。
いつも周りに合わせて1人で落ち込んでしまうリーネはおばちゃんの相談しにおいでの一言で救われた。
泣きながら笑って相談しにきます。と返事する。
おばちゃんはゆっくりリーネの頭を撫でてあげる。
「ふふ。ユウちゃんもベルちゃんもベートちゃんも可愛いけどリーネちゃんみたいな娘の方があたしゃ良いねぇ。あの子たちはヤンチャ坊主だからねぇ。
まぁそこが可愛いところでもあるんだけど。」
オラリオ1有名なクラネル兄弟と口の悪いベートをヤンチャ坊主呼ばわりできるおばちゃんは何者なんだろうかと思ってしまうリーネだった。
ベートはおじちゃん連中に捕まる。
「んでベートちゃんや。なんであの嬢ちゃんを選んだんだ?ほれ。おじちゃんに言ってみろ。」
「あーもううるせぇな!別に選んでねーよ!デートに誘われたから来たんだよ!!」
「でもベートちゃんは嫌ならはっきり断るタイプだろ?余計な一言もつけて。」
図星すぎて何も言えなくなるベート。
おじちゃんはニヤニヤしながら続ける。
「あの嬢ちゃんは良い女だぞ?一歩引いて男を立てるタイプだ。ガツガツくるタイプよりベートちゃんにお似合いだと思うけどなぁ。
前一緒にいたレナ嬢ちゃんよりベートちゃんにお似合いだと思うぞ?」
「あーなんだ。レナは正直脳みそ足らなさすぎて無理だわ。いや可愛い妹ならアリだな。」
ベートの一言でみんな大爆笑する。たしかに!ベートちゃんも分かってきたねぇ!などの声も上がる。
「ベートちゃん。あの嬢ちゃんは内向的なタイプだろ?ベートちゃんがリードしてあげないと自分で勝手に悩んで思い詰めて諦めるタイプだから気をつけな?
果物屋の嫁さんの若い頃にそっくりだわ。」
「お、おう。ユウもいねーしそのアドバイスは助かるわ。つってもデートって何すりゃいいんだ?何も思い浮かばねぇんだよ。苦肉の策で商店街来ちまったし。」
おじちゃん連中は全員ため息を吐く。
「デートなんてのはな極論2人で過ごす時間が欲しいって事なんだよ。だけどあの嬢ちゃんは多分自分からやりたいこととかは中々言えないタイプだ。
ならゆっくりと邪魔の入らないところでお茶でもしながら話を聞いてあげな?
ベートちゃんならそれだけで落とせるから。」
「お、おう。わかった。ならこれからカフェでも言って色々話を聞いてみるわ。
つか落としてぇんじゃねぇけどな。まぁなんだ。ありがとよ。」
おじちゃん連中は全員笑いながら頑張れよと声をかける。ベートはその声を背中に受けながらリーネを呼びに歩いていく。
そーいやデートは手繋ぐのが基本ってユウがアイズ騙してたけど手でも繋いでみるか?
いやでも嫌がられたら俺の黒歴史になる。どうする。どうするベート・ローガ!!
しかし弟子のベルはペアネックレスとか手を繋ぐとかできたんだ!!
師匠の俺ができねぇはずはねぇ!!やってやる!!
「お、おうリーネ。話はもう終わったか?」
「はい!おば様にたくさん相談乗っていただきました。ベートさんこんな素晴らしいところに連れて来てくれてありがとうございます!」
「そうか。そりゃ良かった。なら次は喉を潤しにカフェでも行くか。ん。」
手を差し出す。リーネは一瞬驚くが笑顔で手を繋ぐ。
ベートの心臓はバクバクしていた。
よっしゃぁぁぁ!!リーネは良いやつだから良かったぁぁぁ!!これで断られたら引きこもってたわ。
よしあとはカフェで話を聞いてやるんだったな!任せとけ!!
無駄にテンションの高い駄犬だった。こいつも大概なヘタレだと思う。
べべべベートさんと手、手を繋げた!!ん。って手を差し出してくれた!!神様ありがとうございます!ありがとうございます!!
うん君の神様ロキだから。悪戯神だから。1ミリも恋愛に関係ないよ?むしろ邪魔しかしないよ?
ちなみにどっからどう見てもお似合いのカップルにしか見えない。男冒険者は呪詛の声を、女冒険者は羨ましそうな視線を飛ばしていた。
カフェについてメニューを頼む。
リーネはずっとニコニコしているのでベートはホッとしていた。
コーヒーや紅茶、ケーキなどが届き、ゆっくりとした時間が流れる。
あれ?これ俺が話振らないといけないやつか!?おじちゃんもリーネは溜め込んじまうって言ってたしな。
よしっ!ここで男を見せねぇと!
「リ、リーネ。なんか話したい事でもあんのか?」
やっちまったぁぁぁぁ!!なんだよその質問!!意味わかんねぇよ!!ちくしょぉぉぉぉ!!
テンパり過ぎてダメなヘタレの典型的なミスだった。
が、リーネは違う。なんせ恋する乙女で以前までのベートですら理解して好きだったのだから。
あ、ベートさんもしかして私が悩んでるの気づいてくれててデートに付き合ってくれたのかな?
本当に優しいなぁ。カッコイイし優しいなんて反則だよぉ。
お互いが幸せになる勘違いをしている。ある意味奇跡といっても過言ではない。
「えっとですね。私、弱いじゃないですか…。最初のクノッソスの時もユウさんに助けてもらわなければおそらく誰かは死んでいました。私はヒーラーなのにカースで何も出来ず足手まといになっていました。」
あれ?ガチなやつ?俺の質問はなんとか誤魔化せてる!?ここは俺も真剣に答えてやらねぇと男じゃねぇな。
そんなアホなことを考えながらも真剣にリーネの言葉に耳を傾けてる。
「ベートさんはよく雑魚は引っ込んでろと言いますが全てその人達の為なんですよね。
弱いやつらは死なないようにホームに残ってろって私には聞こえてて…。
私はベートさんが昔からすごく優しい人だとずっと思ってます。だからこそ弱い自分じゃベートさんの隣に立つことさえ出来ないと思ってしまって……。」
おいおいおいおい!!なんでユウと大幹部の3人しか分からなかったことをリーネがわかってんだよ!!
マジかよ…。こいつずっと俺を理解してくれてたのか。
ベートは顔が熱くなるのを理解する。コーヒーをゆっくりと飲み、顔を見られないようにする。
「ですが今日の商店街のおば様達や、ユウさん、ベルさんの話を聞いて諦めたり悲しむ前にもっと前を向いていこうと思いました。
ベートさん。本当に今日はありがとうございます。」
ぺこりと頭を下げてお礼を言うリーネ。ベートは無言でリーネを見る。そして考えて口を開く。
「リーネ。俺は雑魚が嫌いだ。雑魚は口ばっかで自分の弱さを認めねぇで何もしようとしやしねぇ。
悪いがウチの団員のレベルの低い連中はそういう雑魚が多いと思ってる。
だがな。リーネ。お前は違うだろ。もがいてもがいて、考えて、苦しみながらも前を向こうとしてる。
それはもう雑魚じゃねぇよ。立派な冒険者だ。なら強くなれ。俺は待たねぇ。ユウもベルもいるからな。ずっと前に進み続ける。
だが……。リーネに背中を預けるのを楽しみにしている。俺を呆れさせるなよ?期待してる。」
リーネはベートの心からの言葉に泣きながら返事をする。ずっと、ずっと好きで憧れていた人から期待されたのだ。ここから前に進もう。
誰にも負けないくらい前に。そして今は伝えられないけど大好きなこの人の隣に立ったときにこの気持ちを伝えよう。
そんな思いを心に秘める。そして自分に誓う。今までのおどおどした自分とはお別れだ。
冒険者として、何より女としてひたすら前に進もうと。
ベートはリーネの瞳に炎が宿ったことに気づいて口角を上げる。ユウみたいに誰かをやる気にさせることが出来た。
それも勘違いされやすい自分を理解してくれた最高の女性に対してだ。
「そうだなぁ。リーネはヒーラーだろ?俺もユウも戦闘なら教えれるんだがな…。ヒーラーを育てるなんてできねーぞ。」
「あ、いえ!そんなベートさん直々になんて…。」
「んーそうだな。ちと相談しに行くか。リーネ悪ぃけどもう一回商店街行くぞ。」
リーネはおば様方に相談するのかと頭に疑問を抱きつつもベートのあとをついていく。
あるお好み焼き屋台の前に行列が出来ていたがベートは無視をして前に行く。
あたふたしながらリーネも後ろについていく。
「いーちゃん。ちょっと聞きてえんだがディアンケヒト様来てなかったか?」
「ん?ベートかい。あいつならまだ並んでるよ?ウィーネにどハマりしてずっと並んでるよ。」
ベートはお礼を言い、横の列に並んでいるディアンケヒトに話しかけていく。
「おう。ディアンケヒト様。ちと相談があるんだけどよ、大丈夫か?」
「ん?炎雷狼?お前が儂に相談とは珍しいの。ウィーネちゃんのお好み焼きまで待ってくれ。もう1時間も並んどるんじゃ。」
ベートは了承し、近くの店で飲み物とお菓子を買ってくる。そのままイシュタルとウィーネ、孤児院のちびっこに配っていく。
リーネはそれを見て驚いてしまう。そんなことをするベートを始めて見たからだ。
これはユウの調きょ……もとい教育のおかげだったりする。あと妹効果。ウィーネにベートお兄ちゃんと言われ始めてシスコン狼はデレデレになった。
リーネは孤児院の子供達と一緒に椅子に座ってお話をしていた。
ユウとベートがすごく優しいや、ウィーネちゃんと一緒に遊んだなど色々知らなかったことをお話してくれる。
やがて買えたのかディアンケヒト様とベートさんが一緒に来た。
「それでこの子がその将来有望なヒーラーか?儂は別に構わないぞ?ヘスティアファミリアとつるんでいたら派閥とかアホくさくなってくるしのぉ。」
「あーそりゃすげぇわかる。あそこは無法地帯すぎるからな。そしたら今日の閉店間際くらいに行ってもいいか?報酬はユウが帰って来たらヘスティアファミリアに招待して一緒に飯を食うでどうだ?」
ディアンケヒトはベートと握手をする。ちょっと待て。ベートお前ヘスティアファミリアじゃねーだろ。
「安心しろリーネ。お前の師匠が見つかった。今日の夜行くぞ。とりあえず晩飯は一緒に豊穣の女主人に行くか。ミア母さんがユウの飯のレシピ教えてもらってるらしいし。」
え?え?夜までベートさんが一緒にいてくれる??それに師匠?どういうことかわからないけど私幸せです。
リーネは困惑しつつもベートとのデートが長くなるのは嬉しいので笑顔で返事をする。
その後ベートと一緒にまた手を繋いで街を歩いていく。
えーとなんだっけ。服は女の趣味があるからプレゼントはダメ。お揃いにするなら時計とかネックレスとかって言ってたな。
くそ!もっとちゃんとユウかベルに教えてたこと聞いときゃ良かったぜ。
この狼は弟子と妹のペアネックレスに対抗して何か買おうとしていたが残念なことに何も思いついていなかった。
露店を冷やかしているとリーネに似合いそうなブレスレットがあった。しかしペアでは無かったので選択肢から除外する。
あれ?別にペアじゃなくても良くねぇか?楽しかったからプレゼントって渡せばいいんじゃね?
今更気づいたベートはリーネを待たせて露店にブレスレットを買いに行く。
買って戻るとリーネが冒険者2人に絡まれていた。
「おい。俺の連れになんか用か。」
思った以上に低い声が出る。
「ひっ!!炎雷狼!?い、いえ、なんでもないです…!」
「失せろ雑魚共。次俺の視界に入ったら殺す。」
冒険者2人はダッシュで逃げて行く。
「ベートさんありがとうございます。何度説明しても離れてくれなくて……。」
「あーなんだ。1人にしちまって悪かったな。ほれ。これ御守り代わりにつけとけ。
今日は楽しかったからな。一応お礼だ。」
リーネはベートから渡されたブレスレットを見て驚く。そして満面の笑みを浮かべ、つけてみる。
「ベートさん!ありがとうございます!一生大切にしますね!」
そんなリーネにベートは見惚れた。
喜んでくれて本当に良かったと思う。
それから2人で豊穣の女主人に向かう。ミア母さんに伝えて2人分ご飯を出してもらう。
うん。ちょっと違うけどユウの飯の味だ。美味い。
リーネも美味しいとパクパク食べている。今度ヘスティアファミリアにリーネも呼んでやるかと思いながら食事を進めていく。
食事も終わりディアンケヒトファミリアに向かう。
「おうアミッド。悪いな。時間作ってもらって。」
「構いませんよ。ユウさんの親友のベートさんの話です。お聞きしないわけにはいきません。」
「ディアンケヒト様から話は聞いてるかもしれねーがこいつがリーネだ。ウチのファミリアのヒーラーでな。強くなりたいっつってよ。
俺もユウもヒーラーは一切わかんねーからな。ユウがアミッドは神より神々しいヒーラーだって言ってたからよ。
リーネに色々教えてやってほしいんだわ。」
リーネは驚く。ディアンケヒトファミリアのアミッドといえば団長であり、戦場の聖女と呼ばれるオラリオ1のヒーラーだ。
その人が師匠??リーネは混乱してしまう。
「ユウさんは言い過ぎですよ。ですがベートさんがそこまで推薦するのであれば大丈夫でしょう。
リーネさんでしたか?」
「は、はい!ロキファミリアのヒーラーのリーネです!」
「私はアミッドと申します。ベートさんにも頼まれましたし貴女の師匠となりましょう。
私もまだまだ未熟ですがリーネさんに出来る限りヒーラーとしての技術や心構えをお教えします。」
リーネは思う。ここで強くならないとベートさんを裏切って、アミッドさんも裏切ってしまうと。
何よりも強くなれる道を見つけた。いや、その道を大好きな人が照らしてくれた。
これで強くならないなんて嘘だ。
そう思ってはっきりと自分の口で伝える。
「アミッドさん、いえ師匠。私はもう足手まといや弱いままの自分は嫌です。
どんなことでもやります。そして強くなります!よろしくお願いします!!」
アミッドはリーネの意思を聞いて感服する。
やはりユウさんやベートさんの認めた方ですね。瞳が全然違います。私もうかうかしてられませんね。
それからアミッドとリーネは互いの都合を擦り合わせていく。明日から店の手伝いをしつつ色々教わることにした。
挨拶をして店を出てベートとリーネは2人でホームに帰る。
「ベートさん。ありがとうございます。これから私はベートさんを追い越すくらい強くなります。」
「はっ。俺が負けるかよ。だが期待はしてる。頑張れよリーネ。」
リーネは今日一日でも心が強くなれた気がした。だが気がしただけではダメだと自分に言い聞かせる。
必ず最愛の人の期待に応えるんだ。置いていかれるのはもう嫌だから。
自分の無力さに嘆くのももう嫌だから。
絶対に愛する人の隣に立つんだと誓う。
そんなリーネをベートは優しく見守っていた。
ロキファミリアのホームに着く。
「色々連れ回しちまって悪かったな。まぁ楽しかったぜ。リーネがこれからどうなるか楽しみにしといてやるからせいぜい頑張れよ。
ま、頑張ってたらまたデートくらいしてやるよ。」
「私も楽しかったです。次のデートは私が強くなれたと思って実感できてから誘いますね。
今日は本当にありがとうございました!」
2人は笑い合う。おやすみと言いながら別れる。
ベートさん。私強くなります。
そして隣に立てるようになったらこの気持ちをお伝えしますね。待っててください。
プレゼントされたブレスレットを触りながら月を見上げる。
月の明かりがそっとリーネを包んでいた。
え?こんな感じになったんだけど大丈夫?
なんか拙い文で本当に申し訳ないです。
あ、日常回でリクエストとかあったら書けそうなやつなら書くんで感想欄に書いてもらえると嬉しいです!