ベルの兄は異世界人   作:ごーたろんす

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さらば平成!

こんにちは令和!!

てことで令和になってもよろしくお願いします!

ではどうぞモジ(((´ω` *)(* ´ω`)))モジ


クラネル兄弟の居ないオラリオだお☆Part6

オラリオで一番と言っても良い医療系ファミリア。ディアンケヒトファミリア。

 

冒険者の命綱ともいえるポーション類、果てにはエリクサーなども販売している。

 

 

「ねぇねぇアミッドー!!ひどいと思わないっ!?ベートのやつレフィーヤとかアイズとかフィンはヘスティアファミリアに連れて行くのにあたしは連れて行ってくれないんだよっ!?

なんで!?って聞いても馬鹿だから。って言うんだよ!!」

 

苦笑しながら話を聞いているのはアミッド・テアサナーレ。ディアンケヒトファミリアの団長にして戦場の聖女と呼ばれる容姿が人形のように可愛らしい少女。

 

そのアミッドに話しかけているのは天下のロキファミリアが誇るレベル6の冒険者であり、大切断の二つ名を持つまな板……げふんげふん。ティオナ・ヒリュテだ。

 

 

何故ティオナがディアンケヒトファミリアに居るのかというと少し時間を遡らなければならない。

ことの始まりは当日の朝だった。

 

 

 

 

 

「ねぇねぇベート!ヘスティアファミリアに行くの??

あたしも暇だから一緒に行ってもいいでしょ?レフィーヤも一緒に行くみたいだしさー!」

 

ベートはティオナの言葉をものすごく、いや、言葉にできない程嫌そうな顔で聞いていた。

 

「んでだよ。暇ならタケミカヅチ様んとこで鍛錬してこいよ。テメェ今のままだと使えねーんだからよ。」

 

「あれからいつも行ってるよ!でも今日タケミカヅチ様はバイトなんだってー!

だからティオネもルル?リリ?ってヘスティアファミリアの小人族ちゃんと遊びに行っちゃったしさー。

ね?いいでしょ??」

 

ベートはティオネがリリと遊びに行ってることを知っていた。リリから色々聞いたのだ。

リリも嬉しそうにしていたしティオネがようやく前に進むことができたのがわかったのでベートも正直同じファミリア、家族として嬉しかったのを覚えている。

 

しかしこのまな板は別だ。何故ティオネ、レフィーヤ、アイズが良くてこの馬鹿がダメなのか全く分かってない。

というか考えてもいないだろう。

 

ため息を吐いてティオナに告げる。

 

「そもそもテメェはあそこの連中とそんなに絡んだこともねーだろ。

それに一応は他所のファミリアだぞ?俺やレフィーヤ、アイズは信頼されてんだよ。

その信頼を馬鹿のお前に崩されたくねぇから絶対に連れて行かねぇ。

おいレフィーヤ。行くぞ。」

 

レフィーヤは狼狽えつつもベートの言っている意味がわかるのか頷いて後に続く。

 

「え?なんでさー!!別にあたしは何もしないよ!!」

 

 

「ティ、ティオナさんっ!!何もしてないから問題なんですっ!!これ以上は私も言えないので……。

失礼します!」

 

まさかのレフィーヤにも問題があると言われてその場に立ちすくむティオナだった。

しばらくそこで何がダメなのか悩んで考えていたが全く思いつかない。

自分が考えるのが苦手で馬鹿なのは自分で一番わかっている。だから次は他人を頼ることにした。

とりあえず姉は居ないのでフィンとロキに話を聞いてもらうことにしてロキの部屋に行く。

 

扉をノックすると中から入室の許可が出たので入る。するとリヴェリア、フィン、ロキが何かを話していたようだ。

 

「ん?ティオナ?あんたがウチの部屋に一人で来るんは珍しいやん。なんかあったんか?」

 

「あ、いやー。大切な話してたんならあたし出直すよ??ちょっと相談に乗って欲しかっただけだし。」

 

ティオナは馬鹿だ馬鹿だと言われるが、場の雰囲気はしっかり読めるし何よりも相手の事を思いやれる子だった。

 

ロキはティオナが相談とは本当に珍しい。フィンは検討がついているのか苦笑。リヴェリアはふむふむと頷く。

 

ロキに何の相談か?と言われて先ほどのベート、レフィーヤとの話をする。

その上で自分の考えた事を伝えてみる。

 

「えっとね、あたしってそんなに信頼無くすような事してるかなぁ?って思ってさー。

たしかにあたしは馬鹿だし、何かを考えるって事はすごく苦手なのは自分でもわかってるんだ。

 

でも友達とかそれこそ家族に迷惑がかかるような行動はした事ないって思ってたんだけどなーって。

だから限界まで考えたけどわかんなかったからロキに相談しに来たの!!」

 

天真爛漫という言葉を体現したようなティオナが落ち込みながらも考えて相談しに来た事を3人は嬉しく思う。

だが、この事に関しては自分で気づかないと意味がないと考えてしまう。

 

「あんなーティオナ。あんたのええとこは素直なとこや。ほんでもな、ユウたんに…いやちゃうな。

ヘスティアファミリアに今のままで行くのは主神であるウチが許されへんなぁ。」

 

ロキの言葉が、表情が、さっきのベートとレフィーヤと被って見える。

ティオナは本当に何故そんな風に言われるのか全然わからない。

 

何故?どうして?この言葉がずっと頭の中をグルグル回ってしまう。

 

 

「んー。ティオナ。君はどうしてヘスティアファミリアに行きたいんだい?

ベートやレフィーヤが遊びに行ってるわけじゃないのは君も知っているだろう?」

 

「どうしてって…。えっとベートとアイズとレフィーヤにフィンにそれにティオネまでヘスティアファミリアに行ってるのにあたしは行ったことないなーって思って。

なんか仲間はずれみたいでやだなーって。」

 

ティオナの言葉に3人は思わず笑ってしまう。

ティオナは何故笑われているかわからずオロオロしているが。

 

 

「そっか。ティオナらしいね。

でもねティオナ。僕もそうだけどヘスティアファミリアに行ってる全員がティオナを仲間はずれにしようだなんて思っていないよ?」

 

「…うん。それは、そのもちろん分かってるんだけどさ。

それにあたしだけヘスティアファミリアに連れてはいけないってベートに言われて、レフィーヤに言われる意味がわからないのが今は一番引っかかってて…。」

 

「そうだな…。ティオナ。家族に相談すると一方的な視点からの話になってしまうし、答えをもらいたいわけでは無いのだろう?

ならばお前の強みである友好関係を使って友達に相談してみてはどうだ?」

 

ティオナはリヴェリアの言葉を聞いて、確かに答えがほしいんじゃなくて相談に乗ってほしかった。

ティオナは頭の中で相談に乗ってくれそうで尚且つ一緒に理由を考えてくれそうな友達を探す。

 

そうして頭に浮かんだのはアミッドだった。

ティオナは3人にお礼を言って走ってその場を後にした。

 

 

 

「……リヴェリア?どういうことだい?」

 

「なに。昨日アイズとレフィーヤの相談に乗って疲れていたから他のやつに丸投げしただけだ。

私もユウ君の言葉を借りるなら聖人君子では無いのでな。面倒な事は面倒なんだよ。」

 

フィンはまさかロキファミリアのママと呼ばれるリヴェリアが面倒な事と言うとは思わず固まってしまう。

 

ロキは吹っ切れたなーとリヴェリアの肩をバンバン叩きながら大爆笑。

 

リヴェリアは何故かスッキリとした顔でにこやかに笑っていた。

 

 

 

 

そして冒頭に戻る。

 

アミッドはいきなり職場にやってきてひたすら愚痴を言い続けるティオナにも嫌な顔一つせずに対応する。

 

ディアンケヒトもその話を聞いていたが、ヘスティアファミリアならロキの言う意味も炎雷狼の言うこともよくわかると思い口を閉ざしてアミッドに休憩を与えた。

 

 

「そー言えばさ!アミッドはヘスティアファミリアと交流あるの??」

 

「ええ。ユウさんと少々交流させてもらってます。本当にあの方には何度も救って頂いていますよ。」

 

オラリオ最大の医療系ファミリアの団長が救われていると聞いて驚いてしまう。

ユウ・クラネルは怪我や病気すらも治してしまうのか!?と口を開けて固まっているティオナを見てクスリと笑いながら首を横に振る。

 

「ティオナさんが考えているようなことではありませんよ。ユウさんもポーションやエリクサーをウチで買ってくださいますし。

そうでは無く、あの方は人の心を救ってしまうんですよ。それも無意識のうちに…。」

 

まるで遠くを見るような目をしながらも口角が上がるアミッドの顔を見てティオナも考える。

 

ユウ・クラネルと出会って良くも悪くもロキファミリアのメンバーは変わった。

あくまでもティオナ目線からだが、ヘスティアファミリアに行ったことがあるメンバーはもちろんだ。

その他でもレベルの低い冒険者もユウがロキファミリアに来ればみんな声をかける。

 

ロキファミリアは大手中の大手だ。レベルの低い連中の中にはロキファミリアに所属できただけで満足してしまう人もいたし、他のファミリアの冒険者を馬鹿にするやつもいた。

だがユウと関わっていくとそんなやつもベートの鉄拳制裁を受けつつも鍛錬するようになり、レベルが上がった人までいた。

 

そのレベルが上がった冒険者の顔つきは全然違っていたのでティオナも良く覚えている。

 

あれがその人の心を救うって事なのかなぁ?と思ってしまう。

 

「ティオナさん。私もヘスティアファミリアには行ったことが無いのであまり分かりませんが…。

ティオナさんは何故連れて行ってもらえないかをティオナさんなりに考えた事を教えてもらえませんか?

 

ティオナさんはご友人です。私も及ばずながらも力になります。」

 

アミッドの心意気を感じティオナは頷いて話し始める。

 

「うーん。やっぱあたしが馬鹿だから何か言っちゃダメな事とか言っちゃいそうだからかな?

でもそれならユウ君と会う事も禁止される筈だし…。

ヘスティアファミリアにヴィーヴルのウィーネちゃんとか怪人のレヴィスって女が行ったりしてるのも知ってるし…。

 

うーん。やっぱわかんないなぁ……。」

 

 

静かにティオナの考えを聞いていたアミッドは何かを考えるようにゆっくりと口を開く。

 

「……これは私がユウさんとお話させてもらったイメージなので勘違いかもしれませんが…。

そもそもベートさんやレフィーヤさんは何故ヘスティアファミリアに行っているのでしょうか?

それにユウさんも今はホームにおられないのに。」

 

「え?そりゃあ鍛錬だよ!ベートは残ってるヘスティアファミリアのメンバーと鍛錬してるんだって!

レフィーヤは新しく入ったフィルヴィスちゃんと仲良しだし鍛錬してるんだってさ!」

 

「なるほど…。理由としては弱いかもしれませんが鍛錬の邪魔をしてほしくないから?とかでは無いですか?」

 

ティオナは渋い顔をしつつも反論する。

 

「でもあたしもレベル6だし相手には不足無いと思うんだけどなー。

それにベートとレフィーヤはそれが嫌って感じじゃなかったんだ。

レフィーヤが何もしてないから問題だって言ってたし…。」

 

アミッドはそっと自分はユウに今度遊びにおいで。飯を一緒に食べよう。来辛いならディアンケヒトも連れてきていいからと言われていることを内緒にしようと心に決めた。

 

だが今のティオナのレフィーヤに何もしていないから問題だと言う言い回しに引っかかる。

 

レフィーヤさんが何もしていないと断言する?そもそもヘスティアファミリアとはどんなファミリアだ?

ユウとの会話の中からヘスティアファミリアについて考え始める。

 

そしてティオナがダメと言われている理由に行き着く。だがこれはロキの言った通りに自分で気づかないとダメなことだと思う。

 

しかしティオナは感情を表に出すのが苦手な自分にとってもかけがえのない友達だ。

ならば少しだけでも背を押してあげようと心に決める。

 

 

「ティオナさん。私達ディアンケヒトファミリアとユウさんの会話を掻い摘んでお話しましょうか?

何かヒントになる事があるかもしれません。」

 

ティオナはうんうん!と満面の笑みでアミッドを見つめる。アミッドも少し笑顔になる。

 

「そう…ですね。では私とディアンケヒト様が救われた時の話をしましょうか。」

 

 

 

 

ーユウとの初会合ー

 

知らないヒューマンが我らの主神。ディアンケヒト様のお腹を摘んでムニムニしている場面を見てしまった。

ディアンケヒト様は当然怒り狂ってるかと思いきや、やめんか!!と言うだけで困った顔をしていた。

 

そのヒューマンはアミッドに気づくと笑顔で挨拶をしてくる。

 

「どもー!はじめまして!ヘスティアファミリアのレベル2のユウ・クラネルです。以後お見知り置きを。」

 

ディアンケヒトのお腹を離してアミッドに近づいて手を出してくる。アミッドも無表情で挨拶をして握手する。

 

「おお!アミッドか!助かったぞ。ユウは神だろうと何だろうと容赦が無いからのぉ。」

 

「てめっ!小太りジジイ!余計な事言うんじゃねーよ。それに小太りジジイもこれで痩せようかなーって思っただろ?

まぁ明日からって思って日々が過ぎていって永遠に変わらないのが神様なんだろうけどな。」

 

やかましいわっ!!と言いつつもずっと前からの友達の様にディアンケヒトは嬉しそうに笑い、ユウも何の悪意も下心も無く笑う。

 

そんな姿を見てアミッドはミアハファミリアとの競い合いをしていた頃の生き生きとしたディアンケヒトの様で驚いてしまう。

 

ディアンケヒトに呼ばれてアミッドはユウの出した紅茶とクッキーを食べる。

 

「ふーん。このアミッドさんが小太りジジイのファミリアの団長なんだ。

すげーよな。団長って責任感のあるポジションをこの小さな身体で支えれてんだもんな。

それに探索系と違って人の命を助けるファミリアの団長だもんなー。

さっき出会ったばっかだけど尊敬するわ。」

 

「ほう。ユウはその辺の冒険者と違ってダンジョンにも潜らないぬるま湯のファミリアとか言わんのだな。」

 

「はぁ!?それ言ってる冒険者頭おかしいんじゃねーの??え?何?そいつ本当に冒険者なの??」

 

アミッドはユウの素直に頭おかしいと言っている姿を見て少し驚いてしまう。

何故ならディアンケヒトが言っていた事は事実、多くの冒険者に言われていることだから。

ポーション類の金額もそこそこの値段に設定されているのも要因の一つだ。

 

「あ、あの…。ユウさんは何故そんな質問を?」

 

「ああ。いやアミッドさん。冒険者ってモンスター相手に自分の身体を張って金稼ぐわけじゃないですか?

そこには自分達がやるという誇りがあるわけですよ。

 

その誇りを保てるのは怪我をしても素晴らしい医療系ファミリアがあるって心の余裕があるからですよね?

 

でも医療系ファミリアは違う。心の余裕なんてない。だって失敗したらそれで終わりだから。

冒険者はモンスターから逃げても生き延びればいい。ならば医療系ファミリアは?

 

逃げることなんざできない。治す以外の道はない。そんなの冒険者より遥かに誇り、意地がないとできないでしょ。

 

比べることすら烏滸がましいレベルです。だからそれを言った冒険者は本当の意味で冒険者なのかと疑問に思いましてね。」

 

まさか、まさかこんな考えを持ってくれている冒険者がいるとは。

オラリオは探索系が主流であるのは間違いない。そして探索系ファミリアの冒険者は先程言ったような冒険者が多い。

それこそレベルが上になればなるほど医療系ファミリアの存在の大きさに気づいて懇意にしてくれるが。

だが天下のオラリオといえども半数以上がレベル2以下である。

やはりレベルが低いと稼ぎも悪い。そしてポーション類の金額も馬鹿にはならない。

そして探索系ファミリアのレベルの低い連中は医療系ファミリアを貶してしまう。

 

そんな悪循環が起こっているのはどうしようもない事実だった。だが目の前のレベル2になったばかりの冒険者は違う。

全てを見通すかのように己の意志、信念、誇りに従って認めるべきことは素直に認めれる人物だった。

 

「す、すごいんですね。ユウさんのような冒険者様は始めてです。私の励みになります。」

 

「そうじゃのぉ。ユウは心から言っておるからの。神である儂には嘘が何一つないことが分かるしの。

それにアミッドが最近冒険者に言われて悩んどったのは知っておる。

じゃが儂らは結局助けることしかできん。

今更探索系なんぞやっとれんしのぉ。」

 

「そう…ですね。正直何を信じていいのかわからなくなっていました。

助けられなければ文句を言われ、助けても文句を言われるので…。」

 

ユウはアミッドの言葉を聞いて自分の指針となる言葉をアミッドに伝える。

その言葉はアミッドの支えとなり、今のアミッドを形成する言葉ともなる。そして淡い恋心の芽生えの始まりでもあった。

 

 

 

 

 

 

 

ティオナはその話を聞いて眉を寄せて静かに考えに没頭していた。

ユウ君がすごい冒険者なのは良く分かる。実力うんぬんではなく人としての格が違う。

それは自他共に認めるお馬鹿のティオナでもそう思ってしまうほどだ。

 

アミッドの過去の話を聞いてティオナは何かに引っかかり、うんうんと悩みこんでしまう。

 

アミッドはそんなティオナを急かさず、黙って考えがまとまるまで待ち続ける。

 

 

どれほどの時が経ったのか分からないがティオナはハッとして立ち上がる。

 

 

「わかった……。アミッド!わかったよ!!

うん。これならベート達があたしを連れて行けないって言ってた意味がわかった!!

 

あたしには冒険者としての意志や誇りや信念が足りなかったんだ。ベートもレフィーヤもヘスティアファミリアに行ってるのは己の鍛錬もあるだろうけどさ。

ヘスティアファミリアのメンバーを見て、冒険者とはなんなのかを確認してたんだ…。

 

擬似戦争遊戯の時にヘスティアファミリアのメンバーと戦ったんだけどさ、レベル2主体のチームに負けたんだ。

 

あの子らの目はたしかに冒険者だった。あたしより遥かに冒険者だったんだ!!

 

くそー!!ベートのやつ!!今回はあたしが凄く間違えてたよ!!

 

一緒に行きたいなんて口が裂けても言っちゃダメだった!!何を甘えてるんだあたしは!!

 

アミッドありがとう!!アミッドに相談して良かった!あたしホームに戻ってロキ達に報告して鍛錬してくる!」

 

 

ティオナは喋るだけ喋ってダッシュで戻って行った。

そんなティオナを見てアミッドはクスリと笑ってしまう。あの元気で負けず嫌いな姿こそが大切な友人であるティオナ・ヒリュテだと言わんばかりに。

 

そのあとすぐにディアンケヒトが部屋に入ってくる。

 

「どうじゃ?騒がしい娘が帰っていったようじゃが。まぁあれだけ元気なら上手くいったということかの?」

 

コクリと頷き、先程までティオナと話をしていた内容と自分の気持ちをディアンケヒトに伝える。

 

「ふむ。アミッドの予想は正しいと思うぞ?儂もすぐにそう思ったしの。

じゃが初対面の儂の話はいらんじゃろ。やめてくれ。あれは本当に忘れたいんじゃ。

 

それよりアミッド……。お前は気持ちをユウには伝えんのか?儂の可愛い娘じゃし心配はしておるぞ?」

 

 

無表情から一転。顔を真っ赤にしてディアンケヒトを見て口を開く。

 

「ディ、ディアンケヒト様?な、何を?私はユウさんを尊敬しているだけですよ…?」

 

ディアンケヒトはため息を吐いて首を横に振りながら部屋を出て行く。

 

た、たしかにユウさんは素晴らしい人です。ですが私ではあの方の隣に立つことは出来ない。

いや、これは諦めですね。そんなことを許すユウさんではないでしょう。

ユウさんに見放されるのは一番嫌ですね…。す、少しだけ頑張ってみようかな?

ま、まずは帰ってきたらお食事に行ってみましょう。

 

感情を表に出すのが苦手なアミッドが唸りながら顔を真っ赤にしているのをドアの隙間から見たディアンケヒトは微笑みながら仕事場に戻って行く。

 

 

 

少し落ち着いたアミッドはカップに残っている紅茶を口に運ぶ。そして先程までの過去の話でティオナに言わなかった事を頭の中で思い出していく。

 

 

 

 

「何を信じていいのかわからない?俺が行動する時の指針としている言葉で良ければお教えしますよ?

アミッドさんはもっと讃えられるべき人ですからね。

いじくりまわしてるけど小太りジジイも。」

 

ディアンケヒトとアミッドは静かにユウを見る。

 

 

 

 

「自分自身を信じる。自分の魂、信念に絶対に恥をかかせない生き方をする。それが出来てこそ、ようやく人は人として成り立つ。」

 

 

 

 

 

 

 

アミッドはその言葉を思い出し、口にする。そしてクスリと笑って立ち上がる。

 

 

「さて、己の魂と信念に恥をかかせない為にも今日も皆様を治して行きますか。」

 

 

ディアンケヒトファミリア。アミッド・テアサナーレ。

 

今日も少女は淡い恋心を持ちながらオラリオの人々を救って行く。




うーん。
アミッドさんのキャラがわからんっ!!

会話文多くて申し訳ないです。全然思い浮かばなかった…

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