IS  復讐のデウス・マキナ   作:ぷらもん

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やっぱり馬鹿やってるほうが楽しいですね。


パーティーは騒ぐもの

さて、翌日の火曜日です。朝のSHRほど眠いものはありませんね。

 

「では、一年一組代表は織斑一夏君に決定です。一繋がりでいい感じですね!」

 

イェーイ! さすが山田先生! 眠気も吹き飛んだぜ! そこに痺れる! 憧れるぅ!!

 

「先生、質問です」

 

織斑一夏です。ちゃんと挙手してからの発言とは感心ですね。ちょうきょ…もとい教育の成果がでてきたのでしょうか。

 

「はい、織斑君」

 

「俺は昨日試合で二連敗をしたのですが、なぜクラス代表になっているんでしょうか?」

 

あぁ、それはね。

 

「それはわたくし達が辞退したからですわ!」

 

オルコットさんが立ち上がったーー!? あの人演説ぶるの好きだなー。

 

「試合は確かにあなたの負けですたが、それは考えてみれば当然のこと。わたくしはもちろん、あなたが真季奈さんに勝つのが無理なのは火を見るよりも明らかでしたわ!!」

 

あ、織斑一夏が落ち込んでいる。まぁ事実だし。

 

「それで、まぁ、わたくしも大人げなく怒ったことを反省しまして」

 

およ? この反応はもしや?

 

「わたくし達、”一夏さん”にクラス代表を譲ることにしましたの!」

 

「いや、だからなんで!?」

 

場が盛り上がってきましたね。ならば。

 

「説明しましょう!!」

 

わたし、参 上! まぁ席を立っただけですが。

 

「織斑一夏! あなたは弱い!」

 

「うっ!」

 

ビシィ! と効果音が出そうなくらい見事な指差しです。皆さん人に指さしちゃダメですよ? え? 織斑一夏は虫けらだからいいのです。ヒト科ではないので。

 

「ですので、実践で強くするのが手っ取り早いとわたし達は考え、織斑一夏をクラス代表にすることで成長してもらおうと思ったわけです」

 

「なるほど。で、本音は?」

 

「遊びがいのあるオモチャはイジリ倒したほうが楽しいですし」

 

「やっぱりかコノヤロウ!!」

 

「誘導尋問とは不覚! というか乙女にヤロウとはなんですかヤロウとは」

 

むぅ。昨日のネタばらしが終わってからというもの妙に打たれ強くなりやがりましたね織斑一夏。反抗的とは生意気な。

 

「は!? もしやコノヤロウとは『この犯ろう』という意味で、わたしを今晩襲って喰ってやるという意思表示なのですか!? こんな大勢の女子の目の前で!?」

 

「何言ってるのこの娘!??」

 

おやクラス全員がドン引きですね? でも甘い!

 

「とぼけても無駄です! 織斑一夏がわたしの体に欲情しやがったことは先週すでに確認済みです! 具体的には…」

 

「わー! わー! わー! すいません! 勘弁してください!!!」

 

「ふがっ!」

 

慌てて立ち上がりわたしの口を塞ぐ織斑一夏。 馬鹿め! お前はもう詰んでいる!

 

「一夏ぁああああ!! どういうことだぁああああああ!!!!!!」

 

「い、いいい一夏さん!? あなた真季奈さんに何を!?」

 

「この愚弟がぁあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

 

おぉ予想以上の鬼が二匹も釣れた。このスキにわたしは席にでも付いてじっくり観戦でもしましょう。

 

「ご、誤解だ! 誤解です! 誤解なんですよ本当に!」

 

「ご、五回もだとぉおおおお!!? そこになおれぇえええええええええええええええ!!!!」

 

「そのゴカイじゃねぇええええええええええええええええええええ!!!」

 

あっはっはっは。なにこれ酷い。もうこりゃ一限目の授業潰れたね。

 

お? なんか後ろの席から回ってきた。なになに? 『一夏君、クラス代表決定記念パーティー』? 放課後にするから集合? フットワーク軽いねぇこのクラス。でもそこがいい!

 

りょうーかい。じゃ、隣に回すねー。

 

さてさて放課後ですか。何か出し物考えとこー。

 

(ΦωΦ)フフフ… 

 

『ま、真季奈!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

という訳で放課後です。織斑一夏? 惜しい奴を亡くしたよホント。ひどい事件だったね。ぷぷっ!

 

まぁ、あの後の惨状はというと箒ちゃんにフルボッコにされた後に織斑先生に生徒指導室に強制連行されてたね。織斑一夏はなかなか強情だったらしく口を一切割らなかったようでとうとう教室には帰ってきませんでしたよ。盗聴器を仕掛けてて本当に良かったと思える一日でした。はい。

 

と言うわけでわたしは職員室にまで来ています。なぜって? 出所のお出迎えですよ(笑)

 

「おら、もう来るんじゃねぇぞ」

 

「……お世話になりました」

 

なにこれ笑う。職員室の入口が刑務所に見えます。心なしか粉雪飛び交う雪国の情景と鉄格子の門を幻視しましたよ。

 

「お務めご苦労様です。会いたかったわ! おとっつあん!!」

 

「やかましいわこの悪魔!!!!」

 

おやおや、反省の色がありませんね。それではクラス代表は務まりませんよ?

 

「うるせ!」

 

「はいはい。それじゃ食堂にでも行きましょうか。お腹すいたでしょ? それとももうカツ丼でも食べちゃいましたか?」

 

「う、いや確かに進められたけど食わなかったよ。……食ったらなんか心折れそうで」

 

「なんと可哀想に……」

 

「誰の所為でようかねぇ!!?」

 

はて誰でしょう?

 

「ほら、そんなこといいから早くいきましょう」

 

「え!? わっ、ちょっと待って!!」

 

焦れったいので織斑一夏の手を取って走ります。あ、もちろん競歩レベルの速度ですよ? 廊下は走ると怒られますので。

 

ん? なんか顔が赤いですよ? 風邪ですか織斑一夏?

 

 

 

 

ちょっと進んだところで食堂につきました。おー飾り付けが凄いし料理もいっぱいだ。これは企画した生徒と幹事には文化祭も仕切ってもらいましょう。

 

ほほう、織斑一夏もいつもと様子が違うことに驚いていますね。ならば見るがいいあの垂れ幕を!

 

「『織斑一夏クラス代表就任パーティー』?」

 

「とうとう文字の意味が理解できなくなりましたか。不憫な」

 

「わかっとるわ!」

 

なら結構。

 

「というわけでっ! 織斑君クラス代表決定おめでとう~~~!!!」

 

『おめでとう~~~~~!』

 

「あ、ありがとう」

 

む! 織斑一夏が女子に囲まれてニヤついている! なんかむかつく!!

 

「……変態」

 

「ひっ!?」

 

音も無く忍び寄り、影のように後ろを取る。なんて大げさなことは言いませんが似たようなことをして小声で囁きます。大勢の女子に紛れてわたしがどこにいるかわからないでしょう?

 

「人気者だな、一夏」

 

「ほ、本当にそう思うか!?」

 

「!? ふ、ふん」

 

箒ちゃんは皮肉を言ったつもりなんでしょうが織斑一夏は恐怖で返事が必死になっています。ははは怖かろう。箒ちゃんもびっくりです。

 

「はいは~い、新聞部で~す。話題の新入生、織斑一夏君に特別インタビューをしにきました~!」

 

オーと一同盛り上がります。ほほう、新聞部ですか。

 

「あ、私は二年の黛薫子。よろしくね。新聞部副部長やってまーす。これ名刺ね」

 

何故かわたしにもくれました。とりあえずわたしの名刺もお返しで渡しておきましょう。社会人になったら皆さんもやるんですよ?

 

「ではではずばり織斑君! クラス代表になった感想を、どうぞ!」

 

「いつか後ろから刺されるんじゃないかと心配です!!」

 

「おわ! どしたの!??」

 

即答した答えに黛さんびっくりです。クラスの女子達も苦笑いじゃないですか。わたしはメシウマテラワロスですが。

 

「え、えーもうちょっと面白いコメントちょうだいよ。そんな切実なのじゃなくて。もっとこう、俺に触るとヤケドするぜ! みたいな」

 

「ヤケドで済んだら良いほうなんですよ。ほんと……」

 

「うーん。面白い記事になりそうなネタの予感がするけど、つつくの怖いから聞かないでおくね。じゃ、まぁ適当に捏造しておくからいいとして」

 

いいのですかそれは。なんなら協力しますよ。織斑一夏の無様な記事ならば。

 

「あぁセシリアちゃんもコメント頂戴」

 

「わたくし、こういったコメントはあまり好きではありませんが仕方ないですわね」

 

「あ、じゃぁいいや。適当に捏造しておくから」

 

「ちょっと!?」

 

この新聞部すげー。記事の殆どが捏造じゃないですか。面白そうではありますがメディアとはなんだったのか心配になりますね。

 

「それよりも、ぜひとも真季奈さんに独占インタビューをお願いしたいところなんですが!」

 

「おや、わたしですか」

 

意外な矛先が。わたしなんてそんな目立ったところないですよ?

 

『それは絶対嘘だ!!!!!!』

 

おぉふ!? その場にいた全員がハモって否定してきやがりましたよ!? ひどいわー。

 

「と、言われたところで何を話せばよいか。そうだ、ちょっとあちらでじっくり話しましょうか」

 

「お、うれしいねぇ。じゃ、ちょっと悪いけどこの子借りてくねー」

 

わたしは黛先輩と少し離れた席へ移動します。ここならわたし達の会話は誰にも聞こえないでしょう。

 

「独占インタビューか。やっぱ凄いんだな志波さんは」

 

「当然ですわ。あの強さ! 聡明さ! まさに代表候補生の目指す最高の頂きですもの」

 

「まぁ、ガワだけ見れば、な」

 

「あぁ…うん。イメージって大事なんだな……」

 

「…黙ってれば愛らしい方なんですけどね」

 

 

 

 

「さて、黛先輩。こういうのに興味はありませんか?」

 

「こ、これは!? あなたこんなお宝どうやって!!?」

 

「それは企業秘密ということで。お望みならば顧客のニーズにもお答えできますよ?」

 

「具体的には?」

 

「写真は鑑賞用、保存用、実用に加え、ボイスもありますね。例えばこんな」

 

『ここにいたのか』『早く』『来いよ』

 

『俺が!』『お前』『を』『守る!!』

 

「ほー! ほー! ほー! いいねいいね! こりゃ文芸部とかマン研に高く売れそうだよ!」

 

「そんな売るだなんて……、好意の提供じゃぁないですか」

 

「ですなぁ。ちなみに実弾はやめといたほうがいい?」

 

「そうですね。どこで監視の目があるかわかりませんので。指定の口座にまとめて振込をもらったほうが…」

 

「……では」

 

「……そういうことで」

 

二人で熱い握手を交します。交渉は成立しました。いやー話せる先輩ですねぇ。

 

 

 

 

黛先輩と別れてパーティーに戻るとかなりの盛り上がりを見せていました。負けじとわたしも娯楽を提供しました。織斑一夏の『へのつっぱり』の瞬間を収めたビデオです。食堂に巨大なスクリーンとプロジェクターを設置して公開処刑にしてやりましたよ。あー何度見ても笑える。

 

さて宴もたけなわというところでそろそろお開き。パーティーの最後の出し物が近づいてきました。その名も、

 

『王、様! ゲーーーム!!!!』

 

 

イエーーーーーーイ!!!!

 

「ちょっと待ってくれ!」

 

む、なんですかノリの悪い。

 

「何か嫌な予感がする! すっごいやばい気がプンプンするんだけど!??」

 

何を言ってるのこのお馬鹿。それがこのゲームの醍醐味ではないのですか? わたしも初めてするのですけれど。…一度友達とやってみたかったんですよ。

 

『王様ダーーーーレだ!!?』

 

「私だーーーー!!!」

 

おや王様は同じクラスの相川さんですね。すでにいろんなクラスが混ざっているので誰が誰やら。クジの割り箸も本数がすごいことになってるし。

 

「えっとー、じゃぁ34番が22番とポッキーーーーゲーーーーム!!!」

 

『イェーーーーイ!!!』

 

おぉこれが伝説のポッキーゲーム。まさかこの目で見る日がこようとは。そういやわたしは何番なんでしょう?

 

22番。

 

「なん…だと…!?」

 

ジーザス! では相手はどなた?

 

「あの、俺34番なんだけど…」

 

ホワイ!?

 

『キャーーーーーーーーーーー!!!』

 

周りが狂喜乱舞です。大興奮です。

 

相手誰? あーんわたしじゃない! 神よ! なぜ私を33番に!!

 

あぁうん、言い出しづらい。殺気が飛んできそう。

 

でもわたしは逝く。そこが死地であろうとも!

 

わたしはポッキーの端っこを口にくわえて言いいます。

 

「わひゃしでふ」

 

『え………?』

 

あれ? 場の空気が凍りましたよ? なぜです?

 

「し、志波さん!? 本当に!? 冗談じゃなくて!!?」

 

「ししゅれいな。ほうひゃまのめいへいわれったいれしゅよ?」

 

「い、いやでも…」

 

なんなんですか失礼な。

 

「一夏」

 

箒ちゃんが織斑一夏の肩に手を置きます。

 

「一夏さん」

 

オルコットさんもです。

 

『逝ってこい(らっしゃい)』

 

「見捨てないで!?」

 

あーもう!

 

「はひゃくしなひゃい!!」

 

「は、はい!!」

 

恐る恐るといった感じで織斑一夏が近づいてきます。ゆっくりとポッキーの反対側を加えました。

 

おぉーー。

 

なんなんですかこの歓声は。そんな偉業ですかこれが?

 

「それじゃぁルール確認ね。お互いがポッキーの端から食べていって先に放した方の負け。なんならそのままキスしちゃってもイーヨ?」

 

イーヨ? とはなんですかイーヨとは! わたしのファーストキスをなんだと思っているんです!

 

「じゃ、よーい始め!」

 

とりあえず食べますか。

 

サク、サク、にしてもなんですか織斑一夏のこの顔は。サク、まるで怯えているじゃないですか。サク、ポッキーゲームとは愉快なものと聞いていたのにガッカリですよ。

 

サク、しかも歩みも非っっ常~に遅いですし。そんなにわたしとキスしたくないんすか!!

 

サ、ク、あーーーーーーもうっじれったい!!!

 

サクサクサクサクサクサク!! 

 

「おーーーーー!? 真季奈ちゃん怒涛のペースアップ!! 一気に織斑君の目の前だぁ!!!!」

 

ふん!

 

「い、一センチ手前ぐらいで止まったーーーーー!!!」

 

「………………………………………………………………………………」

 

「!!???」

 

「う、動かないな?」

 

「おリむーも完全に混乱してるよー?」

 

「普通はドキドキするところなのに、逆にハラハラしますわ……」

 

「き、緊張するよー」

 

(まるで蛇に睨まれた蛙のようだ!!!!!)

 

わたしの鼻先のすぐ近くに織斑一夏の顔があります。なんという間抜け面。それがいつも以上に情けなくなっております。

 

 

なんでしょう。すごくイライラします!!

 

 

「ふん!!!!!」

 

「グハァ!!」

 

(頭突き入りましたぁああああああああああああ!!!!)

 

 

予想もしていなかった衝撃に織斑一夏が吹き飛びます。上半身を捻った一撃です。さぞ痛かろう。

 

「私の勝ちですね?」

 

「え?」

 

「勝 ち で す ね!」

 

「は、はいそのとおりです!! 勝者、真季奈ちゃん!!!」

 

ふんだ!

 

「織斑一夏! クラス対抗戦でもそんな情けない顔してたら折檻ですからね!」

 

「は、はい!! 精一杯善処させていただきます!!!」

 

それでいいのです!

 

「はは、何かすごいねー。じゃぁもうそろそろお開きだし、最後に写真でもとろっか?」

 

お、いいですねー。

 

「じゃぁまずは専用機持ちだけで撮らせてねー。じゃぁ31×51÷24は~?」

 

「74.375」

 

「真季奈ちゃん正解!」

 

パシャ!!

 

「あ、あなたたち!!!」

 

シャッターが押された瞬間その場にいた全員がカメラの枠内に飛び込んできてました。いいじゃないですかセシリア、このほうが記念になりますよ?

 

にしても。

 

セシリア・オルコット。織斑一夏に惚れましたね?

 

この女たらしが!!

 

 

復讐⑦ : 恥辱のヘッドバット

 

結果  : 痛かったけどすっとした!

 

備考  : 恥辱?

 

 

 

『…………………真季奈』

 




おや? 真季奈の様子が?
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