ベルの兄は異世界人   作:ごーたろんす

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今回はオッタルさんの日常だよ!

オッタルさんのキャラ崩壊が異常なので嫌な人は見ない方がいいかもしれぬ。

オッタルファンの皆様申し訳ないです。


クラネル兄弟の居ないオラリオだお☆Part3

異臭が漂う中、オラリオで唯一のレベル7。最高峰に位置するフレイヤファミリアの団長。オッタルは難しい顔をして何かを睨むように見ていた。

 

その横にはフレイヤファミリアの幹部でレベル6のダークエルフ、ヘグニも立ちながら難しい顔をしている。

 

今にも襲いかかろうとしているかのごとく殺気だっている。

この2人が一緒にいるのも珍しいが主神のこと以外で殺気立つのも珍しい。

 

 

「ヘグニ…。何故だがわかるか…?」

 

「団長…。私にも何故こうなってしまうのかわかりません…。」

 

また異臭が漂う一室に静寂が広がる。

今までこんな勝ち目が見えない冒険をしたことがあっただろうか?

レベル6と7になるまでに様々な冒険をし、偉業を成し遂げてきた。

その自負は誰よりもあるオッタルとヘグニだが勝ちへの道がまるで見えない。

 

オラリオトップに位置する2人は今までになかった冒険をしていた…。

 

「オッタルゥゥゥゥゥ!!あなた私の警護もしないで何してるのよ!!異臭が私の部屋まで漂って来てるでしょうが!!ヘグニまでいるの!?何してるのよっ!!」

 

我らがポンコツ駄女神フレイヤ様の登場だ。

 

「む。フレイヤ様。申し訳ありません。どうしてもユウにもらったラーメンのスープが作れないのですっ…。」

 

「何一生の不覚みたいに言ってるのよっ!!貴方の仕事は私の警護でしょう!ラーメンは後にしなさい!

それにヘグニ?貴方までどうしたの?」

 

「フレイヤ様。実は私は料理が趣味でして。ユウに色々教わっていたのです。

それを知ってか団長がラーメンを作るのに誘ってくださったのです。ユウのラーメンを食べると、こう、なんといいますか心がざわついてしまいまして。

同じ料理人として負けられないなと…。」

 

「え?ちょっと待って?ヘグニもユウも冒険者よ?料理人じゃないわよ!?

はぁ。まぁ良いわ。警護はアレンに頼むから貴方達はここではなくホームの厨房でやりなさい。

あとこの異臭は酷いからミアに相談してみたら?」

 

オッタルとヘグニはその手があった!!とお互いの顔をみて頷く。第一級冒険者の身体能力を遺憾なく発揮して即座に片付けをする。

 

オッタルとヘグニのコンビなんて想像もしてなかったわよ。どうなってるのよ本当に…。

はぁ。アレンはまともで良かったわ…。

 

「フレイヤ様。我々は至高の一品を作ってきます。ユウの居ない1週間でアイツに認められるラーメンを作ります。

ですので警護や仕事などやってられないので休みをください。」

 

このアホ息子。ついにやってられないとまで言いやがったわね…。でも無理矢理やらせても意味ないだろうし、いつも頑張ってくれてるから許してあげましょう。

 

「良いわ。そのかわりユウが帰ってくるまでよ?それ以降はきっちり仕事すること。

ヘグニもオッタルと作るんでしょう?2人には休暇を与えます。美味しいラーメンが出来たら私にも食べさせてちょうだい。」

 

オッタルとヘグニは頭を下げる。

 

「よしヘグニ。たまに優しいフレイヤ様の優しさをもらったからプロであるミアさんの所に行くぞ!」

 

「はい団長!!ユウに美味いと言わせるラーメンを作りましょう!!」

 

2人はドアも閉めずにダッシュで走っていった。

 

「あの子達本当に私のことなめてないかしら?それにアレン呼んで来なさいよ……。」

 

哀れフレイヤ。美の女神の魅力よりラーメンの魅力が勝った一コマだった。

 

 

オッタルとヘグニはすぐに豊穣の女主人に駆け込む。入口のドアを勢いよく開けてミアを見つけると目の前までダッシュで行く。

 

ミアは古巣のファミリアの現団長と幹部が見たこともない顔で走ってくるので少し驚いてしまう。

何かフレイヤ様にあったのだろうか??

 

「ミアさん。恥を忍んでお願いしたいことがある。」

 

オッタルとヘグニは真剣な表情で頭を下げる。

 

 

「「ラーメンのスープの作り方を一緒に考えてください!」」

 

 

 

ミアはゴミをみるような目で2人を見る。

こいつら何を言ってるんだ?フレイヤ様の警護はどうした。それよりラーメンってユウが持ってきたやつだろ。

お前らはいつから冒険者を辞めて料理人になったんだい?

 

色々言いたいことがあったがとりあえず本気でスコップで頭を殴る。

 

ドゴッ×2

 

店員達は巻き込まれたらたまらないと我先に逃げて行く。

 

 

「このアホ2匹。開店前に店に来て何馬鹿なこと言ってんだい!!それよりフレイヤ様はどうした!」

 

頭を抑えながら休暇をもらったこと、ユウのラーメンを超えるラーメンを作りたいことを必死で説明する。

警護の交代を伝えてこい馬鹿ども!と怒鳴りゲンコツをする。

 

「はぁ。アーニャ!!お兄ちゃんにフレイヤ様の警護に行くように伝えてきな!このアホ2匹の事も伝えてきな!」

 

「わ、わかったニャ!!」

 

未だに痛みに悶絶しているオッタルとヘグニ。レベル7のオッタルの耐久をぶち抜くミアに店員達は顔を青ざめている。

 

痛みから復活したオッタルはスープの説明をする。

どうしても臭く、異臭がしてしまうと。豚骨と言っていたので豚の骨を鍋で煮込んでもあの旨味を凝縮させた感じにならない。

どこが悪いのかプロであるミアさんにアドバイスをもらえないだろうか。

 

「そうだねぇ。あたしもユウに作ってもらった一回しか食べたことはないんだけど…。

そもそも豚骨といっても色んな骨があるだろう?スープに適した骨の場所があるんじゃないのかい?

それにあのスープは豚の骨から全てできるわけないだろう?

豚骨から出た出汁と何かを混ぜてるんじゃないかい?」

 

ラーメン馬鹿2匹は雷に打たれた様な衝撃を受ける。

ま、まさか骨の種類、そして骨の出汁以外にも必要だとは……。

 

2匹はお礼を言い、何を使えばいいか悩む。考えていてもわからないので商店街に足を運び、色々見ることにした。

 

ウサギお好み焼きの屋台に行列が出来ているのをみて久しぶりにお好み焼きも食べたいので並ぶことにする。

 

「ヘグニはお好み焼きは食べれるのか?」

 

「はい。一度ユウに作ってもらってかなり美味だったのを覚えています。」

 

「ふむ。ならばラーメンの同士に俺がご馳走する事にしよう。遠慮せずに頼んでくれ。」

 

この2人。予想以上に食事の事で気が合うようだ。

 

「いらっしゃ……。猛者?なんでフレイヤファミリアのトップのメンツが?」

 

「む。神イシュタルか。そういえばこの屋台は神イシュタルの屋台だったな。その節はフレイヤ様が迷惑をかけた。」

 

「あ、ああ。あれはお互い忘れよう。うん。んで注文は?」

 

オッタルとヘグニは大量に注文していく。

イシュタルははいよと言いどんどん焼いていく。かなりのスピードと技術!!

オッタルはイシュタルの手際の良さに驚き、感服する。

 

だからだろうか。今の悩みを呟いてしまったのは。

 

「やはり…料理人として誇りが無い俺には至高の一品は作れないのだろうか…。」

 

オラリオのトップ。最強の冒険者。並び立つものがいない。そこまで言われるオッタルがポツリと弱音を吐いた。

イシュタルは怪訝そうに、ヘグニは尊敬する団長が弱音を吐いた事に驚き見てしまう。

 

「何に悩んでるか知らないけど店先で辛気臭い顔をするんじゃないよ。

何か作ろうとしてるんなら試食するやつが居た方がいいだろう?

引きこもりの馬鹿娘連れて行きなよ。アイツならいくらでも食べるだろうから。

これでも親だったから心配はしてるんだよねぇ。

ほらお好み焼き。それと馬鹿娘の住所だ。殴って拉致してもあたしが許すから連れて行きな。」

 

オッタルはイシュタルが何を言っているかわからなかったが励ましてくれていることは理解した。

静かに頭を下げ、屋台を後にする。

もらったメモを見ながら書かれている住所に行くと異臭が漂うボロ屋があった。

 

「ヘグニ。ここにその神イシュタルが言っていた馬鹿娘とやらがいるのか?ここは人が住むような場所ではないぞ?」

 

「で、ですがここが書いてある住所です。不潔ですね…。しかし試食する人がいればどこが悪いか分かるかもしれません。

神イシュタルの言葉ではたくさん食べれる人みたいですし拒否しても殴っていいと許可も得られましたし行ってみませんか?」

 

オッタルはヘグニの言葉に一理あると思い頷く。そのままドアをノックするが返事がない。

だが冒険者としてトップとトップクラスに位置する2人は中に人の気配があることはわかる。

ドアを無理矢理開けてみるとでっかいカエルがいた。

うん。カエルがいた…。

 

「「フリュネ・ジャミール!?!?」」

 

「おおおおお猛者!?!?だだだダークエルフまで!!なんだい!!なんでここにいるんだぁい!?!?」

 

お互いがお互いの顔を見て固まってしまう。

オッタルは無言でフリュネの頭を殴って気絶させる。

あまりに臭かったので思わず手が出てしまった。

 

「こ、これは神イシュタルが心配なさるわけですね。あまりにも酷い……。」

 

「と、とにかく紐でくくって連れて行こう。試食に付き合わせる代わりにシャンプーなどを使わせてやろう…。」

 

あまり表情に出さない2人だがさすがに引きつらせてしまった。

フリュネの寝ている場所の周りには食べカスや空いたゴミが散乱し、腐っているパンなどもあった。

見てなかった事にしてフリュネを足で転がしながら紐でくくって引きずってホームに戻る事にした。

 

「ヘグニ。悪いがヘスティアファミリアに行ってアイシャ・ベルガを呼んで来てはもらえないだろうか。」

 

ヘグニはすぐにヘスティアファミリアに向かう。アイシャもちょうどホームにいたので何かあったのかと素直について来た。

 

「すまないアイシャ・ベルガ。誰に頼るか悩んだのだが元イシュタルファミリアでシャンプーなどを理解しているのがアイシャ・ベルガだけだったのでな。」

 

「い、いやユウ達も居ないしダンジョンに潜ってないからそれはいいんだけどねぇ。なんでフリュネが??」

 

オッタルは全て説明する。さすがにゴミ屋敷に住んでるとは思っていなかったアイシャはドン引きしていた。

 

オッタルは水をフリュネの顔にかけて起こす。

 

「な、な、何するんだい!?ま、まさかあたいが美しいから襲おうと…。「それ以上言えばまた殴る。」」

 

オッタルは無表情で拳を握る。さすがのフリュネも静かになる。

アイシャがイシュタルの言った事と今からどうするかを伝えるとフリュネは瞳をキラキラさせる。

 

「本当かい!?試食し放題なのかい!?食べれるなら風呂でもなんでもするよぉ〜!」

 

アイシャはため息を吐きながらフレイヤファミリアの風呂にフリュネと入る。

なんであたしが……と思うのは仕方ないだろう。

 

フリュネが風呂に行ってからオッタルとヘグニはすぐにスープ作りに取り掛かる。

骨の各部位を別々に煮込んで行くが臭いはやはりすごい。

そこに商店街で買った色々な野菜や果物を別々に放り込んで煮込んでみる。

 

それとは別にユウから貰った完成品をアイシャとフリュネに食べさせる為に作っておく。

 

風呂から上がった2人は異臭のすごい厨房に来て頬を引きつらせているが。

 

まず完成品を食べさせるとフリュネは美味い美味いとガツガツ食べる。

アイシャはやはりと言うべきかユウのご飯だと気づく。

 

「あーこれユウが作ってたラーメンだね?あいつは寸胴鍋で作ってたねぇ。」

 

その言葉を聞いてオッタルは目を輝かせる。もしかしてアイシャ・ベルガは作っている過程を見ていたのではないかと。

 

「いや、申し訳ないけど少ししか見てないんだよねぇ。でもユウは簡易的なスープだよって言ってたかな?骨とか使ってなかったし。」

 

「む?どう言う事だ?」

 

「なんか大きな肉の塊と緑の野菜を入れて出汁を取ってそれと別のスープみたいなのを混ぜてたと思うよ?

あたしゃ料理はからっきしだから詳しくはわからないけどね。」

 

オッタルは悩む。豚骨なのに骨を使わない簡易的なスープだと…??

肉の塊?肉自体を使うのか?ならば豚骨と言うくらいだから豚肉の塊か??

 

「団長。フリュネ・ジャミールも居る事ですし色々試してみませんか?

アイシャ・ベルガは実際に作っているところを見て、我々に教えてくれましたしそれも試作に取り入れましょう。」

 

 

「あたいはどんなご飯でも食べて食べて食べまくるよぉ〜!!このラーメン?の味に近づくにはどうすればいいか言えばいいんだろぉ〜?

風呂も貸してもらってタダでご飯が食べれるんだから全力で協力するよぉ〜!!」

 

「ふっ。フリュネ・ジャミール。感謝するぞ。ユウに至高の一品を食べさせる為に協力を要請しよう。

俺達3人はラーメン同士だ。ラーメンのために過去は水に流して全力で取り組もうではないか。」

 

オッタル、ヘグニ、フリュネはニヤリと笑い握手をする。ここにラーメンで友情が芽生えた。

なんと美しい光景だろう。尊いものだ。

 

 

などと1ミリも思わずゴミを見るかのようにその3人を見ているアイシャの姿がそこにはあった。

 

アイシャは付き合いきれないと自分の見た記憶をオッタル達に伝え、早々に帰った。

オッタルとヘグニはアイシャの言っていた記憶を頼りに色々作っていく。

フリュネは作っている間に買い出しにいく。途中で食べ物を買ってしまおうか悩むがラーメン同士が頑張っているのに裏切れないと誘惑に打ち勝ち、必要な物だけを買っていく。

 

何度も失敗しながらも出てきたラーメンはフリュネの胃(ブラックホール)に消えていく。

 

フリュネはあんな不摂生の極みのような食生活をしているのに舌は確かなようで、完成品との差をあれこれ伝えていく。

フリュネのおかげで飛躍的にラーメンが形になっていく。

ユウの完成品には及ばないが中々の出来のラーメンが完成した。

 

「ど、どうだ?フリュネ。これは臭みも割と抑えられて味もしっかりしているだろう。」

 

「フリュネ。このラーメンは団長と私の現時点では一番の出来だと思うがどうだろう。」

 

フリュネはそのどんぶりを自分の前に置いて目を閉じる。まずはスープの香りを楽しむ。

カッと目を開きスープを飲む。そして麺を食べていく。

最後まで静かに食べきり一息入れ、口を開く。

 

「同士よ。たしかに今までで一番美味い。それはフリュネ・ジャミールが自信を持って言える。

だけど何かが足りないよぉ〜。スープだけじゃない何かが完成品にはあるんだよぉ〜。

あたいにもそれが何かわからないねぇ。」

 

一瞬フリュネのキャラがおかしくなっていたことには触れず、オッタルとヘグニは悩む。

 

何が足りないのだ…。ん?アイシャ・ベルガは出汁と何かスープのようなものを混ぜていたと言っていなかったか?

 

「なんだろうねぇ〜。完成品とこの作品の違いは一番はとろみだと思うんだけどねぇ〜。

でもそれが何かわからないよぉ〜。」

 

「フリュネ!!それだ。とろみだ。

アイシャ・ベルガは出汁と何かスープを混ぜていたと言っていた。出汁でとろみをつけるのではなく別のスープでとろみをつけたのだ!!」

 

ヘグニもフリュネもハッとする。

たしかにそうだ。出汁を作る際にとろみはほとんど生まれない。何故そこに気づかなかったのか…!!

 

「む。もうこんな時間か。俺はミアさんにとろみの出る食材を聞いてくる。ヘグニは休んでくれ。フリュネはどうする?

あのゴミ屋敷みたいなところに同士を帰らせるのはできんぞ。」

 

「そうだねぇ〜。あたいはその辺の宿に泊まるよぉ。せっかくシャンプーとかでいい匂いになってるからあの小屋には帰りたくないしねぇ〜」

 

「そうか。もし金が無いなら試食してくれているし渡すぞ?」

 

「これでもまだ恩恵は使えるからねぇ〜。金が無くなりゃダンジョンに潜ってくるよぉ。

それに同士からお金を貰ったら同士じゃなくなっちまうよぉ。」

 

あの引きこもりのフリュネがこんな事を言うとは…。しかもオッタルとヘグニの呼び方もフリュネになっているし。

 

オッタルとヘグニは笑い、フリュネも笑う。ここに確かな絆があった。ファミリアの垣根、種族の垣根を超えた絆が。

まぁラーメンで全員ポンコツになっているからだが。

 

完成したラーメンはとんこつじゃなくポンコツラーメンになるだろう。

 

その日はそこで解散し、また次の日に集まる。それをひたすらに繰り返していく。

 

 

フレイヤはフリュネがホームに入り浸っていると聞いてどういうことだと焦ってアレンを連れてホームに戻る。

そこで見た3人の真剣な表情と会話姿を見て本当にどういうことだと思ってしまう。

アレンは死んだ魚の目になっている。

 

「お、オッタル?ヘグニ?そこの子はフリュネ・ジャミールよね??なんで他所の子がウチのホームにいるの?」

 

 

「む。フレイヤ様。フリュネを他所の子などとよそよそしい呼び方はやめていただきたい。

フリュネは私、ヘグニのラーメン同士です。」

 

ドヤ顔で言い切るオッタルと横でコクコク頷くヘグニ。さすがにフリュネは気まずそうだったが。

 

「あ、あの、フレイヤ様〜。あたいは確かによそ者ですけどラーメンを作る期間だけでいいのでここにいちゃダメですかぁ〜?お願いします…。」

 

フリュネはイシュタルファミリアの時もイシュタルを下に見る発言を多々していた。

だがラーメンに対する情熱は本物なのだろう。

フレイヤに頭を下げて懇願する。

 

フレイヤは自分の顔が引きつっているのを自覚するが、フリュネが本気で言っているのがわかり許可を出す。

 

オッタルとヘグニはフリュネの背中を叩いて良かったな同士よ!と声をかける。

 

 

アレンはひたすら死んだ魚の目をしていた。

フレイヤも美の女神なのにあまり人には見せれない顔をしていた。

 

 

正式に許可を貰ってからフリュネはより一層ラーメンに対して本気になる。

それにつられるようにオッタルとヘグニも全力以上の本気を示す。

 

ようやく完成品に近いラーメンが完成する。

 

「「「美味い!!」」」

 

3人はラーメンの味を確かめて同時に言葉を発する。

 

「至高の一品にはまだまだだがこれも良いラーメンだ。」

 

「ですね。団長。これはこれで美味だと思いますよ。」

 

「あたいもこのラーメンの味は好きだねぇ〜。」

 

オッタルは満足そうに頷く。しかしこんなものでは終われない。何故なら自分たちが求めるのは至高の一品だから。

 

「よし。これをもっと改良していこうと思う。やはり味の好みは人それぞれだ。だがラーメンはその味に対応できるポテンシャルがある。

味噌、塩、醤油、とんこつなど味も様々だ。

ユウは豚骨醤油が一番好きだと言っていたな。ちなみに俺は豚骨一択だ。」

 

「私は塩が好みですね。あのさっぱり感が良い。」

 

「あたいはどの味も好きだねぇ〜。気分によって食べる味を変えたいってとこだよぉ。」

 

3人はそのままラーメンの会話で盛り上がる。

オッタルは一番言ってはいけない事を言ってしまう。

 

「このラーメンはアイシャ・ベルガが簡易的な出汁と言っていたスープだ。

ならば至高の一品は、やはり骨から出汁をとってこそではないだろうか。」

 

ヘグニとフリュネは固まる。

ああ。このラーメンで満足している私達はなんと愚かなのだろう。団長(オッタル)はまだまだ先を見ている。

やはり器が大きいというのか、格が違うというのか…。

 

そして3人はまた瞳に炎を灯す。

 

骨からの出汁で至高の一品を作ってやろうじゃないか!!

 

そこで終わっていればユウもすごいですね!こーいうのを使えばもっと美味しくなりますよ!と言ってくれたものを……。

 

それからはひたすら迷走して食べすぎたフリュネは腹を壊してディアンケヒトファミリアに入院した。

 

そしてオッタルとヘグニはユウに不味いと言われ、基本的な出汁の作り方を聞いて落ち込んだ。

 

尚、次の日からは聞いた作り方でまたひたすらラーメンを作り、フリュネも復帰して至高の一品を求めて3人で前に進んでいる模様。

 

宿暮らしは可哀想で、なおかつまともになったフリュネはラーメン同士のオッタルとヘグニのおかげでフレイヤファミリアに移籍したらしい。

オッタルとヘグニ、特に他者とあまり接点を持たないようにしていたヘグニの懇願にフレイヤが折れたともいう。

 

 

「ふむ。次はラーメンの屋台を出すか。」

 

 

「オッタルゥゥゥゥゥ!!それだけはやめなさいっ!!まだ冒険者をしてなさーーーい!!!」

 

今日もまた美の女神フレイヤ様の怒鳴り声がオラリオに響き渡る。

 




ま・さ・かのcome back ガマガエルww


どっかでフリュネはネタ要員で出したかったんだよなー

原作崩壊とかキャラ崩壊のレベルじゃねーな。
作者ラーメン大好きですが作り方とか知らないんで結構適当に書いてますのでおかしいところとかあれば指摘ください!!

次回予告!!

ヘタレアラフォーと無法地帯の良心の恋模様。
這い寄る新ブラコンバーサーカー。

※多分次回予告通りに書くと思います。

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