ベルの兄は異世界人   作:ごーたろんす

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予告通りフィンとリリ、時々新ブラコンバーサーカーです。

それと遅くなって申し訳ありません!!


クラネル兄弟の居ないオラリオだお☆Part4

クラネル兄弟がオラリオを出て3日。

ロキファミリア団長フィン・ディムナの私室に1人の獣人が腕を組んで壁にもたれていた。

 

フィンはその獣人を怪訝そうな顔で見る。

入室を許可してから早五分。ずっとその姿勢で目を閉じて何も喋らないのだ。

 

まぁ洗っていた洗濯物をベランダに干したり、資料の整理などをしていたので別に良かったが。

やがてやる事が終わり、椅子に座る。

そのタイミングを待っていたと言わんばかりに獣人、ベートは口を開く。

 

「ようやく落ち着いて話ができるな。フィン。リリとあれから何かあったか?」

 

 

「え、ええ?い、いきなり何を言い出すんだい??まぁお互い忙しかったし特にこれといった事はないけど…。」

 

 

ベートは、ふっ。と鼻で笑う。

 

「フィン。ユウとベルが居ない間、あいつらはダンジョンには潜らないそうだ。

リリは戦術や指揮の勉強をしてるみたいだぞ?」

 

「そ、そうなのか。リリさんはおそらく僕より頭が切れる。いや、切れるというより下から上まで把握する能力といえば良いかな?

それが抜群すぎる。あれは完全に経験もそうだけどある種の才能だと思うよ。

そこに基本戦術を取り入れるか…。僕も負けてられないな。」

 

フィンは素直にリリを褒める。が、ベートは呆れたようにため息を吐く。

可哀想なやつを見る目でフィンを見る。

 

「フィンよぉ。そうじゃねぇだろ。今俺が言った事を聞いたら「なら僕がそういう事には一日の長があるから教えてあげよう!」くらい言えよ…。」

 

フィンはうっ。と言葉を詰まらせてしまう。

 

「それにあいつは1週間は地上にいるんだからデートに誘ったりしてやれよ。このヘタレアラフォー。」

 

「うるさいよ!!ヘタレアラフォーって言うなっ!!それにデート云々なんかベートに言われたくないよ!

ベートだって1、2回目ケーキ食べに行っただけらしいじゃないかっ!!」

 

「はっ!いつの話をしてんだよ!

こちとらヘタレアラフォーとはちげーんだよ!昨日一日中リーネと手繋いでデートしてたっつうの!!

ほれ。悔しかったらリリとデートしてみろ!ヘタレ勇者!」

 

フィンはベートの言葉を聞いて驚くも、ヘタレ勇者でキレた。やっすい売り言葉に買い言葉だ。

 

「なんだって!?ヘタレ勇者って言ったかいっ!?

良いよ!!そこまで言うなら僕が勇気を示してやる!ベートに出来て僕に出来ないわけないだろう?」

 

うっわ。ウチの団長恋愛沙汰に関してはポンコツもいいとこだわ。いつもの泰然とした態度はどこにいったんだよ。

 

そんな事を思いつつも言質は取ったからな!と言い、2人で言い合いをしながらヘスティアファミリアに向かう。

 

いつもなら話し合いをして、ある人物に対して石橋を叩いて確認した上で橋を使わずに船で川を渡るくらい慎重になる筈だが油断をしていたのだろう。

 

暗い光を目に灯すバーサーカーが壁の向こうにいることに気づいていなかった……。

 

 

 

 

 

フィンはベートと共にヘスティアファミリアのホームに到着する。

相変わらずベートは自分の所属しているファミリアのように門をくぐってズカズカと入っていく。

このファミリアの危機管理は大丈夫なのだろうかと本気で心配してしまう。

 

途中で命を見つけてリリを呼んできてもらう。さすがのベートも女部屋には突っ込んで行かないのか…。などとアホなことを真剣に考える勇者がそこにはいた。

 

 

「ベート様?リリに何か用事でも……。フィ、フィン様!?何故フィン様がここに??」

 

「おう。リリ。お前が指揮とか戦術を勉強してるって聞いてな!せっかくだからウチの団長を教師役に連れてきてやったぞ」

 

「や、やぁリリさん。今日は暇でね。ベートと話をしてたらリリさんの話題になったものだから。クノッソスでもかなり助けられたしね。

だからほんの僅かでもリリさんの助けになれたらと思ってお邪魔させてもらったんだ。」

 

フィンの言葉を聞いてリリは嬉しくなる。底辺といっても過言ではない状況から小人族の英雄とも呼べるフィンがリリ個人の為に教師として来てくれたのだ。

 

それにヘスティアファミリアはブラシスコン鍛錬馬鹿が3匹(ユウ、ベル、フィルヴィス)、脳筋鍛錬馬鹿が2匹(ヴェルフ、命)がいる。

いつも馬鹿一直線なので注意するのがリリと比較的まともなアイシャだけなのだ。

 

そのアイシャも春姫が関わるとシスコンバーサーカーに変貌してしまう。

一度春姫とウィーネが酔った冒険者に屋台からの帰りに絡まれた時はホームに居たにも関わらず「春姫が危険!!」と叫んで猛スピードで飛び出してその冒険者をボロクソにしていた。

 

そう。ヘスティアファミリアは主に主神であるヘスティアの胃がやばいが、唯一の常識人であるリリの胃もやばかった。

 

よってフィンのようなまともで真面目な冒険者と話をできる機会はリリの胃を助けるセラピーと化していた。

 

 

「有難い話です……。ウチのメンバーは大半が脳筋ですので……。

そこに他派閥の脳筋や怪人まで集まってくるので…!!

ねぇ?ベート様??」

 

俺が雑魚を見る時ってこんな目をしてんのかなー。と思い、目をそらすベートだった。

 

フィンは苦笑いする。ああ、リリさんは大手派閥の団長の僕以上に苦労してるんだなと思ったり思わなかったり。

 

「そ、それじゃ俺は命といつも通り鍛錬してくっから。フィン後は任せたっ!!」

 

ベートはリリの視線に耐えきれなくなり、ダッシュで逃げ出した。

 

 

「す、すまないね。ウチのベートが。」

 

「いえ、あんな風に言いましたがリリはベート様を尊敬していますよ。

ユウ様やベル様だけでなく、ヴェルフ様や命様の鍛錬にも付き合っていますからね。

それにリリを助けてくれた時も口は悪かったですがユウ様、ベル様に次いで認めてくれたので。」

 

フィンは自分が思っていた以上にベートが早く、そして良い方向に成長していたことに気づく。

 

 

「そうかい…。これからもベートやレフィーヤ、アイズを頼むよ。

こんなこと他所の派閥に頼んじゃダメなんだろうけどね。

それよりリリさんも団員の事でストレスが溜まってるみたいだし、ど、どこか一緒に出かけないかい?

いや、あれなら全然良いんだ。うん。」

 

自分で誘ってあたふたしているフィンを見てリリはクスリと笑う。

フィン様っていつも凛々しいのにこんな一面もあるんですね。

そんな事を思いつつもリリは用意をしてくると伝えてユウが置いていったクッキーと紅茶を出して待ってもらう。

 

 

よしっ!よしっ!とりあえずデートに誘えたぞ!!見てみろベート!僕だってやれるんだ!

 

そんなことを思っているポンコツ勇者だった。

 

 

しばらくしてリリはフリルのついた可愛らしいワンピースを着てきた。

フィンは見惚れて固まってしまうが、前回の教訓を生かしてすぐに服装を褒める。

 

そのあと2人で街に出かける。リリがベルやユウから教えてもらって行けていないカフェに行きたいと言い、そこに行く。

 

 

 

リリがフィンの分のケーキとコーヒーも一緒に頼む。

フィンは少ししてから2人で、それも自分が誘い、了承してくれたことを思い出し嬉しくなってしまう。

 

「それでリリさんは指揮と戦術の勉強をしているんだよね?」

 

とりあえず本来の目的である指導について、リリの考えと理解の深さを聞いてみる。

 

「はい。リリは基本的に戦闘はできませんし、しません。そこは割り切ってます。

ならば戦闘をしている全員を生きて帰らせるのがリリの役割かな、と思います。

それに…ヘスティアファミリアは歪すぎるんですよ。」

 

歪という言葉の意味が分からず、フィンは問う。

 

「普段はもちろん素晴らしい方々だとリリも思いますが、戦闘に関してはアイシャ様以外の全員が相手は即殲滅。という脳筋仕様です。

モス・ヒュージの強化種、アンフィス・バエナとの戦いの際に全員が前衛として突撃するんですよ!?

馬鹿すぎるでしょう!!普段後衛をしてるエルフ様達に謝ってほしいですっ!!

 

しかもそれで結果が出てしまうんですよ……。

レベル?何それ?敵倒すのに関係ある?みたいな顔して飛び込んで行くんです……!

 

さすがにマズイと思ってリリの訓練にさせてください!って言って指示を聞いてもらいましたが。

 

それにウチのパーティ魔法攻撃する後衛が居ないんですよ…。それをみんなで話し合ったら魔剣が後衛とかわけのわからない事を言い始めますし…。

 

確かにヴェルフ様の魔剣はレフィーヤ様の魔法より威力がありますから補えてしまうんですが。」

 

 

フィンはリリの話を聞いて固まる。

そんな脳筋軍団、うちのメンバーより酷くないかい?僕でも御せる未来が見えないよ…。

 

「それだけでもしんどいのにユウ様ですよ!!

あの人の指示は的確なんです。本当に的確なんです。フィン様は知っておられますか?」

 

「あ、ああ。クノッソスでもユウ君の指示のおかげで助かった場面はあったよ。

彼は誰よりも早く状況を把握して最善の策を考えれるよね。」

 

リリは悔しそうに俯く。少し身体が震えているのは気のせいだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

「違うんです。フィン様……。ユウ様のあれはノリと勢いで言っているだけで考えてないんです……。

直感だけで全ての策を踏み倒していくんです…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………はぁ!?!?」

 

 

 

 

 

 

 

フィンは思わず大きい声を出して立ち上がる。

 

 

そんな馬鹿な。彼は作戦を決める時の集まりでもあの類い稀な頭脳で色々と気づかせてくれた。

ノリと勢いなわけがない。だがリリさんがこんなに悔しそうに言うなんて本当どうなってるんだ??

 

 

「フィン様が疑問に思う事はリリもよくわかります。

ユウ様はそもそも頭が切れるのは間違い無いです。ですが戦闘時には、やばい気がする。こっちはマズそうだなー。とかだけで指示を出してるみたいなんです…。」

 

 

フィンはようやく理解した。クノッソス侵攻の作戦もこの考えは組み込んだ方が良いとだけ伝えて作戦の全容はフィンに丸投げしていた事に。

 

そうか。そういうことか。ユウ君は纏めるのが苦手でその場その場での指示は直感だったのか…。

そして嫌がらせを主体で考える作戦はノリが継続するから擬似戦争遊戯みたいに完璧に考えれるのか…。

 

ユウの本質。愉悦とブラシスコンに気づいたフィンだった。

 

「フィン様もお気づきになられましたか。だからリリみたいに必死で策を練るタイプとは根本から違いすぎるのです。

ですからユウ様から教わっても意味がほとんどありません。リリはそんな直感を持ってはいませんから。

 

ですがリリはそんなことで歩みを止めるつもりはないんですよ。直感がダメならば知識量と経験です。

知識があって困ることはありません。なのでリリは今までに使われた戦術や指揮系統を調べていたんですよ。」

 

 

ふぅと息を吐き、少し冷めてしまった紅茶を飲む。

 

心から震えた。この苛烈な向上心を目の当たりにして。

小人族はその名の通り小さい。成人男性でもヒューマンの子供と似たり寄ったりの身長だ。

 

だから扱いが酷かったり、夢半ばで諦めたりする同族は多かった。それをフィンは見てきた。

 

だが正面に座っている少女はどうだ?弱き立場だった。略奪、利用される立場だった。

そこでも耐えに耐えてある兄弟に救われた。それからファミリアとして一緒に成長してきた。

だがそのファミリアの面々は各自がとんでもない速度で上に駆け上がる。

 

それを近くで見てきた少女は絶望しなかったのだろうか?私にもっと才能があれば、と。

しかし少女は誰の手を借りるわけでもなく自力で立ち上がる。自分だけの武器を手に入れる為に。

 

まさに不屈。自分以上の意志の強さ。

 

 

フィンは歓喜する。

これだ!これなんだ!僕が認め、憧れていた女性は!!

認めるよロキ、ベート。僕は誰よりもリリルカ・アーデを愛している。

 

 

 

 

 

 

「…………団長〜?何してらっしゃるんでしょう?」

 

 

 

 

 

カッコいいことを思っていると極寒の大地に立たされたような寒気がした。

背後から地獄の怨念かくやとも言える声が聞こえてくる。

 

ギギギと錆びたネジを回すように背後を見るとバーサーカーがいた……。

 

 

「や、やぁティオネ。奇遇だね?何をしているんだい?」

 

 

「団長〜?何をしているんだい?は私のセリフですよー?」

 

リリは巻き込まれないように机のケーキを持ってそっと離れる。

が、逃げられない。ティオネに頭を掴まれた!!

 

「ねぇあんた。どこの泥棒猫?正直に答えやがれっ!!」

 

 

「はぁ。痛いですしうるさいです。ヘスティアファミリアのリリルカ・アーデです。」

 

ヘスティアファミリアと聞いてティオネは少し何かを思い出したのか頬を染めて手を離す。

 

ん?おやおや?これはレフィーヤ様と同じ気配がしますよ?ユウ様さすがです!!突破口見つけました!

 

リリは戦闘の直感はないがこういう直感はあるみたいだ。

 

 

「ふむ。ユウ様がおっしゃっていた可愛らしい妹になるかもしれないティオネ・ヒリュテ様ですか?」

 

「え?え?ユウが?それほんと!?あ、私がティオネよ。よろしく。」

 

チョロい。チョロすぎますよティオネ様。

 

 

「ええ。よろしくお願いします。ところでティオネ様は何故こちらに?」

 

 

ティオネはその言葉で顔を顰め、徐々に泣きそうになっていく。

 

リリは席を進めてティオネを座らせる。

 

 

「今朝、団長とベートが話をしてて…。デートがなんだとか言ってて…。だから凄く気になって。」

 

 

フィン様あれだけ気をつけてくださいと言ったのに!!とリリはフィンを睨む。

フィンは肩を落としてしまう。

 

 

「なるほどですね。フィン様。少し席を立ってもらってもよろしいですか?1時間ほどしたら戻って来てください。」

 

 

フィンは即座に動く。ここで逆らえばどうなるかわからないからだ。

フィンが居なくなってからティオネはしょんぼりして俯いてしまっている。

 

「ティオネ様。ティオネ様は本当にフィン様を慕っておいでですね。よければ今までどんな事があったかリリに聞かせてもらえませんか?」

 

ティオネは頷いてどんどんフィンとの出会い、出会ってからこんなにカッコ良かった。

助けてもらった!あの団長は素敵だった!など語っていく。

 

リリも笑いながらその話を聞いていく。

 

 

「でもわかったんだ。団長は私を女としては見ていないのを。それでもアマゾネスとして諦めるのは嫌。」

 

リリは紅茶を飲みながら一呼吸おいてティオネの目を見て言葉を紡ぐ。

 

 

「ティオネ・ヒリュテ!!」

 

ビクッとするティオネ。

 

 

「あなたはアマゾネスの血の為に恋愛をしているんですか!!相手が見ていない??

そんなの当たり前でしょう!!ティオネ様がフィン様の本質を見ていないのだから!!」

 

 

「な、何を!!最近団長と話すようになった癖に何がわかるって言うのよ!!私はずっと団長をみてきたんだ!

リリに何がわかるのよ!!」

 

 

「ええ。そうでしょうとも。過ごした時間がティオネ様とは遙かに違います。

リリがぽっと出の奴というのも認めますとも。

ですがリリは1つ。

たった1つですがフィン様の本質を理解しています。

 

ティオネ様は自分の愛情をフィン様に押し付けてはいませんか?」

 

ティオネは最後の言葉を聞いてリリの胸ぐらを掴む。

 

「ふぅ。次は暴力ですか。ティオネ様はリリの過去にいた冒険者様と同じですね。

気に入らなければ殴り、蹴る。略奪するのは当たり前。」

 

 

 

 

 

 

 

「…………フザケルナ

 

 

リリの怒気に思わずティオネは手を離して後ろに下がる。リリは地面に落ち、立ちながらティオネを睨む。

 

 

そのリリの視線にティオネはゴクリと喉を鳴らす。

あまりにも先程までの可愛らしい小人族とは違いすぎる。全ての冒険者を憎んでいますと言わんばかりの視線だ。

 

 

「ティオネ・ヒリュテ。あなたはフィン様をわかっていない。

 

フィン様の本質の1つは誇りだ。

 

でもあなたは誇りを勘違いしている。誇りは種族ではない。

親でも祖父でも友達でもない。自分自身が積み重ねてきたものが誇りになるんだ!!

 

リリは底辺だった!!でもその現状に負けたくないから積み重ねててきてここまで来れたんだ!!

 

フィン様だってリリと話をしてくれるのはその積み重ねがあったからだ!!

 

答えろ!ティオネ・ヒリュテ!!

あなたがやっていることは誇りがあるのか!!」

 

 

リリは覇気を出しながらティオネを問い詰める。

ティオネはそのリリの覇気に怯む。

 

 

私は団長が大好きだ。それこそ誰にも負けないくらいに。

でもリリルカ・アーデ。この人はなんなんだ?私の怒気にも反応せず、むしろ私以上に怒っている。

それも私が団長を理解していないから怒っているのだ。自分も胸ぐらを掴まれたりしているのに…。

 

ティオネはポロポロと涙を流してしまう。

何故なのかはわからない。怖かったからかもしれない。リリの言ってる言葉に反論できず、悔しかったからかもしれない。

フィンの本質を理解できていなかったからかも知れない。

 

とにかく何もわからないけどティオネは泣いた。

リリはティオネの頭を撫でてあげる。ユウがベル達によくしているように。

 

「ティオネ様。知らない事は知っていけば良いのですよ。リリもそうしてます。

今回フィン様と会っていたのは指揮と戦術について教わる為だったんですよ?

リリのパーティには脳筋しかいませんからね。」

 

それに、と続く。

 

 

「リリはフィン様が少し気になっています。それは認めます。ですがお相手が1人と決まっているわけではないでしょう?」

 

ティオネはどういう事だ?と顔をあげる。

 

「ユウ様を見てください。まだ付き合っていないみたいですが何人もの女性とデートに行ってますよ?

 

ならティオネ様も一緒にフィン様を落としちゃえば問題ないでしょう!!」

 

ティオネは口を開けて固まってしまう。

え?何言ってるのリリルカサン??さっきまでの怒りは?ハーレムってこと?あ、でも団長とリリと一緒なら楽しいかも…。

 

ティオネは即座にリリと握手をする。リリも可愛らしい笑みを浮かべる。

 

 

その後はゆっくりと話をして、どうやってフィンを落とすか。

という相談やご飯を作れるとフィンは喜ぶとリリが伝えたりしていた。

 

 

 

それから1時間後ぴったりにフィンは帰ってきた。

 

ティオネは素直に邪魔をしてすみませんでしたと謝る。フィンはまさか謝られるとは思っておらず固まってしまうが。

 

それからは3人で指揮や戦術の話をした。ティオネもアイズやティオナ、レフィーヤなどとパーティを組むと指揮官になるので凄く勉強になった。

 

フィンはせっかくのデートだったのに…と落ち込んでしまったが。

 

3人はそのまま晩御飯も一緒に食べることになり、豊穣の女主人に向かった。そこで出てきたご飯がユウのレシピだと知ったティオネはリリに質問する。

 

 

「ね、ねぇリリ?ユウのことお兄ちゃんって呼んでも大丈夫かしら?それと料理教えてほしいわ。」

 

 

「お兄ちゃんに関しては大丈夫だと思いますよ?本当にティオネは可愛い妹みたいに見えてきたって言ってましたし。

料理はちょっと直接聞いてもらわないとわからないですね。でも聞くならお兄ちゃん呼びしてからにしたら良いと思いますよ?

ユウ様は妹と弟と認めたらひたすら甘くなりますから。」

 

 

ティオネは素直に頷く。フィンはティオネが、あのティオネが自分と一緒にいた女に怒らずに楽しそうに会話をしているのに内心すっごく怖かった。

 

 

ご飯を食べて、ヘスティアファミリアのホームに送っていく。門の前で別れる時にリリは口を開く。

 

「今回は今回で楽しかったですが次回は2人きりでのデートを楽しみにしてますね?」

 

言うだけ言ってリリはホームに入っていく。固まっているフィンと笑うティオネ。

 

「ほら団長?私達もホームに帰りましょう?それと団長。私も諦めませんよ?

リリとデートに行くのは別に良いです。でも私ともデートしてくださいね?」

 

ふんわりと笑うティオネを見てフィンは思わず笑ってしまう。

 

バーサーカーのティオネがこれほど変わっていくとは。

ユウと出会ってからどんどん良い方向に進んでいく自分達の団員を見てフィンは素直に喜ぶ。

 

 

優しくティオネを見て笑う団長(ちょうなん)だった。

 

 

 

 

 

ちなみにこのカフェに居た他の客は我先にとティオネが現れた時点で逃げていた。

 

 

しばらく勇者は二股をかけていて女同士が大ゲンカしていたと噂が流れることとなり主神に大爆笑される胃を抑えた団長様が居たとか。




フィンすまん!!
もっとイチャつかせたかったけどリリとティオネの友情が深まっただけだったww

この話は書いて消して書いて消しての繰り返しでした。ティオネの扱いが凄くむずかったですw

土曜からは更新ペースまた早くなるとおもいまーす!

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